iot (internet of things)...このiotとは、internet of things(モノのインタ...

Post on 22-May-2020

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Vol.63 No.2 工場管理54

1.IoTとは何か 近年産業界では「第4次産業革命」「インダストリー4.0」という概念が掲げられ、「スマート工場」ともいわれる製造業のデジタル化が進められている。そのような動きの中で、IoTは情報の入出力に関する重要な存在として位置づけられている。このIoTとは、Internet of Things(モノのインターネット化)の略称である。製品や生産ライン上の製造機械など、工場の中のあらゆる「モノ」にセンサや無線機器を装着し、そこからインターネットを介したネットワークに接続することを意味する。それにより、「モノ」の加工状況・現在の状態や生産環境など、工場内・工程内のさまざまな情報が入手可能となる。 入手した情報は蓄積・分析し、生産指示や各種機器の制御命令として再びIoT機器を通じて製造装置にフィードバックすることとなる。現在の製造現場では、需要状況により少量・変量生産をフレキシブルに切り替えることが求められている。IoT化を図ることでそうした要求に迅速に応え、生産ラインを柔軟にコントロールできるのである。 また、蓄積されたデータを解析することにより、生産ラインに潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を可視化することもできる。このようにIoTは、製造現場の改善や製品品質の向上にも役立つのである。 これまで工場のIT化は、必要と考えられる一部の領域でばらばらに進められる傾向があった。それに対しIoT化は、工場あるいは企業全体を情報の面で一体化するだけでなく、企業間にまたがるサプライチェーン全体も統合するものとなる。IoTは、従来の産業構造のあり方を変革する可能性を秘めた存在であるといえる。

2.IoTの種類と問題点 IoTで使われる「モノ」という言葉には明確な定義はなく、「モノ」の観点から強いて分類すれば、次のような種類に分けられる。

①「モノ」と「モノ」をつなぐ(MtoM)②「モノ」と「ヒト」をつなぐ(MtoP)③「ヒト」と「ヒト」をつなぐ(PtoP)

*M:Machine(機械・モノ) P:Person(ヒト)

 たとえば、ダストボックスがゴミの投入量をセンサで検知して、いっぱいになると自動的に圧縮機を作動させたり(MtoM)、それでも規定量に達すると担当者へゴミの回収を促したり(MtoP)することが考えられる。また、寝たきりの患者の状況をセンサで感知し、遠隔にいる医師にリアルタイムで情報を提供することもあり得る(PtoP)。このように、IoTを介してあらゆるモノがつながったネットワークは近い将来、工場の中のみならず日常生活にまで影響を及ぼすと思われる。 一方、問題点としては、次のような点がある。① IoTによりどんな情報を収集し、どのように活用するか決めておくことが必要である

②数多くのIoT機器を制御するため、情報システム的基盤を強化する必要がある

③ネットワークの構成要素が増えるため、機器間通信での情報漏えいや悪意ある攻撃への対応が困難であるなど情報セキュリティ上のリスクが高まる。特に医療系(深刻度大)や社会インフラ系(影響度大)ではさらにリスクは高い

3.IoTの活用事例 IoTはすでにさまざまな分野で活用されているが、代表的な例を紹介する(図1)。

(小西 英一)

図1 柔軟な生産体制(ものづくり白書2015年)

スーパーマーケットなどに設置される飲料水自動販売機・浄活水器の製造・販売・保守を行う㈱オー・ド・ヴィは、自動販売機にFOMAモジュールを導入し、稼働状況を自動的に収集する仕組みを構築。週に1回、水の販売量や濾過状態などの機器状況を自動販売機が自動的にメールで送信し、サービスの品質の維持・向上させている

総合繊維業のセーレン㈱は、パソコンでつくったデザインデータを「CAD」に取り込み、タイムラグなしに「CAM」と連携して布地を染めて最終製品にするという、企画・製造・販売まで一貫した独自の変種変量生産システムを構築している。IoTを活用した柔軟な生産システムにより、世界に1着だけのパーソナルオーダーを提供している

飲料水自動販売機

受注生産

個別に製造 製造者 個別にオーダー 消費者

組み込まれた通信機器

9.情報管理①

IoTで経営革新

IoT (Internet of Things)

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