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Page 1: vol27 1 001jp - NTTドコモ...SIGTRAN(SIGnaling TRANsport)という形でIPネッ トワーク上でも利用可能となっています.これにより,音声やデータおよび通信を制御する信号をコアネット

NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 27 No. 1(Apr. 2019) ― 1 ―

ネットワーク開発部 部長

音おと 洋行

ひろゆき

5G時代のコアネットワークに向けて コアネットワークは,スマートフォンや基地局のアンテナのような普段皆様の目に触れるものではありませんが,携帯電話を利用されるお客様の通信を確実に繋げ,音声通信やデータ通信に付加価値を提供するという非常に重要な役割を担っています.私は入社以来コアネットワークの開発に関わってきましたが,使用する通信プロトコルや装置のアーキテクチャは世代ごとに変化してきました.特にIP化および仮想化が大きな転機となっていると考えています. まず,通信プロトコルのIP化に関してですが,以前はコアネットワーク装置間の通信プロトコルであるNo.7共通線信号方式を中継するためには,専用の装置が必要となっていました.一方,現在のLTEで使用されているGTP(GPRS Tunneling Protocol)やDiameterといったコアネットワーク装置間の通信プロトコルはIPベースとなっており,音声通信もSIP(Session Initiation Proto-col)を用いたVoLTE(Voice over LTE)という方式でIP化されています.また,No.7共通線信号についてもSIGTRAN(SIGnaling TRANsport)という形でIPネットワーク上でも利用可能となっています.これにより,音声やデータおよび通信を制御する信号をコアネットワーク装置間でやり取りするネットワークを,ルータやスイッチといったITの世界で広く使われている汎用の装置で構成することが可能となりました.さらにIP技術を活用することにより柔軟で信頼性の高いネットワークを構築可能となっています. 次に仮想化についてですが,以前はコアネットワークを構成する装置は,高性能で信頼性の高い専用のハードウェア上で専用のソフトウェアが動作する構成であり,ハードウェアを自由に選択することが困難でした.一方ITの世界ではクラウド上でアプリケーションを動作させることが当り前となり,ハードウェアを意識しない形で迅速かつ効率の良いサービス提供をすることが可能となってきました.そこで,通信システムとしてもIT技術のメリットを享受するために,ETSI ISG NFV(European Telecommunications Standards Institute Industry Speci-fication Group Network Functions Virtualisation)を中心に国際的に議論がなされ,ドコモはETSI ISG NFVのアーキテクチャに準拠する形で2016年3月にネットワーク仮想化基盤の運用を開始しています.これにより低コストな汎用ハードウェアを利用可能とするとともに,迅速なサービス提供や災害・障害発生時の信頼性向上が図られています.現在も既存の専用ハードウェアであっ

た各種通信装置の仮想化を推進しています. 最後に今後の方向性について触れたいと思います.ドコモは2019年9月に5Gのプレサービスを,2020年春に5Gの商用サービスを開始予定です.当初の構成としては既存のLTE用交換機であるEPC(Evolved Packet Core)を拡張する形態となりますが,5Gの重要な目的である新ビジネス創造を促進するため,コアネットワークにおいても新たな技術の研究開発に取り組んでいます.1つはスライシングという技術です.これは,ネットワークを仮想的に分割することで多様化する産業のニーズに合わせた最適な通信を提供する技術です.もう1つはMEC(Multi-access Edge Computing)という技術です.これは5Gの無線区間の低遅延性を活かすために有線区間の遅延も短くしてしまおうというものです.簡単に言うと処理を行うサーバや交換機をお客様が使用されている位置の近くに持っていくという考えです.これらの技術をより高度に活用するためには,コアネットワークは仮想化された柔軟なものである必要があるため,5Gの国際標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)の中では次世代のパケット交換機である5GC(5G Core)の議論が,当初からクラウドネイティブという考えを基になされております.ドコモはITを通信の世界に適用する際の課題を,国際的な連携により先導して解決することで,5G時代のコアネットワークの発展に関し継続して世界をリードしていきたいと考えております.

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