ナチュラルキラーt (natural killer t: nkt) 細胞の分...

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99 北里医学 2011; 41: 99-109 Received 12 December 2011, accepted 10 January 2012 連絡先: 岩渕和也 (北里大学医学部免疫学) 252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1 E-mail: [email protected] ナチュラルキラーT (natural killer T: NKT) 細胞の分化と機能 ─前編─ 岩渕 和也 北里大学医学部免疫学 NKT細胞は,主にCD1d拘束性に脂質抗原を認識するT細胞亜群であり,NKマーカーをも発現す るために,呼称にNKが入る。通常のT細胞が,胸腺皮質上皮細胞に発現する主要組織適合抗原 (MHC) + ペプチド抗原による正の選択を経て生成するのに対し,NKT細胞は胸腺細胞上のCD1d + 脂質抗原による正の選択により生成する。骨髄由来細胞による選択の結果,NKT細胞は自然免疫系 エフェクター様の迅速な機能発現を呈し,自然−獲得免疫間のギャップを橋渡しする。迅速・大 量・多彩な液性因子産生で,炎症・免疫応答を調節し,関連疾患の進展や転帰にさまざまな影響を 与え得る。本総説では,NKT細胞のユニークな特性と疾患制御の標的となる可能性について紹介し たい。 Key words: 自然リンパ球,NKT細胞,CD1,胸腺内分化,脂質リガンド はじめに ナチュラルキラーT (NKT) 細胞は,ナチュラルキ ラー (NK) 細胞のマーカーを発現してはいるが,遺伝 子再構成で生じたT 細胞抗原受容体 (T-cell antigen receptor: TCR) を有するT細胞の一亜群である 1 。狭義に は,CD1d拘束性に非ペプチド性 (多くはスフィンゴ/ グリセロ糖脂質やリン脂質) 抗原を認識し,応答するT 細胞である。主要組織適合抗原複合体 (major histocompatibility complex: MHC) 拘束性にペプチド抗 (すなわちタンパク質) を認識するメインストリーム T細胞 (以下,T細胞) とは認識抗原レパートリーに明確 な差異があり,代替不可能である。「狭義には」と断っ たのは,CD1dと同様MHC class I 様分子であるMR1 (MHC-related protein 1) 拘束性の粘膜関連インバリアン T細胞 (mucosa-associated invariant T cell: MAIT) 2 NK マーカーを発現する自然リンパ球であり,NKT細胞亜 群として統合的に分類可能であるためである (Figure 1)。ただし,依然としてMAITとして独立のカテゴリー の細胞群として捉える場合も少なくないため,本稿で は主にCD1d拘束性のNKT細胞のみを扱い,以下,単に NKT細胞と記す。 NKT 細胞は,V β鎖としてV β 8 を偏用するCD4 - 8 - (double negative: DN) 細胞 3 あるいは,CD4 + 亜群 4 で,IL- 4高産生性 5-7 ,肝 8 など組織特異的に分布することが, マウスを用いた初期の研究で見出された。その後, Figure 1. Two major subsets of T-lineage cells T cells are basically classified as mainstream T cells and innate T cells. Mainstream T cells contain class I-restricted CD8 + T cells and class II-restricted CD4 + T cells. Innate T cells that are class Ib-restricted contain γδ- type T cells, H2-M3-restricted CD8 + T cells, and NKT cells. NKTcells (mostly αβtype) contain CD1d- restricted type I (iNKT) and type II NKT cells, and MR1-restricted NKT cells as known as mucosa-associated invariant T (MAIT) cells.

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 総  説 北里医学 2011; 41: 99-109 

Received 12 December 2011, accepted 10 January 2012連絡先: 岩渕和也 (北里大学医学部免疫学)〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1E-mail: [email protected]

ナチュラルキラーT (natural killer T: NKT) 細胞の分化と機能

─前編─

岩渕 和也

北里大学医学部免疫学

 NKT細胞は,主にCD1d拘束性に脂質抗原を認識するT細胞亜群であり,NKマーカーをも発現するために,呼称にNKが入る。通常のT細胞が,胸腺皮質上皮細胞に発現する主要組織適合抗原

(MHC) + ペプチド抗原による正の選択を経て生成するのに対し,NKT細胞は胸腺細胞上のCD1d +脂質抗原による正の選択により生成する。骨髄由来細胞による選択の結果,NKT細胞は自然免疫系エフェクター様の迅速な機能発現を呈し,自然−獲得免疫間のギャップを橋渡しする。迅速・大

量・多彩な液性因子産生で,炎症・免疫応答を調節し,関連疾患の進展や転帰にさまざまな影響を

与え得る。本総説では,NKT細胞のユニークな特性と疾患制御の標的となる可能性について紹介したい。

Key words: 自然リンパ球,NKT細胞,CD1,胸腺内分化,脂質リガンド

はじめに

 ナチュラルキラーT (NKT) 細胞は,ナチュラルキ

ラー (NK) 細胞のマーカーを発現してはいるが,遺伝

子再構成で生じたT細胞抗原受容体 (T-cell antigen

receptor: TCR) を有するT細胞の一亜群である1。狭義に

は,CD1d拘束性に非ペプチド性 (多くはスフィンゴ/

グリセロ糖脂質やリン脂質) 抗原を認識し,応答するT

細胞である。主要組織適合抗原複合体 ( m a j o r

histocompatibility complex: MHC) 拘束性にペプチド抗

原 (すなわちタンパク質) を認識するメインストリーム

T細胞 (以下,T細胞) とは認識抗原レパートリーに明確

な差異があり,代替不可能である。「狭義には」と断っ

たのは,CD1dと同様MHC class I様分子であるMR1

(MHC-related protein 1) 拘束性の粘膜関連インバリアン

トT細胞 (mucosa-associated invariant T cell: MAIT)2もNK

マーカーを発現する自然リンパ球であり,NKT細胞亜

群として統合的に分類可能であるためである (Figure

1)。ただし,依然としてMAITとして独立のカテゴリー

の細胞群として捉える場合も少なくないため,本稿で

は主にCD1d拘束性のNKT細胞のみを扱い,以下,単に

NKT細胞と記す。

 NKT細胞は,Vβ鎖としてVβ8を偏用するCD4-8-

(double negative: DN) 細胞3あるいは,CD4+亜群4で,IL-

4高産生性5-7,肝8など組織特異的に分布することが,

マウスを用いた初期の研究で見出された。その後,

Figure 1. Two major subsets of T-lineage cells

T cells are basically classified as mainstream T cells and innate Tcells. Mainstream T cells contain class I-restricted CD8+ T cellsand class II-restricted CD4+ T cells. Innate T cells that are classIb-restricted contain γδ- type T cells, H2-M3-restricted CD8+ Tcells, and NKT cells. NKTcells (mostly αβ type) contain CD1d-restricted type I (iNKT) and type II NKT cells, and MR1-restrictedNKT cells as known as mucosa-associated invariant T (MAIT)cells.

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岩渕 和也

NKT細胞の代表的なVα鎖としてVα14Jα281 (現在では

Vα14 Jα18と呼ばれる) が明らかにされた9-11。すなわ

ち,Vαが同一 (不変 = インバリアント) であり,Vβ鎖

もVβ8 (あるいは7,2) に偏って使用されているので,

大多数のNKT細胞は (セミ) インバリアントTCR (iTCR

= Vα14Jα18/Vβ8,7,2) を発現するT細胞 (αβ型) 亜

群と考えてよい。このタイプのNKT (iNKT) 細胞は特

にその後,後述する拘束分子,プロトタイプリガン

ド,検出・同定用の試薬としてマルチマーや単クロー

ン抗体などが発見・開発された。これらを使用するこ

とで,そのユニークな特性や疾患との関連が次々と明

らかにされ,現在では腫瘍・感染症・自己免疫疾患の

治療への応用が期待されるに至っている12。

 ただ,NKT細胞を扱う研究者以外には,未だ単に希

少な細胞亜群に過ぎない。本稿ではNKT細胞の胸腺内

選択や抗原認識,多彩な機能,各種疾患の発症や進展

に対する役割,NKT細胞の特性を利用した細胞治療の

可能性について前・後編に分けて述べ,認知度向上を

図りたい。

1. NKT細胞の胸腺内分化と成熟(1) 前駆細胞

 T細胞亜群であるがユニークな特質を有するNKT細

胞は,どのような分化経路を辿るのであろうか。現在

大まかに2つの考え方がある。すなわち,T細胞と同じ

過程を進み,ランダムな遺伝子再構成でiTCRを発現

し,対応リガンドで選択されたものがNKT細胞になる

という考え方 (セレクションモデル) と,特別な前駆細

胞がT細胞分化の途中から分岐する別経路を通るとす

る考え方 (プレコミットメントモデル) である。NKT細

胞分化に必須の遺伝子 (Runx1,RORγt) をCD4+8+

(double positive: DP) 特異的にノックアウト (KO) する

と,NKT細胞が分化出来ないことは,ランダムに生じ

たDPプールから選択されてNKT細胞は生じることを示

しており,セレクションモデルを支持している13。一方,

DPよりさらに未熟な分画であるDN (CD4-8-/CD44-25-,

lineage markers (Lin)-分画であるDN414や,さらに表現

型としてはDN1様に見えるCD4-8-/CD44+25-/Lin-亜分画)

の中にNKT細胞を生ずる前駆細胞が検出出来るのは,

プレコミットメントモデルを支持する結果である。両

モデルが相互排除的であるのか,NKT細胞がいずれの

経路からも生成し得るのか,興味が持たれている。

(2) 胸腺内分化と正の選択に関わる抗原

 NKT細胞も,メインストリームT細胞と同様その生

成に胸腺が必要である15。NKT細胞は通常CD4+8- (およ

びCD4-8-) フェノタイプを有する細胞であるが,胸腺内

選択は主にclass II MHC分子ではなく16,逆にclass I

MHCの発現障害を来すβ2-ミクログロブリン (β2m) KO

マウスで分化出来なくなることから17,セレクター (正

の選択に関る抗原/抗原提示分子複合体−ポジティブセ

レクターを単にセレクターとした) はβ2m会合性分子−

すなわちclass I MHCあるいはclass Ib分子−であること

がまず判明した。さらに,放射線骨髄キメラマウスの

実験からβ2m会合分子が,宿主側胸腺の放射線抵抗性

Figure 2. Intrathymic T cell selection

T cell precursors interact either with cortical thymic epithelial cells (cTEC) or bone marrow-derived cells, such as CD4+8+ (double positive; DP) thymocytes or dendritic cells in thethymus to be positively or negatively selected. Mainstream T cells are positively selected withcTEC and NKT cells are positively selected with DP thymocytes. Negative selection couldbasically be conveyed by any type of cells but efficiently be executed by dendritic cells.

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ナチュラルキラーT細胞の分化と機能─前編─

細胞にではなく,ドナー側にある時に正の選択を受け

ることが分かった (Figure 2)18。これはT細胞が,胸腺

皮質上皮細胞上のclass I (CD8+) あるいはclass II (CD4+)

MHC抗原により,正の選択を受け生成するという分化

様式とは正反対で,特筆すべきことである。

 その後,この骨髄由来細胞上に提示されるβ2m会合

分子はCD1dであり19,NKT細胞はCD1d拘束性に抗原を

認識するT細胞であることが判明した。CD1dはCD1

ファミリーに属する非古典的CD1分子である (Figure

3A)20。より正確を期するならば,DP胸腺細胞上の

CD1d分子により選択される21。生成したNK1.1+胸腺細

胞もDPまで分化が進行する遺伝子改変マウス (TCRα

KO) 胸腺細胞で刺激した場合はIL-2を産生するが,DP

以前までしか分化が進行しないマウス胸腺細胞 (lck

KO,TCRβ KO) との培養ではIL-2を産生しない。な

お,CD1ファミリーの古典的CD1 (CD1a〜c) は,ヒト

には存在するが,マウスでは欠損している。古典的

CD1についても,各CD1拘束性T細胞が存在し,αβ

型,γδ型の両T細胞を含むが,これらはNKT細胞と呼

ばれない。

(3) セレクターリガンドとNKT細胞リガンド

 NKT (前駆) 細胞は,CD1dにより正の選択を受け分

化する際,セレクターであるCD1d上に提示されている

何らかのリガンド (セレクターリガンドと記す) を同時

に認識していることになる。このことは,CD1d上に脂

質抗原を提示するための分子−microsomal triglyceride

transfer protein (MTP)22,saposinをプロセッシングする

cathepsin L23のKOでは,胸腺におけるNKT細胞分化が

障害されることからもその存在が支持される。セレク

ターリガンドは未だ不明であるが,まず先に同定され

た成熟NKT細胞の活性化リガンド (以下単にリガンド

とも) について簡単に述べる。セレクターリガンドとリ

ガンドは必ずしも同一である必要はなく,T細胞では

異なる (ペプチド) と考えられているが,NKT細胞でど

のような関係にあるかは解明されていない。

 成熟NKT細胞のリガンドは,抗腫瘍効果を指標に

海洋天然物から探索されたKRN7000 (agelasphin:

(2S , 3S , 4R)-1-O-(α-D-galactopyranosyl)-2-(N-

hexacosanoylamino)-1, 3, 4- octadecanetriol = α-GalCer)

がCD1dに結合し,NKT細胞を活性化出来る化合物とし

て発見された24 (Figure 4)。α-GalCerはそれ自体すぐれ

たリガンドであるが,リード化合物として,OCH (Th2

型偏倚リガンド)25,α-C-GalCer (C-glycoside: マウスで

はTh1型偏倚リガンド)26,α-carba-GalCer (RCAI-56: Th1

Figure 3. CD1 gene loci in human and mouse and the ligands for CD1 molecules

A. Gene loci of human and mouse CD1. Human CD1 loci contain three sets of classical CD1molecules, CD1a, CD1b, and CD1c, and two sets of non-classical CD1 molecules, CD1d andCD1e.20 Mouse possesses only CD1d molecules, CD1d1 and CD1d2. In B6 background,CD1d2 contains premature stop codon and is not expressed. In other strains, such as BALB/c,AKR, NOD, and 129, CD1d2 has (C→W) mutation in α2 domain that affects surface expression,suggesting that the function could be limited.B. Ligands/function for CDI molecules.

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型偏倚リガンド)27など様々な生物活性を有するものが

合成されており,現在でも新たなリガンド (例えば,ヒ

トのTh1型偏倚リガンドとして,NU-α-GalCer28) の合

成と探索は続いている。ちなみに前述のCD1ファミ

リーの各分子のリガンドについても明らかになってい

る (Figure 3B)。CD1aには,dideoxymycobactin

(DDM)29,CD1bにはglucose monomycolate (GMM)30,

CD1cにはmannosylphosphomycoketide31など,いずれも

結核菌由来の非リボソーム性リポペプチドや複合脂質

が結合するのが特徴で,CD1は,結核菌に対する生体

防御を担うために存在する分子と推定される。

 NKT細胞のセレクターリガンド探索の話題に戻る。

リガンドとして初めてスフィンゴ糖脂質が明らかにさ

れたこともあり,関連代謝経路の変異マウスや新たに

作製したノックアウトマウスで,NKT細胞分化に障害

が生じるか否かを評価し,リガンド候補の探索が行わ

れている。その結果,NKT細胞のはっきりした分化障

害を示すものはβ-glucosylceramide (β-GlcCer) 合成酵

素32のみで,sulfatideやganglioside方面にはないことが

推測された。別のアプローチとして,NKT細胞ハイブ

リドーマに様々な脂質リガンドを共培養し,IL-2産生

でスクリーニングすると,スフィンゴ脂質やリン脂質

など生体に通常存在する脂質の多くがリガンドになり

得ることが判明した33。リガンドの遍在により,NKT

細胞はベースラインとして前活性化段階にあると考え

ることも可能である。2004年には,Sandhoff病のモデ

ルとして作製されていたβ-hexosaminidase (Hexb) KOマ

ウス34で,NKT細胞の分化障害があることが見出され

た。そこで,isoglobotriaosylceramide (iGb3) がNKT細胞

リガンドとしても機能することから,iGb3が胸腺内セ

レクター・内因性リガンドの最有力候補となった (確か

にβ-GlcCerの先の産物)35。iGb3はiGb4からHexbにより

水解して生成すると予測され,Hexbの欠損で減少する

とされた (Figure 5)。しかし,iGb3は胸腺には存在しな

いという生化学的事実のもと (マウスでは脊髄後根神経

節にのみ存在)36,ドイツのグループによりiGb3合成酵

素のKOマウスが作製され,同マウスではNKT細胞生

成に障害が認められないことからiGb3セレクター説は

Figure 4. iNKT cell ligands

Representative ligands for iNKT cells presented by CD1d molecules are shown. A prototype ligand,α-galactosylceramide (α-GalCer): (2S, 3S, 4R)-1-O-(α-D-galactopyrano- syl)-2-(N-hexacosanoylamino)-1,3, 4-octadecanetriol. Sugar moiety, acyl chain and sphingosine parts are marked as ellipsoids, and theceramide part as square. Th2-biased ligand, OCH: (2S, 3S, 4R)-1-O-(α-D-galactopyranosyl)-2-(N-tetracosanoylamino)-1, 3, 4-nonanetriol. Th1-biased ligand in mice, α-C-GalCer (C-glycoside) does not haveoxygen between the sugar ring and ceramide, thus being resistant to hydrolytic cleavage. α-carba-GalCer,known as RCAI-56, is Th1-biased ligand and has a cyclohexane ring instead of a pyran ring. NU (naphthylurea)-α-GalCer is a Th1-inducing analogue for human iNKT cells for C-glycoside in mice. The naphthol-ring issupposed to stick into human CD1d groove to stabilize binding.

岩渕 和也

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覆された37。Hexb KOでNKT細胞の減少が認められたの

は,酵素欠損によりCD1dをnon-selectorが占拠すること

で分化が妨害されたためであると考えられる。ただ

し,リガンドとしてのiGb3は不動である。また,後述

するが,感染をモニターすることでiGb3の量を増加さ

せて,NKT細胞を活性化し,感染に対抗するメカニズ

ムがあることが報告され38,内因性リガンドとしての

iGb3の意義も再発見されている。同じく,感染により

toll-like receptor (TLR) の下流でlactosylceramide (LacCer)

合成酵素の阻害が起きるために,LacCerの前段階にあ

るβ-GlcCerの濃度上昇によってNKT細胞が活性化す

るというメカニズムも提唱されている39。前述した,

β-GlcCer合成酵素の遺伝子破壊でNKT細胞の分化障害

が認められるということ3 2と併せて考えると,β-

GlcCer自体がセレクターリガンドである可能性もあ

り,今後の検証が必要である。

(4) 正の選択の第2シグナル

 iTCRが [CD1d + x] と結合し,入力される第1シグナ

ル (TCRシグナル) の他にNKT細胞の分化には,もう一

つのシグナルがさらに必須である。T細胞では目立っ

た異常が認められないFyn KOでNKT細胞分化が大きく

障害されることが知られていたが40,Fynにより伝達さ

れるシグナルが実はこの第2のシグナルで,それは

signaling lymphocytic activation molecules (SLAM) から

入力されるものである41。SLAMは,immunoglobulin

superfamily (IgSF) に属し,自身もSlamファミリーを形

成する。Slamファミリーは染色体 (ヒト・マウスとも

第1染色体) 上に近接して存在し,それらはSLAM

(CD150: Slamf1) の他,CD48 (f2) Ly9 (f3) 2B4 (f4) CD84

(f5) Ly-108 (natural killer, T and B cell antigen: NTB-A)

(f6) CD2-like receptor activating cytotoxic cells (CRACC:

f7) が,クラスターを形成している42。これらは,NK細

胞やT細胞機能などに関与する分子であり,免疫機能

に重要な役割を果たしている。セレクターとしてのDP

胸腺細胞上にはCD1dの他にSlamf1が発現し,一方の

NKT前駆細胞上のSlamf6と相互作用する。Slamf6が

SLAM-associated protein (SAP) を介して,Fynと会合

し,おそらく第1シグナルと同時か,余り時を措かずに

Fynの活性化を生じ,様々な下流分子がチロシンリン

酸化されて行くことが予想されている (Figure 6)43。こ

れらのうち,protein kinase C theta (PKCθ) を介しBcl10-

CARMA1-MALT1 (BCM) 複合体からNF-κB系へ連繋す

る一方,他方はSlamf6自身やSH2-containing inositol

phosphatase (SHIP) やDok docking protein (Dok) 1/Dok2/

Ras GTPase-activating protein (RasGAP) などのリン酸化

によりTCRシグナルの減殺の方向に働くと推定され

る。骨髄由来細胞によるアゴニストセレクションを経

て生存する為には,シグナルを若干減弱することが必

要なのかもしれない。

 CD4+ T細胞を,class II MHCが皮質胸腺上皮細胞で

はなく,CD4+胸腺細胞にしか発現されない人工的な条

件下で分化させると,生成したCD4+ T細胞 (T-CD4 T)

Figure 5. Biosynthetic pathway of glycosphingolipids in mammals

Endogenous ligand iGb3 is synthesized from lactosylceramide by transferring galactose withα1, 3-galactosyltransferase (α1, 3-GalT) and then N-acetylgalactosamine with β1, 3N-acetylgalactosaminyltransferase to give rise iGb4. iGb4 had been regarded as an importantsource of iGb3 but currently is not.

ナチュラルキラーT細胞の分化と機能─前編─

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Figure 7. Intrathymic development and maturation of NKT cells in mice

NKT cells that receive the positive-selecting signals and SLAM signal (and the 3rd signal from mTEC) must followmaturation step from stage 0 (CD24+CD44loNK1.1-)→stage 1 (CD24-CD44loNK1.1-)→ stage 2 (CD24-CD44hiNK1.1-)→stage 3 (CD24-CD44hiNK1.1+) before emigration from thymus. Some NKT cells (NKT17) may exit from stage 2,which may imply that heterogenous subsets are included on this maturation cascade and that not all cells follow 0→3 stages. Various gene products are listed that have been shown to affect NKT cell development and maturation nextto the blockade marks.45

Figure 6. Downstream signals of SLAM-SLAM interactions

SLAM (signaling lymphocytic activation molecule) signal is transmitted through SLAM-associated protein (SAP) to Fyn PTK (protein tyrosine kinase). Fyn then phosphorylatesmultiple targets and spread the unique information through NF-κB via PLCθ and may reduceor dampen strong signals through activating RasGAP that inhibits the Ras/MAPK pathway.43

岩渕 和也

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は,刺激後短時間でIL-4やIFN-γを産生し,IL-4なしで

もIL-5,IL-13を産生するというNKT細胞様 (自然リン

パ球的) の反応パターンを示す44。このような特性を誘

導することにSLAMが関与するのではないかと推測さ

れるが,T-CD4 Tの分化にとってSLAMの変異は,

NKT細胞分化に与えるほど重大ではなかった。一方,

SAP-Fyn-PKCθ系のシグナルはT-CD4 Tの「自然リンパ

球らしさ (innateness)」の獲得に重要であることから,

この系ではSLAMに代わる類似分子がこの役割を担っ

ているのかもしれない。

(5) 選択後の成熟過程

 NKT細胞はDP胸腺細胞から重要なシグナルを受ける

が,その後4つのstage (0〜3) を経て成熟し末梢へ散布

される。成熟過程は,CD24+CD44loNK1.1-のstage 0か

ら,以降CD24-となった細胞をCD44とNK1.1 (あるいは

NK1.1非発現系統ではLy49など) の発現によりstage 1

(CD44loNK1.1-)→stage 2 (CD44hiNK1.1-)→stage 3

(CD44hiNK1.1+) と進行するように考えられている45

(Figure 7)。stage 1に入る前の段階で,まず放射線抵抗

性の上皮細胞成分の機能が成熟過程のスタートには必

要である。我々は,以前NF-κB inducing kinase (NIK)

の点突然変異 (855GがRに変異) によって,NKT細胞の

特に胸腺における細胞数が激減することを見出し,

第1,第2シグナルの他にNKT細胞上のlymphotoxin (LT)

α1β2,髄質胸腺上皮に発現するlymphotoxin β receptor

(LTβR),その下流のNIK→IKKα→RelB/p100→RelB/p52

というalternative NF-κB経路から誘導される何らかの産

物が,第3のシグナルとしてNKT細胞の分化に必要で

あることを明らかにした46。このステップは成熟過程

のかなり早い段階と考えられるが,一旦このブロッ

クを越えられた細胞はstage 3まで進むことが可能であ

り,代替経路があるのかもしれない。また,

osteopontin (OPN) KOではstage 2→3のブロックがある

ことを見出したが47,詳細なメカニズムは不明であ

る。末梢におけるサイトカイン産生のへの影響から考

えるとGATA3を介する可能性があるが,GATA3 KOで

はstage 2↓ (stage 1→2のブロックあるいはstage 2の減

少) である。その他,NKT細胞分化に影響を与え得る

分子 (ZAP-7048他) は,特定のstageが減少する場合に,

その直前のステップをブロックする因子として記した

が (Figure 7),詳しくは文献45を参照されたい。

 NKT細胞特異的に発現している重要な転写因子とし

て,promyelocytic leukemia zinc finger (PLZF:あるいは

zinc finger and BTB-domain containing 16: Zbtb16) が明ら

かにされている49。PLZF KOでは,やはりNKT細胞が

著減,stage 2→3のステップが阻止され,NKT細胞の局

在が大きく変わっている。通常分布しないリンパ節に

NKT細胞が認められるのが特徴である。さらにサイト

カイン産生が著減し,産生の即時性も認められなくな

る等,分化だけでなく機能の面でもinnatenessが失われ

ていた。PLZFはまたMAITにも発現し50,このことは

NKTとMAITが同じカテゴリーに属する細胞群である

ことを示唆している。

Figure 8. Cytokines/chemokines/effector molecules produced by activating NKT cells

NKT cells could exhibit various functions with wide varieties and copious amounts of solublefactors.

ナチュラルキラーT細胞の分化と機能─前編─

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2. NKT細胞の機能(1) Type I vs Type II NKT細胞

 NKT細胞は,先に述べたiTCRを用いるtype I NKT

(iNKT) 細胞と,CD1dには拘束されるが,その他の

TCRを使用するtype II NKT細胞に分類されている1。大

雑把に言うとtype I NKT細胞は,α-GalCerをリガンド

として,Th1 (Th2) エフェクター機能を,type II NKT

細胞は,sulfatideなどをリガンドとして調節性機能を呈

する亜群と捉えられる。type II NKT細胞の中では

sulfatide/CD1dと結合する亜群が比較的メジャーな亜群

と考えられているが,type II亜群をsulfatide-CD1dマル

チマーで明瞭に検出出来る研究者は限定されており,

特別な方法が必要なのではないかと考えられる。最

近,Jα18 KOマウスにマイナーなα-GalCer-CD1d+亜群

が検出されVα10Jα50亜群であることが報告された51。

したがってJα18 KOであっても,iNKT細胞様亜群が残

存していたことになる (ただし,α-GalCerよりもα-GlcCer

にaffinityが高かった)。またtype Iとtype II NKT細胞間

でreciprocalな制御ループが明らかにされており52,

NKT細胞の機能制御は制御性T細胞 (regulatory T cell:

Treg) なども含め複数の機能制御機構が働いている可能

性がある。

(2) サイトカイン・ケモカイン・その他のエフェクター

分子の産生

 NKT細胞は,「免疫界のスイスアーミーナイフ」53と

呼ばれるほど,サイトカインとしてIL-2,4,5,6,

10,13,17,21,IFN-γ,TNF-α,LT,GM-CSFなど

を,ケモカインとしてRANTES,eotaxin,MIP-1α,

MIP-1β,MIP-2などを,効果分子としてFas ligand

(FasL),TNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL),

perforin,granzymeなど,様々な産物を産生し得る。こ

れらの産物により,単一のサブセットが全てをカバー

しないまでも,T細胞機能分化促進,抗体産生増強,

免疫抑制,免疫監視,細胞傷害,細胞動員など多彩な

機能を果たすことが出来る (Figure 8)。VEGFの産生も

報告されており54,NKT細胞が未だ報告されていない

タンパク・ペプチド・低分子代謝産物などを分泌,あ

るいはそれらの物質に対する受容体を持つことによ

り,予想外の生体応答を示す可能性がある。一例とし

て,NKT細胞はノルアドレナリン (NA) 受容体を発現

している55が,マウスの中大脳動脈 (MCA) 結紮による

脳梗塞モデルで,梗塞後のNAシグナルによって肝

NKT細胞から多量のIL-10が産生される。このIL-10に

よる強い免疫抑制が梗塞後に非常に問題となる易感染

性を引き起こしていることが示された56。この系で

は,α-GalCerによる活性化やα-adrenergic受容体アンタ

ゴニスト投与などのNKT細胞機能修飾に生命予後に対

する有益な効果が認められている。

(3) NKT細胞のネガティブフィードバック制御

 ナイーブCD4+ T細胞のヘルパーT細胞のin vitro分化

系では,Th1への分化にはIL-12が,Th2への分化には

IL-4が,培養液中に必要である。このように、最終的

Figure 9. Reciprocal enhancements of cytokine production by NKT cells with dendritic cells pre-conditioned with cytokines. NKT cells produced cytokines opposite (such as Th1) to those that hadbeen used for pre-conditioning (such as Th2).

岩渕 和也

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107

に分化する方向と同じサイトカインが環境にあると,

その方向に免疫偏倚を生じるので,分化はポジティブ

フィードバックで制御されていると考えられる。一

方,NKT細胞のサイトカイン産生や免疫偏倚に対して,

環境中のサイトカインはどのようなpre-conditioning効

果を示すのであろうか。このような関心から,樹状細

胞 (DC) にα-GalCerをパルスし,その後IL-4あるいは

IFN-γで前処置,NKT細胞と共培養し,NKT細胞から

のサイトカイン産生プロフィールを解析した。その結

果,IL-4で前処置した場合IFN-γが,IFN-γで前処置し

た場合はIL-4がより優先的に誘導されることを見出し

た (Figure 9)57。すなわち,NKT細胞の場合には機能分

化はネガティブフィードバックで制御されているよう

に考えられた。また,IL-4と同じファミリーに属する

IL-21の場合もコントロールに比して,IFN-γ産生が強

く誘導された58。また,サイトカインだけでなく,CpG

(Th1系の応答誘起) の場合も,IL-4の産生増強に繋がっ

た。IFN-γ,CpGなどを処置してDCに誘導された細胞

膜表面分子を解析すると,CD1d・クラスI MHC・共刺

激分子の発現の上昇が認められた。CpGでDCを前処理

した実験系では、特にDC上のH-2Dd分子の発現上昇が

認められた。H-2Ddの欠損は,NKT細胞からのIFN-γ産

生を増強することから59,H-2Dd分子の発現増強がIL-4

産生増強に関連している可能性が考えられた。そこで

α-GalCerパルスDCをCpGで処理し,NKT細胞と共培

養する系に抗Dd抗体を添加して、Dd (と,おそらくは

NKT細胞上の抑制性受容体Ly49の相互作用) をブロッ

クした場合にはCpG前処置で増強したIL-4産生が確か

に認められなくなった60。一方,IL-4の前処置でIFN-γ

産生が増強した場合に,DC上の抑制性分子のQa-1b発

現の低下を認めた57。抗体によるブロックで確認はさ

れていないが,Qa-1b//CD94/NKG2Aシグナルの遮断は

強力なIFN-γの誘導に繋がるため61,こちらも抑制性リ

ガンド/受容体の発現修飾によりサイトカイン産生に

変化を生じたものと考えられた。NKT細胞の応答は,

基本的にはTCR/リガンド-CD1dからのシグナルに加え

て,抑制性リガンド・受容体のシグナルによっても調

節されていることがわかる (Figure 10)。このようなメ

カニズムにより,入力からみるとその逆方向へ舵を切

るような出力をすることにより,免疫応答を過剰に

Th1あるいはTh2方向に偏倚しないように制御している

ように思われる。この基本的な性質が,さまざまな疾

患の制御や治療に対して大きな影響を与えるであろう

ことは想像に難くない。

 後編では各種疾患の発症・進展に対するNKT細胞の

役割とNKT細胞を標的とした治療を中心に述べたい。

文  献

1. Bendelac A, Savage PB, Teyton L. The biology of the NKT cells.Annu Rev Immunol 2007; 25: 297-336.

Figure 10. Th1/Th2 balance is regulated through modulation of the expression of inhibitoryreceptors between dendritic cells (DC) and NKT cells in negative feedback fashion. Pre-treatment of α-GalCer-pulsed DC with Th1-biased stimuli, CpG, induced enhanced expressionof Dd molecules on DC and resulted in enhanced production of IL-4 by NKT cells. Abblockade of Dd in co-culture of NKT cells with CpG-treated DC reduced the production of IL-4 to the level of non-preconditioned DC stimulation.

ナチュラルキラーT細胞の分化と機能─前編─

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ナチュラルキラーT細胞の分化と機能─前編─

Development and function of natural killer T (NKT) cells

Kazuya Iwabuchi

Department of Immunology, Kitasato University School of Medicine

NKT cells constitute a unique subset of T cells that recognize lipid antigens (Ag) in the context of CD1dmolecules. NKT cells simultaneously express NK markers with T-cell signature, thus include natural killer(NK) in the name. NKT cells are positively selected with CD1d + endogenous lipid Ag on CD4+8+ thymocytes,whereas conventional T cells are selected with MHC + endogenous peptide Ag on cortical epithelial cells inthe thymus. NKT cells exhibit an innate-like effector function and could promptly produce a large amount ofvarieties of cytokines and chemokines upon stimulation. Therefore, NKT cells could modulate the developmentof inflammatory and autoimmune diseases through the various functions, suggesting that NKT cells may serveas a reasonable target for disease intervention.

Key words: innate lymphocytes, NKT cells, CD1, intrathymic development, lipid ligand