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営業-設計-製造-納品を繋ぐ マルチプロジェクト環境へのCCPM適用 リードタイム25%短縮達成までの3年間の軌跡 2020年11月28日 株式会社ビーイングコンサルティング チーフコンサルタント 西郷 智史

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  • 営業-設計-製造-納品を繋ぐマルチプロジェクト環境へのCCPM適用リードタイム25%短縮達成までの3年間の軌跡

    2020年11月28日

    株式会社ビーイングコンサルティングチーフコンサルタント 西郷 智史

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。

    プロフィール

    1

    株式会社ビーイングコンサルティングチーフコンサルタント

    西郷 智史

    [email protected]://toc-consulting.jp/

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。

    アジェンダ

    2

    1 適用環境のご紹介

    2 2016~ 準備期間

    3 2017~ CCPMの導入

    4 2019~ 営業との連携

    5 成果とまとめ

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。

    適用環境のご紹介

    業種 : 工場や建設設備の重機基盤の設計及び製造

    形態 : 個別受注設計生産

    年間案件数 : 約30~40件

    プロジェクト : 3ヵ月~1年

    営業 工場内営業 設計 製造(外注) 品証

    受注活動 受注調整 設計/出図 製造 評価 出荷

    ※イメージ

    3

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。

    適用環境のご紹介

    背景

    納期遵守率は高い水準を保っている一方で、

    目標利益率の未達成が続いており、

    現場では残業が常態化し、場合によっては徹夜をすることも…

    この状況を打破するため、TOC/CCPMを導入し

    リードタイム短縮と案件数増加により利益率の向上を目指す。

    4

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。 5

    本活動の流れ

    2016 2017 2018 2019

    準備期間 CCPM導入 自走期間 営業と連携

    課題の合意形成改善の5ステップ

    CCPMソリューションのインプリメント

    (自走期間) 営業を含めた組織的な活動展開

    適用環境のご紹介

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。 6

    2016~ 準備期間

    2016 2017 2018 2019

    問題の合意形成改善の5ステップ

    CCPMソリューションのインプリメント

    (自走期間) 営業を含めた組織的な活動展開

    準備期間 CCPM導入 自走期間 営業と連携

  • © Being Consulting Co., Ltd.本資料の一部または全部を事前に許可なく無断で転載することを禁じます。 7

    問題の合意形成と改善の5ステップ

    CCPMを導入することが目的になるリスクがあった

    ・関係者全員で問題の洗い出しと関連性を確認

    ・UDEを引き起こしている問題(制約)を特定

    課題

    解決の方向性

    関係者全員で問題の構造と根本的な問題に合意し、

    “なぜCCPMを導入するのか?”を理解する

    施策 関係者全員でUDEマップセッションを実施

    UDEマップのイメージ 根本的な問題

    ※UDE:Undesirable Effect 好ましくない結果

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    STEP2:制約を徹底活用する方針を決める

    若手

    ベテラン

    STEP1:制約を特定する

    ベテラン設計者が制約になっている

    ベテラン設計者が出張で2~3日現場を離れると、若手が設計レビューや

    アドバイスをもらう時間がなく、案件の進捗が止まってしまう

    ベテラン設計者は社内で自分しかできない業務に集中する

    ベテラン設計者は必須でない限りは出張せずに、社内で難易度の高い設計、

    設計レビュー、若手の育成にあたる

    ベテラン設計者以外のメンバーが出張に行く

    チェックリストや作業手順書を整備し、ベテラン設計者と同行の過渡期を経て

    他のメンバーが出張する

    まずはTOCの基本である「改善の5ステップ」

    STEP3:制約に従属する社内の年齢層の特徴

    “中間層が少ない”

    ひょうたん型

    問題の合意形成と改善の5ステップ

    ※STEP4:制約を強化する、STEP5:惰性に気を付けてSTEP1に戻る

    は今後の活動で実施予定

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    2016 2017 2018 2019

    準備期間 CCPM導入 自走期間 営業と連携

    課題の合意形成改善の5ステップ

    CCPMソリューションのインプリメント

    (自走期間) 営業を含めた組織的な活動展開

    2017~CCPM導入

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    CCPMの導入 バッファマネジメント 計画

    規模毎に4段階に分類してテンプレートを作成

    実案件と大きな乖離が無ければテンプレートをそのまま採用

    案件ごとの工程表の差異は期間のみでタスクと依存関係は同じ特徴

    方向性・ベテランのノウハウを集約する(ネットワーク図)

    ・細かすぎる内容を微調整することに時間と注意力を割かない

    施策

    規模

    40以上

    20~39

    10~19

    1~9

    テンプレート

    規模:案件のボリューム

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    CCPMの導入 バッファマネジメント 計画

    テンプレートのイメージ

    設計 製造 評価

    設計

    製造

    評価

    ネットワーク図

    ガントチャート

    ※本資料用に作成したデモデータ

    ※本資料用に作成したデモデータ

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    朝会の実施(毎日)

    WIPボードを使いながら、下記内容を確認1. 全体連絡(社内連絡、各会議のフォードバック)2. 実行中のタスクと優先度3. 追加の実行予定タスク4. 支援が必要なタスク5. 課題のエスカレーション

    ※別途協議が必要な場合は朝会終了後に必要なメンバーで議論する!

    ・作業の優先順位が明確になり、悪いマルチタスクを防止できる・早期に課題が報告され、課題を解決するピートが上がる・周りが何をやっているかが把握でき、助け合いがしやすい環境ができる

    メリット

    CCPMの導入 バッファマネジメント 実行

    残日数入力(毎日)

    実行中タスクおよび着手したタスクに対して案件の担当者が残日数を入力する

    実行待ち 実行中 完了

    Point! 実行中のタスクの数を制限する

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    CCPMの導入 バッファマネジメント

    バッファマネジメント

    導入前

    バッファマネジメント

    導入後

    開始当初はWIPボード/工程表作成/進捗報告に対して「管理工数が増えるのでは?」という意見もあり、拒否反応があった…

    しかしメリットを少しずつ実感するにつれて、運用が定着した。

    ・組織的な素早い支援が可能

    ・優先順位が明確化でタスクに集中

    ・残業/休日出勤が大幅に削減

    ・実行は個人任せ

    ・優先順位が不明確

    ・残業/休日出勤が常態化

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    設計 評価 出荷前

    目標:業務フローと指摘事項件数の推移

    今まで 半年後 1年後

    指摘事項件数

    改善を3つのステージで実施

    今まで:下流で指摘事項が増加

    半年後:上流で指摘事項を事前に洗い出す

    1年後:指摘事項全体の件数を低減させる

    CCPMの導入 フルキット

    準備不足やDRの時間不足により、課題(指摘事項)が下流工程で多発

    その結果、余計な追加費用や手戻りによる業務負荷が掛かっていた課題

    解決の方向性

    フロントローディングで課題を早期に発見し、

    大きな手戻りや追加費用を抑制する

    施策 段階的フルキットの導入

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    調査フルキット

    設計フルキット

    手配フルキット

    フルキットポイント

    フルキット(準備万端)完了後に見積、設計、製造を開始する仕組みを構築し、余計な手戻り防止と品質向上の前倒しを目指す。

    顧客へのヒアリング項目を標準化見積段階で営業⇔設計の過剰なやり取りを防止する

    必要な情報が揃ってから設計を開始基本設計以降で大きな手戻りを防ぐ

    製造外注への手配ミスによる作り直しや追加費用発生を抑制する

    ・各ポイントで準備すべき項目が標準化され、品質のバラつきが低減される・プレッシャーによる準備不足で次ステップへの移行を組織的に防止する

    メリット

    CCPMの導入 フルキット

    1 2 3

    1 2 3

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    0

    20

    40

    60

    80

    設計レビュー 評価試験 出荷試験

    指摘事項件数

    2017 2018 2019

    影響度により大/小に分類、下記グラフは大に絞って集計

    フロントローディングに成功全体の指摘件数も減少傾向にある

    CCPMの導入 フルキット

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    フルキット

    導入前

    フルキット

    導入後

    ・準備の精度は個人に依存

    ・製造後に指摘事項が多く発生

    ・製造外注への手配ミスが発生

    ・準備項目が標準化され抜け漏れが低減

    ・設計段階で課題を未然に防止

    ・手配ミスによる追加費用の削減

    CCPMの導入 フルキット

    運用開始から時間が経つと、フルキットのチェックをしている会議体の参加者が減った… (慢心や慣れ)

    運用が形骸化すると指摘事項が増える事実をKPIで数値として実感

    運用を改善し、今では参加必須者は参加してフルキットの徹底を実施

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    ベテラン設計者(制約)が悪いマルチタスクにならないようにプロジェクトを戦略的に投入する

    計画 実行 計画 実行

    詰め込みすぎで全てのプロジェクトが遅れる 制約を基準に投入をコントロールする

    ベテラン設計者のタスク

    CCPMの導入 パイプラインマネジメント

    課題

    解決の方向性

    施策ベテラン設計者のタスクが同時実行数の上限を決定しそれ以上は投入しないようにコントロールする

    組織にプロジェクトを詰め込みすぎるとベテラン設計者が“悪いマルチタスク”になりプロジェクトの完了ペースが落ちる

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    1 客先納期を超過しない範囲でベテラン設計者が担当するタスクを基準に着手タイミングを決定する(閾値:同時実行数 上限4個 理想3個)

    2 ベテラン設計者以外の役割りもリソース負荷を確認する。負荷超過が見込まれる場合は事前に対策を実行する。

    3 製造外注の負荷も確認し、負荷が超過しそうな場合は別の製造外注を検討するなど対応策を立案する

    各リソースの負荷を表現全体のリソース数を緑ライン超過分はグラフが赤になる

    案件同時実行数を“4”に設定100%(4)で赤ライン

    75%(3)で緑ライン

    実行中

    ベテラン設計者

    実行待ち

    各リソース(設計)(品証)

    (製造外注)

    ※本資料用に作成したデモデータ 負荷が高い場合は案件の着手時期を調整する

    パイプラインマネジメントのルール

    リソース負荷

    プロジェクト状況

    CCPMの導入 パイプラインマネジメント

    パイプラインマネジメントのイメージ

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    パイプラインマネジメント

    導入前

    パイプラインマネジメント

    導入後

    ・ベテラン設計者に負荷が集中

    ・負荷状況が不明で対応が後手

    ・製造外注への調整が場当たり的

    ・ベテラン設計者の負荷が平準化

    ・前もって対応策を検討できる

    ・外注への調整が先手でできる

    CCPMの導入 パイプラインマネジメント

    この時点では工場内での投入コントロールに留まってしまうので効果が限定的である

    やはり、営業にも協力してもらい活動を展開する必要がある

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    2016 2017 2018 2019

    準備期間 CCPM導入 自走期間 営業と連携

    課題の合意形成改善の5ステップ

    CCPMソリューションのインプリメント

    (自走期間) 営業を含めた組織的な活動展開

    2019~営業と連携

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    営業と現場を繋ぐパイプラインマネジメント

    営業にも工場の状況を開示して、負荷が低い時期に積極的に案件を獲得を試みる。また、負荷が低い時期にベテラン設計者が営業に同行し、技術的な支援することで受注の確度を向上させる。

    隙間や負荷が低い時期に

    案件を獲得する or 営業を支援する

    組織全体で戦略的に案件を獲得し、制約であるベテラン設計者を徹底活用する

    課題

    解決の方向性

    季節変動の影響で負荷が高い一方で負荷が低い時期もあり制約であるベテラン設計者のキャパシティの空き状態が発生一方で営業も工場の進捗や負荷状況を把握していなかったため、営業活動のアクセルとブレーキの踏み具合が分からない。

    施策

    現在日 数か月先の負荷状況

    ※本資料用に作成したデモデータ

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    現場

    マネジメント

    設計/製造/評価営業

    フルキットリストを共有し、事前調査項目の抜け漏れ防止

    テンプレートをコピーして工程表を登録

    工場営業

    着手時期になったら開始

    残日数報告(毎日)

    レポート作成(毎週)

    部長

    全体の最新情報をリアルタイムで確認

    赤/黒の案件については組織的な支援

    集約

    事前調査フルキット

    設計フルキット

    手配フルキット

    受注状況

    フルキットリストに従って実行

    負荷状況 進捗状況

    準備状況 課題管理

    情報共有(毎週)

    案件リスト

    WIPボードと連携

    集約

    集約

    集約

    日々の課題を支援

    マネジメントサイクルの全体像

    23

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    成果とまとめ

    24

    成果とまとめ

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    成果 設計製造リードタイム

    案件毎に規模が異なるので、規模当たりのリードタイムを移動年計で算出

    リードタイム日

    37.7

    33.433.7

    31.6 31.2 31.3 30.4

    33.432.5

    30

    31.9

    28.5

    27.4 28 27.2

    28.3

    31.7

    26.7

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    25

    27

    29

    31

    33

    35

    37

    39

    平均リードタイム(移動年計)

    案件数

    リードタイム

    実績:29%短縮 (37.7日 → 26.7日)案件数が増えても

    リードタイムは減少

    目標:25%短縮

    25

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    まとめ

    26

    制約を特定して徹底活用できた

    改善の5ステップをベースに「ベテラン設計者」しかできない業務に集中できる環境を構築

    「パイプラインマネジメント」、「フルキット」、「バッファマネジメント」を適切に導入

    営業と連携することで組織全体として全体最適で考えることができた

    CCPMの3大ソリューションを全て導入

    投入コントロールを営業と連携

    2

    3

    1

  • Your...

    ご清聴ありがとうございました。