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  • - 113 -

    資料 No.I-4

  • 社会経済基

    盤開発部長 技術審議役 計画・調整

    次長 課題アドバイザー

    担当次長 課長 班長 担当

    平成 22 年 2 月 9 日 経済基盤開発部 都市地域開発第二課

    担当: 三條 明仁㊞

    【(写)配付先】 □東・中央アジア部

    □中東・欧州部

    □南アジア部

    □アフガニスタン事務所

    □ウズベキスタン事務所

    □パキスタン事務所

    □イラン駐在員事務所

    ≪研究会報告≫

    件名 アフガニスタン国及びその周辺国の広域交通インフラ整備 第四回研究会 日時 日時:2010 年 2 月 9 日(火)15:30~17:10

    場所:JICA 本部 229 TV 会議室 【JICA】

    出席者

    【東京大学大学院】 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 吉田教授 東京大学大学院 工学系研究科社会基盤学専攻 加藤准教授 【コンサルタント】 五反田、山内、中村、山村、井澤、伊藤、(川崎団長 テヘラン事務所から出席)

    配布資料 ・ アフガニスタン国及びその周辺国の広域交通インフラ整備研究 第4回研究会 発表用レジュメ

    議題 1. 本研究の検討結果報告(調査団員 五反田、中村) 2. 質疑応答

    質疑応答

    1. 本研究の検討経過報告 調査団 五反田団員、中村団員から、本研究における検討結果に関する報告を行った。

    2. 質疑応答

    質疑応答の内容は以下のとおり。 (東京大学 加藤先生) ・本研究会における物流とは何が運ばれるイメージか?最終消費財か、中間生産物や原材料などの分類ではどう

    か? (調査団) ・大陸横断レベルでは、自動車などの最終消費財がメイン。地域内(トランジットレベル)では生活必需品、アフガンの農産物やパキスタンの工業製品や建設資材などがメイン。二つのレベルで異なったものの流れがあると見ている。 ・特にトランジットレベルでは、アフガンに対する援助貿易量がかなりある。アフガンから輸出できる物の品数は少ないが、

    アフガンで生産できない産品がアフガン国内へ運び込む物の流れがかなりある。 ・配布資料 9P の上の図で示したような物の流れであることを補足します。

    加藤先生

    吉田先生

    若宮 スクリーン

    コンサル

    三條

    課長

    小西部長

    地 域 部

    西宮審議役

  • (東京大学 加藤先生) ・資料を見る限りでは、アフガニスタンで何か製造されるものがあるというより、(アフガン貿易は)周辺国から製品が流

    れ込む状況にあるという理解をしました。広域インフラ整備がアフガンへもたらす利点は、物流が通過することでお金

    が落ちるなどというイメージでよいか? (調査団) ・大陸横断レベルでは、運輸セクターへの裨益。トランジットレベルでは、中長期的には産業集積による経済活性化に資

    するインフラ整備、国内交通レベルでは、現在はアフガンは農業国であり、産地から幹線道へ農産物を運んだり、海外

    へ輸出する視点で整備が必要であると検討してきた。 ・国内交通整備の視点を検討に取り入れたのは、アフガンの復興へ向けて当面は地方での農業振興が国力底上

    げの基盤造りとなると考えるから。農業振興の蓄積が地方道整備と相俟って、工業や他産業を育てる原資となる

    ことを期待する流れで捉えている。 (東京大学大学院 吉田先生) ・本研究成果が、JICA またアフガン関係国の今後の同地域への支援方針に具体的にどう役立つか、という点の整理が必要ではないか。日本の新政権が打ち出した民生支援、今後 5~10 年の JICA のアフガン地域への戦略を踏まえたうえで、本研究成果を今後どう活かすかについての検討が必要ではないか。 ・プレゼン中の 3 つの階層で、結果的に落ち着くところは、国内のインフラ整備レベルということもできるだろう。アフガンにとって、今、最も必要なものは水と農産地から市場へアクセスするルート整備であろう。これ無くしては治安改善、安

    定した食糧配給が実現しない。 ・本研究は広域の観点から入ったが、国内のインフラ整備レベルを充実させるという視点からの”Bottom up”的アプローチも重要である。 ・将来的には、地方と都市を結ぶネットワークを基に都市開発、土地利用などアフガンの社会基盤を考えるアプローチを

    想定すると、本検討での広域の視点に立ちつつ国内ネットワークとの関連性を検討するというのがテーマであろうと感

    じた。最終成果では、”Bottom up”アプローチと広域アプローチの関連性をしっかりと述べる必要がある。 (JICA 南アジア部) ・配布資料 5P 上の図、9P 上の図等でアフガンを通過する貿易が存在していることが判った。今までは通関手続きや輸送量の実際など情報がなかった部分のイメージが今回明らかになった。次はこの成果を南アジア部でも具体的

    にどう活かすかを考えてゆかねばならない。 ・通関に関しても、調査団報告、海外情報から informal な物流の横行等、国境管理充実の必要性を感じている。JICA 単独で実現できる話ではなかろうが、他の国際機関等と協力して国境地点での越境手続き改善等への支援は必要と個人的には強く感じている。 (JICA) ・CARECプログラムと大陸横断、アフガントランジットレベル整備必要性の考え方は基本的に同じと考えてよいか?新しく何か始めねばならない部分はアフガン国内レベルという認識でよいか? (調査団) ・CAREC コンセプトとの大きな違いは、CAREC はイランやインド/パキスタンまで考慮していない点。アフガンの ADB ヒアリングでは、CAREC メンバー国の中には今後、インドやパキスタンなどの南アジア国のプログラムへの参加を憂慮する声があり、ADB としても参加国(対象地域)を拡大する予定はないとのこと。 ・本検討では、アフガン周辺地域とイランやインド/パキスタンの現状を見つめ、結果的にこれらの国々と物流網を結ぶ

    ことがアフガンにも裨益するという考え方を取っている点では CAREC の考え方と異なる。 (東京大学大学院 吉田先生) ・本研究は、今の調査団コメントの考え方に端を発していた部分が大きい。イランを取り込んだ物流網の構築、台頭

    する南アジアや中国の影響を考慮して同地域の物流網発展を如何に描くかということが一大テーマであったはず。 (JICA 西宮審議役) ・最終報告書には、各民族分布と物流の状況を重ね合わせて見ると面白いのではないか?また、モードを考える

    時に道路/鉄道それぞれの脆弱性を考慮しているか?テロ活動の影響などがあった場合を考慮した検討をして

    いるか? ・イランの物流に関する情報は、JICA 側から他組織へ情報提供することも考えてもよいのではないか? ・また、中央アジアの物流では ADB が CAREC プログラムにより、だいぶ道路整備を進めてきているので、この効果がどうアフガン周辺地域の物流に影響してくるかという観点に関心がある。本検討では Scope に入れてこなかったが、別の機会で追跡すればよいのでは?本研究成果が纏まった段階で(CAREC 側へも)話を紹介してみようと思う。 (調査団) ・道路/鉄道の脆弱性に関連する治安問題は、実際に存在してインフラ整備上悪影響を及ぼしているが、将来の

    交通ネットワーク計画を描く本検討では、治安要素にあまり捉われず、国境障壁が低くなった時点であるべき姿を描

    くように努めてきた。 ・アフガン国内の鉄道オペレーションは、ウズベキ、トルクメ国境のわずかな区間でしか存在せず、将来的に国内へ延伸す

    れば鉄道もテロ活動の標的になる可能性がある。道路が損傷をうけた際には修復も早いので、脆弱性を考慮する

    と、整備順序としては道路整備⇒治安安定のある程度の達成⇒鉄道整備という順序が考えられる。

  • (東京大学大学院 吉田先生) ・大陸横断の図(欧州⇔中国)で、以前はタシケント~アルマテイへ抜けるルートを整備重点路線と強調していたが、今

    回はドウシャンベ~中国へ抜けるルートを整備強化路線としている特別な理由は何かあるか?既にかなりタシケント~ア

    ルマテイルートは整備が進められていて変更した、などの理由はあるのか? (調査団) ・中国からの物流増加が著しい傾向にある中で、ウルムチ~キルギス周辺からカラチ港を目指したい物流増加の意向を

    受けて南側の路線整備の重要性を提案したということ。 (JICA) ・最近のドウシャンベ方面への出張時の情報では、ADB がかなり投資をしてドウシャンベ~ウルムチルートの区間改良を行ってきているが、片側 2 車線で通年交通が可能なレベルで全線整備を行うというレベルではない。また同線形は急峻な山間部を抜けるルートで道路事業も困難が伴う。 ・中国からの越境も VISA 問題等が障害となっている模様。 (JICA) ・難しい調査であったと思うが、説明を聞いていると思考による検討部分が多く、現地で得た情報に基づく課題の

    部分が見えにくい気がする。様々な訪問先で得た情報をもっと聞きたい。 ・また、ケーススタデイを紹介されたが、これはアフガンに対して具体にどう裨益する例なのか? (調査団) ・現地調査で得た成果の一つは、アフガン国内の主要幹線(National Highway レベル)へ目を向けることの重要性である。本調査は広域的な観点から取りかかったが、現地調査を通じて広域と国内レベルを有機的に関係づけるこ

    とが中長期的にはアフガンの発展につながるという考えを抱くに至った様々な情報を得たことが挙げられる。 ・ケーススタデイの例は、CIS 諸国の幾つかの国がイランの港湾を目指す現状ルートの代替案としてアフガン内のリングロードを活用したい意向があるということが一つ言える。トルクメニスタンが国内通過する物資に高い関税を掛けるのでトルクメ

    通過を嫌がる国があるのは事実。 ・アフガン国内を通過する物流が増えれば、ルート沿いの町は発展するきっかけとなるであろうし、アフガンも通貨交通

    へ関税を課すことで道路維持管理財源への補填とすることも将来的にはかんがえられるであろう。 (JICA 経済基盤開発部 小西部長) ・調査団説明から受けた印象では、大陸横断レベルの回廊を整備し、アフガンがこれにアクセスしたとしても現状では

    国内から輸出できるものは極めて少なく、アフガンが輸出によって直接成長する筋道は考えにくい。あるとすれば、

    回廊整備によるショートカットで便益を見出せる周辺国が大陸横断回廊整備のためにアフガンに何らかの投資をする

    ことなどに限られてしまうかもしれない。 ・アフガントランジットについては、既に物流があるということであれば国内の農産物の将来における輸出も見越して

    如何に現状の物流のキャパシテイを向上させるかに焦点をおいた支援計画が一つ考えられるであろう。経済的な観

    点から、アフガンから、将来、輸出できる物資は何なのかを検討することも有意義ではないか。 ・国内道路整備レベルでは、今後、整備すべきという観点で計画路線を描いているが、道が実際に整備された際

    に本当に物流が期待できるのか、という観点でも整理する必要があるのではないか? (調査団) ・アフガンリングロードにアクセスするルート(整備)は費用対効果が期待できる。 ・リングロード内の National Highway は意見が分かれるところである。ADB でも明確な回答が見出せないでいる様子。リングロードは既に改修済みに近いので交通量があってもなくてもリングロードを活用することを検討してゆくべき。 ・広域交通を考えた際、現在はアフガンがボトルネックとなっているが、逆に考えるとアフガン発展のチャンスとも考えられ

    る。3 つのレベルのネットワークを如何に有機的に結びつけてアフガンの経済、産業発展に結びつけるかが重要。 ・私見であるが、国内の National Highway レベルの道路整備は、地域産業の発展をきっかけとして国全体の経済力の底上げを目指す上でも重要と考える。 (JICA 塚原氏) ・以前、人口分布をメッシュでデータ化できるのでそれにより Gravity が把握でき、すると less mobile なのかどうか判るとの議論があった。今は Gravity があることは判っているが道路がないので広域ネットワークが構築されていない。そこで、今後、道路整備が実現すればどのくらい impact が生まれるか判るという議論であったと思うが、その部分の検討は? (調査団) ・配布資料 4P 上の図が広域的な人口 Gravity に近い図である。これを見ていただけば、提案ルートに Gravity がほぼ重なっていることを理解いただけると思う。詳細な分析は、データの取りにくさ、gravity 分析に本来必要な初期値の要素が今回は非常に多様な点などから、詳細な分析を行うまでに至っていないが、当該図により Gravityと提案ルートの調和は見て取れると考える。

  • (JICA 河原氏) ・Gravity による縦横断の希望路線図を描いてみて、その中にアフガンが収まるような形を見せられれば、広域物流ネットワーク整備の必要性に関する主張が可能なのではないか?すると起終点がアフガンになくともこのレベルのネットワ

    ーク構築が必要であると説得が容易なのでは? ・広域交通ネットワーク整備が直接アフガンの発展に寄与するというロジックはおそらく難しく、広域交通がアフガンを通過

    することがメリットということであろう。 ・アフガン新興ばかりに焦点が当たると、広域交通インフラ整備の研究目的がボヤけてしまいかねないと思う。纏め方

    は任せるが、幾つかの(広域ネットワークとアフガンの裨益を結びつける)ロジック構築が必要と考える。 (JICA アフガニスタン事務所 行平氏) ・道路整備のためのドナー会議が活性化する雰囲気が最近出てきた。先週も、関係ドナーと関係省庁が、今後、道

    路整備のための共同調整、協議を具体化してゆこうということとなった。本研究成果は英語でも出されると聞いて

    おり、アフガン事務所やドナー間会議でも有効活用してゆきたい。 ・アフガン国内の東西、南北路線の重要性について、先週のドナー会合で東西路線の F/S 結果が出された。今後、各ドナーから関心表明を呼びかける向きも出てきている。 ・道路財源の確保について、ドナー間会合でも重要テーマということで議題として取り上げられ、法整備、組織再編・

    強化などの Institutional Reform がホットな話題となっている。 (JICA イラン事務所 所長) ・15 年前の GMS 開発時の検討の場合と最も状況が異なるのは治安問題。GMS で検討してきたロジック結果のようなことが今回のケースにどこまで適用できるのか、また通用しないのか、調査団の川崎団長の見解を伺いたい。 (川崎団長 in JICA Tehran Office) ・広域交通ネットワーク検討による GMS 地域の統合と、今回のアフガン地域を対象とした検討では、地域的広がり、人口、土地の生産力等々の総合的な観点から、アフガン地域の方が状況が厳しいと思う。CIS 諸国には鉱物資源賦存による開発の潜在性は幾らかあるが、長期的な視野での話。 ・大陸間を結ぶ交通回廊の要衝に位置する点では、当地域で大陸横断スケールで回廊計画を計画するメリットがあ

    ることは間違いない。大陸横断の物流が活性化することでアフガンにもたらされる便益というのも確実にある。干し

    ブドウやメロン等、海外に誇れる農産品もあるが、インフラの整備熟度の関係で輸送できないでいるのも事実であり、

    広域の視点も重要だが、国内路線整備を念頭に置いた”Bottom up”的アプローチも非常に重要と考える。 (東京大学 加藤先生) ・物流に関する時間やコストの関係が現状の課題として挙げられていたが、“不確実要素”もキーワードに入れる方が

    良いのでは? ・大陸横断の物流もこれだけ広域を視野に入れて検討するのであれば、港湾整備拡張の可能性についても、よ

    り広域な地域の港湾にも着目してもよいのでは、と感じた。 (東京大学大学院 吉田先生) ・ADB 時代に GMS プログラムを担当した。GMS の場合は、“戦場から市場へ”という政治的スローガンも固まっていた。今回は関係国間での政治的な Vision が共有できているかどうかが疑問。制度的側面の脆弱性があるのが心配の種。 ・広域インフラという夢を抱く際に、本当の提供主体は誰なのか、誰が調整役なのかはいつも最重要な点である

    が、今回の場合は各ドナーを横断的に見た場合、(対象地域や対象国も含めて)JICA しかできない戦略構築のために本研究がスタートした。その意味では、本成果でアフガン地域において、広域~国単位レベルでの長期的かつ鳥

    瞰図的な格好でネットワーク像を描いたというのは意味が大きいこと。 ・アフガンでもドナー会議が活発化してきたという情報提供があったが、そのような場で広域的な視点でアフガンを見て

    みると、このようなネットワークが考えられるということを発信できる情報を用意したという点では意義があること。 ・平和構築というキーワードと結び付けているので、当面は”Bottom up”的なアプローチへ resource が配分される傾向になるのかもしれないが、他ドナーへの発信材料を用意したという意味では評価される。 ・あまりプロジェクト形成、費用便益に焦点を当てすぎると、長期的な Vision 構築の本来目的がぼけるので、長期的、鳥瞰図的な VISION を用意したということで良いのではないか。 (JICA 経済基盤開発部 小西部長) ・JICA としても今回のように広域に跨る地域のインフラ研究というテーマでの研究事例はこれまで非常に少なかったが、今回の研究成果を今後、同地域への JICA の支援方針を検討する際に参考としたり、具体のプロジェクト形成のために積極的に有効活用してゆきたい。 ・関係各位におかれましては、JICA としても今後も引き続き、同地域の支援方針の検討を継続して進めてゆくので、協力、支援いただけるとありがたい。

    以 上

    要対応事項 ・最終報告書、パンフレット作成へ向けた原稿作成を行う。 ・2/12(金)に次回打合せ

  • アフガニスタン国およびその周辺国の

    広域インフラ整備研究(第4回研究会)

    独立行政法人 国際協力機構

    2010年2月9日

    株式会社オリエンタルコンサルタンツ株式会社エイト日本技術開発社団法人国際建設技術協会

    OC / EJEC / IDI

    ●アフガニスタン及び周辺国のクロスボーダーインフラ整備による地域の平和構築

    ●広域交通インフラ整備にかかる現況と課題の整理

    目標

    OC / EJEC / IDI

    1

  • 経済発展

    アフガン周辺地域の平和構築

    広域交通インフラ整備

    アフガン及び周辺国の貧困削減

    治安回復 良い統治

    地域の信頼醸成ガバナンスの向上

    将来ネットワークの検討

    アフガンの持続的な発展

    物流の安定

    シームレスネットワーク

    OC / EJEC / IDI

    アフガン広域交通インフラ整備研究の検討の流れ

    -アフガン広域交通インフラの整備を研究する

    には、複数の視点からの検討が必要。

    それは、交通(物流・人流)の流れに、現

    実的な特定のパターンがあるから。___

    -ケーススタディ(例:ウズベク~アフガン~イラン)

    により課題抽出、対処法をマトリクスで整理。

    -理想の将来交通網を3つの階層(レベル)で描き、効果的な広域交通インフラ整備を

    例示する。これにより、アフガンと国境を越

    えたインフラ整備を行い、地域全体の社会

    経済・復興開発と平和構築を目指す。

    現状分析

    ____

    課題

    ____

    まとめ

    今後の方向性4.●整理

    -トルクメ、ウズベク、タジク、キルギス、カザフ(文献)

    -アフガニスタン、イラン、パキスタン、

    インド(文献・現地調査)

    文献調査

    現地調査

    - 9カ国の政治・

    経済状況

    - 9カ国のインフラ

    の現状

    2.

    3.●国内準備

    ●現地調査

    アフガン、イラン、パキスタン、インド、トルクメニスタン、

    ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン

    文献調査対象9カ国の概要1.●国内準備

    研究対象・内容研究方法報告書の章題名章研究段階

    OC / EJEC / IDI

    2

  • アフガン広域インフラ整備における3つの階層(レベル)について

    • 現状:↓

    • 分析:↓

    • 分類:↓

    • 理由:

    アフガンを中心とする東西の大きな流れ(ランドトランジット)と南北の

    地域的な流れ(中央アジア⇔アラビア海)が現実の交通として存在する

    これらの交通の流れは、いくつかの特徴を持つパターンに分けて分類することが

    出来るのでは?国際交通と国内交通に着目して流れの特徴を抽出してみると・・・

    ①東洋と西洋の流通がその交流点となるアフガンを跨いでシベリアトランジットブリッジ、

    チャイナトランジットブリッジそしてアラビア海沿岸での海運として現実に動いており、それ

    らが近年の中国・インドの台頭によりユーラシア大陸を横断する規模で流れている。

    ②交流点のアフガンは西にイラン、東にパキスタン・インド、北に南のアラビア海へのアクセスを

    必要とするCIS5カ国が位置し、東西の大規模な交通に加え地域間の交通がある。

    ③ユーラシア大陸を横断する交通(①)と近隣諸国が東西南北に行き来する交通(②)

    が、各々アフガンの幹線道路を通過する。

    アフガンを跨ぐユーラシア大陸を横断する大きな交通がある(①)。アフガン近隣との東西

    南北の通過交通がある(②)。これら2つの流れがアフガン国内の主要幹線を通過

    するに伴い国内の主要都市が有機的に繋がるという副次的な交通がある(③)。

    OC / EJEC / IDI

    3つの階層(レベル)その1

    ①大陸横断回廊

    シベリアランドブリッジ

    チャイナランドブリッジ(シルクロード)

    出典)World Bank 2004 Trade and Transport Facilitation in Central Asia: Reducing the EconomicDistance to Markets, mimeo.(Policy Research Working Paper 433 Landlockedness,Infrastructure and Trade :New Estimates for Central Asian Countriesより引用)

    ②アフガントランジット

    ③アフガン国内

    OC / EJEC / IDI

    3

  • 3つの階層(レベル)その2

    OC / EJEC / IDI

    国内交通網

    広域交通網

    人口500万レベルの大陸主要都市を結ぶ長距離交通のためのネットワーク

    人口50万人レベルの地域の主要都市を結ぶ地域越境交通のためのネットワーク、主要なインターモーダル施設へのアクセス含む

    国内主要都市と農業、工業の中心をつなぐネットワーク

    アフガニスタン及び周辺国の地域交通網

    (38,100km)

    大陸横断広域交通網(7,100km)

    アフガニスタンの国内幹線交通網

    (4,900km)

    アフガニスタンの国内一般交通網

    (9,700km)

    周辺国の国内幹線交通網

    周辺国の国内一般交通網

    都市、地方におけるコミュニティをつなぐネットワーク

    今回の調査対象

    アフガニスタン及び周辺国の交通網の3つのレベル(機能)

    ・今回の調査では、広域交通網である大陸横断交通網、アフガニスタン及び周辺国の地域交通網、及びアフガニスタン国内の幹線交通網を対象とした

    ・3つのレベルはそれぞれ特色が異なる

    アフガニスタン及び周辺国の交通網(道路・鉄道・港湾)の

    機能と今回の調査対象

    OC / EJEC / IDI

    4

  • アフガニスタン及び周辺国の交通網の3つのレベル(特色)

    ・アフガン国内の課題解決(治安、農業、市場化、フォーマル化)に不可欠な道路

    ・最小限の道路網に欠ける状況

    ・農業をはじめ地域に幅広く裨益、雇用の創出

    ・アフガニスタンを通る、アフガニスタンと隣国(トルクメニスタン、ウズベクスタン、タジクスタン、イラン、パキスタン)の域内貿易のための50万都市レベルのネットワーク・交通量は増加、援助物資、インフォーマル貿易が大きなウェイト(特にアフガン-パキスタン)を占める。統計上は地域のポテンシャルと比べ貿易は過少だが実態は不明

    ・地域の必需品の2国区間貿易で治安のアフガニスタンの影響をあまりうけない

    ・現状では道路輸送がメイン、国境通過のスムース化、インターモーダル化がポイント

    ・都市化の進展により中核都市のグラビティが高まる

    ・道路モードはほぼ完成、インターナショナルアクセスルートの鉄道化が課題

    ・アフガニスタンでの裨益は主に産業セクター

    ・グローバルな物流ネットワークの一部を形成する500万都市以上のネットワーク

    ・主要2港(カラチ・カシム、バンダルアッバース)へのアクセス

    ・交通量は減少、主としてフォーマルの貿易、地域のポテンシャルと比べ過少交通

    ・主に通過交通でアフガニスタンへの裨益は主に交通、運輸セクター

    ・輸送コストに敏感、アフガニスタンの治安状況の影響大

    ・現状においてもインターモーダル、国際複合輸送、港湾の強化がポイント

    ・インド、中国の台頭でグラビティの重心がチャイナランドブリッジにシフト

    ・道路モードは整備が進み港湾、鉄道モードの整備が課題

    特色

    アフガントランジット

    大陸横断

    広域

    国内

    アフガニスタン及び周辺国の交通網の3つのレベルの特色

    OC / EJEC / IDI

    アフガニスタン及び周辺国の交通網の3つのレベル(構造)

    ・3つのレベルの間には重層的な関係、構造がある。

    アフガニスタン及び周辺国の交通網の重層的構造

    ☆Outcome

    アフガントランジットの交通量の増大

    アフガントランジットの効率の向上

    コスト減

    大陸横断交通ネットワークと重なるアフガトランジットの交通量の増大

    国境通過の効率化

    モードオプションの拡大大陸横断トランジット交通量増大

    港湾機能の強化

    Action 1

    鉄道のアフガニスタン国内への延伸

    Action 4

    アフガン国内国道の整備

    市場アクセスの向上、地域のインフォーマル

    セクター市場化、特に農業のフォーマル化

    コスト減

    村落のネットワーク化

    アフガントラン

    ジットのひとつのオプション

    より効率的なモードへ転換(鉄道)

    貿易促進

    分業化・多様化

    Action 3

    ☆Outcome

    コスト減

    産業立地促進

    経済波及効果

    経済波及効果

    ☆Outcome

    通過地域の所得増

    治安の向上 農村地域の所得の増大

    大陸横断

    レベル2アフガントランジット

    レベル3国内

    貿易基盤整備

    Action 2

    経済波及効果

    レベル1

    OC / EJEC / IDI

    5

  • アフガニスタン及び周辺地域の平和の構築

    アフガニスタンの平和・安定

    インド・中国の台頭 都市化の進展

    グラビティの南シフト

    復興の進展

    ・世界への出口を整備する(港湾)・安価なモードへの転換する(鉄道)

    コネクティビティ向上、モーダルスイッチ円滑化モビリティ向上、モーダルシフト促進

    ・国境を低くする(貿易基盤制度)・国境アクセスを整備する(鉄道)

    アクセシビリティ向上、ネットワーク化

    ・国内幹線を整備する(道路)・インターモーダル施設を整備する

    広域経済の発展 地域経済の発展

    グラビティの増大

    交通施策

    拠点開発

    モビリティ

    運輸セクター振興

    国境通過円滑化

    コネクティビティ

    産業セクター振興

    市場化、雇用創出

    アクセシビリティ

    農業セクター振興

    国家経済の発展

    インパクト

    大陸間 周辺国 地域

    環境変化

    グラビティの集中

    OC / EJEC / IDI

    大陸横断回廊

    シベリアランドブリッジ

    チャイナランドブリッジ(シルクロード)

    出典)World Bank 2004 Trade and Transport Facilitation in Central Asia: Reducing the EconomicDistance to Markets, mimeo. より引用したものを調査団で加筆

    DEHLI

    PESHAWARKABUL

    KAXGAR

    TEHRAN

    アフガン周辺地域の大陸横断ネットワーク

    (欧州‐南・東南アジア) (欧州‐中国)

    OC / EJEC / IDI

    6

  • ①大陸横断ネットワーク将来像 (欧州 ⇔ 南・東南アジア)

    (Ⅰ)(Ⅱ)

    国境通過手続きに時間を要する

    治安により道路改修が未済

    カイバル峠(線形、斜面災害多し)

    デリー~ペシャワール~マザリシャリフ~ヘラート~マシッド~テヘラン ルート

    海路→バンダラアバス(チャバハール)~テヘラン方面 ルート

    OC / EJEC / IDI

    ①大陸横断ネットワーク将来像 (欧州 ⇔ 南・東南アジア)

    整備目的:東・東南アジアと欧州方面を結ぶ導線整備

    • インド/パキスタン国境、アフガン/パキスタン国境治安問題

    • アフガン国内治安問題• アフガン国内では鉄道が未整備• アラビア海沿い(特にイランの港湾)の機能が不十分

    •欧州/アジア圏を結ぶ貿易路として発展が期待

    •互いのルートが代替ルートとして機能することで有事にも対応可能な貿易ルートの確保が可能となる

    現状

    整備効果

    整備へ向けた課題:

    (Ⅰ) Dehli‐Peshawar-Mazar-I-Sharif-Herat-Mashhad-Tehranルート【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】•Aquina-Herat間の道路改修•※ADB改修事業が治安で遅延•カイバル峠の道路改修、斜面災害対策【【治安治安】】Aquina-Heart間の治安改善【【国境通過手続き国境通過手続き】】•国境通過に係る手続きの煩雑さ•数多くの通関書式の存在•国境付近の施設充実(サービス施設、車両補修施設など含む)

    (Ⅱ)海路→Bandar Abbas(orChabahar)‐Tehran方面ルート【【港湾機能港湾機能】】•貨物取扱い量が逼迫しつつあり、機能拡張の必要性有り

    *全ルート共通課題•道路維持管理のための財源確保、人材育成

    •流通に関する多国間協定の創設

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  • ①大陸横断ネットワーク将来像 (欧州 ⇔ 中国)

    (Ⅲ)

    国境通過手続きに時間を要する

    山間地で災害多し

    治安により道路改修が未済

    ウルムチ~ドゥシャンベ~マザリシャリフ~マシッド~テヘラン ルート

    OC / EJEC / IDI

    ①大陸横断ネットワーク将来像 (欧州 ⇔ 中国)

    整備目的:中国と欧州方面を結ぶ導線整備

    •中国からの貨物(トラック)輸送が年々増加

    •⇒道路維持財源不足、過積載車両取締り問題

    •山岳部を抜ける道路区間の舗装状況が悪い区間が多く、改善の余地あり

    •中国と欧州方面を結ぶ貿易路として発展が期待

    •アフガン国内外のルートが代替ルートとして機能する

    現状

    整備効果

    整備へ向けた課題:

    (Ⅲ) Urmqi‐Dushanbe-Mazar-I-Sharif-Mashhad-Tehran ルート【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】Aquina-Herat間の道路改修※ADB改修事業が治安で遅延Irkeshtam-Karamyk(キルギス)間の道路改修※現状は、舗装区間が主体【【鉄道整備(ハード鉄道整備(ハード ))】】Mazar-I-Sharif-Herat間の鉄道整備(MoPWの最優先計画)鉄道と道路の結節点(荷物積替え施設)整備(モード切替)【【治安治安】】Aquina-Herat間の治安改善【【国境通過手続き国境通過手続き】】Hairatan、Islam Qala(いずれもアフガン)での越境手続き簡素化

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  • イラン港湾利用の物流

    パキスタン港湾利用の物流

    アフガン周辺地域のトランジット貿易の現況

    アフガニスタン、CIS国境の厚い壁

    ○アフガニスタン輸出67日、輸入71日

    ○ウズベキスタン輸出80日、輸入104日

    ○タジクスタン輸出82日、輸入83日

    ○キルギス輸出64日、輸入75日

    ○港湾使用料 $195○税関手数料 $210

    ○鉄道 $540

    ○道路 $500○通行料$120

    ○国境積み替え $60○国境通過税 $165

    ○積下し $200

    ○鉄道 $500

    ○道路 $430○通行料$120

    ○16日

    ○4日アフガントランジットの高い輸送費 :

    カラチ⇒ペシャワール⇒カブール ; 計$1,999カラチ⇒カンダハル⇒カブール ; 計$1,845(参考)輸送費中国⇒アメリカ $400インド⇒アメリカ $800

    アフガン周辺地域のトランジットの現況

    アフガニスタントランジットの現況は、国境の厚い壁と高い輸送費が特徴

    ⇒ハード、ソフトが連携した整備が必要

    輸出入手続きに必要な日数

    トランジットコストの内訳(20tコンテナ)

    OC / EJEC / IDI

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  • ②アフガントランジット網将来像

    OC / EJEC / IDI

    ②アフガントランジット網将来像

    整備目的:アフガニスタン及び周辺国のトランジット貿易網の整備

    ・リングロードの一部で道路改修の残存区間あり

    ・アフガン国内治安問題・バロチスターン地域の治安悪化

    •アラビア海4港湾⇔アフガン国内外を通過する交通によってアフガンの経済発展、税収増加等が期待できる

    現状

    整備効果

    整備へ向けた課題:

    アフガニスタンリングロードからの越境ルート整備【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】①Kabul~Peshawar間の代替ルート(MoPW計画路線)②Kerman~Herat間の代替ルート③リングロード北西部~Mashhad間の代替ルート【【鉄道整備鉄道整備】】リングロードまでの延線(Mazar-I-Sharif, Heart, Kandahar, Kabul)各隣国からの軌道幅(ゲージ)不統一⇒道路との結節点充実(モード転換)、将来的にはリングロード沿いの環状路線整備、標準軌での統一周辺国の施設改良及び輸送力増強

    【【海路海路】】カラチ、カシム、グワダル、チャバハール経由ルート

    越境手続き•アフガニスタン側の国境管理能力の向上•Single Window Inspection System導入•通関業務従事者の育成•原産地証明、出入国書類等の統一化•検疫対象物の国際標準化、統一コード設定等

    アフガニスタンリングロード内の東西、南北回廊の整備【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】物流増大に耐えられる幅員、舗装状態の確保⇒既存は未舗装、幅員不足、斜面災害無対策

    【【地形、地域地形、地域】】山岳ルート整備、標準以上の勾配区間有り

    【【経済性経済性】】過疎地域ルート、経済評価のみでのインフラ計画困難

    アフガントランジット網共通課題・イラン~トルクメ~ウズベキ/カザフルートの代替ルート整備 ・パキスタン国内のNational Trade Corridorの代替路線確保・カラコルムルートの整備による代替ルート確保 ・道路/鉄道の運営、維持管理のための財源確保、組織充実

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  • ③アフガニスタン国内の交通網将来像

    ※アフガニスタン公共事業省提供図面を元に調査団で加筆

    図中の点線表示:

    今後、整備の対象とすべきルート

    ※既存/計画区間含む

    ウズベキ/カザフ~トルクメ経由ルートの代替ルートとしての役割

    リングロードの南北短絡ルート

    (アラビア海4港とCISの短絡機能)

    カイバル峠の代替ルート機能

    リングロードの東西短絡ルート

    (イランとパキ/インド等の短絡機能)

    アフガントランジット機能も果たすルート整備

    OC / EJEC / IDI

    ③アフガニスタン国内の交通網将来像

    整備目的:アフガニスタン国内の地方部まで含めた物流体系の整備

    ・リングロード(Regional Highway)の一部で道路改修の残存区間あり・リングロード内の東西、南北回廊が物流路として機能していない・地方から幹線道路へのアクセス道路整備不足

    •地方部、産業集積地⇔都市間の流通網確保により、地域発展を通じた国家の発展に寄与

    •治安回復に寄与

    現状

    整備効果

    整備へ向けた課題:

    整備へ向けた課題:

    Regional Highway レベル【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】•Aquina-Herat間の道路改修(治安状況で遅延)

    【【鉄道網(将来)との連携鉄道網(将来)との連携】】•鉄道/道路の結節点(Dry port)整備National Highway レベル【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】•Kabul-Bamyan-Herat間の道路整備(東西)•Mazar-I-Sharif-Bamyan-Kandahar間の道路整備(南北)

    •Sheberghan-Dilaram間の道路整備(南北)【【地形地形】】•山岳地帯を抜けるルート整備

    Provincial Road レベル【【道路計画(ソフト道路計画(ソフト ))】】整備路線の優先度付けのためのマスタープラン【【道路改修(ハード道路改修(ハード ))】】農産物等の移送に耐えうる道路状態の創出

    鉄道ネットワーク

    【【鉄道施設鉄道施設】】軌道、駅、信号、通信、車両の整備

    国内交通網共通課題•総合交通体系整備計画の策定•道路維持管理のための財源確保、人材育成•過積載車両取扱い•道路情報の道路利用者への提供•地方部での道路維持管理事務所機能の設置、機材補修機能の充実等

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  • アフガニスタンとその周辺地域の将来交通網

    大陸横断ルート

    アフガントランジットルート

    アフガン国内ルート

    OC / EJEC / IDI

    ケーススタディ:アフガントランジット(ウズベキスタン~アフガニスタン~イラン)+国内交通網

    ルート図は修正中

    タシケント

    バンダラアバス

    トルクメルート

    中国 鉱山開発ルート

    リングロード内国内交通網

    OC / EJEC / IDI

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  • ケーススタディ:アフガントランジット(ウズベキスタン~アフガニスタン~イラン)+国内交通網

    対象ルート:タシケント~テルメズ~マザリシャリフ~ヘラート~サンガン~バンダラアバス 3,000km +国内ネットワーク 2,760km

    CIS諸国がトルクメニスタンを経由してアラビア海へ抜けるルートの代替えルート

    【Phase1】ヘラート~サンガン間

    ヘラート側60km鉄道整備 事業費約100億円 工期5年

    【Phase2】リングロード内道路網2,760km + マザリシャリフ~ヘラート間810km鉄道整備 事業費約4,000億円 工期10年

    テルメズ~マザリシャリフまでの鉄道整備→ADB実施中

    サンガン~ヘラート間鉄道整備で国境から60kmはイラン側が建設中(軌道敷設はこれから)

    競合するトルクメニスタンルート、パキスタンルートの差別化が必要

    中国業者がタジキスタン~アフガニスタン~パキスタン ルートを銅山開発の一部として建設予定であり、相乗効果が期待できる

    国内の広い範囲での工事→ 地方の労働者を雇用することで、治安の安定に貢献することができる

    プロジェクト概要 留意点

    OC / EJEC / IDI

    ケーススタディ:アフガントランジット(ウズベキスタン~アフガニスタン~イラン)+国内交通網

    課題

    【Phase1】ヘラートでは鉄道からトラックへの積替(モード変換)が必要

    【Phase2】道路整備、鉄道整備とも多額の事業費が必要鉄道運営維持管理組織が必要

    【ルート全体】マザリシャリフ~ヘラート間道路整備は治安悪く着工できないウズベキ鉄道は一部軌道の不良や車両の老朽化が見受けられるバンダラアバス港の処理能力がひっ迫しつつある。アフガニスタン国境での関税手続きに時間がかかる

    対処方法

    【Phase1】

    へラートでのICD(ドライポート)整備

    【Phase2】

    複数のドナーの協調融資

    ドナーおよび隣国による人材育成

    【ルート全体】

    十分なセキュリティ体制を確保、現地スタッフを主体に工事実施

    ウズベキ鉄道施設の改修

    バンダラアバス港の拡張またはチャバハール港の開発

    国境での関税手続きシステム化

    貨物輸送トラッキングシステムの導入

    3国間でのFTA締結等貿易の自由化の検討

    OC / EJEC / IDI

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  • まとめ

    OC / EJEC / IDI

    現状• アフガンおよび周辺国を含む地域には3つの階層の物流が

    あり、アフガンを経由するルートのニーズが高まりつつある。• 国境通過に要する時間、煩雑な手続き及びアフガン国内で

    越境物流に資するインフラの未完のため、アフガンでは物流ネットワークが機能せずアフガンを通らない国際物流が多い。

    • 維持管理能力、財源不足を原因とするインフラ施設の適正な運用が行われていない。

    課題• アフガンへのアクセス、国内物流インフラ、および、港までの

    インフラ整備 (ハードおよびソフト)が必要である。• 治安および急峻な地形によりインフラ整備が困難である。• 周辺国との協議および協定の締結による越境障害の改善が

    必須である。

    終了。どうもありがとうございました。

    OC / EJEC / IDI

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  • アフガニスタンとその周辺地域のトランジット交通網(将来)

    OC / EJEC / IDI

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    6.入手資料資料No. I-4