あさひかわ緩和ケア講座 2014 - asahikawa medical university...(ctz)の刺 激...
TRANSCRIPT
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あさひかわ緩和ケア講座 2010あさひかわ緩和ケア講座 2010
あさひかわ緩和ケア講座 2014
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あさひかわ緩和ケア講座 2014あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講疼痛以外の症状マネジメント
大田内科消化器科クリニック
大田 人可
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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PCU登録時・入院時の症状頻度2002.1.1~12.31(国立がんセンター東病院)
0
10
20
30
40
50
60
70
疼痛
食欲不
振 倦怠感
便秘
呼吸困難
嘔気・嘔吐
せん妄
%
登録時(N=494)入院時(N=331)
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ホスピス入院時の主訴 (206例)(淀川キリスト教病院:緩和ケアマニュアル)
1 痛み 63.1%
2 食欲不振 40.8%
3 全身倦怠感 33.0%
4 腹部不快・膨満感 23.8%
5 呼吸困難 20.9%
6 嘔気・嘔吐 18.9%
7 咳・痰 13.1%
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第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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症状マネジメントの原則
■ 評価 evaluation
■ 説明 explanation
■ マネジメント management
■ 観察 monitoring
■ 細かい配慮 attention to detail
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評価
■ 症状の原因は何か?
■ 症状を引き起こしている病態は何か?
■ 症状緩和に何が試され、何がうまくいかないか?
■ 症状が患者の生活に与えている影響はどれくらいか?
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説明
■ わかりやすい言葉で症状のメカニズムを説明する
■ 患者と治療の選択肢を話し合う
■ 家族に治療について説明し、話し合う
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いつも行うべき質問
• 症状がいつ出現するか「いつ頃症状が出ますか?例えば、朝起きた時?食事の時?」
• 症状が日常生活にどんな影響を与えているか「症状によって何か出来なくなったことはありますか?例えば..」
• 症状を軽減させる因子は何か(特定の体位、動作、食物、薬剤)「何かしたら楽になることはありますか?例えば..」
• 症状を悪化させる因子は何か(天候、気温)「どんな時に症状が強くなりますか?例えば、寒い時?」
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マネジメント
■ 治療可能な原因を改善する
■ 薬物療法と同じように非薬物療法を考慮する
■ 持続する症状には予防的な薬剤の処方をする
■ 処方はできるだけシンプルにする
■ 困難な状況では同僚、チームに意見を求める
専門医にコンサルテーションする
■ 「すべてのことをやった」
「 もうこれ以上やることはない」
→決して言ってはならない
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薬物療法の基本原則
• 簡便な投与経路で by mouth– 可能なかぎり経口投与とする
• 定期的に規則正しく by the clock– 一定の間隔で規則正しく薬を使用する
• 患者ごとに個別的な量で for the individual– 最大の効果と最小の副作用– 漸増法を原則とする
• 簡潔さを保つ keep it simple– 適切な投与量と投与間隔– 処方は簡潔に!
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観察
■ 見直し!見直し!見直し! (review)
多剤併用にともなう相互作用、副作用
服薬の状況
病状の進行に伴う新しい症状
「トワイクロス先生の
がん患者の症状マネジメント」より引用
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皆さんからの要望・質問
「嘔気」や「呼吸困難」を正しく評価するアセスメントのポイントやコツ等があれば教えてほしい
化学療法をするにあたり患者様より我慢しているほうがとても多いように思います。ただでさえ、薬をたくさん飲むのを嫌がる方もたくさんいるので、なかなかその人にあったケアを実施していくのができていないように思います
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「嘔気」について
日本医学会医学用語辞典には
「嘔気」 という言葉がなくなり
かわりに
「悪心」 か 「吐き気」 が使われる
英語では、nausea、retching、vomiturition
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第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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定義
悪心とは、
「吐きたくなるような不快な自覚症状である」
嘔吐とは、
「胃内容物を反射的に口から出すことである」
患者・家族にとって非常に苦痛である
患者のQOLを低下させる
胃酸による苦味が生じる
嘔吐に伴う不快な匂いが生じる
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病態生理
悪心・嘔吐の病態生理で重要な臓器は、脳と消化管である
化学受容体トリガーゾーン(CTZ)や胃腸におこる刺激は、嘔吐中枢を経由して、悪心・嘔吐を引き起こす
刺激は、神経伝達物質であるドパミン・ヒスタミン・アセチルコリン・セロトニンによって仲介される
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病態生理
神経伝達物質l ドパミンl ヒスタミンl アセチルコリンl セロトニン
消化管
脳皮質
前庭器
化学受容体トリガーゾーン(CTZ) 嘔吐中枢
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事例
• 60歳代の男性• 前立腺がん、リンパ節、骨転移を伴い、ホル
モン療法を行う
• 骨転移に伴う肩の痛みにオキシコンチン、悪心・嘔吐予防のために、ノバミン併用
• 悪心・嘔吐・食欲不振が続くため、入院⇒原因はどう考えますか?
⇒治療はどうしますか?
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原因
■薬剤:
NSAIDs、オピオイド、抗うつ薬、ジキタリス
■血液検査:
高カルシウム血症、腎障害
■身体所見、腹部X線:
消化管閉塞、便秘、胃潰瘍
■頭部CT、MRI:
脳転移、がん性髄膜炎
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治療
原因の治療、制吐薬の頓用
制吐薬を頓用で使用しながら、原因の治療を
行う
治療可能な原因
オピオイド→
高カルシウム血症→
便秘→
脳転移→MRIにて評価し、治療適応を検討
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治療
原因の治療、制吐薬の頓用
制吐薬を頓用で使用しながら、原因の治療を
行う
治療可能な原因
オピオイド→オピオイドスイッチ
高カルシウム血症→ビスホスホネート製剤
便秘→排便コントロール
脳転移→MRIにて評価し、治療適応を検討
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病態に合わせた制吐薬
病態に合わせた制吐薬の定期投与
最も関与していると思われる病態を同定し、病態に合わせた制吐薬を1つ選択する
⇒次のスライドから具体的に説明します
効果がなければ、1~2日ごとに30~50%ずつ副作用のない範囲で最大投与量まで増量する
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病態に合わせた制吐薬
臨床症状 考えられる病態 作用機序 薬剤の種類
・動くと悪化する
・めまいを伴う
脳転移・癌性髄膜炎、オピオイド
前庭神経の刺激
抗ヒスタミン薬
・持続的な悪心・
嘔吐
・オピオイド血中
濃度に合わせ
て増悪
オピオイドなどの薬剤、
高カルシウム血症、腎障害
化学受容体(CTZ)の刺激
ドパミン受容体
拮抗薬
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病態に合わせた制吐薬
臨床症状 考えられる病態 作用機序 薬剤の種類
・食後に増悪
・便秘
オピオイド、肝腫大・腹水による消化管蠕動の低下
消化管蠕動の低下 消化管蠕
動亢進薬
・蠕動痛がある 消化管閉塞消化管蠕動の亢進
抗コリン薬
・原因が複数もしくは
同定できない複数の受容体
複数の受容体拮抗薬
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前庭神経の刺激・化学受容体の刺激
前庭神経の刺激
経口:トラベルミン 3錠 分3
静脈・皮下:抗ヒスタミン薬(クロール・トリメトン,アタラックスP 1A/日から開始。眠気のない範囲で、4A/日まで増量)
化学受容体(CTZ)の刺激
経口:セレネース(0.75mg) 1錠 眠前で開始1~3日ごとに1.5mg 眠前まで増量
静脈・皮下:セレネース(5mg/A)持続静注・皮下注0.5A/日から開始眠気、錐体外路症状のない範囲で、1A/日まで増量
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消化管蠕動(昨年のスライド)
消化管蠕動の低下経口:ナウゼリン(10mg) 3~6錠 分3 食前
坐薬:ナウゼリン坐薬(60mg) 2個/日 分2
静脈・皮下プリンペラン(10mg/A)持続静注・皮下注:2A/日から開始。蠕動痛、錐体外路症状のない範囲で、6A/日まで増量
消化管蠕動の亢進ブスコパン(20mg/A)持続静注・皮下注 :2A/日から
開始。頻脈・腸管麻痺・口渇のない範囲で、6A/日まで増量
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ナウゼリンに関して(緩和ケア研修会Q&Aより)
Q:制吐剤としてドンペリドンの使用は適切ですか?
A:ドンペリドン(ナウゼリン)はドパミン受容体拮抗薬としてメトクロプラミド(プリンペラン)とほぼ同様の制吐効果があり副作用の錐体外路症状は比較的少ないとされますが、心臓突然死が報告されています。(30mg/day以上の使用で有意にリスク増加、OR比11.4)治療効果とリスクを考慮して使用してください。」(Charlotte N.,Drug Saf,2012)
このことだけが原因ではありませんが、がん緩和ケア領域で、制吐剤としてのナウゼリンは、あまり推奨されなくなりました。
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消化管蠕動(こちらに変更します)
消化管蠕動の低下経口:プリンペラン(5mg) 3~6錠 分3 食前
(坐薬:ナウゼリン坐薬(60mg) 2個/日 分2)
静脈・皮下プリンペラン(10mg/A)持続静注・皮下注:2A/日から開始。蠕動痛、錐体外路症状のない範囲で、6A/日まで増量
消化管蠕動の亢進ブスコパン(20mg/A)持続静注・皮下注 :2A/日から
開始。頻脈・腸管麻痺・口渇のない範囲で、6A/日まで増量
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複数の受容体の拮抗薬
経口 : ノバミン(5mg) 3錠 分3
コントミン(ウインタミン)
(12.5~25.0mg)3錠 分3
静脈 : ノバミン(5mg/A)持続静注1A/日から開始。眠気、錐体外路症状のない範囲で、2A/日まで増量
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効果のない場合
制吐薬の変更、他の作用機序の制吐薬
ステロイドの追加
例:ノバミン→トラベルミンリンデロン
漸減法:4~8mg/日を3~5日間投与し、効果がある場合には、効果の維持できる最小量に漸減 (0.5~4mg/日)。効果がない場合は中止
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事例に戻ると
• オキシコンチン⇒デュロテップパッチ
• 便秘⇒排便コントロール
• 悪心が続くため、消化管蠕動の低下と考え、プリンペラン30mg/日内服
• 7日目頃からじっとしていられない、焦燥感、落ち着きがない
⇒何がおきたのでしょうか
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薬剤の副作用対策
制吐薬の副作用とその対策眠気
「眠気はうとうとして、ちょうどいいぐらいですか?それとも、不快な感じですか?」
→ 不快なら①制吐薬の減量、②眠気の少ない
制吐薬へ変更
錐体外路症状
ドパミン受容体拮抗薬:パーキンソン症候群、アカシジア(静坐不能症)を生じる
→ 減量・中止する
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効果判定とコンサルテーション
効果判定 3~7日で効果判定
治療目標の設定 悪心・嘔吐の消失
達成できない場合:嘔吐を1日数回以下、持続する嘔気がない
専門医へのコンサルテーション 原因が不明の時
ドパミン拮抗薬、抗ヒスタミン薬を併用しても、悪心・嘔吐が緩和
されない場合
使用した経験のない制吐薬を投与する場合
制吐薬の副作用(錐体外路症状)が疑われた時
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ケア:説明・指導
• 説明• 悪心・嘔吐の原因• 患者の意向に沿った治療方針
• 指導• 我慢せず予防的に制吐薬を使用• 悪心・嘔吐のパターンを記録• 食事は無理をしない
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ケア:環境調整
• 悪心・嘔吐の原因・誘因になるものを除去• 吐物の臭気・食事・香水• 温かい食物はにおいが強くなるので注意
• 必要な物を手元に準備• ガーグルベースン• ティッシュペーパー• ナースコール• 冷水やレモン水
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ケア:日常生活
• 上半身を挙上した安楽な体位• 背中をさする• 冷罨法• マッサージ• 指圧• リラクセーション・気分転換
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ケア:食事指導
• 冷たいもの、炭酸飲料、のどごしのよいもの• においの強いものは避ける、回数を分ける• レモンのような酸味のあるもの、酢の物など• 盛りつけは小分けにする、彩り、食器の工夫• 激しい嘔吐のあるときは、経口摂取を控える
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ケア:口腔ケア・便秘対策
• 口腔のケア• 口腔内の観察• 冷水・レモン水・氷片の準備
• 便秘対策• 患者の生活習慣にある便秘対策を確認• 薬剤によるマネジメントの必要性を判断
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まとめ
悪心・嘔吐の原因を探索し、治療可能な原因を治療する
病態に応じた中枢性の制吐薬を使う
効果が得られない場合、薬剤の変更・追加をする
看護ケアとコミュニケーションが重要
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第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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定義
消化管閉塞とは、消化管における食物と液体成分の通過の機械的または機能的な閉塞を指す
消化管閉塞の罹患率は、卵巣腫瘍または大腸がんにおいて4~25%といわれ、進行がん患者では、その頻度は約42%である
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病態生理
消化管閉塞の発症には、多くのメカニズムが関係しており、その現れ方や原因も様々である
原因は、原発腫瘍や手術、化学療法、放射線治療後の再発腫瘍によるものがある
炎症性浮腫、便秘、脱水や便秘になりやすい薬剤(例:オピオイド、抗コリン薬)は消化管閉塞を悪化させる
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古典的治療の苦痛
イレウス管:挿入時の苦痛がとても強い
排液バック、吸引に拘束され動けない
絶飲食:口渇、のどの渇きに対応できない
輸 液:24時間点滴は移動の自由を妨げる
閉塞がある間は輸液により、かえって
嘔吐物が増加する
浮腫、腹水、胸水の悪化
・・・癌患者ではかえって患者の苦痛を強める・・
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つねに考慮する治療
手術・内視鏡的治療の適応を外科・消化器科に相談
輸液
1,000mL/日+異常喪失量を目安に行う
2,000mL/日以上の輸液:腹水、浮腫、胸水を悪化させることが多い
鎮痛
鎮痛を優先させる場合:モルヒネを投与
腸管蠕動を維持したい場合:フェンタニルを投与
蠕動痛がある場合:ブスコパンを追加
消化管ドレナージ
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薬物治療
プリンペラン(10mg/A)持続静注・皮下注1A/日から開始。蠕動痛、錐体外路症状がない範囲で、
慎重に6A/日まで増量
完全閉塞・蠕動痛のある患者には使用しない
(ナウゼリン坐薬(60mg))2 個/日 分2
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薬物治療
サンドスタチン 0.3mg/日 持続皮下・静脈注射、間欠的皮下・静脈注
射(0.1mg×3) 0.1mgの薬価は3449円
必要に応じてリンデロンを併用 4~8mg/日 分1(朝)~分2(朝・昼)で開始。3~5日で
効果がみられれば0.5~4mg/日に減量。維持効果がなければ中止
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消化管膨張
サンドスタチン 消化管伸展
血液循環遮断
酸素供給障害
内容物の増大/逆流
水・電解質の漏出
水・電解質の吸収能の喪失
分泌抑制
吸収促進
サンドスタチンの作用機序癌
消化管閉塞
内容物増大
消化液分泌
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サンドスタチンのエビデンス(ガイドラインより)
臨床疑問:がんに伴う手術不能な消化管閉塞の患者に対して、オクトレオチドの投与は、プラセボと比較して嘔気・嘔吐を緩和させるか
オクトレオチドの投与は、プラセボと比較して嘔気・嘔吐を緩和させる根拠がある
がんに伴う手術不能な消化管閉塞の患者に対して、オクトレオチドの投与を行うことを推奨する
1B(強い推奨)
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制吐薬の使用
抗ヒスタミン薬(クロールトリメトン、アタラックスP)持続静注1A/日から開始。眠気ない範囲で、4A/日ま
で増量
ドパミン拮抗薬(セレネース、ノバミンなど)持続静注・皮下注0.5A/日から開始。眠気、錐体外路
症状がない範囲で、2A/日まで増量
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閉塞部位による特徴食道
• 原因:食道癌、肺癌• 薬物療法:効果が期待できない• 手術:食道ステント留置術、
バルーン拡張術
• 放射線治療
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閉塞部位による特徴胃・十二指腸
• 原因:胃癌、膵臓癌、肝臓癌• 薬物療法:あまり効果が期待できない• 手術:PEG(経皮的内視鏡的胃ろう造設術)
PTEG(経皮的経食道的胃管挿入術)
消化管バイパス術、ステント留置術
• 処置:経鼻胃管
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閉塞部位による特徴小腸・大腸
• 原因:大腸癌、癌性腹膜炎• 薬物療法:サンドスタチン、ステロイド
中枢性制吐剤
• 手術:消化管バイパス術人工肛門造設術、ステント留置術
• 処置:経鼻胃管、イレウス管
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効果判定とコンサルテーション
効果判定 3~7日で効果判定
治療目標の設定薬剤でコントロール症状の消失が達成できない場合:経鼻胃管の使用を
考慮。ただし、処置内容とその効果に対して、患者と相談して満足できるようにする
専門医へのコンサルテーション悪心・嘔吐が緩和されない使用した経験のない制吐薬を投与する
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進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に関する薬物療法ガイドライン
手術可能な消化管閉塞か否かの確認
外科医への相談 薬物療法に関する治療方針の決定
薬物療法の効果判定
薬剤の変更の検討継続投与
薬剤療法の効果がなければ、胃管挿入
効果あり 効果なし
手術可能 手術不可能
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事例
• 50歳代の男性• 進行胃癌、肝・肺転移、癌性腹膜炎、• 手術不能、疼痛緩和にモルヒネを投与• 消化管閉塞に対してサンドスタチン0.3mg/日• 輸液を1700ml続けたところ、嘔吐がみられた• 胃管を挿入したが自己抜去• 輸液を850mlに減量したところ、嘔吐量が200ml
以下に減少した
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事例
• 50歳代の男性• 横行結腸癌、肝転移• 手術不能、在宅療養中• 消化管閉塞(腹痛、嘔吐)をきたし再入院• イレウス管を挿入し減圧後、閉塞部位にステン
トを留置
• 約1カ月在宅療養後、死亡• ステロイドは使ったが、消化管閉塞は再発せず
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まとめ
がんによる消化管閉塞の患者には
手術適応がないか検討する
手術が不可能であれば、薬物投与により症状コントロールが可能である
胃管が必要な場合は、苦痛のない消化管ドレナージを考える
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第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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定義
呼吸困難の定義「呼吸時の不快な感覚」という主観的な症状
呼吸不全の定義「酸素分圧(PaO2)≦60Torr」という客観的な病態
呼吸困難
呼吸不全どんな病態? どんな病態?
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事例
64歳 女性
胃癌術後に右肺転移で再発
数週間前から徐々に増悪する呼吸困難
咳嗽を伴い、不安が強い
⇒どのように評価し、原因・治療は?
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評価
患者の主観的評価が重要
呼吸困難以外の症状 (咳・痰・不安など)
既往歴・喫煙歴・職業歴
身体所見 (聴・打診)、呼吸数、酸素飽和度など
治療可能なものを除外する
採血・血液ガス分析
胸部レントゲン
必要に応じて、心エコー・胸部CTなど
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原因
肺実質の病変肺癌・肺転移、癌性リンパ管症、肺炎・無気肺、喘息
COPDなど
その他の胸郭の問題気道狭窄、胸水、気胸、腹水、神経筋疾患 など
その他SVC症候群、心不全、心嚢液貯留、肺塞栓、貧血、
不安 など
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呼吸困難の悪循環
呼吸困難+説明不足⇩
不安+恐怖⇩
呼吸数の増加⇩
呼吸困難の悪化
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病態と治療
病態 治療
頻度が高いもの
がん性リンパ管症
肺転移
肺炎・無気肺
胸水・腹水
心不全
貧血
ステロイド
抗生剤
ドレナージ
利尿剤、輸液の減量
輸血
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病態と治療
病態 治療
頻度が低いもの
気胸
気道狭窄
喘息・COPD
心嚢液貯留
上大静脈症候群
不安(パニック障害)
胸腔ドレナージ
放射線治療・気管ステント
気管支拡張薬・ステロイド
心嚢ドレナージ
放射線治療・上大静脈ステント
抗不安薬・SSRI
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つねに考えること
酸素
低酸素血症を合併する場合
低酸素血症がなくとも、使用後評価で患者が楽になる場合
輸液の減量(胸水、気道分泌、肺水腫による呼吸困難を緩和)
生命予後が数週間以下と考えられる患者
500~1,000mL/日以下に減量
咳・痰に対する処置
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呼吸困難に対するモルヒネの適応
■ 労作時の呼吸困難
■ 頻呼吸を伴う呼吸困難
■ 咳、喘鳴を伴う呼吸困難
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モルヒネを始めるときの説明
モルヒネの効果を説明するモルヒネは、がん患者および非がん患者における呼吸困
難に対して、緩和効果が認められている
モルヒネの中毒に対する不安を除く中毒は、全身状態が不良であっても起きない
呼吸不全では傾眠になる可能性を説明する呼吸不全の患者では呼吸数を低下させたり、傾眠で苦痛
を和らげることを目標とする場合がある
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
薬物治療
ステロイドの定期投与
漸増法
リンデロン 0.5mg/日から開始し、0.5mgずつ4mg/日まで増量
する
漸減法
リンデロン 4~8mg/日を数日投与し、効果認める場合は漸減し、効果の維持できる最小量 (0.5~4mg/日)で継続する
※ ステロイドは予後と効果のバランスを考えて使用する !!
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
ステロイドが呼吸困難に効く機序
ステロイドは、抗炎症作用、抗アレルギー作用、腫瘍周囲の浮腫軽減作用、免疫抑制作用などが期待されて使用されるが、呼吸困難の軽減は主に抗炎症作用によると考えられる
効果が期待しうる病態は、癌性リンパ管症のほか、上大静脈症候群、気管狭窄、気管支痙攣、化学療法・放射線治療による肺障害がある
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薬物治療
呼吸困難時の頓服
モルヒネ
塩酸モルヒネ(オプソ) 5mg 0.5~1包
塩酸モルヒネ注 2mg(0.2ml) 皮下注
抗不安薬
ソラナックス、コンスタン0.4mg 0.5錠
ワイパックス 0.5mg 1錠
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モルヒネの定期投与
モルヒネの定期投与開始量
塩酸モルヒネ(オプソ) 5mg 3包 分3(8時間ごと)
モルヒネ 20mg/日内服
モルヒネ 5mg/日 持続静注 または 持続皮下注
オピオイドが投与されている患者では20%増量
呼吸困難時のレスキューを設定内服の場合は1日投与量の1/6追加1時間開けて反
復可
注射の場合は1時間分を早送り30分開けて反復可
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抗不安薬
抗不安薬をオピオイドに追加
内服
セパゾン 1mg 2~6錠 分1~3
ソラナックス、コンスタン 0.4mg 1~3錠 分1~3
ワイパックス 0.5mg 1~3錠 分1~3
持続静注・皮下注
ドルミカム 2.5mg/日から開始
眠気が許容できる範囲で5mg/日まで増量
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モルヒネ以外のオピオイド
オキシコドン・フェンタニルの全身投与に関する臨床試験はなされていない
オキシコドン・フェンタニルの有効性には根拠がないが、以下の場合には検討する場合がある
・モルヒネが使用できないな場合
・オキシコドン・フェンタニルがすでに投与されてい
る場合、効果を評価することを前提に増量する
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事例に戻ると
労作時酸素飽和度が90%まで低下、胸部レントゲンで癌性リンパ管症と診断
酸素 2L/minで開始し、リンデロン8mg/日を開始
呼吸困難時には塩酸モルヒネ 2.5mg内服を頓服
抗不安薬を定期で使用
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効果判定とコンサルテーション
治療目標の設定呼吸困難を取り去ることが目標であるが、時に難しい
ことがある
呼吸困難と傾眠に対する患者・家族が満足できることを目標とする
専門医へのコンサルテーション原因が特定できない場合
モルヒネの投与・増量が適切か判断できない場合
モルヒネ開始後も呼吸困難が緩和できない場合
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
ケア
環境調整
• 低温、気流(外気、うちわ、扇風機)
• 酸素をしながら動 け る 部 屋 の整備、
• ナ ー ス コ ー ル ・薬を手元に
姿勢の工夫
• 起座位• 機能している肺
を上にする
酸素の使用
• 酸素療法の使用法を指導し不快感に対処
• 酸素吸入中は乾燥するので、いつでも水分を取れるようにする
⇒さらに詳しいことは第7講で
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
まとめ
呼吸困難は主観的な症状である
治療可能なものかを評価する
モルヒネは呼吸困難に効果が証明されている薬剤である
不安への対応が有用である
環境整備などのケアが重要である
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
1 十全大補湯(48) 骨髄抑制、血小板減少、NK活性低下
2 小柴胡湯(9) 口内炎、肝機能障害
3 牛車腎気丸(107) パクリタキセル由来 末梢神経障害
4 半夏瀉心湯(14)塩酸イリノテカン(CPT-11)による遅発性下痢
放射線照射後 咽頭違和感
5 大建中湯(100) がん術後の便秘、イレウス
6 六君子湯(43) シスプラチン由来 食欲不振
7 人参養栄湯(108) 放射線照射後 食欲低下
8 附子剤(3022) がん性疼痛
漢方薬が有効ながんの合併症・治療に伴う有害事象
元雄良治 漢方医学 Vol31 No4 2007より
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
症状マネジメントの10原則
1. 治療の前に、まず患者の病態を検討
2. 症状の原因と成り立ちについて、わかりやすい
言葉で患者に説明
3. 選択可能な複数の治療について患者と話し合う
4. 治療の内容を家族に説明
5. 症状が持続的な場合、予防的に薬剤を投与
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
症状マネジメントの10原則
6. 治療は単純な方法で開始、複雑なものは後回し
7. 治療は薬剤だけに限定しない
8. 治療が期待どおりの効果があげない場合、同僚
や専門医の意見を
9. 患者と家族へ、現実的で配慮のゆき届いたケアを
10. 治療方針の見直し!見直し!見直し!(review)
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あさひかわ緩和ケア講座 2010
Take Home Message!
症状の原因を探索し、治療可能な原因を治療する
悪心・嘔吐に対して、病態に応じた制吐薬を投与する
消化管閉塞に対して手術適応を検討し、手術不能なら薬物による治療を行う
呼吸困難は主観的な症状である。モルヒネは呼吸困難に対する効果が証明されている薬剤である
薬物療法に加えて、環境調整などの看護ケアも大事である
あさひかわ緩和ケア講座 2014
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
第6講『疼痛以外の症状マネジメント』
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
• 疼痛以外の諸症状• 症状マネジメントの原則• 悪心・嘔吐、消化管閉塞• 呼吸困難• 症状緩和に有効な漢方薬• まとめ• 参考文献
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あさひかわ緩和ケア講座 2014
参考文献
・緩和ケアマニュアル第5版(淀川キリスト教病院ホスピス編)・2008年版 がん緩和ケアガイドブック 日本医師会監修・医師に対する緩和ケア教育プログラム(PEACE)
http://kanwaedu.umin.jp/peace/index.html・志真泰夫:緩和ケア実践セミナー:
日本ホスピス緩和ケア研究振興財団主催・大阪大学緩和医療学講座
http://www.pm.med.osaka-u.ac.jp/index.html・緩和ケア 17:502-508,2007:嘔気・嘔吐、消化管閉塞のマネジメント・漢方医学 31:144-155,2007
悪性腫瘍と漢方-集学的・全人的アプローチ-・トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント第2版 医学書院・がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2011年版・がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン 2011年版
日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会編集