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第4回 複雑な運動方程式物理学概説Ab or 力と運動 (力学)
以下の準備をお願いします
担当講師:桑畑和明
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ホームページ :
マイクのミュート、ビデオの停止、 チャットを見れるようにしておいて下さい
http://www.ohno.ynu.ac.jp/kuwahata/index.html に授業のスライド、演習問題、提出フォーム、補助資料 を置いておきます
授業開始は12時50分から、少々お待ちください。
←ホームページには左のQRコードからもアクセス可能
(連絡先:[email protected])
講義を録画します
(備忘録)
質問への回答問) 微分に や などの表記を使ってもいいですか?·y y′�
問) 積分定数を使わずに、初期条件から直接解いていいですか?
どの表記を使っても問題ありません
きちんと理解していれば問題ありません
問) が自明の場合に、 を省略してもいいか?t > 0 t > 0
の記述はあった方がいいt > 0
問) Forms で送信ができない
Microsoft のサーバーが混雑している?
方程式の解き方(復習)(1) に力を代入(運動方程式を立てる)m
d2 rdt2
= F
(2) 方程式を解く
(3) 初期条件を代入
(4) 解の吟味
全ての時刻tに対する を代入F (t)
ここが一番難しい。詳しくは次回以降
2つの条件式を代入する
グラフ等を書いて解の妥当性を吟味。 質問に対するの回答になっているか?
いろいろな力
◎束縛力
◎摩擦力・抵抗力
◎重力
◎弾性力(復元力)
◎中心力
(単語は覚える必要はない)
、地球表面の重力加速度 F = GMmr2
g =Fm
=GMr2
= 9.8 m/s2
物体の運動を制限する力
物体の運動を妨げる力
、kはバネ定数(詳しくは第5回単振動、第6回減衰・強制振動)F = − kx
ある一点の方向に働く力(詳しくは第11回角運動量とケプラーの法則)
今日の話のメイン(教科書p50〜p60)
束縛力
≈m g
N
:運動の範囲を制限する
例)滑らかな平面状を運動する物体
y軸成分は変化しない⇔ y = Cons . ⇔ ·y = 0 ⇒ ··y = 0
束縛条件
T
m g
例)糸で吊るされた振り子の運動
が一定l束縛条件
lθ
md2(lθ)
dt2= ml
d2θdt2
= − mg sin θ
xy
:垂直抗力( )N N = − m g
:張力T
mgxy
XY N
θ
θmg cos θmg sin θ
束縛力:運動の範囲を制限する例)滑らかな斜面上を運動する物体が初速0で距離 進む時間?l
X : m d2Xdt2 = mg sin θ
Y : m d2Ydt2 = N − mg cos θ
斜面に接して動くので、束縛条件··Y = ·Y = 0 よって N = mg cos θ··X = g sin θ
{X(t) = 12 g sin(θ)t2 + Vxt + X0
Y(t) = Y0
(1)◎ 新たに斜面と水平をX軸、垂直をY軸
(2)
{·X(t) = g sin(θ)t + Vx·Y(t) = 0
束縛力:運動の範囲を制限する例)滑らかな斜面上を運動する物体が初速0で距離 進む時間?l
mgxy
XY N
θ
θmg cos θmg sin θ
初期条件を代入、また とするX0 = 0(3)·X(0) = Vx = 0
X(t) =12
g sin(θ)t2
距離 を進む時間を とするl t1(4)
X(t1) =12
g sin(θ)t21 = l
より t1 > 0 t1 =2l
g sin θ
いろいろな力
◎束縛力
◎摩擦力・抵抗力
◎重力
◎弾性力(復元力)
◎中心力
(単語は覚える必要はない)
、地球表面の重力加速度 F = GMmr2
g =Fm
=GMr2
= 9.8 m/s2
物体の運動を制限する力
物体の運動を妨げる力
ある一点の方向に働く力(詳しくは第11回角運動量とケプラーの法則)
、kはバネ定数(詳しくは第5回単振動、第6回減衰・強制振動)F = − kx
摩擦力
mg
N
物体の運動を妨げる力
F
R
R
Fx
y
Rmax
R′�
:最大摩擦力Rmax
( :動摩擦係数、 )R′� = μ′�N μ′� μ′� < μ
( :静止摩擦係数)Rmax = μN μ:動摩擦力R′�
すべらない
R = F
すべる
◎ 摩擦力
◎ 粗い平面状を運動する物体
例)粗い平面を速度 で進む物体の止まるまでの時間と距離は?v
摩擦力 物体の運動を妨げる力
mg
N x軸 : m d2xdt2 = − R
y軸 : m d2ydt2 = N − mg
v
R
xy
:最大摩擦力Rmax
( :動摩擦係数)R′� = μ′�N μ′�
( :静止摩擦係数)Rmax = μN μ:動摩擦力R′�
◎ 摩擦力
(1)
束縛条件より ··y = ·y = 0
∴ 0 = N − mg ⇔ N = mg
物体は運動中なので R = μ′�N = μ′�mg
m ··x = − μ′�mg ⇔ ··x = − μ′�g
、·x(t) = − μ′�gt + v
時刻 で止まったとするt1
(2)
初期条件 より·x(0) = v, x(0) = 0(3)
x(t) = −μ′�g2
t2 + vt
(4)·x(t1) = − μ′�gt1 + v = 0 ⇔ t1 =
vμ′�g
よって、x(t1) =v2
2μ′�g
抵抗力 物体の運動を妨げる力
◎ 粘性抵抗:F = − αv
◎ 慣性抵抗:F = − βv2v
y
−αv ・周りの空気を引きずる
・進行方向の空気と圧縮
(注)どちらの式も近似的な式で厳密ではない どちらの式を使うかは問題文に書いてある
・速度が遅い時に主要
・速度が速い時に主要
空気
・摩擦力:垂直抗力に比例 ・抵抗力:速度に比例
◎ 空気抵抗中の落下運動◎ 抵抗力
◎ 摩擦力と抵抗力の違い
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に粘性抵抗 がかかる場合の速度の時間変化?−αv
v
y
−αv
md2ydt2
= − mg −αvy
dvy
dt= − (g +
αm
vy)
常にマイナス
∫dvy
g + αm vy
= − ∫ dt
変数分離 (左辺に 、右辺に を集める)vy t
両辺に がある!vy
( は積分定数)mα
log g +αm
vy = − t + C C
( )g +αm
vy = C1e− αm t C1 = e α
m C
( は定数)vy(t) =mα (C1e− α
m t − g) C1
(1)
(2)
は初期条件をから決定するC1
と仮定する|g | >αm
vy
◎ 変数分離dydx
= F(x) G(y)
∫1
G(y)dydx
dx = ∫ F(x)dx + C
∴ ∫1
G(y)dy = ∫ F(x)dx + C
(左辺に 、右辺に を集める)y x
v
y
−αv ( は定数)vy(t) =
mα (C1e− α
m t − g) C1
、 vy(0) =mα (C1 − g) = 0 ∴ C1 = g
よって、vy(t) =mgα (e− α
m t − 1)vy t
−mgα
t
e− αm t
0 → ∞
1 → 0
e− αm t − 1 0 → − 1
終端速度
O
(3)
(4) 時間変化の概要を求める
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に粘性抵抗 がかかる場合の速度の時間変化? 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよ
−αv
t = 0 v0 = 0
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に慣性抵抗がかかる場合で 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよt = 0 v0 = 0
◎ 粘性抵抗:F = − αv
◎ 慣性抵抗:F = − βv2
→ F = − α v
◎ 抵抗力の向きに関する補足
→ F = − β v ⋅ v = − β | v |2
v
y
−βv2
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に慣性抵抗がかかる場合で 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよt = 0 v0 = 0
◎ 粘性抵抗:F = − αv
◎ 慣性抵抗:F = − βv2
→ F = − α v
◎ 抵抗力の向きに関する補足
→ F = − β v ⋅ v = − β | v |2
→ F = − β | v | v
F = − β |v |vv
y
−β |v |v
(1) md2ydt2
= − mg −β |vy |vy
落下中の運動 なのでvy < 0 md2ydt2
= − mg +βv2y
(2)dvy
dt= − (g −
βm
v2y )
∫dvy
g − βm v2
y
= − ∫ dt
12 g ∫ ( 1
g + βm vy
+1
g − βm vy
)dvy = − ∫ dt
変数分離
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に慣性抵抗がかかる場合で 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよt = 0 v0 = 0
v
y
−β |v |v
因数分解
v
y
−β |v |v(2)
12 g ∫ ( 1
g + βm vy
+1
g − βm vy
)dvy = − ∫ dt
12
mgβ (log g +
βm
vy − log g −βm
vy ) = − t + C
12
mgβ (log
g + βm vy
g − βm vy
) = − t + C
g + βm vy
g − βm vy
= C1e−γt(ただし、 )C1 = e2C gβ
m
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に慣性抵抗がかかる場合で 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよt = 0 v0 = 0
( とおいた)γ = 2gβm
> 0
v
y
−β |v |v(2)
抵抗力 物体の運動を妨げる力例)自由落下している物体に慣性抵抗がかかる場合で 時刻 で初速度 の時の速度変化の概要を図示せよt = 0 v0 = 0
vy(t) = −mgβ
1 − C1e−γt
1 + C1e−γt
(3) より vy(0) = −mgβ
1 − C1
1 + C1= 0 C1 = 1
vy(t) = −mgβ
1 − e−γt
1 + e−γt
t
e−γt
0 → ∞
1 → 0
0 → 1
(4) 時間変化の概要を求めるvy t
−mgβ終端速度
O
1 − e−γt
1 + e−γt
抵抗力 物体の運動を妨げる力
・ F = − α v
・ F = − β | v | v
◎ 粘性抵抗:F = − αv
◎ 慣性抵抗:F = − β |v |v
・速度が遅い時に主要
・速度が速い時に主要
◎ 解き方:変数分離法
・終端速度:mgα
・終端速度: mgβ
dydx
= F(x) G(y)
∫1
G(y)dy = ∫ F(x)dx + C
複合問題
mg
N
θ
θmg cos θmg sin θ
R
X : m d2Xdt2 = mg sin θ − R
Y : m d2Ydt2 = N − mg cos θ
斜面に接して動くので、束縛条件より
d2Ydt2
=dYdt
= 0 よって N = mg cos θ
運動中なので
R = μ′�N = mgμ′�cos θ
··X = g sin θ − gμ′�cos θ
(1)
(2)
·X = g(sin θ − μ′�cos θ)t + Vx
X =12
g(sin θ − μ′�cos θ)t2 + Vxt + X0
例)粗い斜面を速度 で降る物体の止まるまでの時間と距離は?v
XY
xy
複合問題
mgxy
XY N
θ
θmg cos θmg sin θ
R
例)粗い斜面を速度 で降る物体の止まるまでの時間と距離は?v
(3) 初期条件より、また とするX0 = 0·X(0) = Vx = v
X(t) =12
g(sin θ − μ′�cos θ)t2 + vt
·X(t) = g(sin θ − μ′�cos θ)t + v
止まるためには 、 sin θ − μ′�cos θ < 0 tan θ < μ′ �
(4) 時刻 で止まったとするt1·X(t1) = g(sin θ − μ′�cos θ)t1 + v = 0
t1 =−v
g(sin θ − μ′�cos θ)
X(t1) =v2
2g(μ′�cos θ − sin θ)