―第2報 連続投与試験―fa.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/39/supplement3/39_265.pdfvol.39...

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VOL.39 S-3 PAPM/BP第1相試 験(2) 265 Panipenem/betamipronの 臨 床 第I相 試験 ― 第2報 連続投与試験― 中島光好 ・植 松俊彦 浜松医科大学薬理学教室* 金丸光隆 新風会丸 山病院 田 島政 三 三共株式会社 ・医薬開発第二部 長 沼英夫 ・市川正 人 ・久 岡正 史 ・川原幸則 三共株式会社 ・第一生産技術研 究所 Panipenem/betamipron(PAPM/BP)は カ ル バ ペ ネ ム 系 抗 生 物 質panipenem(PAPM)と 有 機 ア ニ オ ン輸 送 抑 制 剤betamipron(BP)と の 配 合 剤 で あ る。 本 報 で は 健 康 成 人 男 子9名 対 象 と し,PAPM/BP5日間連 続投 与(60分点 滴静 注,12時間間 隔)時の耐 容性 と薬物動 態 を検 討 した 。PAPM/BPを5名 の 被 験 者 に500mg/500mg点 滴投 与 した時,終 了時の平均血漿中濃度 は,PAPMが23.3~26.9μg/ml,BPが11.5~16.2μg/mlで あ っ た 。PAPM/BPを4名 の 被 験 者 に1000mg/1000mg点 滴投与 した時,終 了 時 の 平 均 血 漿 中 濃 度 は,PAPMが43.2~55.9μg/ml, BPが24.3~33.2μg/mlで あ っ た 。 ま た,PAPMとBPの 血 清 蛋 白 結 合 率(点 滴 終 了 時)は,そ れ ぞ れ5.6%,73.1%で あ り,500mg/500mg投 与終 了時 とほ ぼ同 等の値 であ った。朝 に投与 され たPAPM/BPは12時間 までの 尿 中に,PAPMと し て約25~35%,BPとし て ほ ぼ100%が回 収 さ れ た 。PAPMの 生 物 学 的 半 減 期(β 相)は 投 与 量 に 依 存 せ ず 約70分で あ っ た 。 初 回 投 与 時 と 最 終 回 投 与 時 の 薬 物 速 度 論 パ ラ メー タ,尿 中 排 泄 の 推 移 に 大 き な 変 化 は み ら れ ず、 蓄 積 性 は 認 め られ な か っ た 。 試 験 期 間 を 通 じて 本 剤 に起 因 す る と思 わ れ る 副 作 用 は 認 め ら れ な か っ た 。 低 用 量 群 の1例 一 過 性 の 軽 度 のGPT上 昇(投 与 前18IU→ 投 与終 了22時間 後40IU)を 認 め たが ,13日後に は正 常 に復 して い た 。 Key words: Panipenem/betamipron, PAPM/BP, 第I相 試 験,体 内動 態,耐 容性 Panipenem/betamipron (PAPM/BP)は,極めて 幅広い抗菌スペ クトラム と強い抗菌力を有す るカルバ ペ ネ ム 系 抗 生 物 質panipenem(PAPM)と 有機アニオ ン輸 送 抑 制 剤betamipron(BP)の 配 合 剤 で あ る1)2)。 健 常 人 に お け るPAPM/BPの 単 回 投 与 第1相 試験 に お い て,PAPMは 点 滴 投 与 終 了 時 に最 高 血 漿 中 濃 度 に な り,生 物 学 的 半 減 期 約70分,尿中 回 収 率 約30%,BP と して は4時 間以 内 に ほぼ100%が尿 中 に排 泄 され る こ とが 明 らか に さ れ た。 さ ら に 副 作 用 は 認 め ら れ な か っ た3)。 今 回 は 推 定 臨 床 用 量 と思 わ れ る1回500mg/500 mg,1日2回(Study no.IV)ま た は1回1000mg/1000 mg,1日2回(Study no.V),それぞれ5日 間連続 投 与 し た 際 の 健 常 人 に お け る耐 容 性 と体 内 薬 物 動 態 と に つ い て検 討 し た。 1.材 料 と 方 法 1.対 被 験 者 はTable 1に示 す 男 子9名 で年齢26歳~39歳, 身 長164.8~186.0cm,体 重57.0~82.8kgで ある。被験 者 は 試 験 に 先 立 ち,試 験 の 目 的,内 容,治 験薬の性質 等 に つ き十 分 な 説 明 を受 け た 上 で,書 面 に よ り同 意 し た 志 願 者 で あ る。 被 験 者 は い ず れ も事 前 に 問 診,理 的 検 査,血 液 検 査,血 液 生 化 学 検 査,尿 検査および皮 内反応 テス トを受 け,治 験 担 当医 師に よ り対象 と して 適 格 で あ る こ とが 確 認 さ れ た 。 試 験 期 間 は 昭 和62年10 月 ~昭 和63年4月 で あ り,丸 山 病 院 倫 理 委 員 会 の 承 認 を得た後,実 施 された。 2.投 与 量 お よ び 投 与 方 法 投 与 量 はPAPM/BPを500mg/500mgお よ び1000mg/ 1000mgと し,1日2回(12時 間 間 隔),5日 間(最 終 日 1回),計9回 連 続 投 与 し た 。溶 解 液 は 注 射 用 生 理 食 塩 *〒431 -31浜松 市 半 田町3600

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Page 1: ―第2報 連続投与試験―fa.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/39/Supplement3/39_265.pdfVOL.39 S-3 PAPM/BP第1相 試験(2) 265 Panipenem/betamipronの 臨床第I相 試験 ―第2報

VOL.39 S-3

PAPM/BP第1相 試 験(2)265

Panipenem/betamipronの 臨 床 第I相 試 験

― 第2報 連続投与試験―

中島光好 ・植松俊彦

浜松医科大学薬理学教室*

金丸光隆

新風会丸山病院

田島政三

三共株式会社・医薬開発第二部

長沼英夫 ・市川正人 ・久岡正史 ・川原幸則

三共株式会社・第一生産技術研究所

Panipenem/betamipron(PAPM/BP)は カルバ ペ ネム 系抗 生物質panipenem(PAPM)と

有機 ア ニオ ン輸 送抑 制剤betamipron(BP)と の配合 剤 で あ る。 本報 で は健康 成 人 男子9名 を

対 象 と し,PAPM/BP5日 間連 続投 与(60分 点 滴静 注,12時 間間 隔)時 の耐 容性 と薬物動 態 を検

討 した。PAPM/BPを5名 の被 験者 に500mg/500mg点 滴投 与 した時,終 了時 の平均 血 漿 中 濃度

は,PAPMが23.3~26.9μg/ml,BPが11.5~16.2μg/mlで あ った。PAPM/BPを4名 の 被験

者 に1000mg/1000mg点 滴 投与 した時,終 了時 の平 均 血 漿 中 濃度 は,PAPMが43.2~55.9μg/ml,

BPが24.3~33.2μg/mlで あ った。 また,PAPMとBPの 血清 蛋 白結合 率(点 滴 終 了時)は,そ

れぞれ5.6%,73.1%で あ り,500mg/500mg投 与終 了時 とほ ぼ同 等の値 であ った。朝 に投与 され

たPAPM/BPは12時 間 までの 尿 中に,PAPMと して約25~35%,BPと してほ ぼ100%が 回収

された。PAPMの 生 物学 的半 減期(β 相)は 投与 量 に依 存せ ず約70分 であ った。 初 回投与 時 と

最終 回投 与時 の薬物 速 度論 パ ラ メー タ,尿 中排 泄の推 移 に大 きな変化 は み られ ず、 蓄 積性 は 認

め られ なか った。

試験期 間 を通 じて本 剤 に起 因す る と思 わ れ る副作 用 は認め られ なか った。低 用 量群 の1例 に

一過 性 の軽度 のGPT上 昇(投 与 前18IU→ 投 与終 了22時 間 後40IU)を 認 め たが,13日 後 に

は正 常 に復 して いた。

Key words: Panipenem/betamipron, PAPM/BP, 第I相 試験,体 内動 態,耐 容性

Panipenem/betamipron (PAPM/BP)は,極 め て

幅広 い抗菌 スペ ク トラム と強 い抗菌 力 を有す るカルバ

ペ ネム系抗生 物質panipenem(PAPM)と 有 機 アニ オ

ン輸 送抑 制剤betamipron(BP)の 配合 剤 で あ る1)2)。

健常 人 におけ るPAPM/BPの 単 回投 与 第1相 試験 に

おいて,PAPMは 点滴 投与 終 了時 に最 高 血漿 中濃度 に

な り,生 物学 的半減 期約70分,尿 中 回収率 約30%,BP

としては4時 間以 内 に ほぼ100%が 尿 中 に排 泄 され る

こ とが明 らか に され た。 さ らに副作 用 は認 め られ なか

った3)。今 回は推定 臨床 用 量 と思 わ れ る1回500mg/500

mg,1日2回(Study no.IV)ま たは1回1000mg/1000

mg,1日2回(Study no.V),そ れ ぞれ5日 間連 続

投与 した際の健 常 人 におけ る耐 容性 と体 内 薬物動 態 と

につ いて検 討 した。

1.材 料 と方法

1.対 象

被験 者 はTable 1に 示す 男子9名 で年 齢26歳 ~39歳,

身長164.8~186.0cm,体 重57.0~82.8kgで あ る。被 験

者 は試 験 に先 立 ち,試 験の 目的,内 容,治 験薬 の性 質

等 につ き十 分 な説 明 を受 け た上 で,書 面に よ り同意 し

た志願 者 であ る。 被験 者 はい ずれ も事 前に 問診,理 学

的 検査,血 液検 査,血 液生 化学 検査,尿 検 査 お よび皮

内反応 テス トを受 け,治 験 担 当医 師に よ り対象 と して

適 格 であ るこ とが 確認 された。 試験 期 間 は昭和62年10

月 ~昭 和63年4月 で あ り,丸 山病 院倫理 委 員会 の承 認

を得 た後,実 施 され た。

2.投 与 量 お よび投 与 方法

投 与 量 はPAPM/BPを500mg/500mgお よ び1000mg/

1000mgと し,1日2回(12時 間間 隔),5日 間(最 終 日

1回),計9回 連続 投 与 した。溶解 液 は注射 用生 理 食塩

*〒431 -31浜 松 市半 田町3600

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266CHEMOTHERAPY

SEPT.1991

液100mlを 使用 し,計9名 の被験 者 に対 し,イ ン フユー

ジ ョ ン ポ ンプ(テ ル モ)に て60分 間 で 点 滴 静 注 した

(Table1)。

3. 試験 スケ ジュー ルお よび検 査項 目

Fig.1にPAPM/BPの 連 続 投 与 試験 スケ ジ ュー ル

を示 した。 また,Table2に は臨床 検 査項 目 を示 した。

Table 1. Background of characteristics and allocation of 9 healthy male volunteers

in a multiple-dose study on panipenem/betamipron

Day 1

Time after administration (h)

Fig. 1. Schedule of multiple-dose study on panipenem/betamipron

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VOL. 39 S-3PAPM/BP第1相 試験(2)

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Day 2 Day 3 Day 4

Time after administration (h)

Fig.1.-Continued. Schedule of multiple-dose study on panipenem/betamipron

Day 5

Time after administration (h)

Fig. 1.-Continued. Schedule of multiple-dose study on panipenem/betamipron

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268CHEMOTHERAPY

SEPT.1991

Table 2. Clinical laboratory tests

Items

1) Signs and symptoms

2) Physical examination: blood pressure, pulse rate, body temperature, respiratory rate, ECG

3) Laboratory tests

a) Hematology: RBC, hemoglobin, hematocrit, WBC and differential counts, platelets, reticulocytt:,

MCV, MCH, MCHC, PT, APTT, fibrinogen

b) Blood chemistry: GOT, GPT, AL-P, LDH, LAP, y-GTP, CK, amylase, T-protein, albumin, A/G,

BUN, creatinine, UA, Na, K, Cl, Ca, P, Mg, glucose, T-chol, triglyceride, T-bli,

D-bil, CRP, Coombs' test

c) Urinalysis: pH, protein, glucose, urobilinogen, blood, ketones, specific gravity, sediment

d) Others: NAG, ƒÀ 2-microglobulin, creatinine clearance, skin test

早 朝,空 腹時 に投 与直 前の検 査 を行 い,治 験 担 当医 師

に よ り本治験 に適格 と判定 され た被験 者 に投薬 され た。

安 全性 の確 認の検査 は原則 として初 回投与 後2日,4

日,6日(最 終投 与後22時 間)お よび追跡検 査 として

最 終投 薬後1週 間 目に行 った。なお,PAPM/BPの ヒ

ト糞便 内細菌 叢 に及 ぼす 影響 に つ いて は,大 屋 ら4)が

検 討 した。

4.血 液,尿 お よび唾 液検体 の採 取 と薬剤 濃度 の測

薬剤投 与 中お よび投 与後 に肘静脈 よ り採血 し,速 や

かに冷却 下 で遠心分 離 して血 漿 を得 た。 尿 は尿量 を計

測 後,一 部 を採取 した。血漿,尿 お よび唾液検 体 はFig.

1に 示す 時間 に採取 し,検体 中の薬 剤 を安 定化 す るため

に1M3-(N-morpholino)-propanesulfonic acid

(pH7.0)緩 衝 液 を等量加 え,直 ちに-80℃ で凍 結 し測

定 まで保 存 した。

PAPMの 測 定 は 高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ ィー

(HPLC)法5)お よびbioassay法6)に よ り行 っ た。BPは

HPLC法5)を 用 い て行 った。なお,PAPMのHPLC法

とbioassay法 に よ る測 定値 は 良好 な相 関性 を示 した

の で,主 としてHPLC法 の値 を使 用 した。HPLC法 に

よ る測定 限 界は,PAPMは 血 漿,尿 と もに1.0μg/ml,

BPの それ らは0.2μg/ml,0.5μg/mlで あ る。

5.蛋 白結合 率 の測定

点滴投 与 終 了時 の血 清 を用 い,限 界濾 過 法(MPS-

3,ア ミコン)に よ って遊 離 型分画 を得 て行 った。

6.薬 動 力学 的解 析

既 報 と同様 に,初 回お よび最 終投 与 後の血 漿 中濃度

の実 測値 を非線 形最 小2乗 プ ロ グ ラムMULTI7)を 用

い てtwo compartment open modelに あて はめ一 連

の薬物 速度 論パ ラメー タ を算 出 した。

II.成 績

1.PAPM/BP500mg/500mg連 続 投与 試験(Study no.

IV)

1)PAPMの 血漿 中 濃度 お よび尿 中排 泄

PAPM/BPを 生 理 食塩液100mlに 溶解 し,点 滴静注

(500mg/500mg/60min,9回)し た時 のPAPMの 血漿 中

濃度 をTable 3,4,尿 中排 泄 をTable 5,6に 示 した。

各投 与 終 了時 に おけ るPAPMの 平 均 血漿 中濃度は

23.32~26.85μg/mlの 値 を示 し,各 投 与 で 多少のバ ラ

ツ キはみ られ る ものの,ほ ぼ 類似 した値 であ った。 ま

た,投 与1回 目と9回 目の平均 血 漿 中濃度 推移 は,投

与 終 了後 速や か に減 少 し,投 与 開 始4時 間後 で約2

μg/mlを 示 し,7時 間後 に は概 ね検 出限 界以下 とな り,

投 与1回 目と9回 目の血漿 中濃度 推移 は ほぼ同等であ

った。 一方,投 与開 始か ら12時 間 までの平均 累積尿中

排 泄率 は各投 与 回 にお いて,24.8~35.5%の 値 を示 し

た。投 与4回 目 と6回 目で低値 を示 したの は,夜 間,

室 温 にて12時 間 蓄尿 を行 っ たため 尿 中で分解 した可能

性 が考 え られた。 いずれ の投 与 回にお いて も,4時 間

までに排 泄 はほ とん ど終 了 し,4~12時 間 の尿中排 泄

率 は約1.5%と 低 い値 を示 した。初 回投与 お よび最 終回

投 与時 の薬物 速度 論パ ラ メー タ をTable 7に示 した。

各速 度定 数,生 物 学的 半減期,AUCお よび ク リア ラン

スには いず れ も有 意差(t検 定,危 険率5%)は 認め

られ なか った。

2)BPの 血 漿 中濃度 お よび尿 中排 泄

BPの 血 漿 中濃度 をTable 8,9,尿 中排 泄 をTable

10,11に 示 した。各投 与終 了時 に おけ るBPの 平均 血漿

中 濃度 は11.52~16.19μg/mlの 値 を示 した。また,投 与

1回 目 と9回 目の平 均血 漿 中濃度 推移 は,投 与終 了後

速や かに減 少 し,概 ね投 与 開始後5時 間 には検 出限界

以下 となった。 また,Table 12に 示 す ように,初 回投

与お よび最 終 回投与 時の 薬物 速度 論パ ラメー タはほぼ

一 致 してお り蓄積 性 はみ られ なか っ た。 なお,投 与1

回 目 と9回 目のBPの 血 漿 中濃度 推移 は ほぼ 同等 であ

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VOL.39 S-3PAPM/BP第1相 試験(2)

269

Table 3. Plasma concentration of panipenem during multiple-dosing of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

Table 4. Plasma peak levels of panipenem after each administration of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

った。 一方,投 与 後12時 間 までの平均 累積 尿 中排 泄率

は各投 与回 にお いて,93.2~105.2%の 値 を示 した。い

ず れの投与 回にお い て も尿 中へ排 泄 され たBPの ほ ぼ

85%以 上 が投 与後2時 間以 内 に排 泄 されて お り,4時

間 までに排 泄はほ とん ど終 了 し,4~12時 間の尿 中排

泄率 は約2%と 低 い値 を示 した。

3)唾 液 内濃度

口腔 内組織 移行 性の 指標 と して,唾 液 中の薬物 濃 度

を測定 した(Table13)。PAPM,BPと もに点 滴投 与

終 了時 に最 高 濃度 に達 し,そ れ ぞれ0.41μ9/ml,0.79

μ9/mlを 示 した が,血 漿 中濃 度 に対 す る移 行 率 は2

~5%と 低 か った。 これ は本 治験 薬の 極性 が高 く,ま

た生理 的 なpHで は解 離型 と して存 在 して い るこ とに

よる もの と考 え られ る。

2.PAPM/BP1000mg/1000mg連 続 投 与試験(Study

no.V)

1)PAPMの 血 漿 中濃 度 お よび尿 中排 泄

PAPM/BPを 生理 食塩 液100m1に 溶解 し,点 滴 静 注

(1000mg/1000mg/60min,9回)し た時 のPAPMの 血 漿

中濃度 をTable14,15,尿 中排 泄 をTable16,17に

示 した。

各投 与終 了時 に おけ るPAPMの 血漿 中濃度 は4例

平 均 で43.20~55.91μg/m1の 値 を示 し,各 投 与 で 多少

の バ ラツ キが み られ た。PAPM/BP500mg/500mg投 与

時 と同様 に,点 滴投 与終 了時 に最 高 濃度 に到 達 し,以

後2相 性 の減衰 を示 した。 血漿 中濃 度 は,い ず れの 測

定 時点 と も初 回投 与の 方が最 終 回投 与 よ り高 い傾 向 を

示 し,こ れに付 随 してAUCお よび ク リア ラ ンス な ど

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272CHEMOTHERAPY

SEPT.1991

Table 7. Pharmacokinetic parameters of panipenem after multiple-dose administration of panipenem/betamipron

(50Orng/500mg Study no. VI). 1st and 9th administration

Table 8. Plasma concentration of betamipron during multiple-dosing of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

Table 9. Plasma peak levels of betamipron after each administration of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

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VOL.39 S-3PAPM/BP第I相 試験(2)

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Table 12. Pharmacokinetic parameters of betamipron after multiple-dose

administration of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no.IV)1st and 9 th administration

Table 13. Salivary concentration of panipenem (A) and betamipron (B) after

multiple-dose administration of panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)(A) Panipenem (pg/m1)

(B) Betamipron (pg/m1)

* Hours after administration

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276CHEMOTHERAPY

SEPT.1991

Table 14. Plasma concentration of panipenem during multiple-dosing of panipenem/betamipron (1000mg/1000mgStudy no. V)

Table 15. Plasma peak levels of panipenem after each administration of panipenem/betamipron (1000mg/1000mgStudy no. V)

の薬 物速 度論 パ ラ メー タ(Table 18)に 有意 差 が検 出

(t検 定)さ れ た。しか しなが ら,移 行 速 度や生 物 的半減

期 には差 が認 め られな か った。中間投 与の結 果(Table

15)か ら,こ の原 因は連 続投 与に よ る薬 物動 態 の変化

で はな く,む しろ実 験操 作や 測定操 作 自体 に起 因 した

もの と思 われ る。平均 血 漿 中濃度推 移 は,投 与終 了後

速や かに減 少 し,投 与開 始4時 間後 で4.1μg/ml以 下 を

示 し,7時 間後 には0.47~0.62μg/mlと な った。夜 間12

時間蓄 尿 を行 った投 与4回 目 と6回 目を除 き,投 与開

始 か ら12時 間 ま で の 平 均 累 積 尿 中 排 泄 率 は,

23.5~30.6%の 値 を示 した。 いず れの投 与 回に おい て

も投与 後2時 間 以 内に大部 分(約80%)が 排泄 された。

2)BPの 血漿 中濃度 お よび尿 中排 泄

BPの 血 漿 中 濃 度 をTable 19,20,尿 中 排 泄 を

Table 21,22に 示 した。 また,薬 物 速度 論パ ラ メー タ

をTable 23に 示 した。PAPMと 同様 に初 回投 与 に比

べ最 終投 与の 血漿 中濃 度が やや低 い濃度 で推移 してい

た ものの,速 度定数 や 消失 半減 期 な どパ ラメー タに変

化 はみ られ ず 単 回投 与 の成 績3)と もよ く一致 していた。

各投 与終 了時 に おけ るBPの 血漿 中濃 度は4例 平均 で

24.31~33.23μ9/m1の 値 を示 した。 投与 後12時 間 まで

の 平 均 累 積 尿 中 排 泄 率 は 各 投 与 回 に お い て,

92.3~107.3%の 値 を示 し,ほぼ85%が 投 与後2時 間以

内 に排泄 され て お り,4時 間 まで に排 泄 はほ とん ど終

了 した。

3.蛋 白結合 率

PAPM/BP500mg/500mg連 続 投 与 試 験(Study no.

IV)の9回 目投 与終 了時 お よび1000mg/1000mg連 続投与

試験(Study no. V)の 第1回 投 与終 了 時に採取 した

血清検 体 を用 いてin vivoに おけ る蛋 白結合率 を測定

した。PAPMの 血清 蛋 白結 合率(Table 24)は6~7

%と 低 く血 清お よび病 巣 組織 の間 質液 中 で大部分 が遊

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VOL 39 S-3PAPM/BP第I相 試 験(2)

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278CHEMOTHERAPY

SEPT.1991

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VOL. 39 S-3PAPM/BP第1相 試 験(2)

279

Table 18. Pharmacokinetic parameters of panipenem after multiple-dose

administration of panipenem/betamipron (1000mg/1000rng Study no. V)1st and 9th administration

*: p<0.05

Table 19. Plasma concentration of betamipron during multiple-dosing of panipenem/betamipron (1000mg/1000mg Study no. V)

Table 20. Plasma peak levels of betamipron after each administration of panipenem betamipron (1000mg/1000mg Study no . V)

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SEPT.1991

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VOL 39 S-3PAPM/BP第1相 試験(2)

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282CHEMOTHERAPY

SEPT. 1991

Table 23. Pharmacokinetic parameters of betamipron after multiple-dose administration

of panipenem/betamipron (1000rrig/1000mg Study no. V)1st and 9th administration

Table 24. In vivo serum protein binding of panipenem

*: One hour after 9th administration

**: One hour after 1st administration

離 型 として存在 す るこ とが 明 らか にな った。 また,投

与 量の 違 いに よる濃度 依存 性 はみ られ なか った。 この

結 果 はnntro添 加実 験の 成績(約4%)と よ く一 致

して い た。 一 方,BPの 蛋 白結合 率 は73%と 比 較的 高

く,PAPMと 同様 にin vitro添 加実験 とほぽ 同等 の値

を示 した(Table 25)。

4.安 全性

PAPM/BPに 起 因す る と思 わ れ る副 作 用 は認 め ら

Table 25. In vivo serum protein binding of betamipron*

* One hour after 9th administration

れ なか った。Table26とTable27に は,投 与前,投 与

開始後2日 目,4日 目お よび最終 投 与後22時 間 目に行

った臨床 検 査 成 績 を示 した。PAPM/BP500mg/500mg

投与 試験(Studyno.IV)に お いて,一 過性 のGPT上

昇(4日 目221U→ 最 終 投与22時 間後401U)が1例 に認

め られ たが,投 与終 了 後13日 目には正 常 に復 していた。

この よ うな異常 は 高投 与群 では 認め られ なか った。

III.考 察

PAPM/BPは 前 臨床 試験 にお いて 有効 性 と安 全性

が確 認 された カルバ ペ ネム 系抗生 物質 で あ り,ヒ トに

おけ る単 回 投与 試験 で は1000mg/1000mgま での耐 容性

が 確 認 さ れ て い る1)3)。PAPM/BPを125mg/125mg

~1000mg/1000mg単 回点滴 静 注後 の血漿 中 濃度は,投与

終 了時 に最 高 濃 度 を示 し,500mg/500mg投 与 時 で は

PAPMと して27・5μg/ml,BPと して15 .6μg/mlで あ

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VOL. 39 S-3PAPM/BP第1相 試験(2)

283

Table 26-A. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

Bef: before administration a) ug/l

Aft: 22 hours after 9th administration b)mg/1

Table 26-B. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no . IV)

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284CHEMOTHERAPY

SEPT. 1991

Table 26-C. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

Table 26-D. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

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VOL. 39 S-3

PAPM/BP第1相 試 験(2)285

Table 26-E. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (500mg/500mg Study no. IV)

Table 27-A. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (1000rng/1000mg Study no. V)

Bet

: before administration

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286CHEMOTHERAPY

SEPT 1991

Table 27-B. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (1000mg/1000mg Study no.V)

Table 27-C. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (1000mg/1000mg Study no V)

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VOL.39 S-3

PAPM/BP第1相 試験(2)287

Table 27-D. Clinical laboratory findings in multiple-dose study on panipenem/betamipron (1000mg/ 1000mg Study no. V)

り,尿 中回収 率 は28.5%,93.2%で あ った。 生物 学的

半減期(t1/2β)は,投 与量 にか か わ らずPAPMが 約70

分,BPが 約40分 で あ った。PAPM/BPの 臨 床 第II相

試験開始 に先 立 ち,健 常 成 人男 子志願 者 を対 象 に本剤

の連続投与時 の耐容 性 と体 内動 態 を検 討 した。50伽9/

500mg投 与 試験 に おい て,初 回投 与時 と最終 投 与 時 の

PAPMま た はBPの 血 漿 中 濃度 推 移 か ら求 め られ る

薬物速 度論パ ラ メー タは,い ず れ もほぼ一 致 してい た。

1000mg/1000mg連 続 点 滴 投 与 した と きのPAPMの 血

漿 中濃度 は,点 滴終 了時43.20~55.91μ9/m1に 達 し,投

与 開 始7時 間 で も0.47~0.62μg/mlが 検 出 され た。

PAPMの 血漿 中 濃度推 移 は,等 量のimipenem/cilas-

tatin(IPM/CS)を 同 速 度 で 点 滴 静 注 し た 時 の

imipenem(IPM)と ほ ぼ一致 して いた8)。薬物 速度 論

パ ラメー タを比較 す る と,t1/2β に お いて はPAPMは

IPMよ りや や 長 く,AUCは 両 者 が ほ ほ等 し く,

PlasmaclearanceはPAPMの 方が 高 い値 を示 してい

る。一方,PAPMの 尿 中 回収率 は投 与 後12時 間 までに

30%弱 であ り,IPMの 回収 率(62%)の 約%で あ っ

た。IPM/CSに 比較 し,PAPMの 回収 率 が低 い のは主

として腎のdehydropeptidase-1(DHP-1)に よ って

分解 され るため と考 え てい る。 特 に4回 目お よび6回

目で低値 を示 した(Table17-B)理 由 は,夜 間 室温 に

て12時 間蓄尿 を行 ったため と考 え られ る。 しか しなが

ら,PAPMが 生体 に おい てDHP-1に よ り一 部 が不 活

化 さ れ て も,投 与 後8~12時 間 の 尿 中 に は な お

4.1~6.3μg/mlのPAPMが 存在 してい た こ とか ら,1

日2回 の投 与 で尿 路感染 症 の 多 くの 起 炎菌 に対 して 強

力 な細菌学 的効 果 を発揮 す る もの と思 われ,IPM/CS

と遜 色の な い臨床効 果 が期待 され る。PAPM/BP投 与

終 了時に 得 た血 清 につ い て調 べ たPAPMの 蛋 白結 合

率 は,6~7%で あ り,β-ラ クタ ム 剤(penicillins,

cephalosporins,cephamycins)の 中では相 対 的 に低 い

方 であ った。唾液 中濃 度 は,PAPM/BP500mg/500mg点

滴 終 了時 で0.41~0.44μ9/mlと 血 漿 中濃 度 の2%以 下

であ った。

試験 中にPAPM/BPに 起 因す る と思 われ る副 作 用

は 認め られ なか った。 臨 床検 査値 で は低 用量群 の1例

で一過性 の 軽度 のGPTの 上 昇 を認め た が高 用 量群 で

は 認め られ て いな い。 したが って,本 剤 に よ る影響 を

完 全に 否定 し得 な いが カ ロ リーの 摂取 量 と消 費量 との

ア ンバ ラ ンス9)に よる もの と考 え られ,本 剤 との 因果

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288CHEMOTHERAPY

SEPT. 1991

関係 は 不 明 で あ る.

以 上 の 薬 物 動 態 の 成 績 お よ びPAPM/BPに 起 因 す

る副 作 用 が 認 め られ ず,各 種 臨 床 検 査 に お い て も重 篤

な 異 常 変 動 が 認 め ら れ な か っ た こ とか ら,臨 床 癒 用 が

可 能 で あ る と考 え ら れ る。

文 献

1) 宇 津井 幸 男, 他: Panipenem/betamipronに 関 す る

細 菌学 的 評価 (第1報) In vitro抗 菌 作 用 。Chemo-

therapy 39 (S-3): 83~101, 1991

2) 長 沼 英夫, 他: Betamipronの 腎 毒 性 軽 減 作 用 とそ

の 作用 機 序 (1)-腎 組 織輸 送 との 関連-。Chemother-

apy 39 (S-3): 166~177, 1991

3) 中島光 好, 植 松 俊 彦, 金 丸 光 隆, 田 島政三, 長 沼 英

夫, 久 岡正 史, 川 原 幸 則, 高 萩 英 邦: Panipenem/

betamipronの 臨床 第I相 試 験-第1報 単 回 投 与

試験-。Chemotherapy 39 (S-3): 242~264, 1991

4) 大 屋 哲, 他: 健 康 成 人 の 腸 内 細 菌 叢 に 及 ぼ す

panipenem/betamipron連 続 投 与 の 影 響 。Chemo-

therapy 39 (S-3): 310~317, 1991

5) 久 岡正 史, 長 沼 英 夫, 山崎 泰 志, 高 萩 英邦, 川原幸

則: Panipenem/betamipronの 高 速 液 体 ク ロマ ト

グ ラフ ィー (HPLC) に よ る体 液 内 濃度 測定 法 に関す

る検 討。Chemotherapy 39 (S-3): 197~205, 1991

6) 久 岡 正 史, 市 川 正 人, 寺 尾 俊 雄: Panipenemの

bioassay法 に よ る体 液 内 濃度 測 定 法 に 関 す る検 討。

Chemotherapy 39 (S-3): 190~196, 1991

7) 山 岡 清, 谷川 原祐 介: マ イ コン に よる薬 物速度論

入 門, 南 山堂, 東 京, 1983

8) 中 川 圭 一, 小 山 優, 早 瀬 清, 今 朝 洞 忠 孝:

Imipenem (MK-0787), Cilastatin sodium (MK-

0791), MK-0787/MK-0791臨 床 第1相 試 験。

Chemotherapy 33 (S-4): 357~378, 1985

9) 金 丸 光 隆 長 嶋 悟, 中 島光 好: 7日 間の 長期 入院

拘 束 が健 常 人の 生化 学 検 査 結 果 に与 える影 響。臨床

薬 理203: 493~503, 1989

PHASE I STUDY OF PANIPEMEM/BETAMIPRON II―MULTIPLE DOSE STUDY―

Mitsuyoshi Nakashima1), Toshihiko Uematsu1), Mitsutaka Kanamaru2),

Masazo Talima3), Hideo Naganuma4), Masato Ichikawa4),

Masafumi Hisaoka4) and Yukinori Kawahara4)1) Department of Pharmacology , Hamamatsu University, School of Medicine

3600 Handa-cho, Hamamatsu-shi, Shizuoka 431-31, Japan2) Shinpukai Maruyama Hospital

3) New Drug Development Department , Sankyo Co., Ltd.4) Product Development Laboratories, Sankyo Co., Ltd.

Nine healthy male volunteers received 500mg/500mg or 1000mg/1000mg panipenem/betamipron

(PAPM/BP> by constant intravenous infusion for 60 min every 12h for 5 days. Maximum plasma

levels of panipenem (PAPM) were observed at the end of the infusion, and their levels showed

dose-dependence。 The half-life was about 1 hour. Mean maximal plasma concentration, as PAPM, at

the end of infusion of 500mg/500mg PAPM/BP (day 1) was 23.32± 2.90μg/ml, with a decrease to

2.04± 0.74μg/ml after 4 h. Urinary recovery durmg this period was 27.5± 8.3% of dosage. The

serum protem binding of PAPM and betamipron (BP) were 6 to 7% and 73%, respectively. The

saliva concentration of PAPM was less than 2% of plasma concentration. No changes in the

pharmacokinetic parameters were observed durmg the two 5-day study.

No drug-related side effects were observed. In laboratory findmgs transient elevation of GPT (18

IU→40IU) was observed in 500mg/500紹g study. No consistent changes in renal function indices

were noted. Urinalysis showed no change in renal function in either the 500mg/500mg or 1000mg/1000

mg studies. We conclude that daily 2000mg/2000mg PAPM/BP were well tolerated and safe.