open eye 05 - 多彩な導入事例と経営者 ... · 込み製品の開発に取り組んで...

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グローバルな市場を視野に入れたとき、 グローバルな市場を視野に入れたとき、 もはやオープンでなければ戦えない。 もはやオープンでなければ戦えない。 国内においては クラウドを 活用して新たな分野での 成長を狙う。 成長を狙う。 OSSを活用すればネットワークはもちろん、 OSSを活用すればネットワークはもちろん、 その上位レイヤを含めた質の高いサービスを その上位レイヤを含めた質の高いサービスを トータルに提供できる。 その支援をワンストップで 行うのが使命。 オー プンソ プンソ ス、クラウド ス、クラウドを核に新たな分野において を核に新たな分野において さらなる さらなる成長戦略を描 成長戦略を描く。 キャリアビジネスの キャリアビジネスのグローバル化 グローバル化を見据え、 を見据え、 OS OS をグループの起爆剤とするべ をグループの起爆剤とするべ 、検証を続け 、検証を続け NT NT OS OS セン セン タ。 タ。 木ノ原 誠司レッドハット株式会社 代表取締役社長 日本電信電話株式会社 理事 NTT OSSセンタ センタ長 廣川 裕司 トッ トッンタビュー ンタビュー ユーザー事例 ユーザー事例 Success Story INDEX INDEX オンデマンド仮想システムサービス オンデマンド仮想システムサービス支える 支える レッ ドハ ドハ トのソリュー トのソリュー ション ション 石田 一雄富士通株式会社 取締役執行役員副社長 富士通株式会社 ユーザー事例 ユーザー事例 Success Story NT NT Tグループで TグループでOS OSS 活用を推進する 活用を推進する 標準モデルの中核にレッドハット 標準モデルの中核にレッドハット NTT OSSセンタ ユーザー事例 ユーザー事例 Success Story 将来的な社内システムの標準化をにらみ 将来的な社内システムの標準化をにらみ J Bos Boss によ によ BP BPM を導入 を導入 三菱総研DCS株式会社 レッドハットリーディング・アイ 個別システム構築から全社システムの 標準化までをサポートする レッドハットのコンサルティングサービス レッドハット 2012年度事業戦略 OSSを日本復興の力に。2012年度も レッドハットは、ユーザー、パートナー…、 皆様とともに成長していきます。 クラウドな分野でに提供できる。 をワンストップで 使命石田 一雄 石田 一雄 富士通株式会社 富士通株式会社 取締役執行役員副社長 取締役執行役員副社長 木ノ原 誠司 木ノ原 誠司日本電信電話株式会社 理事 日本電信電話株式会社 理事 NTT OSS NTT OSSセンタ センタ長 センタ センタ長 東北地方太平洋沖地震に対するレッドハットの支援について 東北地方太平洋沖地震に対するレッドハットの支援についてこの度の東北地方太平洋沖地震において被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、 被災地および皆様の生活が一日も早く復興することをお祈り申し上げます。 レッドハット株式会社では、少しでも被災地の復興に役立てていただけるよう、 オープンソースのオペレーティングシステム「Red Hat Enterprise Linux」のサブ スクリプションを、震災の復旧・復興に向けて活動を行う企業・自治体・非営利団体 などに対し、パートナー企業が提供するクラウドコンピューティングのサービスを通 じて、無償でご提供しています。具体的なクラウドコンピューティングのサービスは、 NTTコミュニケーションズ株式会社のクラウド型仮想サーバー「Biz ホスティング ベーシック」、および、富士通株式会社パブリック型クラウドサービス「オンデマンド 仮想システムサービス」です。 また社員自ら、被災地への義援金を募るなどの活動も行っています。今後も微力 ながら物心両面で私たちに支援できることを探ってまいります。 Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2011 OPEN EYE 05 vol. 2011 SPRING オープンソースの 新 時 代 を 築く、サクセスストーリー オープンソースの 新 時 代 を 築く、サクセスストーリー トップ対談 トップ対談 NTT NTT レッドハット

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Page 1: OPEN EYE 05 - 多彩な導入事例と経営者 ... · 込み製品の開発に取り組んで きました。今後は、そうしたノウ ハウと技術を『オンデマンド仮

グローバルな市場を視野に入れたとき、グローバルな市場を視野に入れたとき、もはやオープンでなければ戦えない。もはやオープンでなければ戦えない。国内においては クラウドを活用して新たな分野での成長を狙う。成長を狙う。

OSSを活用すればネットワークはもちろん、OSSを活用すればネットワークはもちろん、その上位レイヤを含めた質の高いサービスをその上位レイヤを含めた質の高いサービスをトータルに提供できる。その支援をワンストップで行うのが使命。

 2011年4月21日、レッドハット株式会社の2012年度(2011年3月~2012年2月)の事業計画が代表取締役社長 廣川裕司より発表されました。

オープンソプンソース、クラウドス、クラウドを核に新たな分野においてを核に新たな分野においてさらなるさらなる成長戦略を描成長戦略を描く。

>>>

キャリアビジネスのキャリアビジネスのグローバル化グローバル化を見据え、を見据え、OSOSSをグループの起爆剤とするべをグループの起爆剤とするべく、検証を続け、検証を続けるNTNTT OSOSSセンセンタ。タ。○

木ノ原 誠司氏レッドハット株式会社代表取締役社長

日本電信電話株式会社 理事NTT OSSセンタ センタ長 廣川 裕司

トットップインタビューンタビュー

ユーザー事例ユーザー事例 Success Story

INDEXINDEX

『オンデマンド仮想システムサービスオンデマンド仮想システムサービス』を支える支えるレッドハドハットのソリュートのソリューションション

石田 一雄氏富士通株式会社 取締役執行役員副社長

富士通株式会社

ユーザー事例ユーザー事例 Success Story

NTNTTグループでTグループでのOSOSS活用を推進する活用を推進する標準モデルの中核にレッドハット標準モデルの中核にレッドハット

NTT OSSセンタ

ユーザー事例ユーザー事例 Success Story

将来的な社内システムの標準化をにらみ将来的な社内システムの標準化をにらみJBosBossによによるBPBPMを導入を導入

三菱総研DCS株式会社

○ レッドハット リーディング・アイ個別システム構築から全社システムの標準化までをサポートするレッドハットのコンサルティングサービス

○ レッドハット 2012年度事業戦略OSSを日本復興の力に。2012年度もレッドハットは、ユーザー、パートナー…、皆様とともに成長していきます。

は クラウドをな分野での

に提供できる。をワンストップで使命。

石田 一雄石田 一雄氏

富士通株式会社富士通株式会社取締役執行役員副社長取締役執行役員副社長

木ノ原 誠司木ノ原 誠司氏

日本電信電話株式会社 理事日本電信電話株式会社 理事NTT OSSNTT OSSセンタ センタ長センタ センタ長

~東北地方太平洋沖地震に対するレッドハットの支援について東北地方太平洋沖地震に対するレッドハットの支援について~この度の東北地方太平洋沖地震において被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、

被災地および皆様の生活が一日も早く復興することをお祈り申し上げます。

 レッドハット株式会社では、少しでも被災地の復興に役立てていただけるよう、オープンソースのオペレーティングシステム「Red Hat Enterprise Linux」のサブスクリプションを、震災の復旧・復興に向けて活動を行う企業・自治体・非営利団体などに対し、パートナー企業が提供するクラウドコンピューティングのサービスを通じて、無償でご提供しています。具体的なクラウドコンピューティングのサービスは、

NTTコミュニケーションズ株式会社のクラウド型仮想サーバー「Bizホスティング ベーシック」、および、富士通株式会社パブリック型クラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」です。 また社員自ら、被災地への義援金を募るなどの活動も行っています。今後も微力ながら物心両面で私たちに支援できることを探ってまいります。

Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

OPEN EYE 05vol.2011 SPRING

オープンソースの新時代を築く、サクセスストーリーオープンソースの新時代を築く、サクセスストーリー

トップ対談 トップ対談 NTTNTT レッドハット

Page 2: OPEN EYE 05 - 多彩な導入事例と経営者 ... · 込み製品の開発に取り組んで きました。今後は、そうしたノウ ハウと技術を『オンデマンド仮

―あらゆるビジネスがIT化、オンライン化され、企業ニーズが多様化している中、富士通の事業戦略およびOSS活用の方向性についてお聞かせください。

 「ITは汎用機(メインフレーム)をスタートとして分散系システム、オープン系システムと進化してきました。そして現在、我々ベンダーには、いかに安く、より良いシステムをデリ

バリーできるかが問われています。一方で、セキュリティの強化やサービスの充実あるいは内部統制など、企業のニーズも多様化しています。 また企業が IT部門を分社化し、専門の関連会社や子会社を持つケースも増えており、

我々が外部のベンダーとしてそうした会社と競合しながら選ばれるためには、より訴求力のある製品を提供する必要があります。 そうした中で、OSSがキーになっているのは紛れもない事実です。その理由には、今あるソフトウェア資産をより低コストで提供しなければならないということはもちろん、グローバルな市場ではオープンなモノでなければ戦えないということがあげられます。今までもPHPなどをはじめとしてオープン系の技術を活用してきましたが、Linuxへの注目が高まる中、より積極的にOSSを活用していく方向になっています」。

―富士通のパブリッククラウドサービスである『オンデマンド仮想システムサービス』において、レッドハットとの協業によりゲストOSにRed Hat Enterprise Linuxを採用されていますが、ク

ラウドにおいてOSSが果たす役割、さらには期待される効果についてお聞かせください。

 「『オンデマンド仮想システムサービス』は、レッドハットとの協業によりゲストOSとしてRed Hat Enterprise Linuxを選択できるようになっており、IT調達や事前準備(プロビジョニング)の自動化を実現し、SLAにより高品質なサービスを提供できます。また最近では、スマートフォンやタブレット端末など、組み込み型のデバイスも増えています。今後はそういったデバイスとクラウドサービスの組み合わせで様々なことができるようになっていくでしょう。そこで重要になるのも、オープンなテクノロジーです。今回の震災でも痛感しましたが、いざというときには固有のテクノロジーを採用したモノよりも、オープンなテクノロジーを採用したモノの方が受け入れられやすいです。我々も関連会社の株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(SSL)でOSSの先進的な活用に取り組み、株式会社PFUではKIOSK端末を含む、組み込み製品の開発に取り組んできました。今後は、そうしたノウハウと技術を『オンデマンド仮想システムサービス』と有機的に結びつけ、より多様なニーズに応えるソリューションを提供していきたいと思います。 もちろん、クラウド時代においては富士通オンリーのサービスや技術だけで生き残って

いけるとは思っていません。実際にお客様のプライベート・クラウドと富士通のパブリック・クラウドをハイブリッドに活用できる環境を整備し、お客様の選択肢を増やしていきます。そこでもオープンなテクノロジーが重要になってくるでしょう」。

―OSSやクラウドは標準化や統一化が必須であるが故に、他社との差異化が難しい部分もあると思いますが、富士通において自社の優位性を出すためにどのような取り組みを行われているのでしょうか?

 「あまり独創的なデバイスやサービスを開発すると互換性などの問題が起きてしまいますが、例えば、スマートフォンの組み込み型デバイスであれば省電力チップを開発して搭載する、クラウドなどのサービスであれば管理性を向上するなど、さまざまな部分で頭一つ抜きんでることが重要だと思っています。我々はグループ各社で半導体からネットワーク、サーバ、ストレージまで幅広い要素技術やソリューションを保有しているので、それらを総合すれば他社より優れたモノを提供できます。またクラウドはアウトソーシングなので、ホスティング事業に似ています。そういう意味でもニフティなどのホスティングやプロバイダ事業

 富士通株式会社はレッドハットとの協業により、パブリッククラウドである『オンデマンド仮想システムサービス』において、Red Hat Enterprise LinuxをゲストOSとして採用するなど、オープンソースソフトウェア(OSS)を積極的に活用しています。今回は取締役執行役員副社長 石田 一雄氏に、今後の方向性や成長戦略についてお聞きし、OSSをいかに活用していくべきかを探ります。

『オンデマンド仮想システムサービス』に採用されたRed Hat Enterprise Linux。今後はKVMの活用も視野に。

部門発のシステム活用でもCIOやIT部門が安心できる信頼性を

OSSならではの低コストかつ迅速なサービス展開で、社会基盤にも最適

東京証券取引所など、ミッションクリティカルなシステムの導入実績

日本の企業はもちろん、グローバルで認められた信頼性

石田 一雄 氏富士通株式会社 取締役執行役員副社長

NTTグループのOSS活用を推進するソフトウェアスタック『OSSVERT』の中核にレッドハット。

技術者育成のため、教育においてもレッドハットと協業

JBossの品質改善のためのタスクフォースをともに立ち上げ

Web3層モデルを中心としてOSSミドルウェアの組み合わせを検証

物理環境のOSとしては問題なし。今後は、KVMによる仮想化に期待

オーオープンソプンソース、クラウス、クラウドを核にを核に新たな分野において新たな分野においてさらなるさらなる成長戦略を描成長戦略を描く。

レッドハットと協業して、日本発の高いクオリティを世界へ

オープンなものでなければ世界では戦えない

2 OPEN EYE

Success story for your business

ユーザー事例事例Success Story

富士通トップインタビュー

ユーザー事例 ユーザー事例

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で培ってきたノウハウや実績も強みとなってくると思います。『オンデマンド仮想システムサービス』は、パブリッククラウドですが、よりお客様の環境にフィットし、過去に投資したIT資産を有効に活用できるプライベートクラウドの構築も我々の強みを発揮できる分野です。 さらに日本発のクラウドサービスとしてグローバルに活用できる環境も整備しています。『FENICS II』と名付けられたネットワークソリューションでは、実際に海外のキャリアを活用してローミングすることも可能です」。

―OSSは、証券取引のシステムに採用されるなどミッションクリティカルな分野での採用が進む一方で、まだまだ採用に不安を感じている企業もあるとお聞きします。今後、OSSをさらに広げていくためにどのようなことが必要だと思われますか?

 「私のようにメインフレームのころからITに携わっていた人間から見ると、分散系システムからオープン系システムへと移行する過程で、信頼性の部分で後退しているように感じる部分もありました。例えばディスクの二重化など、メインフレームで当たり前だったことができなかった時期もあったのです。しかし、最近ではそうした問題も解消され、信頼性が高まっています。現在は、新規に導入されるシステムや陳腐化したシステムの置き換えにおいて、多くの需要があります。 また我々はOSSに限らず、お客様により安心してソリューションを活用していただけるよう『1つのプロダクト、3つのサービス』を掲げて活動しています。例えばセキュリティなら、セキュリティポリシーの策

定からはじめて運用や監査までをトータルに行います。さらに、それを認証するために第三者機関も活用しています。これは金融機関の格付け会社のようなもので、セキュリティのレベルに応じた17段階での評価を行っています。こういった活動により、OSSを安心して導入しやすい環境が整備されると思います」。

―OSSのメリットは透明性にあると思います。またOSSの信頼性をさらに高めていくためには、コミュニティへの活動が重要になると思いますが、富士通の取り組みとレッドハットが果たすべき役割についてお聞かせください。

 「セキュリティを例にとると、日本の企業は非常に安全性に対して厳しく、また日本人が得意な分野だと思うので日本発で世界が納得するクオリティをOSSで実現したいと思っています。例えばレッドハットも米国防省でも活用されているSE L inuxを提供していますが、その開発にも我々の技術者が駐在して関わりました。さらにOSSにおいては、人材が重要になってくるので世界的な資格の取得者を増やす活動も行っています。OSSの社内トレーニングプログラムもクラウド環境を活用して数千人規模での教育を目標に展開しています。 またOSSの推進のためにはコミュニティをソサイエティと言えるまでに広めて行くべきだと思っています。レッドハットと共同でのサービス提供、コミュニティへの寄与などを行うことにより、どんどん仲間を増やしていきたいです。富士通ではこれまでも日本のお客様が求めている機能をRed Hat

Enterprise Linuxに組み込むために、必要な技術をフィードバックするなど、コミュニティ活動にも積極的に参加しています。そして、それがミッションクリティカルでも採用できるような製品改善につながり、全世界の標準として配布されています。レッドハットとはこのようにこれまでも密に協力し、良好なパートナーシップを築けていると思いますが、今後は仮想化基盤であるKVMやクラウドにおいて重要なPaaSの部分でも、ともに協力して活動を続けていきたいです」。

―最後にクラウドやOSSを活用した富士通の成長戦略についてお聞かせください。

 「業界クラウドや自治体クラウドという言葉があるように、クラウドには社会基盤として活用できる側面があります。我々もクラウドを活用することによって実際に農業や医療、交通といった、今までITがあまり活用されていなかった分野で新たなサービスを展開したいと思っています。実際に水質調査のシステムをクラウドで構築しています。今までのように

積み上げ式(人/月によるシステム開発)では、コスト的に不可能なことでもクラウドを活用すれば実現できます。また、ソフトウェアの売り方も変わってくるはずです。今まであまり日の目を見なかった、あるい

はコスト的に見合わなかったソフトウェアもクラウドでサービスとして提供することで、十分に採算ベースに乗る可能性があります。これによりソフトウェアの価値をさらに高められるはずです。 我々はスーパーコンピュータにも注力しています。大学や研究機関の開発環境やライブラリに、積極的にOSSを活用してシミュレーションやCADに必要なコンピュータリソースを提供することで、日本の科学技術の発展に寄与したいと思っています。そして、日本発のものを海外に展開することも視野に入れていきます。その上で、レッドハットとはこれからもグローバルでさらに協力していきたいと思います」。

Internet

富士通データーセンター

お客様専用の仮想システム環境を割り当ててご提供

リソースプール

仮想システム環境

『オンデマンド仮想システムサービス』に採用されたRed Hat Enterprise Linux。今後はKVMの活用も視野に。

部門発のシステム活用でもCIOやIT部門が安心できる信頼性を

OSSならではの低コストかつ迅速なサービス展開で、社会基盤にも最適

東京証券取引所など、ミッションクリティカルなシステムの導入実績

日本の企業はもちろん、グローバルで認められた信頼性

先進のテクノロジーの開発拠点となる富士通ソリューションスクエア

NTTグループのOSS活用を推進するソフトウェアスタック『OSSVERT』の中核にレッドハット。

技術者育成のため、教育においてもレッドハットと協業

JBossの品質改善のためのタスクフォースをともに立ち上げ

Web3層モデルを中心としてOSSミドルウェアの組み合わせを検証

物理環境のOSとしては問題なし。今後は、KVMによる仮想化に期待

オープンソース、クラウドを核に新たな分野においてさらなる成長戦略を描く。

クラウドを活用して、今までとは違う分野で成長を狙う

オンデマンド仮想システムサービス概略図

OPEN EYE 3

Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

ユーザー事例 ユーザー事例 ユーザー事例

Yuji HirokawaAkihiro Okada Kazuo Ishida

Page 4: OPEN EYE 05 - 多彩な導入事例と経営者 ... · 込み製品の開発に取り組んで きました。今後は、そうしたノウ ハウと技術を『オンデマンド仮

 導入の背景について、佐川氏はレッドハットとの良好な関係と製品の信頼性が第一にあったと語ります。 「私どもはミッションクリティカルなシステムをオープンな環境でお客様に提供したいと考えていて、レッドハットとはクラウドが登場する前からLinuxの信頼性向上のためにともに取り組むなど、良好な連携ができるパートナーとしてOSSの推進に取り組んできました。 実際に東京証券取引所のシステム(=arrowhead)においてもレッドハットを採用するなど、実績を積み重ねています。パブリッククラウドとしてIaaSを提供するに当たり、Red Hat Enterprise Linuxの導入を決めたのは必然の流れだったと思います」。

 さらに佐川氏は次のように証言します。 「クラウドの特性上、インターネットを介したサービス提供になるのでセキュリティの確保が重要になります。Red Hat Enterprise Linuxに高い信頼性と実績があるのも導入の決め手の一つでした。また今回の『オンデマンド仮想システムサービス』はグロー

バルに展開し、海外で5カ国、日本を含めて6カ国で同じクラウド環境をお客様に利用いただけます。そういった視点においてもグローバル市場でLinuxのスタンダードとして広く受け入れられているレッドハットは頼もしいパートナーと言えます。それは、お客様の反応にも現れており、サービス開始当初から『Linuxを導入するのであれば、レッドハットを使いたい』という要望が多くありました」。

 では、実際にRed Hat Enterprise Linuxをクラウドで活用するメリットはどこにあるのだろうか? 「私どもはクラウドを『バックエンドシステム(企業の基幹業務)』およびフロントエンドシステムの中に含まれる『企業システム』と『社会システム』の三つの柱にセグメントしています。現状の利用状況はバックエンドが2割、企業のフロントエンドが6割、社会システムのフロントエンドが2割というイメージです。その中で、今後さらなる成長をとげる分野として社会システムとしてのソリューションの提供に注力しはじめており、迅速かつ低コストで展開できるOSSがその核になり得ると思っています」(佐川氏)。 「社会基盤としてのクラウド事例では、1つにタクシー業界での活用があげられます。これは都内を走っている無数のタクシーの動きや情報を分析し、道路の流れ・渋滞情報などをシミュレーションして

的確な指示を行えるシステムです。また、ある地域で口蹄疫が発生したとき、復興支援に関わる情報システムをわずか10日で作り上げた実績もあります」(佐川氏・岡田氏)。

 「我々がクラウドサービスを立ち上げた当初、中小企業のみなさまにより迅速に、より良いサービス(ITシステム)を活用していただこうと思っていました。しかし実際にサービスを開始すると大手企業の業務部門からIT部門を通さずにオーダーを受けるケースも多くなりました」(佐川氏・岡田氏)。 「そうした背景も踏まえ、例えば業務部門で直接クラウドを導入された場合でも、IT部門やCIOの方が困ることのない信頼性・安全性・利便性を提供すべきだと考えています。当社のクラウドは「トラステッド」、「最適なインテグレーション」、「グローバル」という3つのテーマを掲げています。富士通にはデータセンターのアウトソーシングで培ってきたファシリティ、運用ノウハウやセキュリティなど、必要な技術基盤が整っています。今後はゲストOSとしてのLinuxはもちろん、仮想化技術であるKVMやミドルウェアのJBossも含めたレッドハットとの協業で、より信頼性が高く柔軟かつ豊富な選択肢をよりグローバルに提供していきたいと考えています」(岡田氏)。

 『オンデマンド仮想システムサービス』は富士通データセンター内に設置されている大規模リソース上に、豊富な選択肢の中からお客様固有のニーズにフィットする仮想システム環境を構築できるサービス(IaaS)です。サーバやストレージの部分はもちろん、ネットワークの部分においてもロードバランサーやファイアウォールを含む2階層、3階層システムのテンプレートが予め用意され、迅速かつ的確なサービス展開を実現。さまざまな規模と業種のシステムを構築してきた実績がある富士通ならではのソリューションです。では、そこに採用されたRed Hat Enterprise LinuxやOSSがどのように活かされているのか?富士通株式会社 クラウドコンピューティンググループ クラウドビジネスサポート本部 本部長 岡田 昭広氏と計画本部 本部長(兼)サービス指向プラットフォーム開発戦略室 室長 佐川 千世己氏にお聞きしました。

岡田 昭広 氏

富士通株式会社クラウドコンピューティンググループ

クラウドビジネスサポート本部本部長

佐川 千世己 氏

富士通株式会社計画本部 本部長

(兼)サービス指向プラットフォーム開発戦略室室長

オープンソース、クラウドを核に新たな分野においてさらなる成長戦略を描く

『オンデマンド仮想システムオンデマンド仮想システムサービスサービス』に採用された採用されたReRed d Hat Entnterprise Linunux。今後は今後はKVMKVMの活用も視野にの活用も視野に。

01東京証券取引所など、ミッションクリティカルなシステムの導入実績

背景

システム構築のプロセス

02日本の企業はもちろん、グローバルで認められた信頼性

導入の決め手 03OSSならではの低コストかつ迅速なサービス展開で、社会基盤にも最適

Red Hatのメリット 04部門発のシステム活用でもCIOやIT部門が安心できる信頼性を

今後の展望

今後の展望部門発のシステム活用でも部門発のシステム活用でも

CIOやIT部門が安心できる信頼性をCIOやIT部門が安心できる信頼性を

Red Hat(Linux)のメリットOSSならではの低コストかつ迅速なOSSならではの低コストかつ迅速なサービス展開で、社会基盤にも最適サービス展開で、社会基盤にも最適

導入の背景東京証券取引所など、ミッション東京証券取引所など、ミッションクリティカルなシステムの導入実績クリティカルなシステムの導入実績

導入の決め手日本の企業はもちろん、日本の企業はもちろん、

グローバルで認められた信頼性グローバルで認められた信頼性

ミッションクリティカルなシステムに対応できるエンタープライズレベルのLinux

国内外から信頼性・安全性が評価され、導入実績が豊富でコンサルティング、サポートも充実

必要なときに必要なサービスを低コストで展開できるスピードと共通基盤としての拡張性と将来性

クラウドとOSSの活用により、部門最適化と全体最適化の壁を排除し、高い信頼性を実現

NTTグループのOSS活用を推進するソフトウェアスタック『OSSVERT』の中核にレッドハット。

技術者育成のため、教育においてもレッドハットと協業

JBossの品質改善のためのタスクフォースをともに立ち上げ

Web3層モデルを中心としてOSSミドルウェアの組み合わせを検証

物理環境のOSとしては問題なし。今後は、KVMによる仮想化に期待

4 OPEN EYE

Success story for your business

ユーザー事例 ユーザー事例事例Success Story

富士通システム構築レポート

ユーザー事例

Page 5: OPEN EYE 05 - 多彩な導入事例と経営者 ... · 込み製品の開発に取り組んで きました。今後は、そうしたノウ ハウと技術を『オンデマンド仮

廣川 「今や多くのお客様が事業戦略を立てる上で、OSSの活用を検討されています。なぜなら、OSSの活用は、ビジネス成功の要件である革新、スピード、徹底的なコスト削減をもたらすからです。その意味で、NTTグループはOSS活用の先駆者でいらっしゃいますが、NTTグループの事業戦略の中で、OSSはどのような位置づけなのでしょうか?」。木ノ原氏 「もはやキャリアビジネス(通信事業)も、国内のみならずグローバル市場で勝ち抜かなければならない時代になっています。一方で国内のお客様からは、より高品質で安心・安全なサービスが求められており、今回の東日本大震災のように、100年あるいは1,000年に一度のような災害時にも変わらないサービスを

提供できる基盤を整えなければなりません。 また、インターネットビジネスにおいてはスマートフォンなど様々なアプライアンスが登場し、シンクライアント的な使い方も増えています。さらに高速なブロードバンドネットワークを活かした動画のダウンロード、アップロードといったサービスも増えています。そのトレンドの中で我々キャリアに求められるものは単にネットワーク部分だけに止まらず、アプリケーションを含めたトータルな通信サービスのクオリティであり、より質の高いサービス、付加価値の高いサービスをすばやく提供しなければなりません。それを実現するために、仕様がオープンで中身のソースを我々自身が見ることができるOSSは有効だと思い

ますし、NTTグループにおいてもOSSは重要な役割を担っています」。廣川 「なるほど、先ほど私が申し上げたOSSの活用メリットもまさにその言葉に集約されます。NTTグループの中でOSSを実際に活用、さらに全社に展開するに当たっては、“Center of Excellence(COE)”として木ノ原さんがリードされているNTT OSSセンタ(以下OSSセンタ)が中核を担っておられると思いますが、その役割を具体的にお聞かせください」。木ノ原氏 「OSSにも様々なソフトウェアが存在し、それらを組み合わせて活用した場合に動作が保証されている訳ではありません。そこでOSSセンタでは、OSSを利用したICTシステムの構築・運用に対する技術支援を効率よく行い、NTT

グループの活用現場が抱える課題を解決するために、次の3つの柱を軸に活動を行っています。 【1】検討から運用までの全工程にわたってOSSの活用をワンストップで支援するトータルサポートサービス、【2】OSからミドルウェアまで一連のOSSを組み合わせて検証することにより開発の効率化を図るソフトウェアスタック(OSSVERT:OSS Suites Verified Technically=オズバート)の提供、【3】OSSの適用領域をミッションクリティカルな領域に拡大するための機能強化(高信頼化・高可用化)に向けた国際コミュニティと連携した技術開発です」。廣川 「NTTコミュニケーションズには2010年4月に『Red Hat Premier Certified Cloud Provider』となっていただいておりますが、先日レッドハットとのクラウドにおける協業をさら

に強化し、NTTコミュニケーションズのパブリッククラウドサービス『Bizホスティング ベーシック』において既に導入していただいているレッドハットのオープンな仮想化技術KVMの利用をさらに拡大されることを発表させていただきました。これは、NTTグループの中でOSSの活用が進んでいることの証明であり、同時にOSSセンタの取り組みの成果でもあると思います。実際、どのような効果が現れているのでしょうか」。木ノ原氏 「まずOSの部分では、Linuxを採用することによりベンダーロックインから解放されTCOを削減できます。さらにJBossなどのミドルウェアを活用することでその効果はさらに高まります。実際にOSSセンタを設立してからの5年間で、ハードウェア(OS費用込み)とミドルウェア領域において、定価ベースでTCOを90%削減で

コミュニティをエンジンとして、

OSSセンタの発信力を高めていきます。

木ノ原

 『レッドハットエンタープライズユーザー会』で中心的な役割を担っていただいているNTT OSSセンタ センタ長 木ノ原 誠司氏、そしてオープンソース(OSS)が持っている本質的な価値をより多くの企業やユーザーに広めるために、OPEN EYEを始めとする情報発信とコミュニティの育成に力を入れているレッドハット株式会社 代表取締役社長 廣川 裕司が、今、OSSに求められること、さらにはOSSだからこそ可能にする未来について語りあいました。

OSSにより質の高いサービスをスピーディに展開できる

NTTグループとの協業をより拡大し、

商用で安心・安全に使えるOSSを提供します。

廣川

キャリアビジネスのキャリアビジネスのグローバル化グローバル化を見据え、を見据え、OSOSSをグループの起爆剤とするべく、をグループの起爆剤とするべく、検証を続ける検証を続けるNTT OSNTT OSSセンセンタ。タ。

キャリアビジネスのグローバル化を見据え、OSSをグループの起爆剤とするべく、検証を続けるNTT OSSセンタ。

木ノ原 誠司氏

レッドハット株式会社代表取締役社長

日本電信電話株式会社 理事NTT OSSセンタ センタ長

廣川 裕司

OPEN EYE 5

Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

OPEN EYE 05vol.2011 SPRING

オープンソースの新時代を築く、サクセスストーリーオープンソースの新時代を築く、サクセスストーリー

トップ対談 トップ対談 NT TN T T レッドハット

トップ対談 N T T レッドハット

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Seishi Kinohara

きる試算が得られており、ハードウェア以上にミドルウェアの削減効果が大きいことも分かっています。 またKVMですが、OSSセンタではβ版の段階から次世代

仮想化技術として注目して製品評価作業に取り組んでおり、実際、最大規模のクラウド『Biz ホスティング ベーシック』でもNTTコミュニケーションズを後方から支援しています。仮想化システムやクラウドではリソースを効率よく活用できるので、今後、KVMの重要性がますます高まってくるでしょう。 また、グループでのOSS活用推進においては、各社が個々のプロダクトごとのベンダーやコミュニティにバラバラに対応するのではなく、我々OSSセンタがワンストップでサポートすることが重要だと考えています。OSSの活用によりTCO削減を実現するだけでなく、グループ会社がOSSを活用したサービスを迅速に安心して提供できるよう、導入コンサルから設計、構築、試験、運用時の故障復旧支援までトータルにサービスすることが我々の役割です。OSSセンタ開設から5年超になりますが、累計6,000件を上回る問い合わせに答えています」。

廣川 「ミドルウェアでのTCO削減効果が大きいというお話もありましたが、JBossでは品質の向上もなされています。実際、JBossにおいてはOSSセンタの技術者の方にも加わっていただき、品質の改善

に取り組むタスクフォースを米Red Hatの技術者も参加する形で立ち上げています。NTTグループにおいてもすでにJBossを活用していただいておりますが、具体的な利用展開、そしてさらなる利用拡大に向けレッドハットに期待されていることをお聞かせください」。木ノ原氏 「JBossについても、JBoss Enterprise Application Platform(EAP)を中心にグループの社内システムで採用されています。私どもはデータベースの領域でPostgreSQLにも力を入れ、スケールアウト型でより信頼性の高い環境を構築しようとしているのですが、そこでも最終的にはミドルウェアが重要になってきます。JBossをスイート(Suites)モデルの中に組み込んで安心して利用できるようにしていきたいと思っています。 また、現在はEAPが中心ですが、ソフトウェアの再利用を容易にするSOA、アプリケーション間連携を実現するESB(Enterprise Service Bus)の分野でも今後JBossを活用していきたいと思っています。そのためにも米 Red Ha tとのJBoss製品改善タスクフォースをはじめ、コミュニティに積極的に参加することでJBossのクオリティを上げ、日本発のいろいろなノウハウを世界に発信していきたいと思っています。 最近の傾向を見ていると、クラウドといってもサーバからアプリケーションまで垂直統合で提供する会社も増えており、そうした企業に対抗するためにもOSSは重要になってくると思っています。今、OSSを積極的に活用している企業は金融やキャリア(通信事業者)、流通、製造など自社に技術者を保有できる企業に限られていますが、それを一般ユーザーが使いやすい形で長期的に安定して提供することで、新しい価値が生まれるのです。 そのためには、安心の技術を安定して供給できるベンダーに協力してもらう必要があり、レッドハットには大きな期待をしています。例えば、既存のシステムからKVM、あるいはJBoss環境に移行するためのマイグレーションツールを一緒に開発するなど、今後も具体的なアクションをともに起こしていきたいと思っています」。

廣川 「おっしゃるとおりです。レッドハットも日本のお客様の高い品質要求に応えるべく製品を改善し、商用として安全・安心に使っていただける製品を市場に出すことが使命と考えています。OSSにはコミュニティ、ベンダー、パートナー、そしてユーザーの4つの柱があり、それらが一体となって進化していくと思います。その中で今後もNTTグループの皆様と連携し、さらに協業を拡大していきたいと思います。それでは、最後に今後NTTグループにおいて、OSSの適用領域でどのような成長戦略を描いているのかをお聞かせください」。木ノ原氏 「まず、2012年までにNTTグループで使用するサーバの半分をOSS環境にしたいと考えています。今は大規模顧客管理システムなどには利用できていませんが、将来的にはそういった超ミッションクリティカルな分野にもOSSを活用していき、最終的には7~8割のサーバをOSSに置き換えていきたいと考えています。そして日本最大級の通信事業者、サービスプロバイダとして

世界No.1のサービスをグローバルに展開していくことを目指し、日本から世界へ出て行く企業を後押ししていきたいと思います。その点においても積極的なコミュニティ活動をグローバルに展開しているレッドハットと協業していきたいと考えています。 またOSSを推進するには技術者のモチベーションを高めることも重要です。コミュニティをひとつのエンジンとして技術者が発信力を持てるような環境を整備してきたいと思います」。

OSS利用時の問題解決とOSS利用推進

NTTグループSI会社・事業会社

OSSトータルサポート

OSSVERT検証

コミュニティへの貢献

技術開発

NTT OSSセンタ

OSSコミュニティO ィ

サポートがないと緊急時が不安だし、今はよくても数年先はどうしよう。

OSSを大規模、高信頼なシステムへ適用できるかな?

▼ NTT OSSセンタの取り組みイメージ

Yuji Hirokawa

ココミュミュニティをエンジンとして、

ィをエンジンとして、

OSSセンタの発信力を高めていきます。

OSSセンタの発信力を高めていきます。

木ノ原

木ノ原

NTT

NTTグループとの協業

グループとの協業をより拡大し

をより拡大し、

商用で安心

商用で安心・安全に使えるOSSを提供します

安全に使えるOSSを提供します。

廣川廣川

キャリアビジネスのグローバル化を見据え、OSSをグループの起爆剤とするべく、検証を続けるNTT OSSセンタ。

キャリアビジネスのビジネスのグログローバル化ーバル化を見据え、を見据え、OSOSSをグループの起爆剤とするべく、をグループの起爆剤とするべく、検証を続ける検証を続けるNTT OSNTT OSSセンタ。センタ。

6 OPEN EYE

Red Hat K.K. EDITORIAL 2011Success story for your business

オープンソースの新時代を築く、サクセスストーリー

トップ対談 NT T レッドハット

トップ対談 トップ対談 N T TN T T レッドハット

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 OSSのソフトウェアスタックであるOSSVERTを定めるために、OSSセンタではどのような活用をされているのでしょうか?まず村本氏にお聞きしました。 「OSSVERTは、Web3層モデル(Webサーバ/アプリケーションサーバ/データベースサーバ)を中心として、さまざまなOSSのミドルウェアの組み合わせを検証し、品質確認および性能や可用性を確保するために必要な組み合わせ手順や組み合わせバリエーション毎のパラメータ設定を明文化し、ノウハウドキュメントとして提供しています。もちろん、ソフトウェアは日々進化していますので、OSSVERTでは、構成ミドルウェアのバージョンアップに合わせ、年10回以上のアップデート検証により常に最新のモデルを提供しています」。

 「Red Hat Enterprise Linuxは、物理環境のOSとしては信頼性が高く、特に大きな問題もありません。今、我々が着目しているのがクラウドでも重要になる仮想化環境であるKVMです。β版の段階からテストし、つい最近OSSVERTの中に組み込んだばかりです。まだ登場したばかりなので細かい問題はあ

りますが、今後、新しいバージョンが登場すればさらなるパフォーマンスの改善が見られるのではないかと期待しています。 また、我々が検証して問題がある場合は、レッドハットにレポートという形でフィードバックしているのですが、大きな問題は別として細かな問題に関してはタイムリーに対応してもらっています。Red Hat Enterprise Linuxの次期バーション(Ver.6.1)ではKVMのパフォーマンスもさらに向上していると思いますので、我々も細かな検証を行いたいと思います」(木原氏)。

 「エンタープライズで活用できるOSSのミドルウェアという視点に立つと、レッドハットのようなサポート体制を持つ会社は他にありません。この点にも大いに期待してJBossを採用したソフトウェアスタックを構築してきました。 OSSを商用で安全かつ安心して使えるようにするためには品質の向上が必要ですが、JBossの品質改善のために『JBoss Improvement Task Force』を立ち上げました。このタスクフォースには、OSSセンタおよびNTTグループの技術者約10名、米Red Hat、日本レッドハットの技術者各数名が参加して定例の電話会議やFace to Faceミーティングを行い、検証結果から問題を洗い出して製品の品質改

善に貢献しました。こうした活動ができるのもOSSのメリットだと思います。」(野澤氏)。

 「OSSの分野においては技術者の育成も大きな課題のひとつです。我々は教育・研修の分野においてもレッドハットと共同でテキストを作成し、専門の講師を招いています。研修の終了後には必ず受講者のアンケートをとるのですが、満足度は90%以上にもなり、他の講座と比べても高くなっています」(村本氏)。 「またレッドハットが開催している仮想化ソリューションセミナーやKVMスタートアップコース、ワークショップなども技術者育成にとても役に立っています。一方、我々がOSSの技術者として雑誌などに記事を寄稿することもありますが、それにより自らの実力も向上できますし、ICT業界におけるOSSに対する関心を高めたり、幅広い技術者への情報提供に貢献できていると思います。」(木原氏)。 「2006年のOSSセンタ立ち上げ時は、NTTグループのICT基盤においてのOSS活用は若干数でしたが、2012年にはシステムの半分くらいになるようにするための取り組みを行っています。機能、性能的には約8割に適用可能という予測もありますので、今後とも積極的な取り組みを行っていきたいと思います。」(野澤氏)。

 トップインタビューで木ノ原センタ長が語られているように、OSSセンタではNTTグループでOSSを安全かつ安心して活用できるようにするためのソフトウェアスタック『OSSVERT』を定め、グループ各社に展開しています。そこには、レッドハットのテクノロジーおよびサービスが大きく寄与しています。今回はOSS推進ユニット 村本 達也氏、基盤技術ユニット 木原 誠司氏、応用技術ユニット 野澤 雅之氏にお話を伺いました。

村本 達也 氏

NTT OSSセンタOSS推進ユニット

OSS推進グループリーダ

木原 誠司 氏

NTT OSSセンタ基盤技術ユニットOSグループリーダ

野澤 雅之 氏

NTT OSSセンタ応用技術ユニット

Webグループマネージャ

オープンソース、クラウドを核に新たな分野においてさらなる成長戦略を描く

『オンデマンド仮想システムサービス』に採用されたRed Hat Enterprise Linux。今後はKVMの活用も視野に。

部門発のシステム活用でもCIOやIT部門が安心できる信頼性を

OSSならではの低コストかつ迅速なサービス展開で、社会基盤にも最適

東京証券取引所など、ミッションクリティカルなシステムの導入実績

日本の企業はもちろん、グローバルで認められた信頼性

NTNTTグループのグループのOSOSS活用を推進する活用を推進するソフトウェアスタックソフトウェアスタック『OSSVEROSSVERT』の中核に中核にレッドハットレッドハット。

01Web3層モデルを中心としてOSSミドルウェアの組み合わせを検証

OSSVERTとは?

システム構築のプロセス

02物理環境のOSとしては問題なし。今後は、KVMによる仮想化に期待

Red Hat採用のメリット1 03

JBossの品質改善のためのタスクフォースをともに立ち上げ

Red Hat採用のメリット2 04

技術者育成のため、教育においてもレッドハットと協業

Red Hat採用のメリット3

Red Hat採用のメリット3技術者育成のため、技術者育成のため、

教育においてもレッドハットと協業教育においてもレッドハットと協業

Red Hat採用のメリット2JBossの品質改善のためのJBossの品質改善のための

タスクフォースをともに立ち上げタスクフォースをともに立ち上げ

OSSVERTとは?Web3層モデルを中心としてWeb3層モデルを中心として

OSSミドルウェアOSSミドルウェアの組み合わせを検証組み合わせを検証

Red Hat採用のメリット1物理環境のOSとしては問題なし。物理環境のOSとしては問題なし。今後は、KVMによる仮想化に期待今後は、KVMによる仮想化に期待

品質確認および性能や可用性を確保するために必要な組み合わせ手順や組み合わせバリエーション毎のパラメータ設定を明文化

クラウドやサービスオンデマンドな環境を構築するため、レッドハットのKVMに期待

『JBoss Improvement Task Force』により、日米およびベンダーとユーザー一体となった課題解決を実現

研修の満足度は90%以上、次世代を担うOSS技術者をレッドハットとともに育成

OPEN EYE 7

Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

ユーザー事例 ユーザー事例 ユーザー事例事例Success Story

NTT OSSセンタシステム構築レポート

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 今回、JBossをプラットフォームにした新たなシステムを導入した背景について、三菱総研DCS株式会社 代表取締役専務 専務執行役員 円実 稔氏は次のように語ります。 「今回新しいシステムを導入するのは、事務受託などのアウトソーシング部門になります。当社の歴史は40年になりますが、その間、給与計算や人事業務に関するアウトソーシングサービス(PROSRV)を代表として、さまざまなアウトソーシング・サービスを提供し、現在は約1,400社のお客様にご利用いただいております。この業務に600人以上の担当者が携わっていますが、オフショア(海外)へのアウトソーシ

ングなどグローバル競争が激しくなる中、今後も高品質なサービスを安定して提供するためには、業務全体のBPR(Business Process Reengineering)が必要になってきました」。

 では、従来の課題はどこにあったのでしょうか?円実氏は次のように続けます。「従来は、お客様のニーズにきめ細かく対応するため、お客様ごとに異なった業務プロセスになっていました。しかも担当者個々の経験やスキルに頼る部分も多く、ノウハウの蓄積や継承も人に頼らざるを得ませんでした。金融不況以降、事務受託の世界でも、クオリティの高いサービスをより低コストで提供することが求められています。そこで、縦割り業務プロセスの見直しとシステム化を前提に、サービスレベルを落とさず効率化を図り、全社でノウハウやスキルを共有できることを実現できる仕組み作りに挑戦してきました」。 従来の業務プロセスは効率化の阻害にもなっていたと、技術推進事業本部 技術企画統括部長 長見 雄史氏も語ります。 「これまではお客様ごとに管理を分けていたため、作業者の役割が重複している部分がありました。それが業務の効率化の壁になっていたのです」。

 そこで三菱総研DCSは、事務受託業務のBPM

(Business Process Management=プロセス管理)のシステム化を決断。約1年間にわたり、試行検証を繰り返したうえでビジネス要件を洗い出し、その後1ヶ月でシステム要件を定義しました。 「今回のシステム導入において、従来はお客様の業務単位だった業務プロセスを改め、業務機能単位の業務プロセスへ変更することにしました。これによりスキルの偏りをなくし、業務間での役割、作業漏れを防ぐとともに作業の平準化・効率化を実現します。そして、そのためには、作業計画やステータス(進行状況)を見える化し、業務プロセスの標準化を支えるシステムが必要になってきます。具体的には、<1>マニュアルの整備と必要に応じてマニュアルに瞬時にアクセスできる文書管理=ECM(Enterprise Content Management)、<2>品質・処理状況・計画策定・要員配置などを可視化するプロセス管理=BPM、さらにそれらを一元的に利用できるポータル機能や他システムとの連携などを要件としてシステム構築に取り組んでいます。規模感としては、ECM でお客様マニュアルを中心に約2,000コンテンツを揃え、BPMは出来るだけ標準化をはかって、約10フロー、40画面程度に集約しました。」(円実氏)。

 では、今回JBossが選ばれた理由はどこにあるのだろうか、その理由を円実氏は、次のように話します。 「当初はパッケージソフトウェアの導入を考えており、その中で4社くらいを検討していました。しかし社内だけで完結するシステムならパッケージの機能に業務をあわせることができますが、お客様の事

 三菱総研DCS株式会社は、企業のIT基盤のコンサルティング、設計・開発から運用・処理(アウトソーシング)までをトータルに行う会社です。2004年12月より、株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)との戦略的業務提携を機に、グループ内での本格的な協業がスタート。2006年3月からは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、MURC)を加えた4社協業体制となり、さらなる成長戦略を描いています。今回は事務受託処理アウトソーシングの業務プロセス見直し、さらには将来的なグループ内外へのソリューション展開を視野に入れたシステムにJBossをフルラインナップで活用した事例を紹介します。

IT基盤のコンサルティング、設計・開発からアウトソーシングまでを行う三菱総研DCS

円実 稔 氏三菱総研DCS株式会社代表取締役専務 専務執行役員

国内初国内初、JBossJBossをフル活用フル活用したしたBPBPMを構築。を構築。業務の刷新業務の刷新、スキルのスキルの向上、見える化見える化など、ど、将来に続く強固な経営基盤を実現。将来に続く強固な経営基盤を実現。

Red Hat(JBoss)を選んだ決め手パッケージよりも柔軟で、パッケージよりも柔軟で、

低コストで導入できるOSSスイート低コストで導入できるOSSスイート

ワールドワイドでの数多くの実績に裏打ちされた高い信頼性

ビジネス課題を実現するシステム要件BPR/BPMにより、業務の見える化やBPR/BPMにより、業務の見える化や効率化、スキルの底上げを目指す効率化、スキルの底上げを目指す

背景グローバル競争が激しくなる中、グローバル競争が激しくなる中、

アウトソーシング業務の効率化が急務にアウトソーシング業務の効率化が急務に

ビジネス課題細分化された業務プロセスが細分化された業務プロセスが効率化の阻害要因となっていた効率化の阻害要因となっていた

要件定義から基盤実装に至るまで一貫してプロジェクトを支えたレッドハットのコンサルティング

グループおよび顧客向けソリューションとして水平展開可能

レッドハットとのパートナーシップでクラウドソリューションまでを視野に

01グローバル競争が激しくなる中、アウトソーシング業務の効率化が急務に

背景

システム導入の経緯とプロセス

・ アウトソーシング市場の変化への対応・ 競争力強化のために業務基盤を強化

02細分化された業務プロセスが効率化の阻害要因となっていた

ビジネス課題

・ 属人的なワークフローからの脱却・ ノウハウを共有し、お客様満足度を向上

03BPR/BPMにより、業務の見える化や効率化、スキルの底上げを目指す

ビジネス課題を実現するシステム要件

・ 業務プロセスの全面的な見直し・ ビジネスプロセスをシステムで管理

04パッケージよりも柔軟で、低コストで導入できるOSSスイート

Red Hat(JBoss)を選んだ決め手

・ パッケージ製品にはない開発の柔軟性・ ポータル、BPMなど必要な機能を網羅

・ ・ ・

・ ・

8 OPEN EYE

Success story for your business

ユーザー事例事例Success Story

三菱総研DCS共通プラットフォーム

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務受託を支えるためのシステムですので、今まで通り1,400社それぞれの要求に応えなければなりません。パッケージの場合、そうした要件を実現するためには、カスタマイズをしなければならない部分が多くなり、結果的に高コストの見積もりになってしまいました。そこで、いろいろと比較検証を重ねた結果、必要な基本機能を低コストで利用でき、柔軟な開発や拡張が容易なJBossを選択したのです」。  技術推進事業本部 技術企画統括部 企画グループ長 高藤 康孝氏は、JBossのラインナップの豊富さについてこう続ける。 「新システムは業務プロセスを可視化、最適化することを目的としており、『作業指示書』や『スケジュール表』などの管理帳票の整備状況や、業務マニュアルやチェックシートなどのドキュメントをそれぞれの業務プロセスに関連づけて管理する必要がありました。JBossは、この要件を満たすBPMとECMを備え、かつフレキシブルなユーザインターフェースを提供するポータル基盤、サービス連携を実現するSOA基盤を包括的に提供できる唯一のOSSだったのが、選択の決め手でした」。

 「オープンソースであるJBossには、コストメリットはもちろん、洗練された高いクオリティがあります。実際にアメリカの大手マーケティング会社の調査でJBossが4年連続マーケット・リーダとなったことも選択の強力な裏付けとなりました。ISO9126に準拠したソフトウェアの品質特性という側面からも、各ソフトウェアと比較しましたがJBossが高い評価結果を出しています。OSS(Javaベース)の標準機能を活用しているので信頼性も高く、将来的にお客様向けのソリューションとして展開可能であること

もメリットの一つだと思います」(高藤氏)。

 今回のプロジェクトにおいては、早い段階からレッドハットのコンサルティングサービスを利用していたと言います。その対応はどうだったのでしょうか? 「コンサルティングサービスについては、技術的に不明な部分について、丁寧に調査・回答をもらいました。また、担当者同士で専門的な会話になったときも、参加メンバー全員分かるように、要点をわかりやすく解説したり、論点を整理したり、議論をスムーズにさせる配慮などがありました。その結果、弊社として初めて採用した技術でありましたが、短期間で開発に着手できました。情報入手についても当社はレッドハットのユーザ会に参加していることから、レッドハットだけでなく参加各社から有益な情報をもらうことができ、今回のシステム構築でのJBossの適用を後押ししてくれたと思っています」(長見氏・高藤氏)。 「今回Webコンテンツ管理機能として採用したJBoss Enterprise Portal Platform Site Publisherは今年1月に提供開始されたばかりで、 期待と共に正直不安もあったのですが、よく支援していただいていると思っています。また当初こちらで想定していた以上に、BRMSを活用したルールベースエンジンの導入など、積極的な提案をもらいました」(円実氏)。

 今回は事務受託業務でのシステム構築ですが、今後は人事業務全体を範囲としたBPOサービスでの活用や本年1月からリリースしたHR-Webとの連

携など、SIerとして次の一手を見据えた導入効果も期待できると言います。 「当社で導入実績があるものをお客様に提供することが我々SIerとしての優位性になります。今回のJBossを活用したBPM/ECM基盤は、MRI、MUFG、MURCとの4社連携の中でも、積極展開を図りたいと考えています」(長見氏)。 「次世代の社内システムの実行環境としてはもちろん、システム開発の標準開発環境として、その役割を果たせる基盤を作り上げたいと考えており、Javaの開発要員育成にもJBossの開発環境であるJBoss Seamを活用しています。実行環境、開発環境両面からJBossの実績を積むことで、今回の導入が我々の強みになっていくと思います」(高藤氏)。

 最後にレッドハットへの期待や今後の展望についてお聞きしました。 「当社はクラウドサービスも提供しているので、レッドハットにはKVMなどの仮想化についてさらに実績と検証を進めてもらい、パートナーとして協力してもらいたいと思います」(長見氏・高藤氏)。 「前述の通り、今回のシステムは共通基盤として三菱総研DCS社内の他のワークフローに展開しつつ、グループ企業への水平展開、さらにはPaaSソリューションとしてサービス提供していきたいと考えていますので、そうした面においてもサポートを期待します。さらには今回、BPM/ECMと合わせてポータル機能を使っているので、ソーシャル機能(プレゼンスやチャットなど)の活用にも積極的に取り組んでいきたいと思います。今後も新しいことに挑戦して、当社としてもレッドハットのユーザー会などを通じてOSS活用のノウハウを還元していきたいと思います」(円実氏)。

クライアントPC

Webブラウザ

UIロジック(Portlet)

業務アプリ

アプリ共通

:アプリケーション固有機能(開発対象)

:アプリケーション共通機能(開発対象)

ベースフレームワーク・API

S/W

:ベースフレームワーク、各種API (基本、利用のみ)

:ミドルウェアなど(基本、利用のみ)

共通機能

Web/アプリケーションサーバ サービス/BPMサーバ

DBサーバ

DCS Framework New

Seam

JBoss EAP

Red Hat Enterprise Linux

Red Hat Enterprise Linux

SitePublisher

PortletBridge

WebDAVモジュール

eXoJCR

PostgreSQL(業務用DB)

PostgreSQL(制御用DB)

コンテンツストレージ LDAP

コンテンツ管理サービス ビジネスロジック

共通機能

DCS Framework New

Seam

EJB

jBPM

JAX-WS

JPA

Rules

JAAS

JBoss EAP JBoss EAP

BRMS

Red Hat Enterprise Linux

JSF JAX-WS

Apache

プロキシ

認証処理

共通認証

高藤 康孝 氏

三菱総研DCS株式会社技術推進事業本部

技術企画統括部 企画グループ長

長見 雄史 氏

三菱総研DCS株式会社技術推進事業本部技術企画統括部長

国内初、JBossをフル活用したBPMを構築。業務の刷新、スキルの向上、見える化など、将来に続く強固な経営基盤を実現。

パッケージよりも柔軟で、低コストで導入できるOSSスイート

Red Hat(JBoss)のメリット1ワールドワイドでの数多くの実績にワールドワイドでの数多くの実績に

裏打ちされた高い信頼性裏打ちされた高い信頼性

BPR/BPMにより、業務の見える化や効率化、スキルの底上げを目指す

グローバル競争が激しくなる中、アウトソーシング業務の効率化が急務に

細分化された業務プロセスが効率化の阻害要因となっていた

Red Hat(JBoss)のメリット2要件定義から基盤実装に至るまで要件定義から基盤実装に至るまで一貫してプロジェクトを支えた一貫してプロジェクトを支えたレッドハットのコンサルティングレッドハットのコンサルティング

Red Hat(JBoss)のメリット3グループおよび顧客向けグループおよび顧客向け

ソリューションとして水平展開可能ソリューションとして水平展開可能

今後の展望レッドハットとのパートナーシップでレッドハットとのパートナーシップでクラウドソリューションまでを視野にクラウドソリューションまでを視野に

・ ・

・ ・

・ ・

05ワールドワイドでの数多くの実績に裏打ちされた高い信頼性

Red Hat(JBoss)のメリット1

・ BPM基盤構築におけるワールドワイドの実績・ OSS技術の採用による安定性と信頼性

06 Red Hat(JBoss)のメリット2

・ 国内初の導入を支えた支援体制・ 目的に最適化したコンサルティング

07グループおよび顧客向けソリューションとして水平展開可能

Red Hat(JBoss)のメリット3

・ 三菱総研グループの インフラとして展開・ 顧客向けソリューションとして再販

08 今後の展望

・ KVMなどの仮想化ソリューションに期待・ 自社システムをもとにPaaSなどへ展開

レッドハットとのパートナーシップでクラウドソリューションまでを視野に

要件定義から基盤実装に至るまで一貫してプロジェクトを支えたレッドハットのコンサルティング

▼ システム概要図

OPEN EYE 9

Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

ユーザー事例

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レッドハットNEWS

グローバルな市場を視野に入れたとき、もはやオープンでなければ戦えない。

成長を狙う。

OSSを活用すればネットワークはもちろん、その上位レイヤを含めた質の高いサービスを

 2011年4月21日、レッドハッ 2011年4月21日、レッドハット株式会社の2012年度(2011ト株式会社の2012年度(2011年3月~2012年2月)の事業計年3月~2012年2月)の事業計画が代表取締役社長 廣川裕司画が代表取締役社長 廣川裕司より発表されました。より発表されました。

 「2011年度の世界市場におけるレッドハットの成長率は前年度比22%増を達成し、日本

市場においても過去最高の成長を記録しています。その内訳を見ると、Linux事業は、メインフレーム、UNIXに加えWindowsからの移行も増え、堅調に伸びましたが、JBoss、仮

想化・クラウド等の新事業の成長が著しく、こうした動きが今後のレッドハットのさらなる成長を支えていくと確信しています。この好調なビジネスの動きをさらに加速するため、2012年度は①震災復興にオープンソースで貢献

②CORE BUSINESS:Linuxビジネスの安定成長

③BEYOND LINUX:JBossとク

ラウド事業を2倍に拡大④SOLUTION SELLING:営業リソースの増強と質の向上

という4つの柱を掲げています」。 「①はプラスワン(+1)活動と題して1つでも1分でも1割でもプラスアルファの価値を追加して貢献する取り組みです。レッドハットでは、表紙でご紹介しているようにNTTコミュニケーションズ様、富士通様と協力して、災害復旧・復興のためにクラウドを無償で提供するサービスを既に実施していますが、今後は震災・DR(ディザスタリカバリ)対策をさらに強化していきます。例えば、データセンタへの業務システムの移行において、レッドハットの製品は貢献できます。ミドルウェアのJBossを含め、レッドハットの製品はオンプレミス、クラウドなど稼働

環境を選ばないポータビリティに優れ、コアが非常にコンパクトに設計されているため、高いパフォーマンスと可用性を実現できます。そうした特長を活かし、短期的なDRから中長期的なマイグレーションまでをトータルに支援していきます」。

 「②はRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のサブスクリプション契約の更新率の向上、高付加価値サポートの拡大、新しい市場の開拓への取り組みです。新しい市場としてはまず、Windowsの市場に切り込むためにRHELのリセラーやビジネスパートナーを倍増。さらに無償のLinuxとの差異化を明確にし、サービスプロバイダーへの浸透を深めていきます。この動きは既に顕著で、無償Linuxへの不安からRHELへと移行し

たいというお客様が増えています」。 「③はJBossとクラウド事業を2倍に拡大することです。これは決して無理な数字ではなく昨年度もJBossで80%、クラウドは100%以上の成長を遂げています。具体的には専属営業を2倍に増員するなど、体制を強化。製品分野では仮想化データ管理により、DaaS(Data as a Service)の先駆けとなるようなソリューションを提供します」。 「④は企業のCIO・経営者の皆様に戦略的ソリューションを提案できる環境の強化です。そのため、営業・プリセールスエンジニアを1.5倍に大幅増員。ユーザー会(REUG)を100社以上の規模に拡大し、ともにWin-Winを実現する戦略的関係の構築に注力していきます。今後もレッドハットはOSSの価値を最大限に活用し、日本の復興、経済の成長に寄与していきます」。

多くのお客様からのリクエストにお答えして、今回より「OPEN EYE」の無料郵送を開始させていただくことになりました。以下のサイトよりご登録頂きますと、以降、最新号発刊(3ヵ月に1回)毎に郵送させて頂きます。ぜひご登録ください。

★登録はこちらから https://engage.redhat.com/forms/japan-openeye-subscription

2009年5月にREUGが設立されて2年になりますが、会員数は65社を越え、ますます活発な活動が行われるようになってきました。中でも、会員間での情報・意見交換は、実際にシステム構築に役に立つと、多くの方が価値を見出していらっしゃいます。ぜひ、REUGの仲間に入りませんか?☆REUGに関する情報:http://www.jp.redhat.com/reug/

★入会に関するお問い合わせ:レッドハットエンタープライズユーザー会事務局([email protected]

コンサルティングを活用することで、社内標準システムの構築も容易に JBossは実行環境と開発環境を同時に提供するミドルウェアですが、JBossの包括的な製品群を活用することで、アプリケーションサーバはもちろんポータルからコンテンツ管理、ビジネスプロセス管理まで、トータルなエンタープライズシステムを容易に構築することができます。 コンサルティングサービスでも、要件定義からシステムの実装にいたるまでトータルな支援を行っています。従来は個別システムの導入についてのご相談が多かったのですが、最近は三菱総研DCS様の事例にもあるように、社内システムの標準化をにらんだシステム構築の案件が増えています。

 標準化を考えた場合、直近に導入を予定しているシステムだけでなく、将来的な水平展開をにらんだ上で要件定義や標準化ルールを策定する必要があります。三菱総研DCS様の例で言うと今回はアウトソーシング事業のワークフロー(ビジネスプロセス)管理ですが、将来的に全社のワークフローを管理したいという意向があったので、カスタマイズしやすいアーキテクチャとしてJBoss BRMSによるルールベースエンジンの導入をご提案しました。お客様の現状の課題はもちろん、潜在的なニーズも見極め、お客様の期待以上のご提案ができるように努めています。また、短期間でのシステム構築を実現するため、お客様と密なディスカッションを行い、リアルタイムに結論を出していくようにしています。

ロックインされていないコンサルティング/サポートでお客様に安心を提供 さらに海外の先進事例を日本でいち早く展開できるのもメリットの1つです。我々コンサルティングのスタッフも必要に応じて海外の製品開発者と連絡を取りながら、それをお客様にフィードバックできるので、お客様は最新のソリューションを安心して活用いただけます。また、JBossはOSSで仕様が公開されているので、コンサルティングにおいてもロックインされていないサービスを提供することができます。 また、開発プロジェクトではお客様自身でプログラム開発を行うケースも多いのですが、レッドハットは例えば要件定義が終わった後に次のフェーズをにらんだ開発ガイドラインを作成し、開発フレームワーク活用のトレーニングと併用することでお客様のプログラム開発をサポートしています。 コンサルティングチームはシステムの開発段階からサポートチームと連携しています。これによりお客様は、システムが稼働開始するその日から万全なサポートを受けることができます。レッドハットのコンサルティングは、これからも様々な角度、あらゆるフェーズでお客様を支援していきます。

「OPEN EYE」宅配便 オンライン申込スタート! レッドハットエンタープライズユーザー会(REUG)会員募集中

2011年度は、日本市場において過去最高レベルの成長を記録

パートナーとの連携強化などにより、JBoss・クラウド事業を2倍に拡大

OSSを日本復興の力に。2012年度もレッドハットは、ユーザー、パートナー…、皆様とともに成長していきます。

個別システム構築から全社システムの標準化までをサポートするレッドハットのコンサルティングサービス

オープンソース、クラウドを核に新たな分野においてさらなる成長戦略を描く

◎ レッドハットの製品、サービスに関するお問い合わせはこちらまで >>>>>> セールス オペレーションセンター ☎ 0120-266-086(携帯電話からは ☎ 03-5798-8510)〔受付時間/平日9:30~18:00〕 e-mail: [email protected]

○ レッドハット2012年度事業戦略

キャリアビジネスのグローバル化を見据え、OSSをグループの起爆剤とするべく、検証を続けるNTT OSSセンタ○ レッドハット リーディング・アイ

レッドハット株式会社 グローバルサービス本部プロフェッショナルサービス部 JBossシニアコンサルタント 佐藤 将夫 氏

トップインタビュー

ユーザー事例

INDEX

『オンデマンド仮想システムサービス』を支えるレッドハットのソリューションユーザー事例

NTTグループでのOSS活用を推進する標準モデルの中核にレッドハット

ユーザー事例

将来的な社内システムの標準化をにらみJBossによるBPMを導入

○ ○

石田 一雄氏

富士通株式会社取締役執行役員副社長

木ノ原 誠司氏

日本電信電話株式会社 理事NTT OSSセンタ センタ長

~東北地方太平洋沖地震に対するレッドハットの支援について~

Success story for your business Red Hat K.K. EDITORIAL 2011

OPEN EYE Vol.052011年 5月 発行

発行:レッドハット株式会社東京都渋谷区恵比寿4-1-18tel:03(5798)8500

オープンソースの新時代を築く、サクセスストーリー

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