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基礎生命科学実験補遺 ver. 2020/5/25
令和2年度・S2 ターム用
実習の概要
本実習は例年であれば、手を動かし、観察する等、「実際に体験すること」を重視しているが、新
型コロナウイルス感染症の影響で、少なくとも第3週目まではオンライン授業とする。
オンライン授業の場合、本格的な実験器具を用いた実習を行なうことはもちろん、生き物を扱うこ
と自体が困難であるため、実体験の要素がかなり乏しくなることは否めない。しかし、オンラインで
あったとしても実体験に近い課題を提供することで、生命現象の解明に必要な能力を身につけること
を目指していく。具体的には、教科書に添付されている DVD 等を用いながら、教員が用意した実験
結果をもとに、結果をどう解釈し、考察するかという理系学生として必須な思考能力が向上するよう
な課題を設定し、実際の研究過程を模した課題に取り組んでもらう。
例年の実習とは内容が大きく異なるが、(体験要素以外の部分を重視した)サイエンスの基本的な
考え方を身に着ける機会となり得ると考えている。ぜひ積極的に受講してほしい。
授業の実施方法
第3週目まではオンラインで実施するが、それ以降は未定。
第4週目以降は未定。今後の状況を見て判断するので、ITC-LMS やシラバス、ホームページ
(https://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cbioexp/)を確認すること(6/15 頃までには掲示するつもり
である)。
※本授業の場合、オンラインで実施する場合には、ライブ配信は行なわない。ITC-LMS にある課題を
解き、そこで指示されていることを記載したレポートを作成し、期日までに提出すれば良い。
[実施種目]
実験3.顕微鏡の操作と細胞の観察(以下、「顕微鏡」と略)
実験15.動物の諸器官の構造と機能(Ⅲ)―ウシガエルの解剖(内臓)(以下、「カエル」と略)
実験17.骨格筋の力学的性質(以下、「骨格筋」と略)
実験9.植物の多様性と生殖(Ⅲ)-テッポウユリの花粉管伸長(以下、「多様性」と略)
実験1.DNA と形質発現―大腸菌の生育と PCR 法による遺伝子の増幅(以下、「DNA」と略)
(各種目名の左に示した、実験番号の表記は、教科書に従ったものである)
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履修について
・基礎生命科学実験は、2S2 タームのみの開講であり、理科生は、この単位をとらないと留年が決定
してしまうので注意すること。
・同時に 2 つの基礎実験(基礎生命科学実験と基礎物理学・化学実験)を履修することは認められな
い。
[文科の履修希望学生]
以下の3点を行なうこと。
1.初回の授業開始前の6/4(木)までに、下記URL(QRコード)より、受講希
望の旨を教員に申し出ること。
https://forms.gle/GQh3g4hGdgdHAPvz6
ここでの履修希望調査の内容に従い、後日教員から連絡をする(数日経っても連絡がこない場合に
は、基礎生命科学実験係([email protected])までメールすること)。
2.教務課に履修認定カード(電子版)を提出し、履修登録すること(詳細は下記の URL を参照のこ
と)。
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/zenki/classes/courseregistration/index.html
3.ITC-LMS で、各自のアカウントと本授業をリンクさせるために、下記 A-C のいずれかの操作を
6/7(日)までに完了させること。
A.本授業の履修登録を完了させる。
B.本授業のシラバスを検索し、お気に入り登録する。
C.ITC-LMS で受講登録をしておく(その方法については、ITC-LMS にログインし、
「Manual」を押し、「ITC-LMS_学生向けマニュアル」の P.24 を参照すること)。
オンライン授業の実施方法
・課題の公開・レポートの提出は、基本的に ITC-LMS を用いる。
・6/8(月)より、ITC-LMS を使って、課題の公開・レポート提出を開始する。
・質問は ITC-LMS に設置する掲示板で受け付ける。但し各レポート締切日の(日本時間)17 時以降
は返答しないので、注意すること。
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[実施日程]
月曜クラス 火曜クラス 水曜クラス 木曜クラス 金曜日クラ
ス
課題公開日 レポート締
切
1.顕微鏡 6 月 8 日 6 月 9 日 6 月 10 日 6 月 11 日 6 月 12 日 6 月 8 日 6 月 16 日
2.カエル 6 月 15 日 6 月 16 日 6 月 17 日 6 月 18 日 6 月 19 日 6 月 15 日 6 月 23 日
3.骨格筋 6 月 22 日 6 月 23 日 6 月 24 日 6 月 25 日 6 月 26 日 6 月 22 日 6 月 30 日
4.未定 6 月 29 日 6 月 30 日 7 月 1 日 7 月 2 日 7 月 3 日 未定 未定
5.未定 7 月 6 日 7 月 7 日 7 月 8 日 7 月 9 日 7 月 10 日 未定 未定
6.未定 7 月 13 日 7 月 14 日 7 月 22 日 7 月 16 日 7 月 17 日 未定 未定
不正行為の取り扱い
・レポートについては、定期試験と同等の扱いをする(コピペ等の不正行為には厳正に対処する)。
用意する物
(※「実験 17 骨格筋の力学的性質」については本書の末尾にて別途指示する)
教科書「基礎生命科学実験 第 2 版 東京大学出版会」
スケッチを行う場合にはケント紙を用いることが望ましい(スケッチの描き方については、下記を
参照すること)。
定規(筆箱に入る程度の大きさ)
鉛筆・シャープペン
(後日詳細を決定)大学の実習室での授業実施について
グループに分かれて実施する予定である。
また持ち物については、オンライン授業で必要な物に加えて、白衣と専用のレポート用紙を用意し
てもらう可能性がある。
その他詳細は、大学での実習が決定した場合に周知する。周知は ITC-LMS の”お知らせ”にて行な
う予定である。
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レポートの書き方
(※「実験 17 骨格筋の力学的性質」については本書の末尾にて別途指示する)
· レポートは詳細な観察記録であると同時に、これを見るだけで同じ実験を行えるように記載するこ
とが基本である(なお本実習については、方法など教員の指示に従って省略してよい)。
それぞれの書き方は以下の通りである。
· 目的:教科書を参考に自分の言葉でまとめること
· 材料:生物材料は和名と学名の両方を記載する(なお、学名には単語ごとに下線を引くこと)
· 方法:実際の内容を簡潔にまとめ、過去形で記載する
· 結果:実際に得られた結果を過去形で記載する
· 考察:得られた結果から、その原因や理由、意義などを自分なりに考えてまとめる
· スケッチについては、「(本資料末尾の)スケッチについて」を参照すること
※上記の事項をすべて記載することを基本とするが、担当教員の指示に従い、上記の一部を省略する
ことは可能である。
問い合わせ先
基礎生命科学実験に関する問い合わせは、[email protected]
(実験 17 については:[email protected])
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スケッチについて
本実習では顕微鏡観察等の結果を記録するために、スケッチを行う。スケッチを行うためには、詳
細な観察が必要となるため、スケッチする過程で初めて気づくことも多いだろう。観察物を記録する
ためのスケッチは、美術的なものとは異なるため、以下の内容に留意すること。
1. 大きく、丁寧に描く
特に指定がない限り、観察物を用紙いっぱいに大きく描く。丁寧に描くことを心がけ、輪郭
線がきれいにつながるように気をつける。
2. 線と点で描く
輪郭線はフリーハンドの 1 本線で描く。鉛筆またはシャープペンシルを用い、色鉛筆やボー
ルペンなどは用いない。濃淡を表す場合は、塗りつぶしたり斜線を用いたりせず、点描を用
いる。陰影はつけない。
3. 名称や気づいたことなどを書き込む
各部分の名称は引き出し線を使用して、なるべく多く書き込むこと。スケッチで表現しにく
い部分や、気づいたことは、言葉による説明を書き込む。
4. 実物に忠実に描く
観察物の部分ごとの大きさやその比率、形は正確に描く。見えていないものを想像で描かな
いこと。同様の構造が繰り返される場合は、一部を詳しく描き、他も同様であることがわか
るようにして省略してもよい。
5. スケールバーによって大きさを示す
実長測定に基づき、スケッチにスケールバーを描き加える。スケールバーの長さは 100
μm、500 μm など切りの良い値にすること。
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実験 17 骨格筋の力学的性質について
次の点でほかの種目と異なるので注意すること
用意する物
教科書「基礎生命科学実験 第 2 版 東京大学出版会」
筆記用具、B5~A4程度のサイズの白紙(ルーズリーフ、ノートの1 ページでも可)あるいは Excel
の使える PC(こちらで提示するデータを記録するため)
*その他、レポートを作成するための PC ソフト(Word 等)も必要である
レポートの書き方
レポートは A4 サイズの PDF ファイルで提出すること。図表も本文と一緒に 1 つのファイルとして
まとめ、最初に学生証番号と氏名を明記すること。構成は以下の通りとする。
A)目的、方法、結果、考察、感想の順に書くこと。各項には必ず本文を記載すること。
B)「目的」
本実験によって何をどこまで明らかにしようとするのかを自分の言葉で書くこと。目的のない実験
はあり得ないので必ず書くこと。目的を明確にするために理論的背景を自分の言葉で書くこと。
C)「方法」
本来、自分が実際におこなった実験方法をほかの人が実験の手続きを再現できるように正確かつ簡
潔に書く。今回の実習では、自分が行うはずであった実験方法の要点を簡潔にまとめて書くこと。テ
キストの丸写しは減点対象とする。なおこの項は、自分がおこなったことであるためすべて過去形で
記述すること。
D)「結果」
生データのみでなく、取得したデータを解析および整理した値もこの項にまとめる。また、上記デ
ータを必ず図示すること。図表が何を示すものであるか、図表から何がわかるかを記すこと。今回の
実習では、こちらで提示したデータを使用すること。
E)「考察」
実験レポートであるため実験結果に関する考察が必要である。本実験においては、教科書に記載し
た 6 つの課題を考察に代えることとする。
F)「図表について」
データは必ず図表にまとめて見やすくすること。図や表にはそれぞれ通し番号をつけること(図は
下に、表は上に)。グラフの縦軸と横軸には目盛りと単位を必ずつけること。表の場合も必ず単位を
つけること。
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G)「その他」
文献値や先行研究の結果を引用した場合は必ず出典を明記すること。意見・感想がある場合はレポ
ートの最後に簡潔に記載すること。フォントの種類、サイズならびにレイアウトやページ数などにつ
いて特に指示しないが、極度に可読性が劣る場合減点対象とする。PDF ファイルは、Word であれば
「ファイル」>「名前を付けて保存」から「ファイルの種類」として PDF を選択することで、作成可
能である。特別の事情があって PDF ファイルでの提出が困難な学生は ITC-LMS から連絡すること。