第1学年b組 国語科学習指導案 - saitama university5月24日(水) 第1時...

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5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」 ○情報を的確に聞き取る/スピーチをする(光村図書) 生徒の実態と本単元の意図 (1) 本単元に至るまでの指導の系統 育成すべき国語の能力 学習 内容 単元・教材名 学習活動と関連する他領域等の指導 【話すこと・聞くこと】 〈実施時期〉 ・必要な資料を準備し,話の ・資料を提示し 「今,私は,ぼ 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】 構成を工夫しながら,場に たスピーチの くは」 ・話の構成を工夫しながら, 応じた適切な言葉遣いで話 方法 場に応じた適切な言葉遣い すこと。 〈6年・2月〉 で話すことができる。 【小5・6年(1)ア・イ・ウ】 小5・6年 (1)イ(キ)・(ク) ・話し手の思いを受け止めな がら聞き,自分の思いや体 験と比べながら感想をまと めること。 【小5・6学年(1)エ】 (2) 生徒の実態と本単元の意図 本校では中学生になって最初の行事として,4月の大滝オリエンテーション合宿がある。各係 の仕事を遂行していく中で,活動内容を説明したり感想を述べたりする場面があった。小学校で の学習事項を生かして,原稿を用意したり暗記したりして人前で臆することなく話が出来る生徒 がいる一方,自分の考えをうまくまとめられずに話に詰まってしまったり,原稿が用意できてい ない場面では話すことができなくなったりする生徒も多い。また,話を聞いているようでいて, 大事なことを聞き逃している生徒も散見される。 本単元では,話の構成を考えることと,要点をしぼったメモを基に話をすることができる能力 を身に付けるとともに,話の要点を聞き取り,自分の考えと比べることで理解を深めていく態度 を養うことを企図した。授業後,日常生活で自分の思いを伝えたり,相手の考えを受け取ったり できるようにしたい。授業で扱う話題については,中学校生活が始まって間もない時期であるこ とを勘案して,「今一番力を入れているもの(こと)の魅力を伝える」ことに設定した。例えば 部活動などは始めたばかりで,自分の経験だけでは語り尽くせない部分が少なからずある話題と なるだろう。そのことで,情報の集め方や整理の仕方についても言及していく意図がある。 また,第1学年の国語の授業は,詩を読んだり創作したりすることで,言葉の感性を高めるこ とからスタートした。引き続き,思いや魅力が伝わる語句についても意識させていきたい。 ①【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」 スピーチの構成や話し方を考える際のノートやスピーチメモを確認し,適宜指導することで学 びの到達度の自覚を促す。その上で,班で「話し手」と「聞き手」に分かれて活動することで, 自分の意図した内容がどのくらい相手に伝わるのかを確認したり,自分の話し方を振り返ったり する機会を設けた。また,改善点を話し合うことで,よりよい完成形を目指すことができ,途中 経過と最終的なスピーチを比較することで,自己の変容を見取ることができるものと考えられる。 ②【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」 話題を決めてスピーチをする活動は,「実技」に相当する。学習の成果として,活動の観察あ るいは録音音源の聴取により評価する。また,生徒のスピーチメモや授業の振り返り記述,工夫 したり改善したりした点を問う筆記問題から,学びの課程や知識の定着を評価する。

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Page 1: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5月24日(水) 第1時

第1学年B組 国語科学習指導案

授業者 三 浦 直 行1 単元名・教材名

「伝える,伝わる,言葉の世界」

○情報を的確に聞き取る/スピーチをする(光村図書)

2 生徒の実態と本単元の意図

(1) 本単元に至るまでの指導の系統

育成すべき国語の能力 学 習 内 容 単元・教材名 学習活動と関連する他領域等の指導【話すこと・聞くこと】 〈実施時期〉

・必要な資料を準備し,話の ・資料を提示し 「今,私は,ぼ 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】構成を工夫しながら,場に たスピーチの くは」 ・話の構成を工夫しながら,応じた適切な言葉遣いで話 方法 場に応じた適切な言葉遣いすこと。 〈6年・2月〉 で話すことができる。【小5・6年(1)ア・イ・ウ】 小5・6年 (1)イ(キ)・(ク)

・話し手の思いを受け止めながら聞き,自分の思いや体験と比べながら感想をまとめること。

【小5・6学年(1)エ】

(2) 生徒の実態と本単元の意図

本校では中学生になって最初の行事として,4月の大滝オリエンテーション合宿がある。各係

の仕事を遂行していく中で,活動内容を説明したり感想を述べたりする場面があった。小学校で

の学習事項を生かして,原稿を用意したり暗記したりして人前で臆することなく話が出来る生徒

がいる一方,自分の考えをうまくまとめられずに話に詰まってしまったり,原稿が用意できてい

ない場面では話すことができなくなったりする生徒も多い。また,話を聞いているようでいて,

大事なことを聞き逃している生徒も散見される。

本単元では,話の構成を考えることと,要点をしぼったメモを基に話をすることができる能力

を身に付けるとともに,話の要点を聞き取り,自分の考えと比べることで理解を深めていく態度

を養うことを企図した。授業後,日常生活で自分の思いを伝えたり,相手の考えを受け取ったり

できるようにしたい。授業で扱う話題については,中学校生活が始まって間もない時期であるこ

とを勘案して,「今一番力を入れているもの(こと)の魅力を伝える」ことに設定した。例えば

部活動などは始めたばかりで,自分の経験だけでは語り尽くせない部分が少なからずある話題と

なるだろう。そのことで,情報の集め方や整理の仕方についても言及していく意図がある。

また,第1学年の国語の授業は,詩を読んだり創作したりすることで,言葉の感性を高めるこ

とからスタートした。引き続き,思いや魅力が伝わる語句についても意識させていきたい。

①【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

スピーチの構成や話し方を考える際のノートやスピーチメモを確認し,適宜指導することで学

びの到達度の自覚を促す。その上で,班で「話し手」と「聞き手」に分かれて活動することで,

自分の意図した内容がどのくらい相手に伝わるのかを確認したり,自分の話し方を振り返ったり

する機会を設けた。また,改善点を話し合うことで,よりよい完成形を目指すことができ,途中

経過と最終的なスピーチを比較することで,自己の変容を見取ることができるものと考えられる。

②【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」

話題を決めてスピーチをする活動は,「実技」に相当する。学習の成果として,活動の観察あ

るいは録音音源の聴取により評価する。また,生徒のスピーチメモや授業の振り返り記述,工夫

したり改善したりした点を問う筆記問題から,学びの課程や知識の定着を評価する。

Page 2: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

3 単元の目標

(1) 自分で決めた話題について意欲的に調べ,相手に伝わるように話そうとしたり,友達の話を聞

こうとしたりしている。 (国語への関心・意欲・態度)

(2) 日常生活の中から決めた話題について,話すための材料を集め,話を構成することができる。

(話すこと・聞くこと)

(3) 話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方などに気をつけて話すとともに,友達の話を聞いて

自分の話題との共通点や相違点を整理し,考えを深めることができる。(話すこと・聞くこと)

(4) 思いや魅力が伝わるような語句を意識し,適切に使うことができる。

(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

4 単元の評価規準と学習活動に即した評価規準

【関】国語への関心・意欲・態度 【話聞】話すこと・聞くこと 【言】言語についての知識・理解・技能

・自分で決めた話題 ・日常生活の中から決めた話題について,話 ・思いや魅力が伝わる

について意欲的に すための材料を集め,話を構成することが ような語句を意識

調べ,相手に伝わ できる。 し,適切に使うこと

るように話そうと ・話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方 ができる。

したり,友達の話 などに気をつけて話すとともに,友達の話

を聞こうとしたり を聞いて自分の話題との共通点や相違点を

している。 整理し,考えを深めることができる。

①自分が力を入れて ①自分で決めた話題についての情報を集め, ①スピーチを聞き合う

いることについて ノートに書いている。 ことを通して,より

話題を決め,内容 ②集めた情報を整理して話の構成を箇条書き 伝わる語句や言い回

をノートにまとめ (または叙述)でノートに書き,要点をし しを考え,話の中に

ようとしている。 ぼったりスピーチメモをつくっている。 取り入れている。

②思いが相手に伝わ ③話の聞き方を意識して,要点を捉えて聞き

るように,話し方 取りメモを書いている。

や語句の工夫をし ④相手に伝わる話し方を意識してスピーチ練

ようとしている。 習し,工夫点や改善点をスピーチメモやノ

③友達の話を聞き, ートに書き込んでいる。

自分の考えをもつ ⑤相手に話す速度や音量,言葉の調子や間の

とともに,日常生 取り方などに気を付けて話している。

活に生かそうとし ⑥友達の話を聞いて自分の話題との共通点や

ている。 相違点を整理し,考えたことをノートにま

とめている。

5 指導と評価の計画(全5時間)

時 学 習 活 動 学 習 内 容 評価規準・評価方法

1 ○単元の流れと学習課題を確認

する。 【全体】 「伝える,伝わる,言葉の世界」

○中学生になって力を入れてい 学習課題 ○○の魅力が伝わるスピーチをしよう

るもの(こと)を挙げる。

【全体】 ・日常生活からの話題選び 【関】の① 【話聞】の①

○スピーチの話題を決める。 ・話す材料(情報)の集め方 ・取組の観察

【個人】 (自分の考え/知っているこ ・ノートの観察

○伝えたい内容を考え,情報を と/本や雑誌,新聞,インター

集める。 【個人】 ネットなどの情報/友達やプロ

の意見 など)

2 ○伝えたい内容を決める。 ・聞き手に伝わる内容や語句, 【話聞】の②

【個人】 構成や順序 ・取組の観察

単元の評価規準

学習活動に即した評価規準

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○スピーチの構成を考える。 ・要点をしぼったメモの方法 ・ノートの観察

○スピーチメモを作る。【個人】・資料を活用した話し方

○フリップや写真など,資料の

工夫を考える。 【個人】

3 ○発表のポイントを学ぶ。 ・話し方(声の大きさや話す速さ)【話聞】の③

【全体】 ・聞き方,要点を押さえたメモの ・取組の観察

○情報を的確に聞き取り,メモ 方法 ・ノートの観察

に取る練習をする。【全体】

○スピーチの練習をする。

【個人】

4 ○班でスピーチの練習をする。 ・魅力の伝わる話の構成や話し方 【関】の② 【話聞】の④

(3~4人班) 【班】 【言】の①

○話し合った内容をもとに練 ・取組の観察

り直し,スピーチを仕上げる。 ・ノートの観察

【個人】 ・録音音源の聴取

5 ○スピーチの会を開く。【班】 ・魅力の伝わる話の構成や話し方 【関】の③【話聞】の⑤⑥

(前時とメンバーを入れ替え ・話し手の意図を考えながら聞く ・取組の観察

て,班ごとに行い,一番魅力 こと ・ノートの観察

が伝わった一人を選出する。)・話し方の工夫による伝わり方の ・録音音源の聴取

○班の代表によるスピーチを聞 違い

く。 【全体】 ・自分の考えとの共通点や相違点

(班員が選んだ理由を簡潔に ・学びを日常生活で生かせる場面

述べた後で,代表がスピーチ

する。)

○学んだことや考えたことを振

り返り,ノートにまとめる。

【個人】

6 本時の学習指導 (4/5)

(1) 目標

・自分の思いや題材の魅力が相手に伝わるように,話し方や語句の工夫をしようとしている。

(国語への関心・意欲・態度)

・相手に伝わる話し方を意識して工夫点や改善点を話し合い,スピーチの完成度を高めることが

できる。 (話すこと・聞くこと)

・思いや魅力が伝わるような語句を意識し,適切に使うことができる。

(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

(2) 展開

【前時の学習内容】

・話し方(声の大きさや話す速さ) ・聞き方,要点を押さえたメモの方法

学 習 活 動 学 習 内 容 指導と評価の創意工夫

1 本時のねらいを知る。 ・学習課題を示す。

【全体】 本時のねらい

○スピーチの工夫点を話し合い,完成度を高めよう。

2 前時の振り返りをす ・発表のポイント(話し方,聞き方) ・前時のノートを振り返らせ

る。 【全体】 ・メモをもとにしたスピーチ る。

(

時)

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・自分のスピーチ内容を振り返

らせる。

3 班でスピーチ練習を ・思いや魅力の伝わる構成や話し ・4人班(3人班の場合は聞き

する。 【班】 方,語句の工夫 手③を誰かが兼ねる。)

【練習の方法】 7分×4回 評価場面

○役割分担 話し手 <学習活動に即した評価規準>

聞き手①②(印象に残ったことをメモする) 【関】の② 【話聞】の⑥

聞き手③(録音/話し方や表情を見る) 【言】の①

○話し手がスピーチする。名前を述べた後,100秒間。 <評価方法>

○メモを見て,話し手の伝えたいことが,聞き手にどの ・課題への取組,活動内容

ように伝わっているか確認する。 の観察

○聞き手は疑問点などを質問する。 ・ノート記述内容の観察

○録音されたものを聞き,よりよいスピーチにするため ・録音音源の聴取

の方策を話し合う。 <手立て>

・話す速度や音量,言葉の

調子や間の取り方などに

【話し方の工夫例】 気をつけさせる。

・問いかけ,呼びかけ,聞き手の反応に応じて ・聞き手のメモを見て,自

・項目数や見出しを示す 分の伝えたいことが伝わ

・具体的な体験やエピソード っているか確認させる。

・具体的な数値 ・質問された疑問に対して

・先人の言葉や考え の答えを考え,スピーチ

・比喩,繰り返しなどの表現技法 に反映させる。

・キーワード,印象的なフレーズ ・録音した自分のスピーチ

・資料の提示(内容,タイミング) を聞き返し,感じたこと

・ユーモア(聞き手の心を引きつける工夫) を語らせる。

・感動の中心を据えた構成 ○資料を活用したスピーチ

・話す速度や間の取り方 の方法を考えさせる。

・声の抑揚,アクセント,イントネーション ○言葉の抑揚や話す時の表

・話し手の表情,視線,聞き手への意識 情を意識させる。

4 どのようなことに気 ・効果的なスピーチの工夫点 ・班で話し合ったことを基に,

をつけたら効果的だっ 発言させる。

たか,考えを共有する。

【全体】

5 班で話し合ったこと ・相手に伝わることを考えたスピー ・スピーチメモに,改善点を書

をもとにスピーチを練 チの方法(構成,内容,語句,話 き込ませる。

り直し,練習する。 し方)

【個人】

6 本時の振り返りをす ・話し方の工夫 ・単元計画表に,本時考えたこ

る。 【個人】 ・思いや魅力の伝わる語句 となどを記入させる。

【次時の学習内容】

(スピーチの会) ・自分の考えとの共通点や相違点 ・学びを日常生活で生かせる場面

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5月 24日(火) 第1時

第2学年D組 国語科学習指導案

授業者 廿 樂 裕 貴

1 単元名・教材名

「ぐうちゃんって何者? ~人物像をつかみ,言動の意味を捉えよう~ 」・『アイスプラネット』

2 生徒の実態と本単元の意図

(1) 本単元に至るまでの指導の系統

育成すべき国語の能力

【読むこと】

学習内容 単元・教材名

〈実施時期〉

学習活動と関連する

他領域等の指導

・場面の展開や登場人物

などの描写に注意して

読み,内容の理解に役立

てること。 【中1Cウ】

・文章の構成や展開,表

現の特徴について,自分

の考えをもつこと。

【中1Cエ】

・登場人物を特徴付け

る描写の探し方

・語り手による物語の

特徴

・構成に着目した読み

・表現技法の種類と効

「戦争と向き合う」・『大

人になれなかった弟たち

に・・・・・・』 〈1年7月〉

「わたしが見つけた小さ

な魔法」・『少年の日の思

い出』 〈1年2月〉

【伝統的な言語文化と国語の

特質に関する事項】イ(イ)

事象や行為などを表す多

様な語句について理解を深

めるとともに,文章の中の

語彙について関心をもつこ

と。

(2) 生徒の実態と本単元の意図

年度当初にとった国語質問紙調査で「好きな分野はなんですか?」と聞いたところ,文学的文章

を読むことを1位に挙げている生徒が 45.6%も見られた。もともと読書をすることが好きな生徒た

ちではあったが,昨年度の文学を扱った授業でより高い関心をもったことが年度末にまとめた学習

記録から読み取れた。

『大人になれなかった弟たちに・・・・・・』では「戦争と向き合う」を単元名に,印象的な場面を自

分たちで選んで朗読発表会を行った。ここでは登場人物を特徴付ける描写を探すことと作品に表れ

ている戦争に対する考え方を捉えることを学習した。『少年の日の思い出』では「わたしが見つけた

小さな魔法」を単元名に,語り手,構成,登場人物,表現技法の四つの観点から作品を読み,その

効果を捉えることを学習した。これらの授業を通して,多くの生徒が文学的文章を読む力を向上さ

せることができたが,依然として課題が残るのが作中の登場人物の人物像を的確に捉える力である。

「エーミールは模範少年」というように一つの根拠を基に単純化して人物像を捉えてしまったり,

語り手の評価に引きずられて人物像を同じように捉えてしまったりする生徒も少なくない。一人称

小説が多くなる中学校においては,語り手や時代背景に着目しつつ,それぞれの登場人物の描かれ

方を的確かつ多面的に捉える力が必要不可欠である。よって本単元では人物像をつかみ,つかんだ

人物像を基に言動の意味を捉える力を育成したい。

教材文の『アイスプラネット』は,中学生の悠太と叔父であるぐうちゃんのやりとりが描かれた

作品である。この作品は悠太の一人称で語られているため,悠太の心情が率直に生き生き伝わって

くるものになっている。また平易な表現が多く,表現技法や情景描写などは少ないので,生徒たち

にとっては読みやすい作品である。しかし生徒の初発の感想からは,「写真を見せてくれたぐうちゃ

んはやさしい人である。」というように人物像を表する際に簡単な言葉で片付けてしまったり,「な

ぜぐうちゃんは「僕」をからかうのか?」というように「僕」の評価だけを前提としてぐうちゃん

の言動の意味を考えようとしたりする記述が見られた。話の展開上,ぐうちゃんは終末段階で非常

に魅力的な人物へと変化するが,そのぐうちゃんを非難する母やぐうちゃんを見守る父もそれぞれ

の世界を誠実に生きている人物である。ここではぐうちゃんを必要以上に美化して捉えるのではな

く,描写を根拠に客観的にぐうちゃんの人物像をつかむ力を養いたい。そしてこの力は今後扱う『走

れメロス』や『故郷』を読む際に活用できるものであると考える。

①【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

文学的文章においては特に,授業中の試行錯誤によって,今までにはない読み方ができるよう

になったと生徒が自覚できることが重要である。この学びの自覚が日常の読書生活をより豊かな

ものへと向上させていく原動力となるからである。本単元では,生徒たちの学習の改善を目的と

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して形成的評価を行っていく。具体的には,次の手立てを取る。

第1時の初発の感想を回収し,生徒個々の読みの段階を捉え,その時点で明らかな誤読があ

れば加筆・修正をしてフィードバックする。第3時・第4時では「シンキングシート」(黒字=

本文の引用,赤字=項目名,青字=新たな疑問)を回収し,必ず押さえたい部分が抜けていれ

ば加筆,明らかな誤読があれば修正,更に読みを深めるヒントをコメントしてフィードバック

する。またグループでの読み深めの際には,「シンキングシート」の色の配色を中心に見て回り,

指導・援助を行う。

また生徒たちが毎時間の活動で,「何がわかり,何ができるようになったのか」を自己評価で

きるよう,学習の流れと付けたい力を整理し対応させた「単元マップ」を用いて,一時間ごとの

振り返りも行う。「単元マップ」は毎時間回収し,チェックしてフィードバックする。毎時間の

振り返りで重要なのは,短時間でシンプルに行うことである。振り返りによって生徒が自分の現

在地を適切に把握できるようにする。

②【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」

登場人物の人物像をつかみ,言動の意味を捉えることができる力が着実に付いたのかどうかを

はかる課題として,第6時にはぐうちゃんを語り手としてリライトを行う。リライトする場面は,

❶悠太にアマゾンの動物たちについて話している場面,❷悠太にアイスプラネットについて話し

ている場面,❸悠太から証拠の写真を見せろよと言われた場面,❹悠太から「勝手に行けばいい

じゃないか。」と言われた場面,❺ぐうちゃんの旅立ちの場面の5つから自分で選ばせる。また

書く力との区別をするために,リライトする際に気を付けたことを書かせる欄を設定し,なぜぐ

うちゃんにそのように語らせたのかを見取るようにする。前時までに確認・検証したぐうちゃん

の人物像をと言動の意味を踏まえることができていればB,人物像を踏まえた上でより適切な言

動の意味を表現にも工夫して記述することができていればA,人物像を踏まえることができてい

なければCとする。

3 単元の目標

(1)登場人物に着目して文章を読み,自分の考えをもとうとしている。

(国語への関心・意欲・態度)

(2)登場人物の人物像をつかみ,言動の意味を捉えることができる。

(読むこと)

(3)人物を特徴付けている語句に着目し,語感を磨き語彙を豊かにすることができる。

(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

4 本単元の評価規準と学習活動に即した具体の評価規準

【関】国語への関心・意欲・態度 【読】読む能力 【言】言語についての知識・理解・技能

単元の

評価規準

・ 登場人物に着目して文章

を読み,自分の考えをもと

うとしている。

・ 登場人物の人物像をつか

み,言動の意味を捉えてい

る。

・ 人物を特徴付けている語句

に着目し,語感を磨き語彙を

豊かにしている。

学習活動に即した評価規準

① 今までの文学的文章の学

習内容を想起しながら初

発の感想を書こうとして

いる。

② 登場人物に着目して読み,

初発の感想からの変容を

つかもうとしている。

① 人物像のつかみ方を理解

している。

② ぐうちゃんに関する描写

を探し,描写同士の共通性

を基に分類・整理したり,

他の人物の評価から人物

像を把握したりしている。

③ ぐうちゃんの人物像にふ

さわしい言葉を見付けた

り,項目同士の独立性を確

かめたりしている。

④ おさえた人物像を基に視

点を変えて物語を書き換

え,適切な言動の意味を設

定している。

①ぐうちゃんに関する描写の中

から特徴的な語句を見つけ,

他の語句と比較したり,辞書

的な意味と比べたりして,語

感を磨き語彙を豊かにしてい

る。

Page 7: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5 指導と評価の計画(全5時間)

時 学 習 活 動 学 習 内 容 評価規準・評価方法

1 ○『アイスプラネット』の範読

を聞く。

○観点を決めて初発の感想を書

く。

○既習事項を想起した読み方

○登場人物を表す語句

【関】の① 【言】の①

・机間指導による観察

・ノートの観察

・話合いの様子の観察

2 ○初発の感想集を読み,考えを

発表する。

〇単元の課題を知る。

〇ぐうちゃんのレーダーチャー

トの作り方を考える。

〇学習の見通し

〇人物像のつかみ方

【読】の②

・机間指導による観察

・ワークシートの観察

・話合いの様子の観察

○グループごとに文章を根拠に

ぐうちゃんの人物像をつか

む。

〇人物像のつかみ方

〇登場人物の言動の意味の捉え方

【読】の②③【言】の①

・机間指導による観察

・ワークシートの観察

・話合いの様子の観察

5(本時)

○グループごとにレーダーチャ

ートを発表し,検証をする。

〇作成してわかったこと、気付

いたことを考察する。

○人物像のつかみ方

〇登場人物の言動の意味の捉え方

〇人物像についての認識

【読】の②③ 【言】の①

・机間指導による観察

・ワークシートの観察

・話合いの様子の観察

6 ○場面を決めてリライトをし,

気をつけたことを書く。

○初発の感想と現在の感想を比

較し,考察を書く。

○人物像を踏まえた言動の意味の捉

え方

【関】の② 【読】の④

・机間指導による観察

・ワークシートの観察

・話合いの様子の観察

6 本時の学習指導(5/6)

(1) 本時の目標

・ぐうちゃんに関する描写を探し,描写同士の共通性を基に分類・整理したり,他の人物からの

評価から人物像を把握したりしている。 (読むこと)

・ぐうちゃんの人物像にふさわしい言葉を見つけたり,項目同士の独立性を確かめたりしている。

(読むこと)

・ぐうちゃんに関する描写の中から特徴的な語句を見つけ,他の語句と比較したり,辞書的な意

味と比べたりして,語感を磨き語彙を豊かにしている。(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

ぐうちゃんって何者?

~人物像をつかみ,言動の意味を捉えよう~

〇レーダーチャート:複数の項目の大きさを一見して比較することのできるグラフ。クモの巣グラフともいう。

項目数は4~10が好ましい。

①文章中からぐうちゃんに関わる描写を探す。

②探した描写同士の共通点を見つけ,グループ分けしていく。

また他の登場人物の評価が含まれている場合には,その登場人物の前提にある価値判断の基準について考える。

③グループ分けしたものをふさわしい言葉で名付ける。

④項目同士の独立性を再度確かめる。

〇登場人物の言動の背景には,その人物の価値判断の基準がある。

〇どういう価値に重きをおいているのかを把握しておく。

〇一人称小説の場合,語り手の評価や語り手からの見方が,他の登場人物の言動の

意味と一致しないこともある。

〇複数の部分と照らし合わせて整合を取ることが大切になる。

〔リライトする場面〕

❶悠太にアマゾンの動物たちについて話している場面 ❷悠太にアイスプラネットについて話している場面

❸悠太から証拠の写真を見せろよと言われた場面 ❹悠太から「勝手に行けばいいじゃないか。」と言われた場面

❺ぐうちゃんの旅立ちの場面

Page 8: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

(2) 本時の展開

【前時の学習内容】〇人物像のつかみ方 〇登場人物の言動の意味の捉え方

学 習 活 動 学 習 内 容 指導と評価の創意工夫

1 本時の学習の目標を

知る。 【全体】

2 各グループの人物像

を発表する。 【全体】

3 互いのレーダーチャ

ートに質問をし,検証を

する。 【全体】

4 全体でぐうちゃんの

人物像を確認する。

【全体】

5 ぐうちゃんのレーダ

ーチャートを作成して

わかったこと、気付いた

ことを考察する。

【個人】

6 本時の振り返りをす

る。 【個人】

本時の学習の目標

〇人物像のつかみ方

〇登場人物の言動の意味の捉え方

〇人物像や言動の意味の根拠

〇よりよい人物像の捉え方

〇人物像についての認識

・学習の目標を示す。

評価場面

・根拠となる描写や考えが異なる

場合があるので,似たような項

目名の場合は,よりその差違が

分かるように発表させる。

・後半のグループには,今までの

発表の流れを踏まえて,内容を

関連付けながら発表させる。

・質問に対しては代表者以外でも

回答してよいこととする。他の

生徒は質問や回答を踏まえて,

自分の考えをまとめていく。

・全体で考えたい内容が出た際に

は,質疑をとめ,個で考えさせ

るようにする。

【次時の学習内容】○人物像を踏まえた言動の意味の捉え方

○互いのレーダーチャートを比較・検討し,ぐうちゃんの人物像をつかもう。

〈評価規準〉

【読】の②③【言】の①

〈評価方法〉

・机間指導による観察

・ワークシートの観察

・話合いの様子の観察

〈手立て〉

(発表ができない生徒)

・人物像の項目と理由を順に

説明させる。

(メモが取れない生徒)

・自分のグループの人物像と

の共通点・相違点に着目さ

せる。

期待したい項目

項目名 根拠となる描写や考え

知的好奇心の

強さ

学生の頃に外国のいろんな所を旅していた。

不思議アタマ。未だに世界の見たことのないものを見に行

こうとしている。

知識の幅広さ 家にいるときはたいてい本を読んでいる。アナコンダに対

する豊富な情報。力の籠もった話し方。

経験値 若い頃に世界のあちこちへ行っていたから,日本の中にい

たら気がつかないことがいっぱい見えている。

行動力 旅費がたまったから,また外国をふらふらしてくる。

イヌイットと暮らしていた。カヌーで北極海に出た。

世間体や周りの

評価への意識

いそうろうをしている。落ち着かない仕事のしかた。ぐう

ちゃんみたいな大人になってはだめ。気ままな暮らし。

おおらかさ ぐうちゃんと言われるとなんだかうれしそう。怒られても

「でもまあもう少し。」悠太の揺れ動きを受けとめている。

悠太への思い

の強さ

何も言わずに僕の手を握りしめ,力の籠もった強い握手を

して,大股で僕の家を出ていった。手紙と写真を送る。

・代表者はレーダーチャート作成段階における以下の点が聞き手に分かる

ように発表する。

□項目を名付けた際の根拠となる意図 □特に班で試行錯誤したところ

・聞き手はワークシートにメモを取りながら,必要に応じて後で質問がで

きるようにする。

・レーダーチャートの項目作りにおいて、文章の意味をしっかりとらえ、どの言葉

に置き換えれば良いのかなどを考えることができた。

・ぐうちゃんのレーダーチャートを作ってみて、たくさんの観点からのぐうちゃん

をしっかり見ないと、ぐうちゃんとは何者?という課題を解決できないと思った。

・作成する前は、なぜぐうちゃんは悠太にアナコンダやアイスプラネットなどの話

を力強く話すのだろうと思っていたが、ぐうちゃんは悠太に世界のことをもっと

知っていろんなことに興味を持ってほしいと思っているからだとわかった。

・最初はアイスプラネットをなぜ今学ぶのか分からなかったけど、ぐうちゃんが悠

太に考えさせたように、作者も私たちに答えや根拠ばかりを求めるのではなく、

自分からその答えを探してみて今見えている世界が全てではないということをわ

かってほしかったのではないかと思った。

Page 9: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5月24日(水) 第2時

第3学年D組 国語科学習指導案

授業者 阿 部 靖 史

1 単元名・教材名「話して,聞いて,納得しよう」

2 生徒の実態と本単元の意図(1)本単元に至るまでの指導の系統

育成すべき国語の能力 学習内容 単元・教材名 学習活動と関連【話すこと・聞くこと】 〈実施時期〉 する他領域等の

指導

・話合いの話題や方向をとらえ ・話合いの進め方 『話題をとらえて 【読むこと】オて的確に話したり,相手の発 ・意見と根拠を整理し 話し合おう』 ・目的に応じて言を注意して聞いたりして, た話合い方 〈第1学年11月〉 本や文章など自分の考えをまとめること。 を読み,知識

【中学校第1学年A(1)オ】 を広げたり,自分の考えを

・相手の立場や考えを尊重し, ・相手を尊重した意見 『話し合って考え 深めたりする目的に沿って話合い,互いの の述べ方 を広げよう』 こと。発言を検討して自分の考えを ・話合いの中での意見 パネルディスカッ広げること。 の整理・検討の仕方 ション

【中学校第2学年A(1)オ】 〈第2学年12月〉

(2) 生徒の実態と本単元の意図本学級の生徒は,学習活動に意欲を示し,積極的に参加する姿勢を持った者が多い。学習に興味

関心が向きづらい生徒も少数いるが,国語の学習についての興味関心は低くない。また,普段の授業での「読むこと」や「書くこと」の学習におけるグループ活動においては,考えを広げたり交流したりするために活発に意見交換をすることができる。しかし,話合いそのものを客観的に捉えて進み具合を判断したり,論点の偏りを修正したりする力は不足している。実際の学校生活の中でも,制限時間の終わりが近づいてから慌てて結論を出そうとする場面なども見られる。話すこと・聞くことの学習においては,第1学年では「私たちの言葉づかいは乱れているか」第

2学年では「私たちの働き方」をそれぞれ題材として,話合うことの学習を行ってきた。第1学年においてはロールプレイを通して司会の仕方や意見の述べ方について学び,第2学年においては相手の意見を尊重しながら自分の意見を述べる方法や互いの発言の共通点や相違点の整理の仕方,その過程での自分の考えを広げることについて学んでいる。本単元では,このような生徒の実態とこれまでの指導の経過を踏まえ,話すこと・聞くことのエ

の指導事項を主として扱い,「人工知能がもたらす私たちの未来」というテーマでの話合いを行う。人工知能は,既に自動運転技術や音声認識ソフト,ロボット掃除機等,既に私たちの暮らしに関わり,生活の利便性を高めている。また,囲碁や将棋の世界ではプロ棋士に勝利する人口知能が登場するなど,分野によっては人間以上の性能を発揮するものも出てきているなど,発展が目覚ましい分野である。しかし,今後の社会にもたらす影響については,専門家の中でも見解が分かれている。本単元の話合いでは,話合い自体の様子を捉える能力を身に付けることを目指すため,単純な二項対立的なテーマではなく,話題が拡散していく余地のあるテーマ設定とした。形式としては,4人一組のグループを作り,その中で司会の立場を交替しながら話合いを進めて

いく。司会を交替していくことで,全員に話合いを調整する立場を経験させることと常に話合いの流れを意識しながら参加することを両立させたい。また,話合いの進行に関わる語彙としては,村松賢一(2001)が提唱した「メタ対話表現」を参考にした資料を生徒に配布し,活用させる。司会に自信のない生徒は,「何ができていないか」は分かっているが,「どうすればできるようになるか」は分かっていない。「どうすれば」の最も基本的な部分が,「司会に必要な語彙」であると仮定し,「何を言えばよいか」の候補が分かっている状態で,「どの言葉を,いつ言うのか」を判断させることで話合いの進行や展開を調整する力を養うことができると考えた。

Page 10: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

国語科の研究の視点に関する本単元の意図を以下に示す。

① 【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

本単元では,第3時と第4時に実際の話合いを行う。その際,話合いの様子をタブレット端末を用いて撮影し,話合い終了後に自分たちの発言について検討させる。その際,司会の発言として「適切だった言葉」「適切でなく,発言しない方がよかった言葉」「本来は言うべきだった言葉」を,発言のタイミングとともに考えさせる。特に適切に発言できていた場面についてはスクリーンを用いて全体で共有し,モデルとすることで,発言内容やタイミングについての理解を深めることを目指す。

② 【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」本単元では,「司会として話合いを効果的に進める」ことが学習課題となる。そのために必要な

知識は,話合いの進行に関わる語彙であり,思考力・判断力・表現力等としては,それらの語彙に含まれる語句を話合いの場面に応じて適切に選択する力であると考えた。判断基準としては,「A(十分満足できる)‥司会を行うときに,Bの基準を満たした上で別の

見方を提案したり,流れを転換させたりすることができる」「B(概ね満足できる)‥司会を行うときに,話合いの進行や経緯に関わる言葉のうち,意見を整理したり進め方を提案したりする言葉を適切に使っている」「C(努力を要する)‥司会を行うときに,話合いの進行や経緯に関わる言葉を使うことができない,また使っていてもそのタイミングが適切でない」とした。

3 単元の目標(1) 話合いの進行の仕方について関心をもち,話合いの効果的な進行をしようとする。

(国語への関心・意欲・態度)(2) 話合いが効果的に展開するように,話合いの進み具合や展開を捉え,工夫して話合いを進めることができる。 (話すこと・聞くこと)

(3) 話合いの進行に関わる語彙を増やし,話合いの中で使用することができる。(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

4 単元の評価規準と学習活動に即した評価規準

【関】国語への関心・意欲・態度 【話・聞】 話す・聞く能力 【言】言語に関する知識・理解・技能

単 ・話合いの進行について ・話合いが効果的に展開するよ ・話合いの進行に関わる語句を元 目標をもち,すすんで うに,話合いの進み具合や展 理解し,使用している。の 改善しようとしている。 開を捉えた発言をしている。評価規準

①話合いの進め方につい ①話合いの中で,進行に関わる ①話合いの進行や経緯に関わる学 て,自らすすんで目標 言葉を使用する適切なタイミ 語句について理解し,司会を習 設定を行っている。 ングを理解している。 行う際に使用している。活動 ②話合いの進め方につい ②話合いの進行に関わる言葉を,に て,進んで評価しよう 実際の話合いの中で適切に使即 としている。 用することができる。した ③話合いの記録を見ながら,根評 拠をもって適切な発言を判断価 している。規準

Page 11: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5 指導と評価の計画(全5時間)

時 学 習 活 動 学 習 内 容 評価規準・評価方法

1 ○2年次の学習内容を振り返る ・学習の進め方 【関】の①

・ 【全体】 【話・聞】の①

2 ○学習課題を知り,見通しをも ・話合いを効果的に進めるための 【言】の①

つ 【全体】 語彙 ・ワークシートの観察

・ノートの観察

○話合いを効果的に進行に関わ ・司会が発言する適切なタイミン

る語彙についての資料を読 グ

む。 【個人】→【全体】

○個人の達成目標を考える。

【個人】

○話合いに向けて立場を決め,

意見を構築する。 【個人】

3 〇4人グループで話合いを行 ・話合いの効果的な進行の仕方 【関】の②

・ う。 【グループ】 【話・聞】の②③

4 ・話合いの進行に対する評価の仕 【言】の①

〇話合いの様子を動画で振り返 方 ・ワークシートの観察

り,相互評価を行う。 ・ノートの観察

【グループ】→【全体】 ・学習課題に対する自己の到達度

○相互評価を基に,次回の目標

設定をする。(第3時)

○目標に対しての到達度を振り

返る。(第4時)

5 ○単元全体を振り返り,自分の ・学習課題に対する自己の到達度 【関】の②

達成度や学習内容に対する気 ・学習内容を生かすことのできる 【話・聞】の③

付き,話題に対する考えの深 場面 ・ワークシートの観察

まりについて確かめる。 ・ノートの観察

6 本時の学習指導 (4/5)(1) 目標① 話合いの動画を見ながら,進行に関わる発言についてすすんで評価する。

(国語への関心・意欲・態度)② 話合いが効果的に進むよう,進行に関わる言葉を選択して適切な場面で使うことができる。

(話すこと・聞くこと)③ 話合いの動画を見ながら,司会の発言について根拠を明確にして評価できる

(話すこと・聞くこと)④ 話合いの際に,進行に関わる語句に注意して使っている。

(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

(本時)

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(2) 展開

【前時の学習内容】・話合いの効果的な進行の仕方 ・話合いの進行に対する評価の仕方・学習課題に対する自己の到達度学 習 活 動 学 習 内 容 指導と評価の創意工夫

1 本時の学習課題を確認する。 本時の学習課題

【全体】 ○司会として話合いの効果的な進行を導こう

2 4人のグループをつく ・話合いの効果的な進行の仕方り,話合いを行う。【グループ】

○話合いの進め方 評価場面1・話合いは20分間行い,5分毎に司会を交替する。・司会は他の3名から少し離れて座る。 〈評価規準〉・話合いはタブレット端末で録画する。司会は必要に応じて端末の 【話・聞】の②操作を行う。

〈評価方法〉○進行に関わる言葉の例 ・話合いの観察・意見を整理する言葉「Aさんの意見は,つまり……ということですか」 〈手立て〉「Aさんの意見とBさんの意見は,○○の点で共通(対立)して ・発言例の一覧いますね」 を手元に置い「Aさんとは反対に……と考える人もいると思いますが,いかが て司会を行うですか」 ・前時にCと見

・発言者や意見のバランスをとる言葉 なされる生徒「○○の点についてAさんにも発言してもらいたいと思います。」 を把握し,発「○○については共通の意見が多いですが,反対の視点からも考え 言のタイミンてみませんか」 グについて助

・別の見方を提示したり,流れを転換したりする発言 言する「○○については意見が出尽くしているようですが,○○についても意見をください」「意見が○○の点に偏っているので,○○といった視点からも考えてみませんか」

・話合いの経緯を確認する言葉「これまでのところは,……という流れでよいでしょうか」「○○のところでは皆さん同じ考えでしたが,その後○○の話題では」 評価場面2

・話合いの時間を意識させる言葉「○分たっていますので,この点については一度保留しませんか。」 〈評価規準〉

【関】の②【話・聞】の③

3 話合いについて,動画 ・話合いの進行に対する評価の仕方を見ながら振り返り,相 ○上記の「進行に関わる言葉」を発 〈評価方法〉互評価を行う。 言したタイミングについて,適切 ・ワークシート【グループ】 だったかどうかを吟味する。 の観察

○実際に発言した内容だけでなく, 〈手立て〉発言すべきだった言葉についても ・適切に発言で振り返る。 きている場面

を全体に例示し,相互評価

4 前時に立てた目標に対 ・学習課題に対する自己の到達度 の視点を共有し手の到達度を振り返り, する。ノートに記入する。

【次時の学習内容】・単元全体を振り返り,自分の達成度や学習内容に対する気付き,話題に対する考えの深まりについて確かめる。

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5月23日(火) 第1時

第1学年B組 社会科学習指導案

授業者 内 藤 圭 太

1 単 元 名 世界の地域構成

~世界地図は何のためにあるのか?~

2 単元について

(1) 教材観

本単元で扱う内容は,学習指導要領の(1)「世界の様々な地域」のア「世界の地域構成 地球儀

や地図を活用し,緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置,地域区分などを取り

上げ,世界の地域構成を大観させる」を受けて構成したものである。この単元においては (内容

の取扱い) アに「学習全体を通して,大まかに世界地図を描けるようにすること。」とあるように,

地域構成を大まかに捉えることができるようにさせることがねらいである。

世界地図は,地球儀に比べ,面積や距離,方位などを正確に表すことはできない,という点が

ありながらも,持ち運びに便利であり,一度に世界を見ることができる,という利点がある。し

かしながら,生徒は日本を中心に描かれた世界地図や,メルカトル図法などに影響された世界観

を持っていることが多いため,世界地図が持っている機能を十分に理解しているとは言いがたい。

そこで,本単元においては,世界の地域構成を,「世界地図は何のためにあるのか?」という単

元を貫く学習問題に基づいて,考察させたい。本単元は,ともすると大陸や海洋の名称,国々の

名称と位置,緯度や経度の仕組みなどの知識を獲得することになりがちである。しかし,「世界地

図が何のためにあるのか?」という問いを探究していくことを通して,地球儀との違いや,世界

地図の機能,さらには世界地図に描かれた世界観について,多面的に考察することができると考

えている。また今後,世界の諸地域を学習していくに当たっても,学習した成果を整理し,世界

地図を活用できるようにするための教材となるであろう。

(2) 指導観

本単元「世界の地域構成」については,小学校第5学年においては,世界の主な大陸と海洋,

主な国の名称と位置について,第6学年においては,日本と経済や文化などの面でつながりが深

い国について,地図や地球儀,資料などを活用して学習している。中学校の地理的分野において

は,生徒のこのような知識に基づいて世界を大観させ,世界地図と地球儀の違いを理解したり,

自分自身で略地図を描いたりすることができるようにさせたい。

そこで,本単元においては,世界地図と地球儀の違いを確かめるための作業を通して,具体的

にどのような点が異なっているのかを説明する学習や,世界全体の略地図を描けるようにさせる

など,地理的な技能を身に付ける学習を展開したいと考える。

また,生徒が主体的・能動的に探究する学習活動として,実際に地球儀に触れさせて,方位を

調べたり,大陸の大きさを調べたりする作業,面積の広い国,人口の多い国,日本との関わりの

深い国など様々な観点から世界を世界の国々の位置関係などを調査する学習を行う。

そして,単元末には,パフォーマンス課題に取り組ませることによって,到達度を評価する。

生徒が毎時間の授業で獲得した知識・技能を活用して,単元の課題を解決することを通して,学

びの自覚を促すことができると考えている。その際,生徒が課題解決に取り組む必要性を感じる

状況設定を行うこと,評価基準としてのルーブリックを示すことで指導と評価を一体化させる。

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(3) 主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方

① 生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫

単元の課題として,「世界地図は何のためにあるのか?」を設定する。生徒は,毎時間の学

習課題と向き合いながらも,単元の課題と,本時の学習がどのような関係にあるのを振り返

り,ノートに記述することで,学びを自覚する。教師は,ノートの記述から,獲得した知識・

技能を単元の課題の解決に結び付けることができているか,形成的評価をする。

② 各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準

単元末問題として,パフォーマンス課題「地図製作者の立場から,世界地図は何のために

あるか?を説明しよう。」に取り組ませる。生徒は,自分の説明が,教師から与えられたルー

ブリックにしたがって,どの評価にあたるのかを自覚しながら作成できるようにする。

本単元の学習活動に関しての評価基準

技 能

「十分満足できる(A)」

状況

世界地図がつくられた目的について,単元で身につけた知識・技能

を活用して説明し,なおかつ多面的・多面的な考察ができている。

「おおむね満足できる

(B)」状況

世界地図がつくられた目的について,単元で身に付けた知識,技能

を活用して説明しているが,一面的な見方しかできていない。

「努力を要する(C)」生

徒への手立て

世界地図と地球儀の違いを捉えさせ,世界地図にどのような利点が

あるのか,気付かせる。

3 単元の指導計画

(1) 指導目標

世界地図がつくられた目的を明らかにするために,地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,

大陸と大洋の分布,主な国々の名称と位置,地域区分などの調査や,略地図の作成を通して,

世界の地域構成を大観させる。

(2) 評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 資料活用の技能 知識・理解

評価規準

・緯度と経度,大陸と海

洋の分布,主な国々の名

称と位置,地域区分など

を基に,世界の地域構成

に対する関心を高め,そ

れを意欲的に追究し,捉

えようとしている。

・世界の地域構成を,緯

度と経度,大陸と海洋の

分布,主な国々の名称と

位置,地域区分などを基

に多面的・多角的に考察

し,その過程や結果を適

切に表現している。

・地球儀や世界地図など

世界の地域構成に関する

様々な資料から,有用な

情報を適切に選択して,

読み取ったり図表などに

まとめたりしている。

・世界の地域構成につい

て,緯度と経度,大陸と

海洋の分布,主な国々の

名称と位置,地域区分な

どを理解し,その知識を

身に付けている。

(3) 単元の指導計画(6時間扱い)

時程

ねらい・学習活動等 主体的な学びを実現する学習指導

評価の観点 評価方法等

研究に関わる評価 関 思 技 知

○六大陸と,三大洋の大まかな位置関係をつかみ,方

位,緯度・経度を用いて,地球規模でみた日本の位

置を説明する。

○赤道,本初子午線,南北半球の意味を理解する。

地球規模から見た日本や世界の

国々の位置関係を,学習内容を活

かして,説明することができてい

る。

(ワークシート,ノートの記述)

【ねらい】日本の位置を,地球儀と,世界地図を使って説明できるようにする。

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○地球儀と世界地図を比べて,方位や距離,面積を調

べる,その特色や違いをまとめる。

○地球儀に対して,世界地図では,正確には表せてい

ない点をつかみ,関心を高める。

ワークシートで,地球儀と世界地

図で異なっている点をまとめる

ことができている。

(作業の態度,ノートの記述)

○地球儀と世界地図の違いについて,前時の作業を通

して分かったことを,確かめる。

○方位や距離,面積を正しく表した世界地図は,それ

ぞれどのような目的で作られたのか,どのような活

用方法があるのかについて考える。

地球儀と世界地図の違いについ

て,作業を通して分かったことを

まとめることができている。

目的に応じて作られた世界地図

がどのように活用されているか

について考えることができる。

(発表,ノートの記述)

○世界にはいくつの国があるのか,どのような州に分

かれるのかについて理解する。

○日本と比べて,面積の大きい国や小さい国などを地

図帳を活用して調べ,特色をまとめる。

州による地域区分を理解し,人口

や面積などから,世界の国々をと

らえることができる。

(地図帳の活用,ノートの記述)

本時

○大まかな世界の略地図を描くことを通して,緯度と

経度,大陸と海洋のおよその位置関係,世界の地域

構成を大観する。

○他国の世界地図を活用し,他国から見た世界観を理

解し,世界地域構成について考えをまとめる。

赤道や本線子午線など目安とな

る緯線,経線を基準として,大陸

と海洋の位置関係が大まかに示

されている世界の略地図描くこ

とができる。

(発表,ワークシートの記述)

○単元の学習を振り返り,地図製作者の立場から世界

地図が何のために作られたのか,説明する。

単元学習を振り返り,世界地図が

つくられた目的について,学習を

振り返り,まとめることができ

る。

(発表,ノートの記述)

4 本時の学習

(1) ねらい

①赤道や本初子午線など目安となる緯線,経線を基準として,大陸と海洋の位置関係が大まか

に示されている世界の略地図を描くことができる。

②主体的で対話的な学習を通して,世界の略地図を作成する際の基準について,多面的・多角

的な視点を持って考え,発表することができる。

(2) 展開

過程 学習活動・学習内容 ・指導上の留意点

★生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫

観点具体の評価規準

〇資質・能力をはかる課題

導入

(5)

1 これまでの学習から,世界地

図の特色を振り返る。

・単元の学習で習得した知識を自由に発表させ,地球儀と世界

地図の違いについて,既習事項の確認を行う。

【ねらい】世界地図と地球儀の違いはどのような点か調べよう。

【単元を貫く学習問題】「世界地図は,どのような目的で作られたのか,考えよう」

【ねらい】世界地図と地球儀の違いを確かめよう。

【ねらい】世界の略地図をかくことを通して,世界の地域構成を大観させる。

【ねらい】世界にはどのようなどのような国々があるかをつかませる。

【ねらい】世界地図が何のために作られたのかについて振り返る。

パフォーマンス課題の取り組みを,多面的・多

角的な視点で行っていく学習活動。

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課題

提示

課題

追究

(20)

2 自分自身で世界の大まかな

地域構成の略地図を描く。

・地図帳などを見ずに,赤道,本初子午線を用いて,大陸の形

状や大陸と海洋の位置関係が明確になるように描かせる。

ノートに書いた地図を,配布した画用紙に書き写す。

3 各自が作成した略地図を各

学習班で発表し合う。

・各班に地球儀を配付し,六大陸の位置,形など,どのような

点が正確に描かれているのかを話し合い,班の代表となる作

品を,何を根拠にしたかを明らかにして決定させる。

★自分の略地図について,他者と比べてみて分かった良さや,

改善点を伝えさせる。(形成的評価)

(10)

4 他の班の略地図を見て,全体

で話し合う。

・学習班で話し合い,最も正確に描けたと思う班を選び,その

根拠を,大陸の形や位置関係,赤道,本初子午線との関係な

どから説明させる。

★学習班の話合いを通して,それぞれの班の略地図の良さや,

改善点を伝えさせ,略地図を描く際の基準を作らせる。

思技 仲間と協力して意見を出し合い,より良い略地図の描

き方の基準について,多面的・多角的な視点で考え,発表

することができている。

(5)

5 教師の解説を踏まえ考える。

・ヨーロッパが中心の地図や,南北が反転した地図には,その

国から見た世界の地域構成が見えてくることを理解させる。

(5)

6 本時の学習を踏まえて,自分

でもう一度世界の略地図を作

成する。

・班から個に戻り,本時の学習を踏まえ,知識・技能を再構築

し,略地図を作成する。

★本時の最初に作成した略地図と比べることにより,学習の成

果が略地図作成に生かされたかを自覚させる。(形成的評価)

技 仲間の意見を生かし,基準をフィードバックしながら,

略地図を作成することができている。

整理

(5)

7 ノートに本時の学習の,まと

め,感想,振り返りを書く。

・再構築した自分の略地図も踏まえながら,世界の地域構成に

ついて,分かったことや,考えたことをまとめ,単元を貫く

学習問題との関わりは何であったかについて,振り返る。

課題 世界地図の特色を生かして,世界の略地図を描こう,

まとめ

世界の略地図を作成することを通して,世界の地域構成を大まかに描くことができ

る。また,他国の世界地図をみると,その国から見た地域構成の在り方が見えてくる。

〇本時の学習を振り返り,単元を貫く学習問題の解決に

必要なことは何であったかを明らかにさせる。

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5月 23日(火) 第2時

第2学年A組 社会科学習指導案

授業者 齊 藤 耕 太 郎

1 単 元 名 近世の日本

~近世を大観して~

2 単元について

(1) 教材観

本単元で扱う内容は,学習指導要領の(2)「近世の日本」のア「戦国の動乱,ヨーロッパ人の来

航とその影響,織田・豊臣による統一事業とその当時の対外関係,武将や豪商などの生活文化の

展開などを通して,近世社会の基礎がつくられていったことを理解させる。」イ「江戸幕府の成立

と大名統制,鎖国政策,身分制度の確立及び農村の様子,鎖国下の対外関係などを通して,江戸

幕府の政治の特色を考えさせ,幕府と藩による支配が確立したことを理解させる。」ウ「産業や交

通の発達,教育の普及と文化の広がりなどを通して,町人文化が都市を中心に形成されたことや,

各地方の生活文化が生まれたことを理解させる。」エ「社会の変動や欧米諸国の接近,幕府の政治

改革,新しい学問・思想の動きを通して,幕府の政治が次第に行き詰まりを見せたことを理解さ

せる。」を受けて構成したものである。学習指導要領2内容のウ「学習した内容を活用してその時

代を体感し表現する活動を通して,各時代の特色を捉えさせる」とある。

そこで本単元においては,安土桃山時代の織豊政権の成立から形成されていった身分制度によ

る支配のしくみやそれによる人々の生活の変化が見られたこと。幕府の大きな影響力による全国

支配のもと大きな戦乱が少なくなっていき,比較的長い期間安定した社会が続いたことによって,

諸産業や交通網が発達し,人々の中で生活習慣や文化が形成されていったこと。貨幣経済の広ま

りによって人々の生活が変化し,幕府の政治が揺らいでいったという近世の特色や変化を,社会

科的な見方・考え方を働かせて捉えてくことができる教材だと考えている。

(2) 指導観

本単元「近世の日本」については,小学校の学習においては,2内容(1)オ「キリスト教の伝来,

織田・豊臣の天下統一,江戸幕府の始まり,参勤交代,鎖国について調べ,戦国の世が統一され,

身分制度が確立し武士による政治が安定したことが分かっていること。」カ「歌舞伎や浮世絵,国

学や蘭学について調べ,町人の文化が栄え新しい学問がおこったことが分かること」とある。生

徒の関心も比較的高く既習事項を生かしやすいと考えられる。さらに近世の特色を深く捉えさせ

るために,既習の知識を活用から発展して,世界から見た日本という多面的・多角的な視点も持

たせて,織豊政権の樹立から江戸幕府の政治の特色を中心として近世の特色をつかませたい。

また,近世を①世界史との関わりと織豊政権(第二次)②江戸時代初期の幕藩体制の成立(第

三次)③文治政治が行われたころの人々の様子(第四次)④人々の生活の変化と幕府政治のほこ

ろび(第五次)と四つの単元に区切りそれぞれの単元において学習した歴史的事象とその意義を

自分の言葉で表現しまとめるという活動をノートに継続して実施した。最終的にそのまとめを活

用することにより,近代を大観するという改訂の要点イ歴史について考察する力や説明する力の

育成の(ウ)思考・判断・表現をする学習と確かな理解にもつながると考えている。「歴史について

考察する力や説明する力」とあるように,近世の特色を大観し自分の言葉で表せることができる

力を以上のような指導の工夫で身に付けさせていきたいと考えている。

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(3) 主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方

① 生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫

近世を四つの単元に区切り,単元ごとの課題を設定した。毎時間の学習内容のまとめを文章

で表現し,単元の課題に対して自分の解とし形成的評価を行うことでよりよい解を各自作った。

最終的に近世の特色を大観する際,単元でのまとめから大観をできるようにした。

② 各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準

近世の学習をまとめるパフォーマンス課題を以下のように設定した。

「帰国生徒のAさんはオランダ人のブルーナ君から次のような質問を受けました。『今学校で

近世のヨーロッパを勉強しているけれど,日本の近世を簡単に表すならどんな時代といえるの

かな?その理由を時代の特色をいくつか挙げて僕にもわかるように教えてください。』あなた

はこれについてどのように答えますか?」

思考・判断・表現(パフォーマンス課題)

「十分満足できる(A)」状況 四つの単元のまとめの言葉から三つ以上触れて記述できるもので,近

世の事象について多面的・多角的に近世の特色をまとめたもの。

「おおむね満足できる(B)」

状況

四つの単元のまとめの言葉から二つ以上触れて近世の特色を記述して

いるが,一面的な表現にとどまるもの。

「努力を要する(C)」生徒へ

の手立て

ノートの単元のまとめの記述や学習課題に対する解を振り返えらせ,

複数のまとめを活用しまとめるよう指導する。

3 単元の指導計画

(1) 指導目標

①近世の歴史的事象に対する関心を高め,意欲的に追究して,近世の特色を捉えようとさせる。

②近世の特色や歴史的事象について多面的・多角的に考察させ,その過程や結果を適切に表現

させる。

③近世に関して収集した様々な資料から有用な情報を適切に選択して,読み取ったり図表など

にまとめたりさせる。

④近世の特色などを,世界の歴史を背景に理解させ,その知識を身に付けさせる。

(2) 評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 資料活用の技能 知識・理解

評価規準

・近世社会の基礎や幕府と

藩による支配の確立,町人

文化や各地方の生活文化,

幕府政治の行き詰まりな

ど,近世の歴史的事象に対

する関心を高め,意欲的に

追究し,近世の特色を捉え

ようとする。

・近世社会の基礎や幕府と

藩による支配の確立,町人

文化や各地方の生活文化,

幕府政治の行き詰まりなど

を多面的・多角的に考察し,

その過程や結果を適切に表

現している。

・学習した内容を活用し,

その比較や関連付け,総合

などを通して,近世の特色

を多面的多角的に考察し,

公正に判断してその過程や

結果を適切に表現してい

る。

・江戸幕府の成立,身分制度

の確立,幕府の政治改革な

ど近世の政治や社会に関す

る様々な資料を収集し,有

用な情報を適切に選択し

て,読み取ったり図表など

にまとめたりしている。

・ヨーロッパ人の来航,鎖国

など近世の対外関係に関す

る様々な資料を収集し,有

用な情報を適切に選択して

読み取ったり図表にまとめ

たりしている。

・近世社会の基礎がつくら

れていったこと,幕府と藩

による支配が確立したこ

と,町人文化が都市を中心

に形成されていったことや

各地方の生活文化が生まれ

ていったこと,幕府の政治

が次第に行き詰まりを見せ

たことを理解し,その知識

を身に付けている。

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(3) 単元の指導計画(18 時間扱い)

時程

ねらい・学習活動等 主体的な学びを実現する学習活動

評価の観点 評価方法等 研究にかかわる評価 関 思 技 知

第一次(1時間扱い)

○「武士の時代」とされる中世と比較して,近世はどのような点に違いがあるのか,小学校での学習を振り返りノートに記述したり話し合ったりする。

「近世はどのような特色があるのだろう」

小学校での学習や様々な資料を基に,中世と比較した近世の特色に着目して関心を高めている。 (ノートの記述・話し合いの態度)

第二次(6時間扱い)

○宗教改革によるキリスト教会の動きなどを踏まえ,ヨーロッパ人が日本に来航した背景やその影響について資料を読み取り,発表したりノートにまとめたりする。

○織田・豊臣による統一事業によってどのような社会が成立したか,資料を読み取りながらノートにまとめたりする。

「近世の基礎はどのようにつくられたのだろう」

● ●

さまざまな資料を活用してヨーロッパ人来航の背景やその影響を調べ,まとめたり発表したりしている(資料の読み取り,ノートの記述) 織田・豊臣の統一事業によって,中世の社会が抑えられ,検地や刀狩を通じて近世社会の基礎がつくられていったことを理解している。(資料の読み取り,ノートの記述)

第三次(4時間扱い)

○江戸幕府の成立過程を年表に整理し,幕府の大名統制や身分制度の確立,農村支配の様子を調べてノートにまとめる。

○鎖国の目的や鎖国下における幕府の対外関係について調べてノートにまとめる。

○大きな戦乱のない時期が長く続いた背景を,幕府の国内支配や対外関係などの学習を踏まえて考え,ノートに記述する。

「江戸幕府はなぜ260年も続いたのだろう」

● ●

● ● ●

様々な資料を活用して,江戸幕府の成立過程を年表に整理したり,幕府の国内支配の様子をまとめたりしている。(資料の読み取り,ノートの記述) 様々な資料を活用して,鎖国の目的,長崎での貿易や朝鮮との交流,琉球の役割,アイヌとの交易など,鎖国下の対外関係について調べてまとめている。(資料の読み取り,ノートの記述) 江戸幕府の政治の特色を,幕府と藩による支配の確立や対外関係に着目して考察し,その過程や結果を自分の言葉で表現している。(発表の態度,ノートの記述)

第四次(3時間扱い)

○近世の文化がどのような身分や立場の人々を中心にして形成されたのかについて分かったことをノートにまとめる。

○都市の繁栄や町人文化の形成を支えた背景を考察しノートにまとめる。

「安定した政治の中で人々の生活はどのように変化したのだろう」

町人文化が都市を中心に形成されたことや,各地方の生活文化が生まれたことを理解している。(発表の態度,ノートの記述) 都市の繁栄や町人文化の形成を支えた背景を考察し,産業や交通が発達し教育が普及したことなどを記述している。(ノートの記述)

第五次(3時間扱い)

○様々な資料を活用して,百姓一揆や打ちこわし,幕府の政治改革やそのねらいなどについて調べ,ノートにまとめることができる。

○学習したことや調べたことを踏まえて,幕府の政治が行き詰まっていったことを理解しノートに記述し発表する。

「人々の生活の変化は幕府にどのような影響を与えたのだろう」

● ●

百姓一揆や打ちこわし,幕府が政治改革を行ったねらいなどについて調べ,まとめたり発表したりしている。(資料の読み取り,ノートの記述) 産業の発達に伴う貨幣経済の農村への広がりや自然災害の頻発,外国船の接近などを踏まえて,幕府の政治が次第に行き詰まりをみせたことを理解している。(ノートの記述)

第六次(1時間扱い)本時

○第五次までに学習した内容を踏まえて,近世の特色を捉える活動に意欲的に取り組み,自分の考えをノートにまとめたり,互いに意見交換したりする。

第五次までの学習内容を踏まえ,近世を大観してその特色やタイトルを考え,記述したり意見交換したりしている。 (発表の態度,ノートの記述)

【ねらい】織田・豊臣の統一事業を通じて,近世社会の基礎がつくられていったことを理解させる。

【ねらい】幕府と藩による支配が確立したという観点から,江戸幕府の政治の特色を考えさせる。

【ねらい】中世との対比を通じて,近世の特色に関心を持たせる。

【ねらい】町人文化が都市を中心に形成されたことを理解させ,その背景に産業や交通の発達があった

ことを考察させる。

【ねらい】幕府の政治が次第に行き詰まりをみせたことを理解させる。

【ねらい】近世の学習を振り返り,様々な視点から時代を大観し表現する活動を通して,近世の特色

を捉えようとさせる。

【単元を貫く学習問題】近世はどのような特色のある時代なのだろう。

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4 本時の学習

(1) ねらい

これまでの学習を振り返り,パフォーマンス課題に対し解を導き出し,時代を大観する。

(2) 展開

過程 学習活動・学習内容

・指導上の留意点

★生徒に学びの自覚を促す

形成的評価の工夫

観点具体の評価規準 ○資質・能力をはかる課題とその評価基準(ルーブリック)

導入

(5)

1 第二~五次の学習を振り返

り幕府の政策の行き詰まりに

ついてまとめた文章を発表す

る。

★学習内容のなかで,抑えるべき歴史的事象を抽出して,到達

していない生徒の理解を確認することができる。

・複数名の発表から,努力を要する生徒の不足している知識

や,表現力を補う。

課題

提示

(2)

課題

追究

(8)

2 課題に対して今までの学習

ノートを振り返り答えを出す。

・今までの学習で習得してきた,働かせる見方・考え方を黒板

に提示し,努力を要する生徒の表現力を助ける。

(15)

3 ルーブリックを基に4人一

組学習班で発表と評価をお互

いに行う。

・ルーブリックを示し,ルーブリックに基づいて記述したまと

めを相互評価させる。

・学習班内で発表と質疑を相互に行わせる。時間は発表1分,

質疑1分,回答1分とする。

★ワークシートを活用して,質疑が行えるような準備をしなが

ら,発表を聞くことができる。(形成的評価)

関思 自らの学習を振り返り,多面的・多角的な視点をも

ってパフォーマンス課題に対して思考し表現することがで

きている。(ノートの記述・発表の様子)

(15)

4 学習班で最もよい評価をさ

れた解を学級全体に発表し共

有する。

・ホワイトボードに記述し発表の際に学級全体に提示させる。

・質疑はすべての班の発表後に必要な場合のみ行う。

・異なった意見が出るように指名する発表班に配慮する。

整理

(5)

5 本日の学習を評価する。ノー

トの本時の学習のまとめを再

度書き,ワークシートに学習の

振り返りを実施する。

★学習活動を振り返り,第一次にたてた自らの仮説に対して

学習活動後の自らの変容や既習事項に気付くことができ

る。

思 仲間のまとめを生かし,自らの解もよりよい解へと思

考や表現方法を考え直し,まとめることができる。

○仲間の発表を聞きルーブリックを基に客観的にパフォーマ

ンス課題の解に対して形成的評価をすることができている。

○本時の学習の過程を再構築の材料として活用しながら,よ

りよい解を追究していく。

パフォーマンス課題「帰国生徒のAさんはオランダ人のブルーナ君から次のような質問を受けました。『今学校で近世

のヨーロッパを勉強しているけれど,日本の近世を簡単に表すならどんな時代といえるのかな?その理由を時代の特

色をいくつか挙げて僕にもわかるように教えてください。』あなたはこれについてどのように答えますか?」

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5月23日(火) 第1・2時

第3学年B組 社会科学習指導案

授業者 二 瓶 剛

1 単 元 名 国民生活と政府の役割

~税と社会保障のバランス図の「天の川」における日本の位置を考えよう~

2 単元について

(1) 教材観

本単元で扱う内容は,学習指導要領の(2)「私たちの経済」のイ 国民生活と政府の役割

を受けて構成したものである。その中で「国や地方公共団体が果たしている役割について考えさ

せる」では,社会保障の充実に焦点を当て市場の働きだけに任せたままでは解決が難しいことを

捉えさせていきたい。次につながる部分として「財源の確保と配分という観点から財政の役割に

ついて考えさせる」では,財政の歳入と歳出についての概要をつかませるとともに,有限である

財源をどのように使っていくのか,以前と違って経済成長が伸び悩んでいる日本の歳入の状況と

少子高齢社会における社会保障への歳出の難しいバランスを考えていくことで,今日本が抱えて

いる問題に正対することができると考える。その学習については内容の取扱いイの「財政」につ

いては少子高齢社会など現代社会の特色を踏まえて考えさせること,とあることから,これから

を生きる生徒にとって切実感を持って学ぶことの出来る教材だと考える。

(2) 指導観

本単元では「私たちの経済」の中で,特に日本の少子高齢社会に見られる特色をよりつかませ

ていきたいと考えていることから,「財政」における財源の確保と配分について重点を置いて取

り上げることとしている。まずは,財政について大まかな内容を学んだ後,その知識・理解を基

盤として社会保障と税のバランスについて考えさせていきたい。少子高齢社会の日本では,社会

保障のバランスを取ることが難しい状況となっているが,諸外国と比較すると高福祉・中負担社

会となっている。そのことを踏まえて今後の日本の財政の在り方について考えることにより,生

徒に社会参画の視点と,主権者としての視点を持たせていきたい。

今回,全附連財政教育プログラムとタイアップをしてゲストティーチャーを財務省関東財務局

の職員の方々をお迎えして,専門家の立場から財政についてご指導いただく。生徒に主体的・対

話的で深い学びを行うため学習活動内でグループワークや,討論など意図的に取り入れていきな

がら進めていきたいと考えている。また,今回の研究の柱として「学びの評価」があることから

ルーブリック等を活用して生徒の学びを支援しつつ,評価していき研究を深めていきたい。

(3) 主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方

① 生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫

生徒が学びを自覚し実感するような工夫として,主体的・対話的で深い学びとしてグループ

ワークとグループ間討論。そしてゲストティーチャーの専門的な見地からの学習支援を生かし

思考の再構築後の自己の学びの振り返りを行っていく。

② 各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準

資質・能力をはかる課題として現代社会の特色である少子高齢社会における日本の財政に関

わる課題を設定していくことで総合的な力をはかっていく。その課題に当たる「天の川」の位

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置に対しての自分の考えと,自分の班の統一見解が,与えられたルーブリックに従ってどの評

価に当たるのか具体的に示していく。※「天の川」=縦軸・社会保障費 横軸・税負担

本時の学習活動に関しての評価基準(主に見取る観点)

関心・意欲・態度(自他班評価) 思考・判断・表現(天の川作成)

「十分満足できる 自分の班や他の班の考えについて,財源の確保と社会 日本における現代社会の特色を捉え,財源の確保と

(A)」状況 保障への予算配分が論理的かつ,筋が通ったものとな 社会保障への予算配分について多面的・多角的な視

っているかなど,批判的な思考をもって評価できる。 点から根拠をもって考えることができる。

「概ね満足できる 自分の班や他の班の考えについて,「天の川」の図や 日本における現代社会の特色を捉えてはいるが,財

(B)」状況 説明の一面的な評価はできているが,肯定的だけでな 源の確保と社会保障への予算配分について,一面的

い批判的な評価をすることができていない。 な見方もしくは根拠をもった考えが不十分である。

「努力を要する(C) 発表のよい部分だけでなく,疑問点や課題点を 日本における現代社会の特色(少子高齢社会)と日

」 生徒への手立て 見るよう指導を行う。 本の財政の状況について捉えさせる。

3 単元の指導計画

(1) 指導目標

① 財政や租税の役割等について主権者として関心をもち,課題を意欲的に追究したり,仲間や

他の人の考えを基に,思考を再構築したりする力を身に付けさせる。

② 少子高齢社会や日本経済の現状など日本における現代社会の特色を捉えさせるとともに,財

源の確保と配分という観点から多面的・多角的に考察させる。

③ 財政に関する諸課題について解を導くために,諸資料の活用を図ったり,自分たちの考えを

まとめたりさせる。

(2) 評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 資料活用の技能 知識・理解

・市場の働きにゆだねる ・財政に関して,少子高齢社会 ・国や地方公共団体の経 ・国民が納税の義務を果

評 ことが難しい諸問題に着 など現代社会の特色を踏まえ, 済活動に関する資料を様 たすことの大切さを,租

価 目して,国や地方公共団 財源の確保と望ましい配分につ 々な情報手段を活用して 税の意義と役割の学習を

規 体の経済活動や財政につ いて,多面的・多角的に考察し 収集している。 通して理解し,知識を身

準 いて考えようとしている ,その過程や結果を適切に表現 に付けている。

している。

(3)単元の指導計画(6時間扱い)

時 ねらい・学 習 活 動 等 評価の観点 評 価 方 法 等

程 主体的な学びを実現する学習指導 関 思 技 知 研究に関わる評価

○財政の仕組みを理解させる。 ● 財政と税制についての概要

「国の財政の仕組みについて理解しよう。」 をつかみその知識を身に付

○税の仕組みや種類について理解させ,税制についても考えさせる。 ● けている。(ワークシートの記述や,発言)

「税の仕組みを捉えたうえで,税の公平性について考えよう。」

○市場経済と政府の役割について捉えさせる。 ● 市場における政府の役割や

「市場経済における政府の役割とは何だろうか。」 財政にいて,興味を持って

【ねらい】国や地方公共団体の経済活動と税金の制度について捉えさせる。

【ねらい】市場経済において,政府がどのような役割を果たしているのか理解させる。

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○金融政策と財政政策について理解させる。 ● 話し合うことができる。(ワーク

「国の財政政策を捉え大きな政府と小さな政府について考えよう」 シートの記述や,GW(グループワーク)活動)

○日本の社会保障のおこりと,現在の社会保障制度について理解 ● 社会保障のおこりと,仕組

させる。 みについて理解することが

「日本の社会保障はどのようにおこったのか。また,現在の社会保障制 できる。(ワークシートの作業,)

度について捉えよう。」

○少子高齢化の進展と社会保障の在り方について,各種資料を読 ● 少子高齢化の進展と社会保

み取り,現状や課題を理解させる。 障に関わる資料を様々な観

「日本の少子高齢化の影響によって今後の社会保障はどのようになって 点から適切に読み取ろうと

いくのか資料から読み取ろう。」 している。(グラフ等の読み取り)

本 ○税と社会保障のバランスを「天の川」の図の形で考えさせる。 ● ● 日本にとって望ましい財源

時 ○専門家のゲストティーチャーの意見を参考にして考えていく。 の確保と配分を多面的・多

角的な視点で考え発表して

いる。(ワークシートの記述,話し合いの態度,発言)

6 ○それぞれの班の発表を肯定的・批判的な見方を駆使して,討論 ● 今までの学習を生かし,望

の形で考えを深めていく。 ましい財源の確保と配分を

本 ○相互に発表し合い税と社会保障のバランスについて,仲間や教 ● ,考えようとしている。(ワーク

時 師・ゲストティーチャーの発言からもう一度再構築させる。 シートの記述,話し合いの態度,発言)

4 本時の学習

(1) ねらい

日本における現代社会の特色を捉えさせるとともに,主体的で対話的な学習を通し財源の確保

と望ましい配分について多面的・多角的な視点を持って考えることができる。

(2) 展開(2時間(100分)扱い)

過程 学 習 活 動 ・ 学 習 内 容 ・指導上の留意点 観点具体の評価規準

★生徒に学びの自覚を促 ○資質・能力をはかる課題とその

す形成的評価の工夫 評価基準(ルーブリック)

導入 1 日本における現代社会の特色ととも ・日本の現代社会の特色と財政について振り返る。

(5) に日本の財政の状況について振り返る

(5) 2 今までに学習した内容と,ゲストテ ・今までに学習した内容等から,財政についての自分の

ィーチャーの話から,財政について自 立場について考えさせる。

分の立場(大きな政府・小さな政府) ★ゲストティーチャーの話や,本単元を振り返らせ,根

について考える。 拠をもって自分の立場を明らかにさせる。

課題 課題 『税と社会保障のバランス図の「天の川」における日本の位置を考えよう』

提示

課題 3 税と社会保障のバランスの図の「天 ・自分の考えを基に,各班ごと議論を交えながら,日本

追究 の川」における日本の位置を各班ごと の現代社会の特色と財政を踏まえ,最も適切だと考え

(10) (4人1グループ)話し合いながら最 る位置を理由とともにワークシートとホワイトボード

も適切だと考える位置を理由とともに に示す。(ルーブリックを示す。)

示す。 ★現代社会の見方・考え方を働かせ,生徒には誰もが納

【ねらい】日本の少子高齢化の影響について各種資料から捉えさせる。

【ねらい】税と社会保障のバランス図の「天の川」における日本の位置を考えよう

他の人との考えの共有により主体的に問題を解決しようとする態度

「天の川」の作成を多面的・多角的な視点で行っていく学習活動

【ねらい】社会保障について理解するとともに,日本の社会保障について考えさせる。

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得するようなバランス,もしくはバランスは無くとも

筋の通った理論的な考えを出させるようにさせる。

(5) 4 財務局等のゲストティーチャーから ・仲間との意見交流やゲストティーチャーの話を生かし

(7) 各班の取り組みについてアドバイスを て再度,各班ごとに日本にとって望ましい「天の川」

していただき,そのアドバイスを基に の位置を多面的・多角的な視点から考えさせる。

さらに考えを深める。 ★ゲストティーチャーの話から,今までにない自分たち

の考えや視点に着目させ,この後の学習活動に取り組

ませる。(形成的評価)

(13) 5 意見交換や,専門家の先生の話を生 ・各班の考えが一目で分かるよう,天の川の図からポイ

かして,各班ごとに理由を踏まえて日 ントと理由の概要をホワイトボードに示させる。

休憩 本における「天の川」の位置について ★ワークシートに各班発表時の疑問等をメモさせ,質疑

発表する。(各班2分程度) の時に活用させる。

(12) 《途中休み時間を挟む》 関思 仲間と協力して意見を出し合い,日本にとって望

ましい財源の確保と配分を多面的・多角的な視点で考え

表現することができる。(ワークシート・グラフ・発言)

○ルーブリックに従って,仲間の発表について評価

し,その考えについて何が良くて何が良くないか(

肯定的・批判的な思考を用いる)論述で評価させる。

(15) 6 それぞれの班の発表に対して,感想 ・肯定的・批判的思考両方を用いて,それぞれの班の発

や質疑,応答等の討論を行う。 表を多面的・多角的に評価させる。(ルーブリックを示す。)状況

に応じてゲストティーチャーや教師が質問を行う。

★仲間や教師の質疑を中心に,それぞれの班のよさや,

改善点等を伝えられるようにする。(形成的評価)

(5) 7 ゲストティーチャーより,専門家の ★グループワーク時にゲストティーチャー・教師双方が

立場から,今日の学習活動を踏まえた 活発な議論や核心を突く議論をしている班に目星を付

総合的な評価についての話を聞く。 け評価につなげていく。(形成的評価)

(10) 8 今までの学習を踏まえて,自分が考 ・班から個に戻り,今までの活動を踏まえ天の川の位置

えてきたことを振り返り,もう一度天 について思考の再構築をさせ,発表させる。

の川の位置について捉え直す。(思考 思 仲間の考えやゲストティーチャーの話を生かし,

の再構築) フィードバックしながら,さらに望ましい財源の確保と

配分についてまとめることができる。(ワークシート・発言)

○プロセスを含めた解を生徒相互,教師相互で練る

ことにより,よりよい解(肯定的・批判的な思考

を用いる)を追究していく。

整理 9 ワークシートに学習のまとめと自己 ・再構築した仲間の意見発表も踏まえながら,日本の財

(8) 評価の記入を行う。 政の在り方,財源の確保と望ましい配分について今後

も社会参画の視点・主権者としての視点が必要である

と捉えさせたうえで,本時の自己評価を行う。

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5月 24 日(水) 第1時

第1学年C組 数学科学習指導案

授業者 岸 本 航 司

1 題材名 平面図形

2 題材について

(1) 題材観

小学校算数科では,ものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形を構成する要素

に少しずつ着目できるようにしている。第4学年までに,三角形や四角形,二等辺三角形や正三

角形,平行四辺形や台形やひし形などについて理解し,第5学年では図形の合同,第6学年では

縮図や拡大図及び図形の対称性について理解してきている。このように,図形の構成要素,それ

らの相等や位置関係を考察することにより,図形の見方が次第に豊かになってきている。

中学校数学科において第1学年では,平面図形の対称性に着目することで見通しをもって作図

し,作図方法を具体的な場面で活用する。こうした学習を通して,平面図形についての理解を深

め,直観的な見方や考え方を養うとともに,論理的に考察し表現する能力を培う。また,図形の

移動について理解し,二つの図形の関係について調べることを通して,図形に対する見方を一層

豊かにする。

(2) 指導観

本時は,これまでの図形学習の上に立ち,作図自体は容易だが,まだ作図方法が明らかになっ

ていない「正方形の作図」を題材にする。その中で,新しい作図を考えるときに大切な考え方や,

主体的に発展的な学びに向かおうとする態度を育成する。導入では,これまでの学習で作図の方

法が明らかになったものと,そうでないものについて問う。これにより,身近な図形の中にも,

まだまだ解明すべきことがあるということが明らかになり,生徒の内発的動機付けにつながる。

本時の題材である「正方形の作図」には,多様な解決方法がある。十分な自力解決の時間を確保

した上で後述の記述方法をとらせ,生徒一人一人の思考過程を明確にする。ここでは,基にした

正方形の特徴と,それを作るための作図の手順について生徒に問いかけながら,考えを整理させ,

表現を洗練させる。全体発表ではそれぞれの考えを分類整理させる。終末では,課題を発展させ

るとともに,新しい図形の作図を考えるときに大切なことを問い,まとめとする。さらに,本時

の学習の総括的評価とするレポートを,事後課題として作成させる。

(3) 研究との関連

① 【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

本時で扱う「作図」は,思考をきわめて数学的,図形的に表現したものであるため,他者が

一見したときにその思考を読み取るところに難しさがある。また,それは同時に学習者本人に

とっても,自らの思考を正しく認識することが難しいということである。そこで本時では,正

方形の作図方法を自力解決した際,作図の手順と理由についてまとめ直す活動を行う。この活

動により,学習者本人は自らの思考過程を振り返り,理解を深めることができる。また,教師

や他の学習者はその思考過程を読み取り,形成的評価をすることが容易になるため,つまずき

を解消したり,更なる発展につなげたりする支援を行っていくことができる。

② 【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」

本時における育成すべき資質・能力は,次の2点である。

○本時の学習内容を基に,さらに作図可能な図形について発展させようとする。

○新たな図形の作図方法について,既習である基本の作図の方法や図形の性質を基に考え,

筋道立てて説明することができる。

よって,これらの資質・能力をはかる課題と

して,右のレポート課題を単元末に提示する。

この課題における評価基準は次のようになる。

レポート課題

定規とコンパスを用いて作ることができる

図形について,その作図方法の手順と理由が

分かるようにまとめなさい。【A4 用紙1枚】

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評価A ① 本時の学習内容を基に,さらに作図可能な図形について発展させようとしている。

② 新たな図形の作図方法について,既習である基本の作図の方法や図形の性質を基に

考え,筋道立てて説明することができる。

評価B ①,②のいずれか一方ができる。

評価C 正方形の特徴を振り返らせ,条件を変えることで作図可能になる他の図形を考えさせる。

3 指導目標

観察,操作や実験などの活動を通して,見通しをもって作図したり図形の関係について調べたり

して平面図形についての理解を深めるとともに,論理的に考察し表現する能力を培う。

(1) 角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線などの基本的な作図の方法を理解し,それを具体

的な場面で活用する。

(2) 平行移動,対称移動及び回転移動について理解し,二つの図形の関係について調べる。

4 指導計画と評価規準(○学習指導の過程における評価 ◎単元における総括とするための評価)

小単元等 授業時間数

1 図形の移動(平行移動,回転移動,対称移動,基本の問題) 6時間

17時間 2 基本の作図(作図のしかた,基本の作図,垂線,垂直二等分線,角の二等分線,いろいろな作図) 7時間

3 おうぎ形 2時間

4 章のまとめ(章の問題,単元末レポート) 2時間

指導のねらい,生徒の学習活動及び評価規準と評価方法は次の表のとおりである。

学習内容・

数学的活動

数学への

関心・意欲・態度

数学的な

見方や考え方 数学的な技能

数量や図形などに

ついての知識・理解

7 基本の作図

・コンパスと定規の役割を基に,

交わる2つの円の性質について

考える活動

○作図における定規と

コンパスの役割を基

に簡単な作図ができ

る。〔観察〕

○交わる2つの円が

もつ性質を理解で

きる。

〔観察〕

8 垂線の作図

・交わる2つの円の性質を基に,

垂線の作図の方法を考え,説明

し合う活動

○交わる2つの円の性質

を基に,基本の作図の方

法を考えようとする。

〔観察〕

○交わる2つの円の性質を基に,

垂線の作図の方法を考え,説明

しあうことができる。 〔観察〕

◎垂線の作図ができる。

〔小テスト〕

9 垂直二等分線の作図

・垂直二等分線の作図の方法を考

え,その性質を基に具体的な問

題を解決する活動

○基本の作図の性質を基に,具体

的な場面における問題解決の

方法を考えることができる。

〔観察〕

◎垂直二等分線の作図

ができる。〔小テスト〕

◎垂直二等分線がも

つ意味について理

解している。〔小テ

スト〕

10 角の二等分線の作図

・角の二等分線の作図の方法を考

え,その性質を基に具体的な問

題を解決する活動

◎角の二等分線の作図

ができる。

〔小テスト〕

◎角の二等分線がも

つ意味について理

解している。〔小テ

スト〕

11 円の接線や円の中心の作図

・基本的な作図と円の性質を利用

して,円の接線や中心の作図を

考え,説明し合う活動

○基本的な作図と円の性質を利

用して,円の接線や中心の作図

を考え,説明できる。〔観察〕

◎円の接線の作図や,弧

から円の中心を求め

る作図ができる。〔小

テスト〕

12 75°の作図

・基本的な作図を利用して,75°

を作図する方法を考え,説明し

あう活動

○既習の作図や考え方を

基に,さらに作図可能な

角度について発展させ

ようとする。〔観察〕

○基本的な作図を利用して,

75°を作図する方法を考え,

説明できる。〔観察〕

○13 本

正方形の作図

・基本的な作図や正方形の性質を

利用して,正方形を作図する方

法を考え,説明し合う活動

◎正方形の作図方法を基

に,さらに作図可能な図

形について発展させよ

うとする。〔観察,ノー

ト〕

◎正方形を作図する方法につい

て,既習である基本の作図の方

法や図形の性質を基に考え,筋

道立てて説明することができ

る。〔観察,ノート〕

5 本時の学習指導

(1) ねらい

① 正方形の作図方法を基に,さらに作図可能な図形について発展させようとする。

(数学への関心・意欲・態度)

② 正方形を作図する方法について,既習である基本の作図の方法や図形の性質を基に考え,筋

道立てて説明することができる。 (数学的な見方や考え方)

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(2)学習過程

学 習 活 動 ・指導上の留意点

☆研究との関連

○学習指導の過程における評価

◎単元における総括とするための評価

□指導の手立て

1 問題を把握し,解法を予想する。

・垂線,角の二等分線,垂直二等分線,平行線

・対称の軸,回転の中心

・90°,45°,60°,30°,75°

・円,正三角形,正六角形,ひし形,平行四辺形,

長方形,正方形

「正方形の作図の方法はまだ明らかにしていませ

んが,本当に作図することができますか。」

・できると思う。

・本当にできるかは分からない。

2 課題1を把握し,解決する。

<作図例1>

<作図例2>

<作図例3>

<作図例4>

<作図例5>

・自由に挙げさせなが

ら,板書上で整理す

る。

・作図の方法が既に明ら

かになっているもの

と,そうでないものを

整理する。

・作図の手順と理由が分

かるような記述の仕

方(左図参照)を指導

し,説明できるように

させる。

☆作図の手順と理由に

ついてまとめ直す活

動をさせる。

【視点Ⅰ】

・解決した方法の妥当性

について振り返らせ

る。

・一つの説明ができるよ

うになったら,他の方

法も考えるように促

す。

○正方形の作図方

法について,既

習である基本の

作図の方法や図

形の性質を基に

考え,筋道立て

て説明すること

ができる。

<見・考>(観察)

□正方形の特徴を

振り返らせ,ど

のような作図を

すればその特徴

を再現できるか

を問う。

問題 前回までの作図の学習を終え,コンパスと定規を用いればどのような線,角,図形をつ

くることができるようになりましたか。

課題1 2点A,Bを頂点とする正方形を作図する方法を考え,

手順と理由が分かるように説明しましょう。

A B

A B

A B

A B

③ C D

A B

A B

A B

③ D C

A B

A B

A B

③ C D

A B

A B

③ D C

A B

A B

A B

C

D

O

AB=AD,AD⊥DC を作るように作図しました。

AD=BC から AB//DCとなり,AD⊥DC といえます。

DA=DC,BA=BC となる点 C を作図しました。

AB=DC,AD=BC となる点 C を作図しました。

AB⊥CD,OA=OB=OC=OD となるように作図しました。

A B

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3 自力解決した方法を他者に発表し,表現を洗練

し合う。

・正方形は4つの角が全て直角なので,まずAを通

るABの垂線を作図しました。

・正方形は全ての辺の長さが等しいので,コンパス

を用いて等しい線分の長さを作図しました。

4 課題2を把握し,解決する。

①3つの直角と隣り合う等しい2辺で作図する方法

②1つの直角と等しい4辺で作図する方法

③中点で直交する等しい長さの対角線で作図する

方法

5 課題を発展させ,本時の考えを基にさらに作図

が可能でありそうな図形について考える。

・①の方法で,隣り合う辺の長さを等しくしなけれ

ば,長方形ができる。

・③の方法を基に考えれば,正八角形や正十六角形

なども作図ができる。

・正五角形や正七角形などは作図できるのか。

6 まとめをする。

7 振り返りをする。

・新しい作図を考えるときに大切な考え方が分かった。

もっと発展させた図形でも作図できるか考えたい。

☆基にした正方形の特

徴と,それを作るため

の作図の手順につい

て説明させる。【視点

Ⅰ】

・互いの説明をよく聴か

せ,表現を洗練させ

る。

・代表生徒の作図の考え

方を掲示して説明さ

せる。

☆それぞれの考え方を

説明させた上で,作図

の根拠とした正方形

の特徴を視点として

分類をさせる。【視点

Ⅰ】

・新たな図形の作図を考

えるときに,どんな考

え方が重要だったの

かを問い,生徒の言葉

を核にしてまとめる。

・自己評価カードに,本

時の振り返りを記述

させる。

○正方形を作図す

る 方法 に つ い

て,既習の基本

の作図の方法や

図形の性質を基

に考え,筋道立

てて説明するこ

とができる。

<見・考>(観察)

□その作図でなぜ

正方形が作図で

きたといえるの

かを隣同士等で

説明させ合い,

理解を深めさせ

る。

○正方形を作図す

る方法を基に,

さらに作図可能

な図形について

発展させようと

している。

<関・意・態>

(観察)

□はじめの板書に

立ち返り,まだ

明らかになって

いない作図を把

握させる。

新しい図形の作図を考えるときには, ・作図したい図形の特徴を正しく捉えること

・その特徴を作図する方法を組み合わせること

・多面的にみて,よりよい作図の方法を探すこと

が大切である。

課題2 それぞれの作図の仕方を分類整理し,どのような考えで作図したのかをまとめよう。

A B

<作図例5より>

C

D

O

正方形の2本の対角線は,それぞ

れの真ん中の点で垂直に交わると

いう特徴を基にしました。線分

ABの垂直二等分線と,AB を直径

とする円を利用しました。

A B

<作図例3より> D C 正方形は4つの辺の長さが全て

等しく,全ての角が直角である

という特徴を基にしました。ひ

し形の作図と,垂線の作図を利

用しました。

正方形は4つの角が全て直角で,

全ての辺の長さが等しいという

特徴を基にしました。長方形の作

図の中で,隣り合う辺の長さが等

しくなるようにしました。 A B

<作図例1より>

D C

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5月 24 日(水) 第1時

第2学年B組 数学科学習指導案

授業者 師 岡 洋 輔

1 題材名 式と計算

2 題材について

(1) 題材観

第1学年では,小学校で学んだ○や□,a や x などを使って数量を表すことから,さらに文字

を使うことの必要性と意味,文字を使った式の表し方を学び,文字を使った式の処理までできる

ようになった。

第2学年では,さらに複雑な計算に取り組むとともに,文字を使った式を目的に応じて変形し,

さまざまな数量の関係や性質を捉え調べられるようにしていく。式の計算も数の計算と同じよう

に基本的な法則にしたがって加減乗除ができることを理解し,式の基本的な操作に習熟させる。

また,文字を用いた式で数量および数量の関係を捉え説明できることを理解し,文字を用いて式

に表現したり式の意味を読み取る能力も養う。その際に,具体的な数値でじっくり考える中で関

係を見いださせることが重要である。帰納や類推によって数量の関係や規則性を発見する中で,

そのことがどの数値でも成り立つのかという疑問が生じ,それを一般的に説明するために文字を

用いることの必要性とよさが理解されていくようにする。

(2) 指導観

本時では,「3つの連続する整数の和にはどのような特徴があるか」ということを具体的な数

値から導入し,性質に気付かせる。これがどんな数でも成り立つかを文字を使って演繹的に説明

するよう促し,課題につなげていく。課題1では,「3つの連続する整数の和は3の倍数である

(真ん中の数の3倍になる)」ということを文字nを使って説明する方法を考えさせる。このと

き,nを1番小さい数とするか真ん中の数とするかなど,説明に当たっておさえるべき点を確認

しながら,他の人に分かりやすく説明する活動を通して,論理的に表現する力を高める。また,

課題2では,課題1を発展させて,「連続する□個の整数の和には,どのような関係があるか」

を考えさせる。ここでは,偶数個と奇数個によって特徴が分かれるが,それをさらに一般化でき

ないかと考えることで,統合していく。

(3) 研究との関連

① 【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

課題1「連続する3つの整数の和は3の倍数(真ん中の数の3倍)になることを,文字を使

って説明しよう」では,文字を使うことでどんな3つの連続する数でも和が3の倍数になる説

明ができることを学習する。この学習の中で,どんな数でも成り立つように説明するには文字

を使うとよいことや,連続する3つの数の文字を使った表し方及びその和が表していることな

どを振り返りながら,この学習における形成的評価を行っていく。そして課題2で他の条件だ

ったらどうなるだろうという考えのもと,「連続する□個の数の和には,どのような関係があ

るか」という課題を設定し,課題1での形成的評価を踏まえて他の場面を主体的に考えられる

ように学習場面をつくることで,学びの自覚を促していく。これらの課題では,整数の簡単な

計算について成り立つ帰納的な関係を見いだすことから得られた課題に対して,これまで学習

してきた文字を使って説明することにある。その際,なぜ文字を使うのか,何をどのように文

字を使って表すのかといったことがきちんと理解できた上で説明がなされているかを評価し

たい。

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② 【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」

本授業を通して育成したい資質・能力は次の3点である。

ア 数の規則性を帰納的に見つけ出すことができる。

イ 見つけ出した規則性がいつでも成り立つことを,文字を用いて説明できる。

ウ 条件を変えたらどうなるかを自ら探究し,新たな規則性を見つけ説明することができる。

これらの資質・能力がきちんと育まれているかを,次のような問題で達成度をはかる。 相手に 20 以上 99 以下の2桁の数を考えてもらい,次の計算をした結果がどんな数になっているかを当てます。 ①考えた数の一の位と十の位の数を加える。 ②最初に考えた数から①でできた数をひく。

③その数の一の位か十の位の数を教えてください。そうしたら,他方の数を当てることができます。

(1) どのようにして当てることができますか。(アをはかる問題) (2) (1)のようにして相手が計算してできた数をあてることのできる理由を文字式で説明しなさい。(イをはかる問題)

(3) この問題の一部の条件を変えて別の問題をつくりなさい。そして,新たな規則性を見つけ,その規則性が成り立っていることを文字を使って説明しなさい。(ウをはかる問題)

評価A 3問すべて答えられる。複数の規則性を検討させる。 評価B (1)と(2)のみ,もしくは(1)のみ答えられる。文字を用いて①~③を表して説明を促したり、具体的な数の操作を通して新たな規則性を探らせる。

評価C いずれも答えられない。具体的な数を当てはめながら考えさせる。

3 指導目標

具体的な事象の中に数量の関係を見いだし,それを文字を用いて式に表現したり式の意味を読み

取ったりする能力を養うとともに,文字を用いた式の四則計算ができるようにする。

(1) 簡単な整式の加法,減法及び単項式の乗法,除法の計算をすること。

(2) 文字を用いた式で数量および数量の関係をとらえ説明できることを理解すること。

(3) 目的に応じて,簡単な式を変形すること。

4 指導計画と評価規準(○学習指導の過程における評価 ◎単元における総括とするための評価)

小単元等 授業時間数

1 式の計算(単項式と多項式,多項式の加法・減法,多項式と数の乗法・除法,単項式の乗

法・除法,式の値) 10時間

15

時間 2 式の活用(式の活用,等式の変形) 4時間

3 学習のまとめ 1時間

指導のねらい,生徒の学習活動及び評価規準と評価方法は次の表のとおりである。

時数

学習内容・ 数学的な活動

数学への 関心・意欲・態度

数学的な 見方や考え方

数学的な技能 数量や図形などに ついての知識・理解

11 式の活用① ・数当てゲームに潜む数の規則性を見いだし,文字を用いて説明する活動

○整数の性質などに関心を持ち,それらを見いだそうとする。〔観察〕

○文字を使った式を用いて,整数の性質を見いだしたり,数量および数量の関係を捉え,説明することができる。〔観察〕

○文字を使った式を用いると,数量および数量の関係を,一般的に説明することができるということを理解している。〔観察〕

12 式の活用② ・「各位の数の和が3の倍数で

あるならば,その整数は3の倍数である」ことを,文字を用いて説明する活動

13 式の活用③ ・摂氏と華氏の関係について表す等式などを扱いながら,目的に合うように式を変形する活動

○等式を目的に応じ変形することに関心をもち,その方法を見いだそうとする。〔観察〕

◎具体的な場面で数量の関係を表す等式を目的に応じて変形することができる。〔観察,小テスト〕

◎等式をある文字について解くことの意味を理解している。〔観察,小テスト〕

○14 本時

式の活用④ ・「連続する□個の整数の和」についての性質を,文字を使って説明する活動

○数量の関係を帰納や類推によって捉えようとしている。〔観察〕

◎整数の簡単な計算について成り立つ関係を帰納的に見いだし,その関係を文字を使って説明できる。〔観察,ノート〕

○数量および数量の関係を,文字を使った式で表したり読み取ったりすることができる。〔観察〕

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5 本時の学習指導

(1) ねらい

① 数量の関係を帰納や類推によって捉えようとしている。(数学への関心・意欲・態度)

② 整数の簡単な計算について成り立つ関係を帰納的に見いだし,その関係を文字を使って説明

することができる。(数学的な見方や考え方)

③ 数量および数量の関係を,文字を使った式で表したり読み取ったりすることができる。(数学

的な技能)

(2) 学習過程

学 習 活 動 ・指導上の留意点

☆研究との関連

○学習指導の過程における評価

◎単元における総括とするため

の評価

□指導の手立て

1 問題について考える。

「具体的な例を用いて考えると、ど

のようなことがいえると考えられま

すか」

・3の倍数になっている。

・3ずつ増えている。

・真ん中の数を3倍すると答えにな

っている。

・答えを3で割ると真ん中の数にな

る。

2 課題1について考え,解決する。

○見通しをもつ

・一般化をしたいから文字を使おう。

・3つの整数はどう表せるだろうか。

・3つの整数の和は何を表している

といえるのだろうか。

・1番小さい数をnとすると

n+(n+1)+(n+2)

=3(n+1)

n+1は整数だから3の倍数とな

る。

・真ん中の数をnとすると

・式のみを板書しながら,規則的

な計算であることに気付かせ

る。「この式を言葉で表現すると

どのようになるか」と問いかけ,

生徒から「連続する」や「整数

の和」といった言葉を拾い上げ

ながら問題を理解させる。

・111+112+113など,徐々に大き

な数になるようにいくつか計算

させた後,「どのような数字でも

3の倍数になるのだろうか」と

いう課題を設定する。

☆何を文字とおくか,そのときn

連続する3つの整数はどう表す

かなど,課題の解決に必要とな

るポイントを確認しながら,形

成的評価を行う【視点Ⅰ】

・いずれの数をnとおいても,3

×(真ん中の数)となるので,

それぞれの説明がなされている

ことを確認する。

・連続する整数が3つでなかった

らどうなるだろうと思わせ,次

○数量の関係を帰納や類推

によって捉えようとして

いる。<関・意・態>(観

察)

□具体的な数から関係を予

想して規則性を見いだす

とともに,「すべての数」

について説明するために

はどうしたらよいかを考

えさせて,文字を使うこ

とに気付かせる。

○数量および数量の関係

を,文字を使った式で表

したり読み取ったりする

ことができる。<技能>

(観察)

□どの数字をnとおくかを

考え,そのときに残りの

2つの数はnを使ってど

のように表されるかを考

えさせる。そして,3つ

の整数の和が何を表して

問題

連続する3つの整数の和について,どのようなことがいえるだろうか。

課題1 文字を使った説明の仕方について考えよう。

連続する3つの整数の和は3の倍数(真ん中の数の3倍)になることを,文字を使って説明しよう。

1+2+3=?

2+3+4=?

3+4+5=?

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(n-1)+n+(n+1)

=3n

nは整数だから3の倍数となる。

3 課題2について考える。

○□が3以外の整数の時の計算結果

と規則性を表にまとめる。

○表からわかることを考える。

・整数の数が奇数個の場合

整数の個数の倍数が答えにな

る。

・整数の数が偶数個の場合

整数の個数の 1/2 の倍数が答え

になっている。

○偶数,奇数それぞれ「真ん中の数

の何倍」という形でいえるか考え

る。

・最初の数を nとすると・・・

整数の数 計算結果

2 2n+1→2(n+0.5)

4 2(2n+3)→4(n+1.5)

6 3(2n+5)→6(n+2.5)

8 4(2n+7)→8(n+3.5)

10 5(2n+9)→10(n+4.5)

4 本時の学習を振り返る。

・整数の和の規則性について,文字

を使って説明できた。

・(整数の数)×(真ん中の数)で和

が求められることが分かった。

の課題へと発展させる。

・いくつまで調べ,まとめるかは

生徒に判断させる。

☆課題1での形成的評価を踏まえ

て他の場面を主体的に考えられ

るように学習場面をつくる。【視

点Ⅰ】

・ワークシートを配り,課題2に

取り組ませる。

・いくつの倍数になるのかを確認

しやすくするために,ワークシ

ートにはあらかじめ最初の数を

nとするように明示しておく。

・「奇数の場合は真ん中の数の○倍

といえるが,偶数ではいえない

のか」という着眼点から,一般

化を図ることができないかと促

す。

・小数を使うことで,偶数の時も

(整数の数)×(真ん中の数)

で求めることができることを確

認する。

・具体例として,「1から始まる連

続する 100 個の整数の和」など

を考えさせたい。

・自己評価カードに本時の学習内

容をまとめる。

いるのか(3の倍数,も

しくは真ん中の数の3倍

といえるのか)を考えさ

せる。

◎整数の簡単な計算につい

て成り立つ関係を帰納的

に見いだし,その関係を

文字を使って説明するこ

とができる。<見・考>

(ノート)

□整数の数と規則性につい

て,具体的な数で考えな

がら帰納的に関係を探ら

せる。

課題2 問題を発展させよう。

連続する□個の整数の和は,いくつの倍数になるだろうか。

・最初の数を nとすると・・・

整数の数 計算結果 規則性 整数の数 計算結果 規則性

2 2n+1 奇数 7 7(n+3) 7の倍数

3 3(n+1) 3の倍数 8 4(2n+7) 4の倍数

4 2(2n+3) 2の倍数 9 9(n+4) 9の倍数

5 5(n+2) 5の倍数 10 5(2n+9) 5の倍数

6 3(2n+5) 3の倍数

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5月24日(水) 第2時

第3学年A組 数学科学習指導案

授業者 野 口 勝 義

1 題材名 標本調査

2 題材について

(1) 題材観

小学校算数科では,いろいろなグラフを学習し,度数分布を表やグラフに表したり,資料の平

均や散らばりを調べるなどの活動を通して,統計的に考察したり表現したりしてきている。

中学校数学科において第1学年では,目的に応じて資料を収集して整理し,ヒストグラムや代

表値を用いて資料の傾向を読み取ることを学習している。また,第2学年では,多数回の試行を

行って資料を集めることにより,不確定な事象の起こりやすさに一定の傾向があることを調べる

活動を通して,確率について学習している。第3学年では,これらの学習の上に立って,母集団

の一部分を標本として抽出する方法や,標本の傾向を調べることで,母集団の傾向が読み取れる

ことを理解できるようにする。

(2) 指導観

本時では,標本調査により母集団の傾向を捉え説明することを通して,標本の抽出の仕方や予

測の適切さについて考察する。前々時で「本校の中学3年生の学習時間は何時間ぐらいか」を考

える。まずは,個人でどのように標本調査を進めて行くかを考える。その後,班をつくり,どう

やって標本調査を行い,まとめていくのかを話し合い,計画を立てる。前時で,実施した調査の

結果を整理し,ヒストグラムや代表値などを用いてまとめる活動を行い,全生徒の学習時間を予

測する。その上で,本時では,班ごとの発表により,学級全体に説明する。その際は,どのよう

に調査をしたか,調査した結果はどうかなど,標本調査をどのように進めたかが分かるようにす

る。各班の発表を聞き,抽出の仕方に問題はなかったかや,資料のまとめ方は妥当だったかなど,

を考察する。さらに,自分たちの発表も振り返り,調査が適切に行われ,その判断が妥当なもの

であるかを考え,よりよい調査を行うにはどんなことができるかを考える。なお,資料の整理に

はコンピュータや電卓などを利用して効率よくまとめられるようにし,考える時間を多くとれる

ようにする。

(3) 研究との関連

① 【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫」

班ごとで計画しまとめた標本調査の結果を発表する活動を通して,その標本に偏りがなかっ

たかや標本の大きさが適切だったかなどの調査の仕方が適していたか,ヒストグラムや代表値

などの発表に用いたものが適していたか,結果を受けての判断が妥当だったかなど,考察を重

視して行う。さらに,自分たちの発表も振り返り,よりよい調査を行うためにはどうすればよ

かったかなどを再び考えさせる活動を取り入れることにより,学びの自覚を促していく。

② 【視点Ⅱ】「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」

本時における育成すべき資質・能力は,次の2点である。

○標本調査を活用して,身の回りにある資料の傾向を推測することができる。

○標本調査を行った後,その方法を振り返って考察することができる。

本時の課題を踏まえ,次のような課題をまとめの時間に実施する。他の例において,どのよ

うに調査を行ったらよいか,その手順についてを問う問題を行う。この課題における判断基準

は次の表のようになる。

Page 34: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

問題 評価A 標本の大きさとして適切であり,無作為に抽出している

「附属中の3年生の睡眠 ことに触れ,その上で,ヒストグラムや代表値を読み取

時間は何時間ぐらいか」 ることが記述され,資料の傾向を推測することができて

を調べようと思います。 いることが分かる。

どうやって調査をしたら 評価B 説明の中で,資料の傾向を正しく推測することができて

よいか,その調査の仕方 いることが分かる。

を説明し,その際の注意 評価C 標本調査の手順について確認させ,標本調査をどのよう

点を書きなさい。 に進めていくかを振り返らせる。

3 指導目標

コンピュータを用いたりするなどして,母集団から標本を取り出し,標本の傾向を調べることで,

母集団の傾向が読み取れることを理解できるようにする。

(1) 標本調査の必要性と意味を理解する。

(2) 簡単な場合について標本調査を行い,母集団の傾向を捉え説明する。

4 指導計画と評価規準(○学習指導の過程における評価 ◎単元における総括とするための評価)

小単元等 授業時間数

1 標本調査(標本調査の意味,標本の取り出し方,母集団の推測) 3時間

2 標本調査の活用(標本調査を活用して身の回りの事柄を調べる) 3時間 7時間

3 学習のまとめ 1時間

指導のねらい,生徒の学習活動及び評価規準と評価方法は,次の表のとおりである。

時学習内容・数学的活動

数学への数学的な見方や考え方 数学的な技能

数量や図形などに

数 関心・意欲・態度 ついての知識・理解

1 標本調査 ○身の回りで行 ○全数調査と標本調 ○標本調査と全数

・身の回りで行われている調 われているい 査のどちらが適し 調査の必要性と

査の特徴を捉え説明する活 ろいろな調査 ているかを,具体 意味,母集団と

動 に関心をもち, 例をあげて説明す 標本の意味を理

その必要性を ることができる。 解している。

考えようとし 〔観察〕 〔観察〕

2 標本の取り出し方 ている。 ○母集団の平均値と ◎乱数さいや乱数 ◎標本を無作為に

・無作為に標本を抽出し,整 〔観察〕 標本の平均値の関 表などを利用し 抽出する方法を

理する活動 係を説明すること て,標本を無作 理解している。

ができる。 為に取り出すこ 〔小テスト〕

〔観察〕 とができる。

〔小テスト〕

3 母集団の推測 ○母集団の数量 ○母集団の数量を推 ○抽出した標本 ○標本調査の結果

・標本調査の結果を基に,母 を推測するこ 測する方法を考え を,場面に合わ を基に,母集団

集団の数量を推測する活動 とに関心をも ることができる。 せて整理するこ における数量を

ち,そのため 〔観察〕 とができる。 推測する手順を

の手順を考え 〔観察〕 理解している。

ようとしてい 〔観察〕

る。 〔観察〕

4 標本調査の活用 ○身の回りにあ ○標本調査を活用し ○標本を無作為に ○標本調査を活用

5 ・標本調査の見通しを立て, る資料に関心 て,身の回りにあ 抽出し,整理す して,母集団の

⑥ 資料を整理し,母集団の傾 をもち,標本 る資料の傾向を推 ることができ 傾向を推測する

本 向を捉え説明する活動 調査を活用し 測することができ る。 手順を理解して

時 てその傾向を る。 〔観察〕 〔観察〕 いる。

調べようとし ◎標本調査を行った 〔観察〕

ている。 後,その方法を振

〔観察〕 り返って考察する

ことができる。

〔観察,ノート〕

Page 35: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5 本時の学習指導

(1) ねらい

① 身の回りにある資料に関心をもち,標本調査を活用してその傾向を調べようとしている。

(数学への関心・意欲・態度)

② 標本調査を行った後,その方法を振り返って考察することができる。

(数学的な見方や考え方)

(2) 学習過程

学 習 活 動

・指導上の留意点

☆研究との関連

○学習指導の過程における評価

◎単元における総括の資料とするための評価

□指導の手立て

【第1時】

1 学習場面を把握し,問題について考える。

○場面を把握し,課題につなげる。

・平均だと4時間はしていないのではないか。

・テスト前と普段では時間が違うのではないか。

・アンケートをとらないと分からない。

2 課題について考える。

○個人で考え,調査の見通しをもつ。

・「1日の勉強時間」が何を表しているのか。

→テスト期間の1日の勉強時間を利用する。

・標本の大きさはどのくらいにしたらよいか。

・無作為抽出になるように,いろいろな生徒から

聞きたい。

○調査の仕方を班で話し合う。

・男子と女子を同数にする。

・各クラスから5人ずつ聞く。

・答えてもらう曜日を指定する。

・出席番号の一の位が2の人から聞く。

・乱数を発生させて,その番号の生徒から聞く。

・はずれ値があった場合は除外する。

○調査後のまとめ方を話し合う。

・ヒストグラムで表す。

・代表値(平均値・中央値など)を求める。

3 各班で調査を行う。

○他クラスに聞く場合は,次時までに行う。

・本校の中学3年生につ

いて考えさせる。

・勉強時間については,

生徒が作成したテスト

計画表に記述してある

ものを利用し,中間テ

スト前1週間の記録を

利用する。

・調査に先立ち,全生徒

に勉強時間を書いた紙

を配付し記入させ,聞

かれたときにすぐに答

えられるようにする。

・アンケート用紙を配る

ことはせず,直接質問

してそれに答える方法

だけで調査を行うもの

とする。

☆標本調査の仕方につい

て見通しをもち,進め

方が適切であるかを考

えさせる。【視点Ⅰ】

○身の回りにある資

料に関心をもち,標

本調査を活用して

その傾向を調べよ

うとしている。

<関・意・態>

(観察)

□どのようにすれば

調査することがで

きるかを考えさせ,

標本調査のよさに

気付かせる。

○標本調査を活用し

て,母集団の傾向を

推測する手順を理

解している。

<知・理>(観察)

□既習事項を振り返

らせ,手順について

確認させる。

問題 中学3年生の新垣さんは,先生から「1日に学年+1時間は勉強した方がよい」と言われま

した。新垣さんは中学3年生だから,3+1=4時間勉強した方がよいということになります。

しかし,新垣さんは,「みんなそんなに勉強しているのかなぁ?」と疑問を感じました。附属

中学校の中学3年生は,1日に何時間ぐらい勉強しているのでしょうか。

課題 標本調査を活用して,附属中学校の中学3年生が1日に何時間ぐらい勉強しているのか調べ

ましょう。

Page 36: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

【第2時】

4 調査した結果を分析する。

○標本調査を分析する。

・ヒストグラムに表す。

・代表値(平均値,最頻値,中央値)を求める。

○分析した結果を紙にまとめる。

・ヒストグラムから,およそ4時間勉強していると

える。

・平均値は3.8だから,ほぼ4時間勉強している

といえる。

・最頻値は3だから,4時間よりは少ない。

・中央値は3.6だから,4時間以上勉強している

人は全体の半数未満である。

・班ごとにタブレットを

用意し SimpleHist(ま

たは Excel)を利用し

て,ヒストグラムや代

表値が求められるよう

にする。

・発表内容は紙にまとめ

させる。

☆調査の結果が妥当であ

るかを考えさせると同

時に,どのようにまと

め伝えたらよいかを考

えさせる。【視点Ⅰ】

○標本を無作為に抽

出し,整理すること

ができる。

<技能>(観察)

□整理の仕方につい

て確認させ,ヒスト

グラムや代表値な

どでまとめること

ができることを促

す。

【第3時】

5 班ごとに発表し,他の班の結果を聞く。

○各班でまとめた内容を発表する。

6 他の班の発表を考察する。

○発表を聞いて,どんなところがよかったか,改善す

べきところはどこかを考える。

・標本の選び方に偏りがあると思う。

・標本の大きさが小さいので,もっと多くの人に

聞いた方がよかった。

・複数の代表値から判断していて信頼できる。

・ヒストグラムに表していて見やすい。

○自分たちの班の発表を振り返り,改善すべき点を考

える。

・乱数さいを用いることで無作為に抽出した方がよ

かった。

・グラフを用いて説明した方が説得力があった。

7 まとめる。

○ワークシートに記入した内容を発表する。

○自己評価カードを記入する。

・標本の選び方,分析の

仕方は発表に必ず含め

るようにさせる。

・考察はワークシートに

記入させ,授業後に提

出させる。

☆他の班の発表を聞き,

調査の仕方が適切で判

断が妥当であるかを考

察する。同時に,自分

たちの発表が妥当であ

ったかを振り返らせ,

よりよい調査を行うに

はどうしたらよいのか

を考えさせる。

【視点Ⅰ】

○標本調査を活用し

て,身の回りにある

資料の傾向を推測

することができる。

<見・考>(観察)

□発表の仕方を整理

させる活動を通し

て,どのように発表

すればよいかを考

えることで資料の

傾向を読み取るこ

とにつなげる。

◎標本調査を行った

後,その方法を振り

返って考察するこ

とができる。

<見・考>

(観察・ノート)

□標本の選び方や代

表値の選び方,結論

の判断の仕方など,

振り返る視点を与

え,よかった点や改

善点をあげさせる。

課題 班ごとに調査の結果を発表し,どのように判断したか説明しましょう。

課題 各班で行った調査を分析し,どのようなことがいえるかをまとめましょう。

(生徒の発表例)

私たちは,乱数をパソコンで発生させ,標本を 100個選び,

その人に勉強時間を聞きました。画面のグラフはその結果

をヒストグラムにまとめたものです。この結果から,グラ

フの山が3時間~3時間 30分の階級にあることから,附属

中の3年生は1日に約3時間 15 分程度勉強しているとい

うことが分かりました。

Page 37: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5月24日(水) 第1時

第1学年D組 理科学習指導案

授業者 山 本 孔 紀

1 単元名 身の回りの物質(本時「気体の探究」)

2 単元について

(1) 単元観

本単元は,身の回りの物質についての観察,実験を通して,固体や液体,気体の性質,物質

の状態変化について理解するとともに,物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けることを

ねらいとしている。単元の最初には,金属,有機物,プラスチックの性質および気体の性質な

どを扱い,物質の性質に関して知識を身に付けさせていく。

生徒は小学校第3学年で「物と重さ」,「磁石の性質」及び「電気の通り道」,第4学年で「金

属,水,空気と温度」,第5学年で「物の溶け方」,第6学年で「燃焼の仕組み」について学習

している。一方で,中学校化学領域では,領域特有の主な見方として「質的・実体的な視点」が

強調されており,粒子を柱として系統的な物質概念の構築が目指されている。小学校の学習では,

実物に触れながら水溶液で初めて粒子の考え方が導入されており,気体などの目に見えない物質

にも特有の性質があり,実在しているのだという経験をしている。

したがって,本単元では身の回りの物質について実際に触れることを大切にしながら,さま

ざまな実験を行い,物質をその性質に基づいて分類したり,分離したりする能力を育てていく。

その中で,身の回りにはどのような物質が存在するのかといった物質の世界を概観させる姿勢

を養いたい。また,同じ物質でも状態変化によって,質量は変化しないが,粒子の運動が変化

し体積が異なることを理解させ,物質を粒子で見る目を養っていく。これらをねらいとしなが

ら,物質を調べるための実験器具の操作や,実験結果の記録の仕方やレポートの書き方などの

技能を習得させていく。そして,物質の性質及び物質の状態変化の様子についての観察・実験

から,結果を分析して解釈し,物質の性質や溶解,状態変化について適切に理解させたい。

(2) 研究主題「自然を主体的・科学的に探究する能力の育成」との関連

視点Ⅰ「科学的な見方や考え方を進んで活用する探究課題とその評価基準の作成」の具体と

して,主体的・対話的で深い学びを促す探究課題を位置づけた単元計画を導入し,そのパフォ

ーマンスを評価基準表を基に評価することを試みた。本時では,気体の学習の終末部に「炭酸

アンモニウムの熱分解」を位置付けた。この探究活動のねらいは,気体を同定する過程を通し

て,埋め込まれた資質・能力である「探究のために必要な観察・実験の基礎的な技能」と「科

学的な根拠をもとに表現する力」をはかることにある。ここでは,リアルな文脈として検査分

析士として未知の気体の調査にあたるという場面を設定した。生徒らに求めるパフォーマンス

は,気体の調べ方の基礎的な技能が身に付いていること(安全への配慮,器具などの操作,測

定の方法)および気体それぞれの性質を理解していることの二つである。本時では,器具とし

てパスツールピペットを用い,ピペットに極少の試料を入れて加熱実験を行う。パスツールピ

ペットを用いた加熱実験の国内での実践例として,小松,池本(2014)「加熱をともなう化学反

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応のマイクロスケール化」が挙げられる。この実践を参考に,炭酸アンモニウムの加熱実験の

個別化,試料の最小化,複数回の試行の容易さを目指した。

続いて,視点Ⅱ「生徒の学びの自覚を促す単元評価プリントの工夫」として,単元評価プリン

トに学習前後のコンセプトマップ作成を取り入れている。第1学年化学領域のキーコンセプトと

して「この世界の物質は,何からできているか」を掲げた。具体的には,本単元「身の回りの物

質」で登場する4つのテーマ「固体」「気体」「水溶液」「状態変化」のコンセプト群について,

「粒子」「質量」「体積」「密度」「熱」「温度」「運動」「性質」などのキーラベルを適切に関連付

けながら概念理解を深めていく。1つの小単元(などの学習内容のまとまり)を終えるごとに振

り返りを実施し,単元末では得られた概念を構造化し,再構築する活動を行う。教師は,生徒が

作成した学習前後のコンセプトマップを読み取ることによって,生徒の概念形成および知識の定

着,理解の状況をつかみ,適切に評価することで生徒の主体性を高める。また,概念の誤りなど

を振り返りごとに正す機会を設け,単元の学習状況の改善を目指す。これによって,第1学年化

学領域で身に付けさせたい基本的な物質概念や原理・原則の体系的理解をより確かなものとして

いきたい。

以上の視点Ⅰ・Ⅱの実践を通して,研究仮説を具体化し,研究主題にせまっていきたい。

3 目標

(1) 身の回りの物質とその性質を様々な方法で調べ,物質には密度や加熱したときの変化など固有

の性質と共通の性質があることを見いだすとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を

身に付ける。

(2) 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い,気体の種類による特性を見いだすとともに,

気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付ける。

(3) 物質が水に溶ける様子の観察を行い,水溶液の中では溶質が均一に分散していることを見いだ

す。

(4) 水溶液から溶質を取り出す実験を行い,その結果を溶解度と関連付けてとらえる。

(5) 物質の状態変化についての観察,実験を行い,状態変化によって物質の体積は変化するが質量

は変化しないことを見いだす。

(6) 物質の状態が変化するときの温度の測定を行い,物質は融点や沸点を境に状態が変化すること

や沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだす。

4 指導計画と評価規準

(1) 学習前コンセプトマップの作成(1時間)★【視点Ⅱ】

(2) 物質のすがた(13時間)

① 気体の発生と性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6時間(本時6/6時)

評価の観点

時 学習内容 関心 思考 技能 知識 評価規準 評価方法学習活動 意欲 表現 理解

態度

●気体の調べ方 様々な気体がもつ性質に興味をもち,自 行動観察1 検査分析士として,様々な気体がも ○ ら進んで調べようとしている。

つ性質に興味をもち,その調べ方や捕集方法を理解する。

●様々な気体の性質 発生させた気体について,科学的な根拠 考察の記述2 様々な方法で酸素・二酸化炭素・水 ○ をもとに自らの考えを導き,気体を同定 確認

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~ 素・アンモニアの気体を発生させ, している。5 捕集し,その性質を調べる。

二種類以上の方法で酸素・二酸化炭素・ 行動観察〇 水素・アンモニアの気体を発生させ,捕 結果の記述

集して調べ,その性質を適切に記録して 確認いる。

●【探究課題】気体の探究 複数の実験結果から科学的な根拠をもと 行動観察炭酸アンモニウムの粉末を加熱して, ◎ に自らの考えを表現し,その気体を同定二酸化炭素とアンモニアを発生させ している。 レポートのる実験を行い,科学的な根拠を基に 記述分析

6 気体を同定する。 実験器具の安全な扱い方,結果の適切な◎ 整理の仕方について基礎的な技能を身に

付けている。

それぞれの気体の性質について理解し,○ 知識を身に付けている。

◎…指導に生かすとともに記録して総括に残す評価 ○…主に指導に生かす評価

② 身の回りの物質とその性質(7時間)

(2) 水溶液(5時間)

(3) 状態変化(9時間)

(4) 学習後コンセプトマップの作成(2時間)★【視点Ⅱ】

5 本時の学習

(1) ねらい(◎本時の重点評価)

( 思 考 ・ 表 現 )◎気体の性質を調べる実験を行い,複数の実験結果から科学的な根拠を基

に自らの考えを表現し,その気体を同定できる。

( 技 能 )◎実験器具を安全に扱い,結果を適切に整理することができる。

(2) 展開

過程 学習活動・内容 教師の支援(・)と評価,研究の視点(★)

①気体の学習を振り返る。 ・前時のノートを返却し,これまで扱

・気体には様々な種類(酸素,二酸化炭素,水素, った気体の特性を見直させる。

アンモニアなど)があり,それぞれに固有の性質 ・気体の種類,性質,発生方法,調べ

がある。 方,捕集方法の点について振り返ら

・気体の性質を利用することで気体を区別すること せる。

導 ができる。

・同種類の気体にも発生方法がいくつかある。

・気体の性質の調べ方には,におい,火(線香やマ

ッチ)への反応,薬品(石灰水,リトマス紙,B

TB溶液など)による反応がある。

・気体の性質によって,適切な捕集方法が異なる。

・教師が炭酸アンモニウムを加熱し,

②教師の演示実験を見て,何の気体が発生しているか 水上置換で発生した気体を捕集する

入 予想する。 演示を行う。

★科学的な見方や考え方を進んで活用

③本時の課題を知り,ノートに記入する。 する探究課題の設定【視点Ⅰ】

・演示実験から得られた情報から,検

査分析士として,気体を同定する見

通しをもたせる。

④発生した気体を同定する実験方法を書く。 ・個人で考え,ノートに記入させる。

<予想される生徒の反応>

◎気体に関する予想 ・アンモニアが発生していることには

・水上置換できていたから,酸素,二酸化炭素,水 生徒は気付きにくい。ここでの計画

素のどれかではないか。 にアンモニアを調べることが入って

発生している気体の正体は何だろうか。

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◎方法案 いなくてよい。

・BTB溶液→二酸化炭素 ・薬品を取り分ける段階で,アンモニ

・石灰水→二酸化炭素 アのにおいがすることに気付かせら

・線香の火→激しく燃えれば酸素 れるとよい。

→音を立てて燃えれば水素 ・・・など

⑤気体の発生方法を知り,器具を準備する。

⑥ペアで実験を行ない,実験結果をノートに記入する。

<予想される生徒の反応>

・アンモニアのにおいがする。

・BTB溶液の色が黄色や青色になった。

・石灰水が白くにごった。

・線香の火は試験管の中では燃えなかった。

・リトマス紙は赤色が青色になった。青色は変わら ★科学的な見方や考え方を進んで活用

なかった。 する探究課題の設定【視点Ⅰ】

・これまでに学習した気体の性質に当

⑦実験器具を片付け,考察をノートに記入する。 てはまらないことから,2種類以上

開 の気体が発生していることに気付か

⑧考察をペアで発表し合い,共有する。 せる。

・数名を指名し,考察を発表させる。

⑨考察を全体に発表する。

<予想される生徒の反応>

・以上の結果より,発生した気体は二酸化炭素とア

ンモニアの2種類であると考える。なぜならば,

においをかいだ結果,鼻を刺すような刺激臭があ

ったからです。石灰水がにごったからです。

・・・など

⇒複数の実験結果を科学的な根拠として用いる。

ま ⑩実際に発生した気体の名称について聞く。 ・発生した気体は,二酸化炭素とアン

と モニアの2種類であったことを伝え

め ⑪本時のまとめを書き,自己評価を行う。 る。

評価〈思考・表現〉◎気体の性質を調べる実験を行い,複数の実験結果から科学的な根拠を基に自らの考えを表現し,その気体を同定している。

【考察の記述分析】

手順例

① パスツールピペットにミクロスパーテル2杯

の炭酸アンモニウムを入れ,ピペットの端にシ

ールを付け,蓋をした。

② ピペットの先端にシリコンチューブをつけ,

BTB 溶液などの入った試験管にチューブの先端に入れた。

③ 試料の部分をチャッカマンで穏やかに加熱し,

反応を観察した。

評価〈技能〉◎実験器具を安全に扱い,結果を適切に整理している。【行動観察・結果の記述分析】

準 備※2人1組の実験で行う。□試験管(内径1 cm×長さ 12cm)・・・6本 □チャッカマン□シリコンチューブ(内径2 mm)15cm・・・6本 □ミクロスパーテル□フレキシブルアーム(2種類)・・・各1本 □その他□プラスチック容器(800mL容量)・・・1つ ・指示薬等の薬品類

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5月 24日(水) 第2時

第2学年 C 組 理科学習指導案

授業者 伊 藤 悠 昭

1 単元名 電流とその利用(本時「ドライヤーの内部を観察して追究課題を作ろう」)

2 単元について

(1) 単元観

本単元は,電流回路についての観察,実験を通して,電流と電圧の関係及び電流の働きについ

て理解させるとともに,日常生活や社会と関連付けて電流と磁界についての初歩的な見方や考え

方を養うことをねらいとしている。

生徒は,小学校第3学年で電気を流すつなぎ方,電気を通す物,磁石に引きつけられる物,異

極と同極について,第4学年で乾電池の数とつなぎ方,光電池の働きについて,第5学年で鉄心

の磁化,電磁石の強さについて,第6学年で電気の変換,電気による発熱,発電・蓄電について

の初歩的な学習を行ってきている。多種多様な家電機器は,生徒の日常生活や社会に必要不可欠

なものであるが,その仕組みや動作原理を理解している生徒は少ない。また,電気の学習は生徒

が苦手意識をもちやすい単元であり,本校の生徒も例外ではない。

したがって,本単元では電流の性質が家電機器や電子機器の原理に応用されていることを理解

させながら,電流や磁界に関する観察,実験を行い,電流に関して量的な関係を見いださせたり,

電気とエネルギーの関係を捉えさせたり,磁界に関して空間的に把握させたりして,電流や磁界

についての初歩的な見方や考え方を養っていく。その中で,電流計・電圧計などの実験器具の操

作方法や測定結果の整理の仕方,レポートの書き方などの基本的な技能を身に付けさせていく。

そして,実験で得られた結果から変数間の関係性や規則性を見いだす力を育てていく。

(2) 研究主題「自然を主体的・科学的に探究する能力の育成」との関連

視点Ⅰ「科学的な見方や考え方を進んで活用する探究課題とその評価基準の作成」として,小

単元を貫く問いを「ドライヤーは電流のどのような性質を利用しているか」と設定し,小単元を

構成した。ドライヤーは生徒にとって身近な家電機器の一つであり,各部品の動作原理は本単元

の学習内容に関するものばかりである。したがって,小単元の学習にドライヤーの動作原理を解

き明かしていくというストーリー性をもたせることで,学習内容と日常生活との関連や科学の有

用性についての気付きを促し,学びに向かう力を高めることができると考える。そして,本時は

小単元の始めとして,ドライヤーを分解して内部を観察し,個人の追究課題を設定する学習活動

である。この活動のねらいは「知識や情報に基づいて課題を設定する力」をはかることである。

生徒に求めるパフォーマンスは,既有の知識やドライヤーの内部を観察した結果を基に,ドライ

ヤーの動作原理に応用されている電流の性質に迫るための課題を設定することである。なお,こ

の追究課題は本小単元の学習で明らかにしていくものであるが,学習を進めていく中で新たな疑

問が追加されたり,課題そのものが変化したりすることも考えられる。それらは「次の課題を発

見する力」が身に付いた事実として,視点Ⅱの形成的評価の中で見取っていく。

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視点Ⅱ「生徒の学びの自覚を促す単元評価プリントの工夫」として,前述の小単元を貫く問い

をキーコンセプトとしたコンセプトマップの作成を取り入れる。学習内容のまとまり(=コンセ

プト群)ごとに振り返りを実施し,小単元末に得られた概念を構造化し,再構築する。これによ

り,電流や磁界の基本的な概念や原理・原則の体系的な理解をより確かなものにしていきたい。

3 目標

(1) 回路をつくり,回路の電流や電圧を測定する実験を行い,回路の各点を流れる電流や各部に

加わる電圧についての規則性を見いだす。

(2) 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い,電圧と電流の関係を見いだすとともに金

属線には電気抵抗があることを見いだす。

(3) 電流によって熱や光などを発生させる実験を行い,電流から熱や光などが取り出せること及

び電力の違いによって発生する熱や光などの量に違いがあることを見いだす。

(4) 異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が

働くこと及び静電気と電流は関係があることを見いだす。

(5) 磁石や電流による磁界の観察を行い,磁界を磁力線で表すことを理解するとともに,コイル

の周りに磁界ができることを知る。

(6) 磁石とコイルを用いた実験を行い,磁界中のコイルに電流を流れる力が働くことを見いだす。

(7) 磁石とコイルを用いた実験を行い,コイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを

見いだすとともに,直流と交流の違いを理解する。

4 指導計画と評価規準

(3) 電流とその利用(35時間)

① 電流・電圧と抵抗・・・11時間

② 電流の性質とその利用・・・19時間(本時1/19時)

時 学習内容

学習活動

評価の観点

具体の評価規準 評価方法 関心

意欲

態度

思考

表現 技能

知識

理解

本時

●ドライヤーの内部の観察

ドライヤーの内部を観察し,ドラ

イヤーの部品の働きと電流の性

質の関係について追究する課題

を設定する。

既有の知識や観察の結果を基に,ドライヤ

ーの部品の働きについて個人の追究課題を

設定し,表現している。

ワークシート

の記述分析

●コンセプトマップ作成★【視点Ⅱ】

「ドライヤーは電流のどのような性質

を利用しているか」という問いをキー

コンセプトとしたコンセプトマップ

を作成する。

コンセプトマップの作成に意欲的に取

り組んでいる。

行動観察

●電力

電力が示す量について,身近な電

気器具の働きと関連付けて考え

る。

電力の単位や電力と電気器具の働き,消費

電力の表示について理解し,知識を身に付

けている。

ペーパーテス

●電熱線の働き

電熱線に電流を流し,水の上昇温

度を測定して,電力と発熱量の関

係,電流を流す時間と発熱量の関

係を調べる。

実験結果から,電力値の違いと発熱量の関

係,通電時間と発熱量の関係について自ら

の考えを導き,表現している。

ノートの記述

分析

器具を正しく用いて実験を行い,電流・電

圧・時間・上昇温度について調べ,結果を

適切にまとめている。

ノートの記録

確認

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●モーターの働き①

磁力の働きと磁界を結び付けて

考え,磁力・磁界・磁力線の関わ

りを理解する。

電流と磁界の関係を調べる実験に意欲

的に取り組んでいる。

行動観察

●モーターの働き②

電流が流れているコイルや導線

の周りにできる磁界を観察し,そ

のでき方を確認する。

適切な方法で実験を行い,コイルの周りの

磁界を調べ,結果をまとめている。

ノートの記録

確認

10

●モーターの働き③

磁界の中に置いた導線に電流を

流した時の様子を観察し,磁界の

中の電流が受ける力の規則性に

ついて考える。

磁界の中に置いた導線に電流を流す実

験を行い,磁界の中の電流が受ける力

の規則性について自らの考えを導き,

表現している。

ノートの記述

分析

11

●モーターの働き④

簡易モーターを製作し,モーター

の仕組を理解する。

磁界の中の電流が受ける力の規則性を

もとに,モーターが回転する理由を考

え,表現している。

ノートの記述

分析

12

13

●電磁誘導と発電

電磁誘導について理解し,電磁誘

導を利用したものの仕組みを理

解する。

電磁誘導が生じる条件や,誘導電流の向き

や大きさを変える条件を,コイル内部の磁

界の変化と関連付けて理解し,知識を身に

付けている。

ペーパーテス

14

15

●コンセントを流れる電流

発光ダイオードを直流と交流そ

れぞれの電源につなぎ,その違い

を観察することを通して直流と

交流の違いついて理解する。

交流と直流の違いやそれらの特長が日

常や社会でどのように利用されている

かということについて理解し,知識を

身に付けている。

ペーパーテス

16

17

●個人研究

電熱線,モーター以外の電子部品

の働きなど,3~15時の学習内容

で明らかにできなかったことを

調べる。

電熱線,モーター以外の電子部品を働

きなど,個人で明らかにしたことにつ

いての調査・実験に意欲的に取り組ん

でいる。

ノートの記録

確認

18

19

●コンセプトマップ作成★【視点Ⅱ】

「ドライヤーは電流のどのような

性質を利用しているか」という問

いをキーコンセプトとしたコン

セプトマップを作成する。

ドライヤーの各部の働きを既習事項と関係

づけて捉え,ドライヤーの仕組について自

らの考えを導き,表現している。

ワークシート

の記述分析

電流と電圧,電流の働き,静電気,電

流と磁界の規則性などを説明し,それ

らの関係性をキーラベルのつながりと

して表現している。

コンセプトマ

ップの記述分

◎…指導に生かすとともに記録して総括に残す評価 ○…主に指導に生かす評価

③ 静電気と電流(5時間)

5 本時の学習

(1) ねらい(◎本時の重点評価)

(思 考 ・ 表 現 )◎ 既有の知識や観察の結果を基に,ドライヤーの部品の働きについて個

人の追究課題を設定し,表現することができる。

(2) 展開

過程 学習内容・活動 教師の支援(・)と評価,研究の視点(★)

①日常生活に役立っている家電製品の機能を考える。

②小単元を貫く問いを知る。

③本時の学習活動と課題を知る。

・電気を利用することで得られる機能が

日常生活の様々な場面で役立っている

ことを想起させる。

★科学的な見方・考え方を働かせ

る探究課題の設定【視点Ⅰ】

・ドライヤーの機能が内部の部品

の働きによって成り立ち,部品

ドライヤーは電流のどのような性質を利用しているか。

身近な家電機器は電流のどのような性質を利用してい

るか。

ドライヤーの内部を観察して追究課題を作ろう。

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の働きは電流の性質を利用した

ものであることを印象付ける。

④学習班で,ドライヤーを分解して内部を観察し,

「気付いたこと・疑問に思ったこと」をワークシ

ートに記録する。

⑤学習班の中で「気付いたこと・疑問に思ったこ

と」を話し合う。

⑥観察を基に,特に明らかにしたいことを「個人の

追究課題」として一つ設定し,ワークシートに記

録する。「課題設定の理由」も併せて記録する。

<予想されるワークシートの記入例>

【気づいたこと】

送風ファンにはモーターがついていた。 【課題】

なぜモーターは電流が流れている間に回転し

続けるのだろうか。 【課題設定の理由】

モーターは電流が流れないと止まったままだ

が,電流が流れている間は止まらずに回転する

のは,なぜか気になったから。

⑦学習班の中で「個人の追究課題」を発表し合い,

班員から課題についての疑問や意見をもらう。

⑧⑦を受けて「個人の追究課題」を改善・修正し,

ワークシートに記録する。

・今回は学習活動のために分解を行うこ

とを伝え,むやみに家電製品を分解し

てはいけないことをおさえる。

・ドライバーや部品の扱いなど,安全面

の注意事項を伝える。

・生徒の手で分解しやすいよう,あらか

じめ一部を溶断しておく。

・机間指導を行い,作業が進んでいない

班に対して分解作業を補助する。

・適宜声掛けを行い,気付きや疑問をな

るべく多く記録させる。

・写真Cの状態になるまで分解させる。

・気付きや疑問を班員どうしで情報交換

させ,新たな考えや自分に無い視点を

知らせるきっかけとする。

★科学的な見方・考え方を働かせる探究

課題の設定【視点Ⅰ】

・課題を作る上で,観察の結果を基に考

えること,小単元を貫く問いを解決す

ることを目指すものであることを意識

させ,課題の達成目標を明確にする。

・つまずいている生徒に対しては,実態

に応じたヒントカードA・Bを示し,

課題設定に必要な知識や情報を追加提

供する。

A:動作中のドライヤーの写真

B:既習事項のまとめ

・課題についての疑問や意見を付箋に書

かせて情報交換させ,新たな考えや自

分に無い視点を知らせるきっかけとす

る。

評価 <思考・表現>

◎既有の知識や観察の結果を基

に,ドライヤーの部品の働きに

ついて個人の追究課題を設定

し,表現している。【ワークシ

ートの記述分析】

⑨「個人の追究課題」を付箋に書き,類似性のある

内容ごとにグループ化する。

⑩今後の学習の見通しを知る。

・本時で設定した追究課題をもとに学習

を進めていくことを伝え,次時以降の

学習への意欲を高めさせる。

A B

C D

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5月24日(水) 第1時

第3学年B組 理科学習指導案

授業者 島 田 直 也

1 単元名 自然と人間(本時「ミニNW製作計画のプレゼン」)

2 単元について

(1) 単元観

本単元は,自然環境を調べ,自然界における生物相互の関係や自然界のつり合いについて理解

させるとともに,自然と人間のかかわり方について認識を深め,自然環境の保全と科学技術の利

用の在り方について科学的に考察し判断する態度を養うことをねらいとしている。

生徒は,小学校第6学年で,生物は水及び空気を通して周囲の環境とかかわって生きているこ

と,生物の間には食う食われるという関係があることについて,中学校第1学年で植物は光合成

や呼吸などを行っていることについて,火山や地震に関することについて,第2学年で動物には

肉食性のものや草食性のものなどをあることについて,日本の気象に関することについて,学ん

できている。また一部の生徒は,第2学年の総合的な学習の時間において,志賀高原における林

間学校と連携した探究学習の中で,外来種の問題や,動植物の保全と人間との共生について,発

電や環境について,調査・学習した。

したがって本単元では,身近な自然環境や生徒の経験,既習内容を生かしながら,微生物のは

たらきや自然界のつり合い,身近な自然環境を調べることにより,生物どうしの空間的なつなが

りを物質の循環という視点で捉えさせ,人間の生存の場としての地球環境について多面的,総合

的に考察させたい。また,自然環境と人間とのかかわり方や,自然環境の保全の重要性について

の学習では,地域の自然環境調査の結果や環境問題の資料などから,自分の考えを記述し発表す

る機会を多く取り入れたり,小グループでの話し合い活動を通じて自分の考えを深め,表現する

場を設定していきたい。

(2) 研究主題「自然を主体的・科学的に探究する能力の育成」との関連

視点Ⅰ「科学的な見方や考え方を進んで活用する探究課題とその評価基準の作成」として,小

単元「自然界のつり合い」を通しての探究課題にエコカラムの製作を位置付けた。エコカラムは

アメリカのウィスコンシン大学の Bottle Biology Project(1993)によって開発された,ペットボト

ル等を用いて生態系のしくみを理解させるための学習教材である。1.5 ~ 2L のペットボトルを

数個組み合わせ,下から水中の生物を飼育するカラム,土中の生物を飼育するカラム,陸上の生

物を飼育するカラムの三層のカラムで構成されている。日本においては,上越教育大の小林辰至

らによって中学校理科教材としての有用性について検討,実践され,有効な教材として報告され

ている(小林・板倉・小須田,2003,2004)。エコカラムの教材として優れている点として,自分

の物と他人の物との比較がしやすいこと,一般的な飼育観察では個体が死んだ段階で観察が終わ

りになってしまうが,エコカラムではその後の変化の様子も重要な観察対象となることが挙げら

れている。また,保坂によってペットボトルを2段組み合わせ,下段を水中界,上段を土中界及

び陸上界とし,ペットボトルの継ぎ足し部をビニルテープで完全に密閉し,空気と水分はペット

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ボトル内で循環させることとした実践が報告されている(2006)。本実践では保坂の報告にあるエ

コカラムを基本形とし,水中界・土中界・陸上界が存在すること,閉鎖系であることを最低条件

として取り組んでいく。製作するエコカラムの名称を「ミニ自然界・ミニネイチャーワールド(以

下 ミニNW)」と呼び,ミニNWに必要なもの・しくみは何かを考え,計画立案,他者との関

わりの中で修正,製作,観察,考察を行う。『ミニNWに必要なもの・しくみは何か?』の問い

の中に,学習内容が盛り込まれ,ミニNWについて考え,結果から考察していく過程で単元の本

質に迫っていきたい。また,折りに触れて生命に対する態度や実践の意義について考えさせ,生

物やそれをとりまく環境の精妙さを感じさせ,生命を尊重する態度を培っていきたい。これらの

活動に埋め込まれた資質・能力には,「科学的な根拠をもとに表現する力」,「問題解決の過程に

おける妥当性を検討するなど多面的・総合的に振り返る力」,「科学的根拠に基づき,多面的・

総合的に考える態度」が考えられる。

視点Ⅱ「生徒の学びの自覚を促す単元評価プリントの工夫」として,小単元を貫く問いである

『ミニNWに必要なもの,しくみは何か?』について第1時にその設計図を描く活動とあわせて,

関連する概念を抜き出し結び付けていく活動として,学習前のコンセプトマップの作成を行う。

一連の学習を終えた小単元末においても,得られた概念を構造化,再構築する活動として,学習

後のコンセプトマップの作成を行う。これらの活動を通して生物どうしの関わりや生物と環境と

の関わりを総合的に理解させるとともに,自らの学びを実感させ,生態系を保全していくために

自分たちには何ができるのかを考える一助としたい。

3 目標

(1) 微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養の面から相互に関連付けてとらえるととも

に,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだす。

(2) 身近な自然環境について調べ,様々な要因が自然界のつり合いに影響していることを理解する

とともに,自然環境を保全することの重要性を認識する。

(3) 自然がもたらす恵みと災害などについて調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人

間とのかかわり方について考察する。

(4) 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し,持続可能な社会をつくる

ことが重要であることを認識する。

4 指導計画と評価規準

(1) 生物と環境(14時間)

①自然界のつり合い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10時間(本時 7/ 10時間)

評価の観点

時 学習内容 関心 思考 技能 知識 具体の評価規準 評価方法学習活動 意欲 表現 理解

態度

1 ●ミニNWに必要なものは?★【視点Ⅱ】 ミニNWに関心をもち,設計 行動観察

ミニNWに必要なもの,しくみ ○ 図,コンセプトマップの作成 ワークシートの

は何か考え,設計図とコンセプト に意欲的に取り組んでいる。 記述分析

マップの作成をする。

2 ●食物連鎖 生態系の概念と,食物連鎖に 行動観察

生態系の概念と,食物連鎖を中 ○ ついて理解し,知識を身に付

心に据えた生物どうしのかかわり けている。

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について知る。

3 ●土の中の生物 土の中の生物を効率よく採取 ノートの記述

生態系における生産者,消費者, ◎ し,その結果をわかりやすく

分解者の役割について知り,土の まとめ,記録している。

中の生物について,ハンドソーテ

ィング,ツルグレン装置による採

取,観察を行う。

4 ●土の中の微生物のはたらき 土の中の微生物のはたらきに ノートの記述

有機物であるデンプンが微生物 ◎ ついて,ヨウ素デンプン反応

のはたらきによって分解されるこ から見いだし,自らの考えを

とを確かめる実験を行う。 表現している。

5 ●生態系における物質の循環 生態系は,生物とそれをとり 行動観察

生態系では炭素,酸素,窒素な ○ まく環境を一つのまとまりと

どの物質が,生物の体とまわりの して捉えたものであることを

環境との間を循環していることを 理解し,知識を身に付けてい

知る。 る。

6 ●ミニNWについて調査・計画 書籍やインターネットからの 行動観察

ミニNWを作る際のポイントを ○ 情報と既習の知識をもとに,

書籍やインターネットを用いて調 ミニNWの製作計画を考え,

べ,その調査結果とこれまでの学 表現している。

習をもとに製作計画を立てる。

7 ●ミニNW製作計画のプレゼン ミニNW製作計画について, ワークシートの

ミニNW製作計画を根拠を挙げ ◎ 根拠を挙げて説明し,他者の 記述分析

ながら説明し,他者の意見も踏ま 意見も参考にしながら,計画

えて,自分の考えを深め,必要に を再構成している。

応じて修正を行う。

8 ●ミニNWの製作 製作計画に基付き,器具を正 行動観察

製作計画をもとに,実際にミニ ○ しく用いて,ミニNWを製作

NWを製作する。 している。

ミニNWの継続観察(他の単元の学習を進めながら,休み時間等を利用して観察を続ける。)

・様々な個体の様子やミニNW内部の状態について,その変化を記録する。 約1ヶ月

・仮に個体が死んでも観察は終わりにせず,その後の変化も観察対象とする。

9 ●まとめ ★【視点Ⅱ】 ミニNWの継続観察結果を踏 ワークシートの

・ 製作したミニNWの継続観察の ◎ まえて,生態系について自ら 記述分析

10 結果を踏まえて,ミニNWについ の考えを導き,表現している。

て考察し,生態系についてコンセ 生態系を構成する生物どうし ワークシートの

プトマップにまとめる。 ○ の関わりや,生物と環境との 記述分析

関わりを総合的に理解し,知

識を身に付けている。

◎…指導に生かすとともに記録して総括に残す評価 ○…主に指導に生かす評価

②自然環境の調査と環境保全(4時間)

(2) 自然の恵みと災害(4時間)

(3) 自然環境の保全と科学技術の利用(4時間)

5 本時の学習

(1) ねらい(◎本時の重点評価)

(思 考 ・ 表 現) ◎ミニNW製作計画について,根拠を挙げて説明し,他者の意見も参考

にしながら,計画を再構成できる。

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評価<思考・表現>・ミニNW製作計画について,根拠を挙げて説明し,他者の意見も参考にしながら,計画を再構成している。【ワークシートの記述分析】

(2) 展開

過程 学習活動・内容 教師の支援(・)と評価,研究の視点(★)

①本時の課題を確認する。 ★科学的な見方や考え方を進んで活

用する探究課題【視点Ⅰ】

②発表の形式について確認する。

導 ・第1理科実験室と理科教室の指定された

場所に,ポスター(模造紙を半分の大き

さに切った用紙に,ミニNWの設計図を

記したもの)を掲示する。

・班を3つに分け(基本的には3人班),1

人は自分の班のポスター前に待機し,見

学者に設計図・製作計画の内容説明及び

入 見学者からの質問,討議の対応を行い,

残りの2人が他の班のポスターを見学し,

質問,討議を行う。

・1回の発表時間を 10分とし,全員が発表及び見学を行うことができるよう,Ⅰ部・Ⅱ部・Ⅲ部の3回発表時間を設定する。

・見学者は付箋紙を持ち,意見や質問などを付箋紙に書いて,各ブースに添付したり,

自身の記録・メモとして利用したりする。

③各掲示場所に移動し,発表第Ⅰ部を行う。

《発表・説明をする側が意識すること》

●陸上界,土中界,水中界をどのように構成するか?

●それぞれの層に,何をどれだけ入れるのか?何のために入れるのか?

展 ↓その根拠は何か?

・○○の観察・実験から□□の結果が得られた。

・書籍やインターネットで◇◇について調べたところ,△△というデータが得られた。

《見学する側が意識すること(見る・聞く際の視点)》

●自分の班の設計図と異なっている点は何か?

●食物連鎖,物質の循環が考慮された計画となっているか?

●自分の班の計画にうまく組み入れられる利点はあるか?

●聞いている班の計画を,さらによいもの(より長期間安定したミニNW)にするに

はどのようにしたらよいか?

・一方的な発表,受け身だけの視聴,

開 ④発表者を変えて,発表第Ⅱ部・第Ⅲ部を行う。 記録ではなく,議論の中で考え,

深めていくことに重点をおいた活

⑤自分の班に戻り,他者からもらった意見や,他の 動であることを意識させる。

班の計画を聞いて感じたことをもとに,再度自分 ・気になったことや自身の考えを深

の班の計画を振り返り,付け加えたり変更したり めることにつながりそうなことは,

する点がないか考える。 メモをとるようにさせる。

ま ⑥プレゼンを終えての感想や,自分の班の計画の変

更点について発表する。

⑦次回のミニNW製作に必要な物品について確認し,

め 班内で役割分担する。

ミニNW製作計画のプレゼンをしよう

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5月24日(水) 第2時

第1学年A組 音楽科学習指導案

授業者 佐 藤 太 一

1 題材名 表現したいイメージをもち創作しよう (小学校との連携を踏まえた創作アの導入)

2 題材について

(1) 生徒の実態から

生徒は,中学校生活全てが新鮮であり,何事に対しても興味をもって積極的に取り組んでいる。

音楽の授業においても,本校の校歌を覚え熱心に歌い,音楽表現を通して自分自身の思いや意図

を全力で表現しようと努力している姿が見られる。4月に行われたオリエンテーション合宿では,

クラスの中での団結が深まり,クラス全体で音楽活動を楽しんで行い,団結感や一体感を感じて

いる生徒も多い。

本校の第1学年の生徒を対象に質問紙調査を実施した。「音楽の授業が好きか。」という質問

に対しては,生徒の78%が「音楽の授業が好き(どちらかというと好き)。」と答えた。逆に22

%の生徒は「音楽の授業が嫌い(どちらかというと嫌い)」と答えた。好きな理由としては,「歌

を歌うことや,楽器を演奏することがおもしろい。」という「歌唱・器楽」の活動に対する興味

・関心を挙げる生徒が多かった。逆に音楽が嫌いな生徒の理由としては,「音楽づくりが難しい。」

「鑑賞がわからない。」「楽譜が読めない。」というような意見が見られた。

創作分野についての質問紙調査では,「楽譜が読めるか。」という質問に対しては,生徒の34

%の生徒が「読める(時間がかかるが読める)。」と答えた。逆に66%の生徒が「読めない。」と

答えたが,そのうちの85%の生徒が「読めるようになりたい。」と答えた。また,「楽譜が書け

るか。」という質問に対しては,全体の20%の生徒が「かける(時間がかかるが書ける)。」と答

えたが,「あまり書く機会がないのでよく分からない。」と答えた生徒も多くいた。

本題材では,このような質問紙調査の結果を踏まえ,「楽譜の読み方・書き方」や「自己のイ

メージと音楽を形づくっている要素をかかわらせながら旋律をつくる」ことを通して,思考力・

判断力・表現力の育成につなげていけるように展開していきたい。また,生徒がやる気に満ちあ

ふれているこの時期に創作の効果的な導入の題材を設定することにより,生徒の学習に対する意

欲の向上と内容の深まりが期待できる。創作分野の系統性を考えて言えば,中学校3年間の創作

の導入として,生徒一人一人が楽しく,表現したい音楽を工夫してつくることを通して達成感を

味わわせたい。そして,生徒たちに創作に対しての苦手感や不安感を感じさせないようにさせた

い。

なお,本題材では,学習指導要領の「A表現」(3) 創作の事項アを指導するものとする。加え

て,〔共通事項〕のうち,リズム,速度,旋律,テクスチュア,形式,構成,拍,音階を扱う。

(2) 本校の研究から ~主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方~

○本題材で生徒に身に付けさせたい資質・能力

・音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,テクスチュア,形式,構成を知覚・感受し,試行

錯誤しながら音楽表現を工夫する力

・音階とコード進行との関連によって生み出される旋律の曲想を感じ取り,音や音楽に対する自

己のイメージを膨らませて,どのように音楽表現で表すかについて思いや意図を見いだす力

・自分や他者の音楽表現について,音楽を形づくっている要素の働きなどを知覚・感受し評価す

る力

・思考・判断していることについて言葉など(発言,記述などの言語活動を中心としながらも,

必要に応じて音,楽譜,身体なども含めて)で表す力

創作活動は,生徒の創造性と音楽に対する感性を育成するためにも,また,音による感情表現

である音楽の本質を理解させるためにも,もっとも有効な手立ての一つであると考える。旋律を

つくる過程において工夫したことに気付かせたり,自らが創意工夫してつくり上げた作品に愛着

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をもたせたりするなどして,創作活動の成就感や達成感を味わわせることが,更なる創作の意欲

へと発展していくと考える。このような視点から,旋律をつくる活動を通して音楽科で身に付け

させたい力の育成を図り,主体的な学びを実現することにつなげていきたい。

3 題材の目標

(1) 音階とコード進行との関わりに関心をもち,音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学習に主

体的に取り組む。

(2) 音楽を形づくっているリズム,旋律,テクスチュアを知覚し,それらの働きが生み出す特質や

雰囲気を感受しながら,音階とコード進行との関わりの特徴を感じ取って音楽表現を工夫し,ど

のように旋律をつくるかについて思いや意図をもつ。

(3) 音階とコード進行との関わりを生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けて簡単な

旋律をつくる。

4 教材について

<本題材における旋律創作に係る課題や条件について>

本題材では,32鍵盤のキーボードを用いて,C→F→C→G→C→F→C・G→Cのコード進

行に合わせて8小節の旋律(一部形式)をつくる。また,反復・変化などの形式・構成に関する

音楽的な特徴や順次進行・跳躍進行などの音のつながり方に関する音楽的な特徴から生み出され

る特質や雰囲気を感じ取り,表現したいイメージと関わらせながら旋律をつくる。なお,作品を

記録する方法として,五線譜に記譜をしながら旋律をつくる。

(1) C→G→C(Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ)のコード進行による音楽

本校では,音楽の授業の開始時と終了時に,生徒が順番でピアノを担当し,「起立・礼・着席」

の挨拶をすることにしている。生徒の生活の中での身近にある音楽との関連を重視するためにも,

創作アの導入の段階でこのC→G→Cのコード進行に合わせて旋律をつくるところから始める。

なお,小学校段階でⅠ・Ⅳ・Ⅴの和音については学習しているので,小学校との連携という点に

おいても,中学校の最初で扱うことは意味のある学習となる。

(2) 主人は冷たい土の中に(静かにねむれ)

前半のC→F→C→G→C→F→C・G→Cのコード進行に合わせて,8小節の旋律をつくる

ために提示する。なお,小学校5年生では「静かにねむれ」という曲名で学習しており,小学校

との連携という点においても,この曲を中学校での学習で扱うことは意味のあることである。

5 学習指導要領の指導事項と〔共通事項〕ア・イの関連及び具体的な学習活動

指導事項 創作ア 言葉や音階などのイメージを感じ取り,表現を工夫して簡単な旋律をつ

くること。

〔共通事項〕ア リズム・速度・旋律・テクスチュア・形式・構成

イ 拍・音階

具体的な学習活動 ○拍,拍子を理解し,自己のイメージをもち試行錯誤しながらリズム,速度を工

夫して,旋律をつくる。

○コード進行を基に自己のイメージをもち,音のつながり方を試行錯誤しながら

工夫して旋律をつくる(テクスチュアに係る活動)。

○反復・変化などの形式・構成に関する音楽的な特徴を感じ取り,自己のイメー

ジをもち,工夫して旋律をつくる。

6 評価規準

音楽への関心・ 音楽表現の創意工夫 音楽表現の技能

意欲・態度

題 ○音階とコード進行と ○音楽を形づくっているリズム,速度, ○音階とコード進行との

材 の関わりに関心をも 旋律,テクスチュア,形式,構成を知 関わりを生かした音楽

の ち,音楽表現を工夫 覚し,それらの働きが生み出す特質や 表現をするために必要

評 して簡単な旋律をつ 雰囲気を感受しながら,音階とコード な技能を身に付けて簡

価 くる学習に主体的に 進行との関わりの特徴を感じ取って音 単な旋律をつくってい

規 取り組んでいる。 楽表現を工夫し,どのように旋律をつ る。

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準 くるかについて思いや意図をもってい

る。

1時 ○ ○

2時 ○

3時 ○ ○

4時 ○ ○

7 指導と評価の計画(全4時間)

時 ◆ねらい ○学習内容 ・学習活動 ○指導上の留意点 ☆具体の評価規準

1 ◆音階とコード進行との関わりに関心をもち,音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学習に

主体的に取り組み,技能を身に付ける。

○中学校での創作の学習について知る。

・前題材の創作イに係る題材との関連を踏ま ○前題材の創作イとの違いや,なぜ人は音楽を

えて,確認する。 つくるのかといったような創作の意義につい

て考えさせる。

○音符・休符・拍・拍子等について復習する。

・音符・休符について復習する。 ○小学校で学習したことを復習し,旋律をつく

全音(休)符,二分音(休)符,四分音(休)符, るための簡単な記譜の仕方等を確認する。

八分音(休)符,十六分音(休)等の音の長さ ○音の長さ(音価)が異なると,どのような感

(音価)と記譜の仕方を学習する。 じになるかを確認させ,リズム創作につなげ

させる。

・拍や拍子について復習する。 ○歌唱教材や合唱曲を使って,楽譜を見ながら

4分の2拍子,4分の3拍子,4分の4拍 確認をして,拍子に関しての復習をする。音

子についての確認をする。 楽に合わせて実際に指揮をしたりしながら,

実感を伴って理解できるようにする。

○拍子に合わせて,リズム創作をする。

・様々な音を組み合わせて,リズム創作をす ○3拍子や4拍子の一小節のリズムをつくり,

る。 【視点1:形成的評価の工夫】 学級全体でリズム打ちをしたり,リズム打ち

のリレーをしたりして,様々なリズムに慣れ

ることができるようにする。

○C→G→C(Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ)のコード進行を

確認し,コード進行に合わせてコードの構

成音のみを使用して旋律をつくる。

・授業の開始時と終了時の「起立・礼・着席」 ○授業の開始時と終了時のピアノの弾き方につ

のピアノの合図のC→G→Cをキーボード いて,キーボードを使って確認させる。

で演奏する。

・C→G→Cのコード進行に合わせて,それ ○それぞれのコードの構成音に含まれている音

ぞれのコードに合う音を考え,左手でコー を使えばよいことに気付くことができるよう

ドを弾きながら旋律をつくる。 にする。

○キーボードで音を確認しながら,コードの構

成音だけでつくれるようにする。

☆音階とコード進行との関わりに関心をもち,

音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学習

に主体的に取り組んでいる。

(関:活動観察・ワークシート)

・試行錯誤しながらリズムを自由に考え,五 ○リズムをどのようにしたらよいか分からない

線譜に書きながら旋律をつくる。 生徒には,リズム創作でつくったリズムなど

【視点1:形成的評価の工夫】 も参考にさせる。

☆音階とコード進行との関わりを生かした音楽

表現をするために必要な技能を身に付けて簡

単な旋律をつくっている。

(技:活動観察・ワークシート)

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2 ◆音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,テクスチュア,形式,構成を知覚し,それらの

働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,音階とコード進行との関わりの特徴を感じ取

って音楽表現を工夫し,どのように旋律をつくるかについて思いや意図をもつ。

○順次進行・跳躍進行の音楽的な特徴を理解

する。

・コードの構成音以外の音を使うには,どの ○前時でつくった,C→G→Cのコードの構成

ようにすればよいかを考える。 音のみの旋律で試しながら確認させる。

○コードの構成音と構成音に挟まれている場合

や,次の音がコード構成音につながっている

場合に使えることに気付かせる。

・順次進行と跳躍進行について,それぞれの ○順次進行(上行・下行・凸行・凹行)と跳躍

特徴とどのような感じがするかを考える。 進行(上行・下行・凸行・凹行)の旋律をピ

アノで演奏し,それぞれの音のつながり方の

特徴を知覚・感受させる。

○音のつながり方の特徴によって,旋律の雰囲

気や感じが変わることに気付かせる。

○反復・変化の音楽的な特徴を理解し,旋律

づくりに生かす。

・旋律の反復・変化が,どのような音楽的な ○反復・変化が効果的に使われている曲を提示

効果に結び付いているかを理解する。 し,楽譜を見ながら音楽的な特徴とその効果

<反復・変化の種類例> を感じ取り,理解できるようにする。

①1つのリズムパターンをもとに反復・変

化してつくられている例。

②2つのリズムパターンをもとに反復・変

化してつくられている例。

○C→F→C→G→C→F→C・G→Cのコ

ード進行に合わせて,8小節の旋律をつく

る。

<課題と条件>

①1小節目のリズムを2小節目で反復し,3 ○キーボードを使い,全音符でコードを弾きな

小節目でリズムを変化させて旋律をつく がら,試行錯誤して旋律をつくらせる。

ること。または,1・2小節目でモチー ○考えたリズムを試行錯誤しながら反復・変化

フをつくり、それを反復・変化させて3 させ,音の高さや音のつながり方と関連させ

・4小節目をつくること ながらつくれるようにする。

②5小節目からは自由につくってもよいが,○コード進行から感じ取るイメージや,反復・

1~4小節の反復・変化を踏まえて旋律 変化しながら音のつながり方を色々と試す過

の特徴を生かしてつくること。 程で,「このような旋律にしたい」という思

③リズムは自由につくるが,全音(休)符, いや意図をもてるようにする。

二分音(休)符,四分音(休)符,八分音(休) ☆音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,

符,十六分音(休)のみを使って旋律をつ テクスチュア,形式,構成を知覚し,それら

くる。 の働きが生み出す特質や雰囲気を感受しなが

④順次進行と跳躍進行の音楽的な特徴を生 ら,音階とコード進行との関わりの特徴を感

かし,音のつながり方を工夫してつくる じ取って音楽表現を工夫し,どのように旋律

こと。 をつくるかについて思いや意図をもっている。

⑤実際に弾きながら,様々な音のつながり (創:活動観察・ワークシート)

方を試し,確かめながらつくること。

【視点1:形成的評価の工夫】

3 ◆音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,テクスチュア,形式,構成を知覚し,それらの(

働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,音階とコード進行との関わりの特徴を感じ取

本 って音楽表現を工夫し,どのように旋律をつくるかについて思いや意図をもち,技能を身に

時 付ける。)

○C→F→C→G→C→F→C・G→Cのコ

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ード進行に合わせて,コード進行の特徴を

生かしながら,工夫して旋律をつくる。

・曲の最も盛り上がる部分(山場)を意識し ○前時でつくった旋律を基にして,反復・変化

て旋律をつくる。 と順次進行や跳躍進行の音楽的な特徴を生か

して,曲の山場をどのようにするかを考えさ

せる。

・四人一組になり,お互いにつくった音楽を ○自分でつくった作品についてを自己のイメー

発表し合い,気付いたことをアドバイスし ジと音楽的な工夫とを結びつけて発表させる。

合う。

①反復・変化の特徴について ○左記の①~③の視点で,気付いたことをアド

②8小節の旋律の山場について バイスし合えるようにする。

③旋律全体の特質や雰囲気について

・つくった旋律を発表し,学級全体で作品に ○数人の作品をスクリーンに映しながら,全員

ついての意見を出し合う。その際に,楽譜 で作品のよさを共有させる。

を見ながら作品を聴いて,作曲者の思いや ○楽譜を見ながら作品を聴き,作曲者の思いや

意図と音楽的な特徴とを関連させて考える。 意図と音楽的な特徴とを関連させて考えなが

ら鑑賞させる。

・自己のイメージと音のつながり方や反復・ ○学級全体で出された意見やアドバイス,分か

変化などのリズムの特徴を関わらせて,旋 ったことを生かし,思いや意図をもち,工夫

律をつくる。 して旋律をつくる。

【視点2:総括的評価の実施】 ☆音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,

テクスチュア,形式,構成を知覚し,それら

の働きが生み出す特質や雰囲気を感受しなが

ら,音階とコード進行との関わりの特徴を感

じ取って音楽表現を工夫し,どのように旋律

をつくるかについて思いや意図をもつ。

(創:活動観察・ワークシート)

☆音階とコード進行との関わりを生かした音楽

表現をするために必要な技能を身に付けて簡

単な旋律をつくる。 (技:ワークシート)

4 ◆音階とコード進行との関わりに関心をもち,音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学習に

主体的に取り組み,技能を身に付ける。

○音階とコード進行との関わりに関心をもち,

音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学

習に主体的に取り組み,技能を身に付ける。

・自己のイメージと音楽を形づくっている要 ○前時につくった旋律を基に,試行錯誤しなが

素を関わらせ,工夫して旋律をつくる。 ら工夫して旋律をつくらせる。

【視点1:形成的評価の工夫】☆音階とコード進行との関わりを生かした音楽

表現をするために必要な技能を身に付けて簡

単な旋律をつくっている。

(技:活動観察・ワークシート)

・旋律に合わせてコード進行の伴奏のリズム ○思いや意図を表現するために,伴奏のリズム

や速度を工夫する。 や速度をどのようにすればよいかを考えさせ

る。

・クラス全体で,発表会をする。 ○できるだけ自作自演をさせ,自らが創意工夫

【視点2:総括的評価の実施】 してつくり上げた作品に愛着をもたせたりす

るなどして,創作活動の成就感や達成感を味

わわせる。

☆音階とコード進行との関わりに関心をもち,

音楽表現を工夫して簡単な旋律をつくる学習

に主体的に取り組んでいる。

(関:活動観察・ワークシート)

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8 本時の学習指導(3/4時)

(1) 本時の目標

① 音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,テクスチュア,形式,構成を知覚し,それらの

働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,音階とコード進行との関わりの特徴を感じ取っ

て音楽表現を工夫し,どのように旋律をつくるかについて思いや意図をもつ。

② 音階とコード進行との関わりを生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けて簡単

な旋律をつくる。

(2) 展開

○学習内容 ・学習活動 ○指導上の留意点 ☆具体の評価規準(評価方法・手だて)

○C→F→C→G→C→F→C

・G→Cのコード進行に合わ

せて,コード進行の特徴を生

かしながら,工夫して旋律を

つくる。

・曲の最も盛り上がる部分(山 ○前時でつくった旋律を基にして,反復・変化と順次進行や跳躍

場)を意識して旋律をつくる。 進行等の音楽的な特徴を生かして,曲の山場をどのようにする

かを考え,どのような旋律にすればよいかを考えさせる。

・四人一組になり,お互いにつ ○自分でつくった作品について自己のイメージと音楽的な工夫と

くった音楽を発表し合い,気 を結びつけて発表させる。

付いたことをアドバイスし合 ○旋律の音のつながり方や反復・変化などのリズムの特徴に注目

う。 して発表し合い,お互いに意見を述べ合えるようにする。

①反復・変化の特徴について ○反復・変化の仕方と特徴について,どのような思いや意図でつ

くったかを説明させる。

②8小節の旋律の山場につい ○なぜ,その部分や小節を山場にしたのかを確認し,自己のイメ

て ージと旋律との関連を説明させる。

③旋律全体の特質や雰囲気に ○コード進行から感じ取るイメージや,反復・変化しながら音の

ついて つながり方を色々と試す過程で,「この部分や小節を○○のよ

うな山場にして全体的に△△のような旋律にしたい」というよ

うな旋律全体について,自己のイメージと思いや意図,旋律の

特徴とを関連させながら説明させる。

・つくった旋律を発表し,学級 ○数人の作品をスクリーンに映しながら,全員で作品のよさを共

全体で作品について意見を出 有できるようにする。

し合う。その際,楽譜を見な ○楽譜を見ながら作品を聴き,作曲者の思いや意図と音楽的な特

がら作品を聴いて,作曲者の 徴とを関連させて考えながら鑑賞させる。

思いや意図と音楽的な特徴と ○作曲者の思いや意図と合っているか合っていないかだけではな

を関連させて考える。 く,自分の作品を更によくするために友達のよい部分を取り入

れさせる。

・自己のイメージと音のつなが ○学級全体で出された意見やアドバイス,分かったことを生かし,

り方や反復・変化などのリズ 思いや意図をもち,工夫して旋律をつくる。

ムの特徴を関わらせて,旋律 ☆音楽を形づくっているリズム,速度,旋律,テクスチュア,形

をつくる。 式,構成を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感

【視点2:総括的評価の実施】 受しながら,音階とコード進行との関わりの特徴を感じ取って

音楽表現を工夫し,どのように旋律をつくるかについて思いや

意図をもつ。 (創:活動観察・ワークシート)

☆音階とコード進行との関わりを生かした音楽表現をするために

必要な技能を身に付けて簡単な旋律をつくる。

(技:ワークシート)

9 備 考 在籍生徒数 男子21名 女子21名 計42名

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5月24日(水) 第1時

第3学年A組 音楽科学習指導案

授業者 辻 浦 拓 人

1 題材名 歌舞伎の魅力を味わおう(歌唱・鑑賞)

2 題材について

(1) 生徒の実態から

生徒は,合唱や器楽で表現することや音楽を鑑賞することなど様々な活動に興味・関心を持っ

ており,授業に意欲的に取り組んでいる。4月に滝廉太郎の「花」の二部合唱に取り組み,一人

一人が歌詞や音楽の特性を生かして表現を工夫をすることで,重唱のよさや美しさを味わうこと

ができた。また,1年次には篳篥の唱歌を歌い雅楽を味わって聴いたり,2年次では「六段の調」

を演奏し,鑑賞したりするなど様々な活動を通して我が国の伝統音楽を学習してきた。

本題材では,我が国の伝統的な芸能である「歌舞伎」を取り上げ,歌唱と鑑賞を関連付けて扱

う。我が国の伝統音楽に親しみ,音楽に対する理解を深めるために,長唄をうたう活動を取り入

れ,長唄にふさわしい発声や発音の仕方,身体の使い方をどのようにしたらよいかを考え,工夫

して音楽表現をすることにつなげていきたい。また,登場人物の心情を理解し,場面にあった発

声やうたい方などを工夫して表現することによって,歌舞伎における長唄の役割やその特徴をよ

り深く理解させ,歌舞伎の特徴をその背景となる文化・歴史,他の芸術と関連付けながら理解さ

せる。このように音楽表現と鑑賞が相互に関わり合っていく指導を行うことで,生徒の歌舞伎や

長唄に対する考え方を深めていき,歌舞伎のよさや魅力を味わわせたい。

なお,本題材では,学習指導要領の「A表現」(1) 歌唱の事項イ,「B鑑賞」の事項ア・イを

指導するものとする。加えて,〔共通事項〕のうち,音色,リズム,速度,旋律,強弱,拍,拍

子,間を扱う。

(2) 本校の研究との関連 ~主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方~

○本題材で生徒に身に付けさせたい資質・能力

・長唄の音楽を形づくっている音色,リズム,速度,旋律,強弱といった要素を知覚・感受し,

試行錯誤しながら音楽表現を工夫する力

・長唄の特徴を,知覚・感受したことを基に,どのように音楽表現で表すかについて思いや意図

をもつ力

・歌舞伎や長唄のよさを味わい,自分にとっての価値を見いだす力

・思考・判断していることについて言葉など(発言,記述などの言語活動を中心としながらも,

必要に応じて音,楽譜,身体なども含めて)で表す力

本題材では,「長唄を表現する活動(表現・歌唱)」と「歌舞伎の背景となる文化・歴史や他

の芸術と関連付けて理解し,よさや美しさを味わう活動(鑑賞)」の関連を図ることにより,知

覚・感受したことを基に音楽表現を工夫して表現し(歌唱),歌舞伎のよさや美しさをより深く

味わい(鑑賞),自分にとっての価値を見いだすことで,音楽科で身に付けさせたい資質・能力

(思考力・判断力・表現力)を育成し,生徒の主体的な学びを実現していく。

3 題材の目標

(1) 歌舞伎,長唄の特徴に興味・関心を持ち,音色,リズム,速度,旋律,強弱などを知覚し,そ

れらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,長唄をうたったり歌舞伎を鑑賞したりする

学習に主体的に取り組む。

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(2) 長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱を知覚し,それらが生み出す特質や雰囲気を感受しな

がら,曲想に応じた発声や言葉の特性を理解して,それらを生かした音楽表現を工夫し,どのよ

うにうたうかについて思いや意図をもつ。

(3) 長唄にふさわしい発声や言葉の特性を生かした表現活動をするために必要な発声の仕方,言葉

の発音の仕方,身体の使い方などの技能を身に付けてうたう。

(4) 長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感

受しながら,音楽を形づくっている要素や構造と曲想との関わりを理解するとともに,歌舞伎の

特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて理解し,根拠をもって批評して,歌舞

伎のよさや美しさを味わって聴く。

4 教材について

長唄「勧進帳」 歌舞伎「勧進帳」 三世 並木五瓶 作詞 / 四世 杵屋六三郎 作曲

歌舞伎「勧進帳」は,源義経や武蔵坊弁慶などが登場する物語で,その内容は生徒にとって馴

染みやすいものである。この「勧進帳」を教材として扱い,用いられている長唄を実際にうたう

体験を通して長唄の音楽的な特徴を感じ取らせるとともに,その当時の日本の様子なども踏まえ

ながら我が国の伝統芸能としての歌舞伎のよさや美しさを味わわせたいと考え選択した。

(1) 長唄① 「旅の衣は篠かけの露けき袖やしおるらん」の部分

謡ガカリの部分で,発声と言葉の特徴を主に聴き取り,初めて長唄に取り組む生徒でもうたい

やすいと考え選曲した。

(2) 長唄② 「これやこの~山隠す」の部分

安宅の関所に荷物持ちに変装した義経が,山伏姿の弁慶と4人の家来を従えて到着する場面。

長唄を学習した生徒が特徴を生かしながらうたうことができると考え選曲した。

(3) 長唄③-1 「こは嬉しやと山伏もしずしず立って歩まれけり」の部分

長唄③-2 「すわや我君怪しむるは,一期の浮沈ここなりと,各々後へ立ち帰る」の部分

関所を通ることを許された弁慶らが再び富樫に止められる場面。関所を通ろうと目立たぬよう

に通り過ぎようとする場面【長唄③-1】と,再び富樫に止められ慌てふためく場面【長唄③-

2】の対比を表現する活動を通して,長唄のうたい方や歌舞伎における長唄の役割を感じ取り,

より深く歌舞伎を味わうことができると考え選曲した。

5 学習指導要領の指導事項と〔共通事項〕ア・イの関連及び具体的な学習活動

指導事項 歌唱イ 曲種に応じた発声や言葉の特性を理解して,それらを生かして歌うこと。

鑑賞ア 音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解して聴き,根

内容 拠をもって批評するなどして,音楽のよさや美しさを味わうこと。

鑑賞イ 音楽の特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて理解し

て,鑑賞すること。

〔共通事項〕ア 音色 リズム・速度・旋律・強弱

イ 拍・拍子・間

具体的な学習活 ・長唄に合った発声や ・長唄の発声や言葉の発音,身体の使い方,歌舞伎音楽の

動 の基本的な姿勢に気 特徴的な拍や拍子,独特のリズムや間,速度の変化を感

を付けて歌唱する。 じ取り,それらの特徴を理解し,表現したり鑑賞したり

・長唄の役割や音楽の する。

特徴を感じ取り,表 ・歌舞伎における長唄の役割や歌舞伎音楽の特徴を感じ取

現したり鑑賞したり り,それらの特徴を理解し,表現したり鑑賞したりする。

する。

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6 題材の評価規準

音楽への 音楽表現の創意工夫 音楽表現の技能 鑑賞の能力

関心・意欲・態度

①長唄の音色,リズム, ①長唄の音色,リズ ①長唄の発声や言 ①長唄の音色,リズム,速

速度,旋律,強弱と曲 ム,速度,旋律, 葉の発音,身体 度,旋律,強弱を知覚し,

題 想との関わり,歌舞伎 を知覚し,それら の使い方などの それらの働きが生み出す

材 の特徴とその背景とな の働きが生み出す 技能を身に付け 特質や雰囲気を感受しな

の る文化・歴史などとの 特質や雰囲気を感 てうたってい がら,音楽を形づくって

評 関連に関心をもち,鑑 受している。 る。 いる要素や構造と曲想と

価 賞する学習に主体的に ②知覚・感受しなが ②長唄にふわさし の関わりを理解するとと

規 取り組もうとしてい ら,長唄にふさわ い声や言葉の特 もに,歌舞伎の特徴をそ

準 る。 (鑑賞) しい発声や言葉の 性を生かした音 の背景となる文化・歴史

②長唄にふさわしい発声 特性を理解して, 楽表現をするた や他の芸術と関連付けて

や言葉の特性に関心を それらを生かした めに必要な,発 理解し,根拠をもって批

もち,それらを生かし 音楽表現を工夫 声,言葉の発音, 評して,歌舞伎のよさや

て表現する学習に主体 し,どのようにう 身体の使い方な 美しさを味わって聴いて

的に取り組もうとして たうかについて思 どの技能を身に いる。

いる。 (歌唱) いや意図をもって 付けてうたって

いる。 いる。

1時 ① ①

2時 ② ①

3時 ②

4時 ②

5時 ① ①

7 指導と評価の計画(全5時間)

時 ◆ねらい ○学習内容 ・学習活動 ○指導上の留意点 ☆評価規準と評価方法

1 ◆歌舞伎における長唄の役割を理解し,その特徴を味わおう

○歌舞伎における長唄や下座音楽の役割や,

他の芸術との関わりについて理解し,歌舞

伎の雰囲気や音楽的な関わりに関心をもつ。

・歌舞伎や長唄に対するイメージをワークシ ○ワークシート⑤に予め学習前のイメージを書

ート⑤に記入する。 かせることで,長唄を体験する活動によって

※回収し,第5校時で再度配布する。 イメージがどう変化していったかを感じ取り

やすくさせる。

・歌舞伎「勧進帳」の概要を知り,ダイジェ ○歌舞伎に関しての基本的な内容について視聴

ストを鑑賞する。 を通して理解させる。

・映像資料を通して,長唄や下座音楽の特徴, ○歌舞伎「勧進帳」のストーリーを映像資料に

演出や舞台美術の特徴をワークシートにま 補足をしながらわかりやすく解説し,概要を

とめる。 理解させる。

・歌舞伎における長唄の役割について知る。 ○歌舞伎が総合芸術であることを捉えさせ,そ

の中で長唄や下座音楽がどのような役割を担

っているのかを考えさせる。

☆長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱と曲

想との関わり,歌舞伎の特徴とその背景とな

る文化・歴史などとの関連に関心をもち,鑑

賞する学習に主体的に取り組もうとしている。

(関① 活動観察・ワークシート)

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○長唄の発声や唄い方,声の音色やリズム,

速度,旋律,どのようにうたったらよいか

を知覚・感受する。

・長唄①を鑑賞し,声の音色や声質,発声や ○範唱を聴いて,声の音色や声質,発声や発音

発音の仕方、うたい方などの長唄の特性に の仕方の特性を聴き取り,どのようにうたえ

ついて気づいたことや感じたことをワーク ばよいかを考えさせる。

シートにまとめる。 ○映像の視聴を通して,長唄のうたい方の特徴

を視覚的に捉えさせ,発声や発音がうたう姿

勢や表情などと関わりがあることに気づかせ

る。

☆長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱を知

覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気

を感受している。(創① 活動観察・ワークシート)

・長唄①を範唱に合わせてうたう。 ○映像資料で知覚・感受した内容について気を

・本時の振り返り つけながらうたわせる。

【視点1:形成的評価の工夫】

2 ◆長唄の発声や言葉の発音,身体の使い方に関心をもち,それらを生かして表現する活動に主

体的に取り組み,長唄にふさわしいうたい方を身につける。

○長唄②について,長唄にふさわしい発声や

言葉の特性に関心をもち,それらを生かし

て表現する活動に主体的に取り組み,長唄

にふさわしいうたい方を身につける。

・長唄①を範唱に合わせてうたう。 ○前時の確認をしながら,長唄の発声やうたい

・「寄せの合方」を鑑賞し,音楽的な特徴を 方の特徴,うたう時の姿勢などを確認させる。

理解する。 ○三味線と鼓,かけ声音色,リズム,速度,強

弱,間,緊張感などを知覚・感受させる。

・長唄②・③の範唱を聴き,音の高低や産字, ○前時と同様に,ワークシートに気づいたこと

唄い尻などに着目し,ワークシートに特徴 を記入させる。

を書き込む。 ☆長唄にふさわしい発声や言葉の特性に関心を

もち,それらを生かして表現する学習に主体

的に取り組もうとしている。

(関② 活動観察・ワークシート)

○範唱を聴いて,どのようなうたい方でうたっ

たらよいかを考えさせ,発声や言葉の特性に

気をつけてうたわせる。

・本時の振り返り ☆長唄の発声や言葉の発音,身体の使い方など

【視点1:形成的評価の工夫】 の技能を身に付けてうたっている。

(技① 活動観察)

3 ◆歌舞伎の場面や登場人物の心情を理解し,音楽的な特徴を感じ取りながら,長唄にふさわし

い発声や言葉の特性を生かした音楽表現を工夫し,どのようにうたうかについて思いや意図

本 をもつ。

時 ○長唄③について,歌舞伎の場面や登場人物

の心情を理解し,音楽の特徴を感じ取りな

がら,長唄にふさわしい発声や言葉の特性

を生かした音楽表現を工夫し,どのように

うたうか思いや意図をもつ。

・長唄③をうたったり聴いたりしながら,歌 ○声に出して歌詞を読み,うたったり音楽の特

舞伎のどのような場面なのか考える。 徴を感じ取ったりしながら,歌舞伎の場面や

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登場人物の心情を理解させる。

・映像を視聴し,なぜこのような音楽なのか, ○歌舞伎の実際の場面の視聴を通して,役者の

役者・演奏者の意図を考える。 仕草や囃子方の演奏を参考に,様々なうたい

方を試行錯誤しながら,長唄にふさわしい発

声や発音でうたわせる。

・長唄③の2つの場面の対比や今までの学習 ○長唄③の中で場面の違いや音楽的な特徴の違

から,歌舞伎における長唄の役割について いを比較しながらうたい,長唄が歌舞伎にお

考える。 【視点2:総括的評価の実施】 いてどのような役割を果たしているか,また

長唄をうたう活動を通して,長唄に対するイ

メージや考え方がどう変化したか考えさせる。

☆知覚・感受しながら,長唄にふさわしい発声

や言葉の特性を理解して,それらを生かした

音楽表現を工夫し,どのようにうたうかにつ

いて思いや意図をもっている。

(創② 活動観察・ワークシート)

4 ◆登場人物の心情や音楽の特徴を捉え,それにあった長唄のうたい方をグループで工夫し,そ

のために必要な技能を身につける。

○登場人物の心情や音楽の特徴を捉え,それ

にあった長唄のうたい方をグループで工夫

し,そのために必要な技能を身につける。

・長唄①・②・③を範唱に合わせてうたう。 ○長唄の声の音色,言葉の発音,座り方や身体

の使い方,表情などを確認し,音楽の特徴や

雰囲気を理解させながらうたわせる。

・発声や言葉の発音,身体の使い方など個人 ○どのような工夫をしたかグループごとにワー

やグループで追求していく。 クシートを用意し記入させ,全体に工夫した

・グループごとに長唄の発表をする。 点がわかるように示しながら発表会形式でグ

ループごとに発表させる。

☆長唄にふわさしい声や言葉の特性を生かした

音楽表現をするために必要な,発声,言葉の

発音,身体の使い方などの技能を身につけて

うたっている。 (技② 活動観察)

5 ◆長唄の役割と効果を理解しながら,歌舞伎の背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて

理解し,根拠をもって批評して,そのよさや美しさを味わう。

○長唄の役割と効果を理解しながら,歌舞伎

の背景となる文化・歴史や他の芸術と関連

付けて理解し,根拠をもって批評して,そ

のよさや美しさを味わう。

・歌舞伎「勧進帳」のダイジェストを視聴す ○第1時のワークシートを振り返りながら,実

る。 際に長唄を体験した活動を基に,歌舞伎に対

する見方・考え方がどのように変化したかを

意識しながら鑑賞させる。

☆長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱と曲

想との関わり,歌舞伎の特徴とその背景とな

る文化・歴史などとの関連に関心をもち,鑑

賞する学習に主体的に取り組もうとしている。

(関① 活動観察・ワークシート)

・「歌舞伎における長唄の役割と音楽の特徴」 ○歌舞伎の鑑賞を通し,自分の歌舞伎に対する

や「役者の演技と音楽の関わり」,「当時の 価値観や考え方がどう変化したか,また,既

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日本の様子を踏まえながら,歌舞伎が江戸 習の「花」とも関連させながら批評させる。

庶民の中で発展してきた理由」などを,そ ☆長唄の音色,リズム,速度,旋律,強弱を知

れぞれ関連づけながら「歌舞伎のよさや魅 覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気

力」についてワークシートにまとめる。 を感受しながら,音楽を形づくっている要素

【視点2:総括的評価の実施】 や構造と曲想との関わりを理解するとともに,

歌舞伎の特徴をその背景となる文化・歴史や

他の芸術と関連付けて理解し,根拠をもって

批評して,歌舞伎のよさや美しさを味わって

聴いている。 (鑑① 活動観察・ワークシート)

8 本時の学習指導(3/5時)

(1) 本時の目標

① 歌舞伎の場面や登場人物の心情を理解し,それによる音楽的な特徴を感じ取りながら,長唄

にふさわしい発声や言葉の特性を生かした音楽表現を工夫し,どのようにうたうかについて

思いや意図をもつ。

(2) 展開

○学習内容 ・主な学習活動 ○指導上の留意点 ☆評価規準と評価方法

○長唄③について,歌舞伎の場面や登場人物の

心情を理解し,音楽の特徴を感じ取りながら,

長唄にふさわしい発声や言葉の特性を生かし

た音楽表現を工夫し,どのようにうたうかに

ついて思いや意図をもつ。

・長唄①・②を範唱に合わせてうたう。 ○前時までの復習をしながら,長唄の発声やうた

・長唄①「旅の衣は~」 い方の特徴,うたう時の姿勢などを確認させる。

・長唄②「これやこの~」

・長唄③「元より勧進帳の~」

・長唄③をうたったり聴いたりしながら,歌 ○声に出して歌詞を読み,うたったり音楽の特徴

舞伎のどのような場面なのか考える。 を感じ取ったりしながら,歌舞伎の場面や登場

人物の心情を考えさせる。

・映像を視聴し,2つの場面の長唄の特徴を理 ○歌舞伎の実際の場面の視聴を通して,役者の仕

解し,うたい方を工夫する。 草や囃子方の演奏を基に,長唄の特徴を理解し,

様々なうたい方を試行錯誤しながら,長唄にふ

さわしい発声や発音でうたわせる。

・長唄③の2つの場面の対比や今までの学習か ○長唄③の中で場面の違いや音楽的な特徴の違い

ら,歌舞伎における長唄の役割について考え を比較しながらうたい,長唄が歌舞伎において

る。 【視点2:総括的評価の実施】 どのような役割を果たしているか,また長唄を

うたう活動を通して,長唄に対するイメージや

考え方がどう変化したか考えさせる。

☆知覚・感受しながら,長唄にふさわしい発声や

言葉の特性を理解して,それらを生かした音楽

表現を工夫し,どのようにうたうかについて思

いや意図をもっている。

(創② 活動観察・ワークシート)

9 備 考 在籍生徒数 男子23名 女子22名 計45名

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5月24日(水)第2時

第1学年C組 美術科学習指導案

授業者 高 藤 友 輔

1 題材名 「夢を叶える光のキセキ〜ライトマジック!写真作品で空間を表現〜」A表現(1),(3),B鑑賞(1)

2 題材について

(1) 生徒の実態

本学級の生徒は,本学級の生徒は,学習意欲が高く,中学校生活にも慣れ授業規律も身に付いてきている。こ

れからの美術の授業において全員が積極的に取り組んでいきたいと考えている。年度当初の授業の中でも,明る

い雰囲気の中で題材のねらいや内容をよく理解し,互いに協力しながら目標へ向けて取り組むことができた。小

学校における図画工作の授業については,男子が立体に表す活動,女子が絵に表す活動に対して興味・関心をも

つ傾向がある。今回の題材においては,発想や構想の場面や鑑賞の場面で,自分の思いや考えを説明したり文章

にしたりする機会をできるだけ多く設定し,平面や立体といった表現の制限による生徒の苦手意識をなくすこと

ができるように期待をし,発表したり話し合ったりする活動を意識しながら,より充実した関わりのある表現活

動や鑑賞活動を行っていけると考える。

(2) 本題材を指導するに当たって

本題材は,デジタルカメラの機能を利用しながら,立体的な空間に光を使って描く活動を行い,写真という平

面としての表現を鑑賞し,よりよい表現のために検討したり吟味したり試行錯誤を繰り返しながら,光の性質や

もたらす感情を理解しながら形や色彩による表現をし,創造的な工夫ができるようにした題材である。デジタル

カメラを下方に向け床面からデジタルカメラの間にある空間の中で,手持ちのLEDライトによって描画し表現

にする。光の表現として,柔らかい印象や色彩によって変わる雰囲気などを感じながら,減光したりデジタルカ

メラのレンズから光源の距離を工夫することによって線の太さに変化を与えたり,カラーフィルターを使用して

色彩に変化を与えたりし,創造的に技能を習得できるようにする。また,光の当たり方によって見え方が変化す

ることも発想や構想できる授業展開や環境づくりしていく。そして,その後の制作の中で造形を豊かに感じ取ら

せ考えさせるための「光」という視点をもつことができるように指導していきたい。

指導に当たっては,小学校の学習にあるような「造形遊び」で終わらせるのではなく,表現と鑑賞を相互に関

連させ思考や判断を繰り返しながら,造形的な視点で光の性質を捉え,意図と表現の工夫などについて考え,創

造的な表現の構想を練る活動を重視していきたい。始めは光を扱った実験的な表現活動において偶然できた色彩

や形によるものも表出する。そのように生徒が想像していなかった自己の発想や構想の成果や課題を発見したり,

新しい表現を考えだしたりできる機会が授業中に起こりうる。それらの表現されたものから,光にどのような性

質があるのか,色彩や形がどのような技法で表現されるのか,どのようなイメージがあるのかを教師自身が意識

しながら全体指導や助言をし,美術科における資質・能力を生徒に身に付けさせたい。また,教師としても生徒

一人一人の作品の表現意図を読み取れるように,言葉や文章で主題を書かせたり,会話で聞き取ったりし,制作

過程でも生徒と教師の意思疎通ができるようにワークシート等を工夫していく必要がある。それまでの美術の授

業で活用してきた毎時間の記録を今回の題材でも継続し,常に周囲の友人の活動状況や工夫点を意識できるよう

にすることで,制作に対する考え方を深めていきたい。

題材設定の工夫としては,これまで様々な授業公開や研究発表で行われてきた授業展開や使用機材による課題

を修正するようにした。具体的には,

①一眼レフカメラのような高価な機材を使用するのではなく,安価なデジタルカメラを使用すること

②広い空間を使用するのではなく,同時に同教室内で各個人が活動できること

③色彩や形の変化を考えた授業者による多くの光源の準備をなくし,授業における費用の削減を考えたこと

④大人数による共同作品ではなく,あくまでも個人作品として協働活動を行い,且つ個人の評価として見取

ることができる活動であること

ということである。暗室や様々な準備しなければならなく,年間指導計画に組み込みづらい印象を授業者として

もっていた。しかし,この授業展開を開発したことによって,光に焦点を当てながら造形的な視点をもち,〔共

通事項〕における「光の性質や光がもたらす感情」を1学年において丁寧に学習を進めることができると考える。

第1時「カメラで実験」では,光の描写を撮影できるようなデジタルカメラの基本的な使い方と機能を学び,

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撮影の仕方における留意点を考慮しながら光の描写による表現を体験する。

第2時「思考・判断したことを表現に生かす①」では前時で表現された作品を鑑賞し,光の特性を考える。光

が当たる時間や高原の角度,光源を動かす速度,カメラレンズと光源の距離,また減光するフィルターや色彩を

与えるカラーフィルターの使用の仕方から,表現される色彩や形がどのように変化し,自らの表現したい意図に

合うように判断し,表現に生かしていく。

第3時「思考・判断したことを表現に生かす②」では,主題を生み出し,光などの効果を生かして構成やアン

グルなどを創造的に工夫し,心豊かに作品として表現できるようにテーマである「感情」を共有し,テーマから

主題を考え被写体を表現の一部に追加し活動を行う。第2時で思考・判断したことを基に,自分の表現意図に合

う新たな表現方法を工夫できるように被写体と光の関係を考えながら表現していく。

第4・5時「制作・光の特性を捉えて」では,表現と鑑賞を交互に繰り返し,自分の表現意図に合う表現の創

造的な技能を身に付けながら制作していく。制作の途中でも友達の工夫や自ら発見した表現方法から,構想を深

めながら対象のイメージを捉え直しながら表現の工夫をしていく。

第6時「鑑賞・光の表現を感じる」では,それまで体験し学習してきた光の特性や印象という視点で作品を捉

えながら鑑賞をしていく。また,この鑑賞を通して光があるからこそ見える色彩や形があり,身近な生活の中で

実感をもって理解できるよう指導していく。

(3) 本題材における「表現と鑑賞を一体化させながら資質・能力を育成する学習指導の工夫」

① 本題材における表現と鑑賞を一体化させる「美術科における思考分析力」〔共通事項〕

・対象から内面や全体の感じ,価値や情緒を感じ取る【表現(1)・鑑賞】・・・・・・・・・・・・・〔思①〕

・形,色彩,材料,光,図柄,時代,社会的背景から分析をする【表現(1)(2)・鑑賞】・・・・・・・〔思②〕

② 本題材における研究の視点について

【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す造形的な視点を明確にした形成的評価の工夫」・・・・・〔Ⅰ〕

【視点Ⅱ】「美術科における造形的な視点を通した資質・能力をはかる課題と評価指針」・・・〔Ⅱ〕

3 目標及び評価規準

(1) 目標

光などの特徴や印象などから感じ取り,主題を生み出し,想像力を働かせ,光などの効果を生かして構成やア

ングルなどを創造的に工夫し心豊かに表現する構想を練り,カメラの特徴,空間に表現するために新たな表現方

法を工夫したり,他者の作品から作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などを感じ取り味わったりする。

(2) 学習活動に即した評価規準

美術への関心・意欲・態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力

表現関①対象を見つめ感じ取った形や色彩の

特徴や光の美しさなどを表現することに関心を

もち,主体的に主題を生み出し,構想を練ろう

としている。

表現関②光の特性や材料や用具の特性などを

主体的に生かし,表現方法を工夫して表現しよ

うとしている。

鑑賞関③造形的なよさや美しさ,作者の心情や

意図と創造的な表現の工夫などに関心をもち,

そのよさや美しさなどを主体的に感じ取ろうと

している。

発①対象を見つめ感じ取っ

た形や色彩の特徴や光の美

しさなどを基に感じ取った

こと,考えたことから主題を

生み出している。

発②全体と部分との関係な

どを考え,形や色彩,光など

の効果を生かして構成やア

ングルなどを創造的に工夫

し心豊かに表現する構想を

練っている。

創空間に表現す

るために光の特

性やカメラの特

徴を生かし,表し

たいイメージを

もちながら自分

の表現意図に合

う新たな表現方

法を工夫するな

どして創造的に

表現している。

鑑形や色彩,光な

どの特徴や印象

などから全体の

感じ,作者の心情

や意図と創造的

な表現の工夫な

どを感じ取り,自

分の価値意識を

もって味わって

いる。

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4 指導と評価の計画 (6時間計画)

時間 学習活動 指導上の留意点(・)具体的な評価規準(★)

○光の特性を意識しながら撮

影を行う。

・光の表現から感じ取り,よさや雰囲気,情緒,美しさを伝えられるような指導を行う。〔思①〕

★対象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や光の美しさなどを表現することに関心をもち,主体的

に主題を生み出し,構想を練ろうとしている。 関①【観察・表現・記述・作品】

○前時の活動を生かし,光の

特性や印象を自らの表現し

たい意図に合うように判断

し,表現する。

・体験などを基に感じたことや考えたこと,実際にはあり得ないこと,自分の思いや願いなどを心

の中に思い浮かべ表現できるよう光の特性や用具の機能を伝える。・・・・・・・・・・〔思②〕

★光の特性や材料や用具の特性などを主体的に生かし,表現方法を工夫して表現しようとしている。

関②【観察・表現・記述・作品】

○主題を生み出し,光などの

効果を生かして構成やアン

グルなどを創造的に工夫し

ながら撮影をする。

・光の効果による色彩や形の特性を生かして制作ができるよう,性質における留意点を伝えながら

指導を行う。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思②〕

・光の特性や効果から感じ取ったことを基に主題を生み出せるよう構想を明確化しながら指導を行

う。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思①〕

★対象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や光の美しさなどを基に感じ取ったこと,考えたことか

ら主題を生み出している。 発①【表現・記述・作品】

4(本時)・5

○自分の表現意図に合う表現

方法を繰り返し思考・判断

しながら撮影を行う。

・自分の主題に合う色彩や形,構成を考えられるように,感情との関わりを明確にしながら全体指

導や助言をする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思②〕

・表現意図に合う表現方法を見出せるようこれまで学習してきた光の特性やデジタルカメラの機能

を再確認できるような助言をし,時間との関わりを意識できるよう環境を整える。

★全体と部分との関係などを考え,形や色彩,光などの効果を生かして構成やアングルなどを創造

的に工夫し心豊かに表現する構想を練っている。 発②【表現・記述・作品】

★空間に表現するために光の特性やカメラの特徴を生かし,表したいイメージをもちながら自分の

表現意図に合う新たな表現方法を工夫するなどして創造的に表現している。

創【表現・記述・作品】

○制作意図に合うよりよい表

現方法を友人の制作と比較

検討し考えを広げながら撮

影を行う。

○作品を鑑賞しながら作者の

制作意図や光の特性や印象

という視点で作品を捉えな

がら感じ取る。

・形,色彩や光の特性などを生かした表現に視点を置き感情をよりよく表現方法とはどのようなも

のかを感じ取れるよう助言をする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思②〕

・光の印象を感じとり,光があるからこそ見える色彩や形があり,身近な生活の中で実感をもって

理解できるよう指導する。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思①〕

★造形的なよさや美しさ,作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などに関心をもち,そのよさや

美しさなどを主体的に感じ取ろうとしている。 関③【観察・表現・記述】

★形や色彩,光などの特徴や印象などから全体の感じ,作者の心情や意図と創造的な表現の工夫な

どを感じ取り,自分の価値意識をもって味わっている。 鑑【対話・表現・記述】

造形的なよさや美しさ,作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などに関心をもち,そのよさや

美しさなどを主体的に感じ取り,自分の価値意識をもって味わう。 光の特性や印象を見つめて

感じてみよう!

主題に合うよりよいイメー

ジをもちながら制作しよ

う!

全体と部分との関係などを考え,形や色彩,光などの効果を生かして構成やアングルなどを創造

的に工夫し心豊かに表現する構想を練り,空間に表現するために光の特性やカメラの特徴を生か

し,表したいイメージをもちながら自分の表現意図に合う新たな表現方法を工夫するなどして創

造的に表現する。

自分の感情に合うイメージ

をもちながら制作しよう!

対象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や光の美しさなどを基に感じ取ったこと,考えたことか

ら主題を生み出す。 自分の「感情」に合う構成

を考えよう!

光の特性や材料や用具の特性などを主体的に生かし,表現方法を工夫して表現する。 意図に合わせて表現してみ

よう!

対象を見つめ感じ取った形や色彩の特徴や光の美しさなどを表現することに関心をもち,主体的

に主題を生み出し,構想を練る。 光でできることを試してみ

よう!

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5 本時の計画(4/6時間)

(1) 目標

全体と部分との関係などを考え,形や色彩,光などの効果を生かして構成やアングルなどを創造的に工夫し

心豊かに表現する構想を練る。・・・発

(2) 準備

○ 教師:ワークシート・印刷番号提出用紙・黒板掲示・コンピュータ・タブレットPC・プロジェクタ

デジタルカメラ・カゴ・LEDライト・カラーフィルター(青・赤・黄・緑)

光量減少フィルター・台紙・カメラ固定マウント

○ 生徒:筆記用具・教科書・ファイル・色鉛筆

(3) 展開

過程

時間

学 習 活 動

視点Ⅰ

指 導 上 の 留 意 点

(〔思〕:〔思考分析力〕に係る内容)

評 価 と 手 立 て

観点:評価規準【評価方法等】視点Ⅱ

10

○前時までの学習内容を振り返り本時へ

の課題をもち意欲を高める。

○本時のねらいと内容を知る。

○前時を振り返り,自らの制作を振り返

ることに意義を見いだせるよう,課題

の提示を工夫する。

○情報機器を使用し,関心・意欲を引き

出しながら,今後の計画について説明

を行う。 発②全体と部分との関係などを考

え,形や色彩,光などの効果を生

かして構成やアングルなどを創造

的に工夫し心豊かに表現する構想

を練っている。

◎光の特性や効果を生かしながら,自分

の制作意図に合うよりよい構成やアン

グルを目指して「暗い・明るい」など

色彩についてや「滑らか・はっきりと

した」などの形についての事象を比較

したり,因果関係を推測したりして「激

しい・穏やか」などの感情の構想を深

めている。視点Ⅱ

◆光の特性やカメラの機能や特徴を再確

認し,自分の表現したい色彩や形から

造形的な視点を明確にしながら助言す

る。

30

○自分の主題から受けるイメージを見直

し,制作意図にあった構想を確認する。

○自分の表現意図に合う表現方法を繰り

返し思考・判断しながら撮影を行う。

視点Ⅰ

○自分の主題に合う色彩や形,構成を考

えられるように,感情との関わりを明

確にしながら全体指導や助言をする。

〔思②〕

○表現意図に合う表現方法を見出せるよ

うこれまで学習してきた光の特性やデ

ジタルカメラの機能を再確認できるよ

うな助言をし,時間との関わりを意識

できるよう環境を整える。〔思②〕

○本時による自分の制作を確認し,制作

意図に合うよりよい表現方法を友人の

制作と比較検討しながら考えを広げ

る。視点Ⅰ

○自分の制作に対してよりよい表現方法

を思考・判断し,構想を深める。

○これからの制作に生かすために,

言語活動を行いながら表現した画

像をよく鑑賞し,表現された色彩

や形と表現技法の関係を伝え合え

るよう場と時間を設定する。〔思②〕

○よりよい表現を比較検討できるよう

に,様々な表現方法を造形的な視点を

明確にしながらスケッチやメモで残せ

るよう助言する。〔思②〕

10

○次時へ向けて,より自分の表現意図に

合った表現技法を考え,制作の順序な

どを考えながら見通しをもつ。視点Ⅰ

○次時に向けて構想を練り計画できるよ

うにワークシートの記述を促す。〔思

②〕

◎:十分満足できる状況 ◆:C判断生徒への手立て

(備 考 在籍生徒数 男子21名 女子21名 計42名)

自分の感情に合うイメージをもちな

がら制作しよう!

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5月24日(水) 第1時

第2学年A組 美術科学習指導案

授業者 吉 田 真 梨

1 題材名 「私のイチオシ!夢のチョコ開発会議!」 A表現(2)(3),B鑑賞(1)

2 題材について

(1) 生徒の実態

本学級の生徒は学習意欲の高い生徒が多く,授業規律も身に付いている。小グループや全体の発表において

は,自分の思いを相手に伝えたり,他者の意見を聞いて自分の制作に生かしたりすることができる生徒がほと

んどである。1年次に,色彩の学習と思いを伝えるポップアップカードの制作を通して,色彩の組み合わせが

人に与える精神的な影響やイメージ,身近な人に自分の思いを伝えるためのデザインについて学習している。

特にポップアップカードのデザインでは,伝えたいメッセージに合わせて全体の配色を考えたりするだけでは

なく,伝えたい内容を表現するために図やレタリングを活用したり,飾るだけではなく情報を選び取るなどす

ることが,伝える機能を果たすために重要であることについても学習した。

今回の題材は,パッケージデザインというより多くの人に伝えるために,形や色彩の効果やイメージ,図柄

や写真などを生かしながら,機能を考えていく必要がある。より多くの人に意見を求めたり,自分から発信し

たりしていくことを通して,美しさや機能についての考え方や捉え方を広げさせたい。形や色彩の効果やイメ

ージを生かして他者への伝達に活用したりしようとする活動に楽しんで取り組むことを期待している。

(2) 本題材を指導するにあたって

本題材は,生活の中にある美術の役割を理解するとともに,「こんなチョコレートがあったらいいな」とい

う自分の思いや夢を基に,色彩や素材の特性を生かしてより多くの人に伝えるパッケージに表現しながら,伝

えたい思いや意図を伝達するためのパッケージとしての調和のとれた洗練された美しさや魅力を,自分の価値

意識をもって味わう表現及び鑑賞活動である。

市販の小型チョコレートを基に,その新商品として個性豊かで魅力あふれるパッケージをデザインする。小

型のチョコレートは安価で流通も多く,生徒がコンビニエンスストア等で目にする機会も多い。また季節や地

域によってさまざまな味が存在し,見た目もかわいらしいことがこのチョコレートの魅力でもある。形状は変

わらないが,味の多様性に合わせてパッケージもバリエーションが豊富であり,さまざまな文字や模様・図柄

が用いられ、それらを並べてみるだけでもわくわくした楽しい気持ちになってくる。実在している味だけでは

なく,「こんなチョコレートがあったらいいな」という夢や自分の思いをもちながら自由に想像を働かせ生き

生きと表現を楽しんでほしい。

指導に当たっては,まずより多くの人にチョコレートの味や魅力を伝えるために配色・図・写真・レタリン

グなどの情報が整理され,パッケージ自体が洗練された美しさをもっていることを理解させたい。その上で自

分が伝えたい味や魅力を表現するために描画材や素材を選ぶなどして新たな表現方法を工夫しながら,色彩や

図などを豊かに用いて表現できるように指導する。また,中間発表の時間を設けることにより,自分の制作を

途中で振り返るとともに,他者からの意見をもらうことで自分以外の感じ方に触れ,伝達のための表現の幅を

広げられるようにしたい。また,本当の企業のプレゼンのように複数アイデアを出させ,一つの商品やパッケ

ージが生まれるのに,デザイナーや企画担当として働く人々がどれだけの熱意と苦労を重ねているのかという

こと理解し,そうして人々の思いによって生みだされたものが私たちの生活を彩り豊かにしていること経験を

通して気付かせたい。生活の中にある美術の働きについて理解し,販売者・購入者の両者の立場からパッケー

ジが生み出す生活の豊かさを感じ取れるように指導する。

第1時「パッケージの役割を理解しよう!」では,パッケージの「商品を保護する」「商品のイメージを伝

える」という2つの機能について理解する。その上で,実際に販売されているお菓子のパッケージを鑑賞する。

図・文字・配色・情報などのイメージを伝えるための工夫に気づかせ,生活の中に存在する美術の役割と魅力

に気付かせ,そのよさを味わわせたい。

第2時「コンセプトを明確にし,夢のチョコをデザインしよう!」では,販売者の立場になって,「こんな

チョコレートがあったらいいな」という思いを基にチョコレートのデザインを行う。味や素材,または食べた

後の効果など商品の魅力をコンセプトとし,食べてみたい・人に食べさせたいチョコレートを考える。味や食

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感,素材のイメージなどと関連付けながら,夢いっぱいのチョコレートの構想を練るように指導する。

第3・4時「魅力あるパッケージのデザインを練ろう」では,デザインしたチョコレートをもとに,パッケー

ジのアイデアスケッチをする。商品の魅力やイメージを伝えるために配色や図・レタリングなどを工夫すると

ともに,全体のバランスに気を付けながら文字や図,柄などの大きさや配置を考え,魅力あるパッケージのア

イデアを練るように指導する。第一段階では,企画書の記入を行うとともに,文字の形やイラスト,キャラク

ターなどの案を練り,パッケージのおおよその構想を鉛筆等でスケッチする。第二段階では自分が描いたスケ

ッチをコピーしたもの色鉛筆で彩色し,配色のパターンを複数考える。

第5時「仮発表会で商品をプレゼンしよう!」では,パッケージのアイデアスケッチやこれまで使用したワ

ークシートを用いて,班内でのプレゼンテーションを行う。生徒は商品の開発者になりきって自分の開発した

チョコレートとパッケージの魅力について説明をする。お互いに意見交換をすることで自分の制作について振

り返らせ,より魅力あるパッケージを生み出せるようにしたい。実際の企業に沿ったプレゼンテーションを行

うことで,商品を生み出す人々の熱い思いやその苦労にも気づかせたい。

第6・7・8・9時「魅力あふれるパッケージを制作しよう!」では,A4のケント紙を台紙として,描画材

で描いたり,紙やフィルムなどの素材を貼ったりしてパッケージを制作する。自分が伝えたい魅力やイメージ

に合わせて描画材や素材を選ぶとともに制作の手順を考え,見通しをもって制作するように指導する。

第10時「新商品発表会」では,制作したパッケージの鑑賞を行う。魅力やイメージを伝えるための工夫に

ついて,配色やレタリングだけではなく,描画材と技法・素材の選択にも注目するように指導する。

(3) 本題材における「表現と鑑賞の一体化させながら資質・能力を育成する学習指導の工夫」

① 本題材における表現と鑑賞を一体化させる「美術科における思考分析力」〔共通事項〕

・時代や社会の特徴的な姿,人々の願望や造形における技術の歩みを読み取る【表現(2)・鑑賞】・〔思①〕

・形,色彩,材料,光,図柄,時代,社会的背景から分析をする【表現(1)(2)・鑑賞】・・・・・〔思②〕

・簡潔化,総合化【表現(2)・鑑賞】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〔思③〕

② 本題材における研究の視点について

【視点Ⅰ】「生徒に学びの自覚を促す造形的な視点を明確にした形成的評価の工夫」・・・・・・・〔Ⅰ〕

【視点Ⅱ】「美術科における造形的な視点を通した資質・能力をはかる課題と評価指針」・・・・・〔Ⅱ〕

3 目標及び評価規準

(1) 目標

色彩や図,レタリングなどを用いてお菓子の魅力などを表現することや生活を心豊かにする美術の働きに関

心をもち,お菓子の味や魅力自分の願いを基に,形や色彩,配色などの効果を生かしてパッケージの構想を練

り,描画材や素材などの表現方法を工夫するとともに,パッケージとしての調和のとれた美しさなどを感じ取

り,自分の価値意識をもって味わうことができる。

(2) 学習活動に即した評価規準 美術への関心・意欲・態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力

表現関①お菓子の魅力などの伝えたい内容を

多くの人々に分かりやすさや美しさ,購入す

るものの気持ちを考えて表現することに関心

をもち,主体的に構想を練ろうとしている。

表現関②絵の具などの描画材や紙の質感など

の特性などを主体的に生かし,表現方法を工

夫して表現しようとしている。

鑑賞関③自分の表現したいイメージを伝える

ことや,お菓子の魅力などを伝えるパッケー

ジとしての調和のとれた洗練された美しさ,

つくり手の意図や願いなどに関心をもち,主

体的に感じ取ろうとしている。

発①感性や想像力を豊かに働

かせて制作者の思いや表現し

たいものの特徴やイメージな

どを伝えたい内容を基に主題

を生み出している。

発②お菓子の魅力などの伝え

たい内容を多くの人に伝える

ために,形や色彩などの効果

を生かしたり購入するものの

気持ちを考えたりして分かり

やすさや美しさなどを総合的

に考え,表現の構想を練って

いる。

創絵の具などの描画材

や紙の質感やイメージ

などの特性を生かし,

表したいイメージをも

ちながら表したいお菓

子の魅力などに合う新

たな表現方法を工夫す

るなどして,創造的に

表現している。

鑑お菓子の魅力などを

伝えるパッケージとし

ての調和のとれた洗練

された美しさ,つくり

手の意図や願いなどを

感じ取り,自分の価値

意識をもって味わって

いる。

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5 指導と評価の計画 (5時間計画)

時間 学習活動 指導上の留意点(・)具体的な評価規準(★)

○実際の商品のパッケージを分析

し,イメージを伝えるための工

夫やパッケージの役割について

考える。

・パッケージがもたらす効果や豊かさについて触れ,社会や生活の中に生きる美術の役割に

気づくことができるように指導する。

★パッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意図や願いなどに関心を

もち,主体的に感じ取ろうとしている。 関③【観察・表現・記述】

★パッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意図や願いなどを感じ取

り,自分の価値意識をもって味わっている。 鑑①【対話・表現・記述】

○商品のイメージや伝えたい内容

を明確にし,魅力ある商品を構

想する。

・自分の願いや夢など想像を膨らませ,魅力ある夢のチョコレートになるように助言する。

★菓子の味や魅力などの伝えたい内容を多くの人々に分かりやすさや美しさ,購入するもの

の気持ちを考えて表現することに関心をもち,主体的に構想を練ろうとしている。

関①【観察・表現・記述・作品】

★感性や想像力を豊かに働かせて制作者の思いや表現したいものの特徴やイメージなどを伝

えたい内容を基に主題を生み出している。 発①【表現・記述・作品】

○文字の形やイラスト・写真な

ど,全体の構成を考えながらア

イデアスケッチをする。

○全体のバランスを考えながら,

パッケージの配色を練る。

・自分が考えたチョコレートの魅力をより魅力的に伝えるパッケージになるように,レタリ

ングやイラスト写真や配色,全体の構成を工夫するように指導する。

・立体になったときのパッケージの見え方や向きに注意するように伝え,制作の見通しを持

たせるようにする。

・より伝わりやすいパッケージの構想を練るために,配色を複数考えられるようにワークシ

ートをコピーしたものを用意するなど支援する。

★お菓子の魅力などの伝えたい内容を多くの人に伝えるために,形や色彩などの効果を生か

して分かりやすさや美しさなどを総合的に考え,表現の構想を練っている。

発②【表現・記述・作品】

5( 本

○形や色彩の効果などに注目して

より良いパッケージについて批

評し合う。

○自分の行ってきた制作について

振り返るとともに,今後の制作

の見通しをもつ。

・考えたチョコレートの魅力を伝えるための工夫について,形や色彩の効果などに注目し

て鑑賞するように全体に指導する。

・他者の発表や意見を基に自分の制作を振り返り,購入者の気持ちになって自分のパッケ

ージを客観的に見る時間を十分につくる。

★お菓子の魅力などを伝えるパッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり

手の意図や願いなどを感じ取り,自分の価値意識をもって味わっている。

鑑①【対話・表現・記述】

○絵の具などの描画材や紙などの

素材を使った表現方法を工夫し

ながら,制作を行う。

・自分の伝えたい味や魅力に合わせて描画材や素材を選び,技法や工夫し制作の手順を考

えて見通しをもって創意工夫して表現できるように支援する。

★絵の具などの描画材や紙の質感などの特性などを主体的に生かし,表現方法を工夫して表

現しようとしている。 関②【観察・表現・記述・作品】

★絵の具などの描画材や紙の質感などの特性を生かし,表したいイメージをもちながら表した

いお菓子の味や魅力に合う新たな表現方法を工夫するなどして,創造的に表現している。

創①【観察・表現・作品】

絵の具などの描画材や紙の質感などの特性を生かし,表したいイメージをもちながら表し

たいお菓子の味や魅力に合う新たな表現方法を工夫するなどして,創造的に表現する。

魅力あふれるパッケージを制

作しよう!

お菓子の魅力などを伝えるパッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手

の意図や願いなどを感じ取り,自分の価値意識をもって味わう。 仮発表会で商品をプレゼンし

よう!

お菓子の魅力などの伝えたい内容を多くの人に伝えるために,形や色彩などの効果を生か

して分かりやすさや美しさなどを総合的に考え,表現の構想を練る。

チョコの魅力を伝えるパッケ

ージの配色を練ろう!

チョコの魅力を伝えるパッケ

ージのアイデアを練ろう!

お菓子の魅力などの伝えたい内容を多くの人々に分かりやすさや美しさ,購入するものの

気持ちを考えて表現することに関心をもち,感性や想像力を豊かに働かせて制作者の思い

や表現したいものの特徴やイメージなどを伝えたい内容を基に主題を生み出す。

コンセプトを明確にし,夢の

チョコをデザインしよう!

お菓子の魅力を伝えるパッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意

図や願いなどに関心をもち,パッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり

手の意図や願いなどを感じ取り,自分の価値意識をもって自分の価値意識をもって味わ

う。

パッケージの役割を理解しよ

う!

Page 68: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

10

○作品の機能や表現の工夫,美

しさを感じ取りながら,鑑賞

をする。

・色や形,写真などの工夫などの視点で,伝えたい魅力や作者の思いを感じ取るように指

導する。

★自分の表現したいイメージを伝えることや,お菓子の魅力などを伝えるパッケージとして

の調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意図や願いなどに関心をもち,主体的に感

じ取ろうとしている。 関③【観察・表現・記述】

★パッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意図や願いなどを感じ取

り,自分の価値意識をもって味わっている。 鑑【観察・対話・記述】

6 本時の計画(5/10時間)

(1) 目標

形や色彩の効果に注目し、お菓子の魅力などを伝えるパッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つく

り手の意図や願いなどを感じ取り,自分の価値意識をもって味わう。・・・鑑

(2) 準備

○ 教 師:ワークシート・タブレット端末・電子黒板・プロジェクタ

○ 生 徒:筆記用具・教科書・ファイル

(3) 展開

過程

時間

学 習 活 動 (視点Ⅰ・Ⅱ:学習活動の工夫)

指 導 上 の 留 意 点 (〔思〕:〔思考分析力〕に係る内容)

評 価 と 手 立 て

観点:評価規準【評価方法等】

○本時のねらいと内容を知る。

○前時までに練ってきたアイデアについ

てまとめ,自分の考えた商品とパッケ

ージの魅力について,文字の形や図

柄,配色の工夫を中心に人に伝えられ

るようにすることを伝える。〔思②〕

鑑①お菓子の魅力などを伝えるパッケ

ージとしての調和のとれた洗練された

美しさ,つくり手の意図や願いなどを

感じ取り,自分の価値意識をもって味

わっている。 【対話・表現・記述】

◎文字の形や色彩,図柄などの特徴から

「甘い」「高級そうな」「はじけるよう

な」「子供向けの」などのつくり手の

伝えたい商品のイメージや,大きさや

配置などの全体的なバランスなどの美

しさを感じ取り,自分の価値意識をも

って味わっている。視点Ⅱ

◆配色や文字の形の工夫に注目し,つく

り手の伝えたいことを感じ取り,パッ

ケージの洗練された美しさやを味わう

ように助言する。

35

○企画書とパッケージのアイデアスケッ

チを使って,自分の考えた商品とパッ

ケージの魅力を紹介し,配色や文字の

形などの視点からパッケージの機能や

魅力についてお互いに感想・意見を出

し合う。視点Ⅰ(20分)

○つくり手が自分の伝えたい思いや商品

の魅力を伝えるために,文字の形や色

彩の効果などどのように工夫して表現

しようとしているか感じ取るように伝

える。〔思②〕

○新しい意見をもらえるように,いつも

制作を行っている活動班ではなく,新

しい班を作って活動させる。一人4~

5分のもち時間があることを示し,見

通しをもって意見交換ができるように

する。

○仮発表会を受けて,自分の考えや見方

・表現方法が変わったか記録を残すよ

うに助言する。

○本時の鑑賞を通して考えたことや今後

の自分の制作に対する見通しをまとめ

るように伝える。

○他者の発表した内容や自分の作品に対

する感想や意見を踏まえて,今後の制

作の方向性をまとめる。視点Ⅰ(15

分)

10

○今日の活動を全体で共有する。

〇次時以降の学習活動について確認す

る。

○本時の活動の成果を各自が振り返り,

これからの制作に見通しをもって取り

組めるようにする。

◎:十分満足できる状況 ◆:C判断生徒への手立て

(備 考 在籍生徒数 男子21名 女子21名 計42名

仮発表会で商品をプレゼンしよう!

パッケージとしての調和のとれた洗練された美しさ,つくり手の意図や願いなどに関心を

もち,自分の価値意識をもって味わっている。

新商品発表会

Page 69: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5月 23日(火) 第1時

第2学年C組 保健体育科学習指導案

授業者 井 村 浩 一

1 単元名 球技(ハンドボール)

2 運動の特性

(1) 一般的特性

球技は,ゴール型,ネット型及びベースボール型などから構成され,個人やチームの能力に応じた作戦を

立て,集団対集団,個人対個人で勝敗を競うことに楽しさや喜びを味わうことのできる運動である。

ハンドボールは,パスやドリブルを使ってボールをキープしながら,相手ゴールにシュートをして得点を

競い合う集団スポーツである。攻撃と守備が激しく入れ替わる速いゲーム展開も面白さの一つである。

(2) 生徒から見た特性

ハンドボールは,攻撃と守備の入れ替わりが激しく運動量の多い種目である。片手で握れるくらいの大き

さのボールを使用するので,ボールを扱いやすく,誰にでも手軽に楽しむことができる。また,ボールを持

って空中でキャッチすることにより4歩まで動くことができ,5歩目が着く前にボールを1回ドリブルする

と,さらに3歩動くことができるため,8歩まで容易に動くことができることから,スピードあふれるプレ

イが可能となるスポーツである。

3 生徒の実態

2年C組の生徒は仲間と協力しながら,意欲的に活動に取り組むことができる。また,話をしっかりと聞き,

行動に移すことが出来る生徒が多い。また,運動に積極的に取り組む生徒が多く,仲間と協力しながら,お互

いに高めあうことのできる集団であるが,説明された内容を身体表現として表すことは苦手と考えられる。

4 教師の指導観

ハンドボールは激しく攻防が入れ替わり,点を取り合うところに楽しさがあると考えている。また,ゴール

型の球技ということもありバスケットボールやサッカーと類似する動き方はあるものの,競技の特性は全く異

なる種目であると考えている。まずは,基本的な個人の技能を高めることに重点を置き,パス&ランでボール

を運ぶことやシュートの打ち方について学習をしていく。次に,仲間と連携した動きでの攻撃の仕方に重点を

置き,ハンドボールを得意な生徒が個人技能で点を取るのではなく,仲間と連携して得点を取れるように,ボ

ールを持っていない人がパスを受けるためにゴール前の空いている場所へ動くことや,ボールを持っている人

が得点しやすい空間にいる味方にパスを出すこと等の指導につなげていきたい。さらに,ボール操作と空間に

走り込むなどの動きについての知識や技能を身に付けさせた上で,各チームに応じた攻撃の仕方で攻防を展開

できるようにしたい。

また,本校の研究主題である「社会を主体的に生き抜くことができる生徒の育成-主体的な学びを実現する

学習指導と評価の在り方-」を基に,保健体育科の研究主題を「主体的な学びを育む保健体育の学習」とし,

そのための手立てとして次のことに重点を置き,指導していきたい。

(1) <指導>生徒が目的をもって取り組むことができる学習場面の設定と学習活動の工夫

教え合いの質を高めるために学習活動や学習形態を工夫し,意図的に仲間同士で話合いができる場や,仲

間の活動を観る時間,運動強度を考えた活動などを工夫して学習活動に取り入れることで,考えて動く場面

を増やしていきたい。

<評価>生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫【視点Ⅰ】

振り返りなどを充実させるために,授業の中で獲得した情報を次の時間にも生かすことや,運動量の確保

ができるように簡略化した学習カードの工夫をしていきたい。

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(2) <指導>「課題提示(問い)」の工夫

思考を促すために発問を活用し,場を工夫した授業を展開するために,ねらいとしていることが表面化し

やすい場を工夫し,頭の中で考えるだけでなく,実際に動きながら試行錯誤していけるような発問を活用し

ていきたい。また,思考を促したり,深めたりするための教師による生徒への声かけを工夫するために,与

えられた課題に対して,常に考えながら身体を動かすことができるよう,運動の途中の場面でもストップを

かけて,その場面で考えてほしいことを引き出すような声かけをしていきたい。

<評価>各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準【視点Ⅱ】

「目標を達成するために試行錯誤しながら課題を克服しようとする力」をはかるために,単元をつらぬ

く課題を与えることによって,自己やチームの課題に応じた運動の取り組み方を工夫したり,分担した役

割に応じた協力の仕方を見付けたりする力を身に付けさせていきたい。

5 単元の目標

(1) 球技に積極的に取り組むとともに,分担した役割を果たそうとすること,作戦などについての話合いに参

加しようとすることができるようにする。 【関心・意欲・態度】

(2) 課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。 【思考・判断】

(3) ボール操作と空間に走り込むなどの動きによって,ゴール前での攻防を展開することができるようにする。

【技能】

(4)球技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,関連して高まる体力などを理解できるようにする。

【知識・理解】

6 単元及び学習活動に即した評価規準

運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運動の技能 運動についての知識・理解

単元の評価規準

球技の楽しさや喜びを味

わうことができるよう,フ

ェアなプレイを守ろうと

すること,分担した役割を

果たそうとすること,作戦

などについての話合いに

参加しようとすることな

どや,健康・安全に留意し

て,学習に積極的に取り組

もうとしている。

球技を豊かに実践する

ための学習課題に応じ

た運動の取り組み方を

工夫している。

球技の特性に応じて,

ゲームを展開するため

の基本的な技能や仲間

と連携した動きを身に

付けている。

球技の特性や成り立ち,技

術の名称や行い方,関連し

て高まる体力,試合の行い

方を理解している。

学習活動に即した評価規準

①学習に積極的に取り組

もうとしている。

②分担した役割を果たそ

うとしている。

③作戦などについての話

合いに参加しようとし

ている。

①自己やチームの課題

を見付けている。

②仲間と協力する場面

で,分担した役割に

応じて協力の仕方を

見付けている。

①守備者がいない位置

でシュートをするこ

とができる。

②フリーの味方を見付

けてパスをすること

ができる。

③パスを受けるために

空いている場所へ動

くことができる。

①球技の特性や成り立ちに

ついて,学習した具体例

を挙げている。

②試合の行い方について,

学習した具体例を挙げて

いる。

7 単元の計画

(1) 領域の取り上げ方

学年 ソフトボール バレーボール バドミントン

(ソフトテニス)

サッカー

(ハンドボール) バスケットボール

第1学年 9時間 9時間 7時間 7時間

第2学年 8時間 8時間 8時間 8時間

第3学年 14時間

※種目選択

14時間

※領域選択

14時間

※種目選択

Page 71: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

(2) 指導と評価の計画 本時は○

1 2 3 4 ⑤ 6 7 8

ねらい

○学習の見通しを

もとう。

○パスを受けよう

○素早くシュートを打とう

○積極的に活動しよう

○自分の課題を見付けよう

○仲間にシュートを打たせよう

○仲間と協力して課題を解決しよう

○チームの課題を見付けよう

○協力して安

全に試合を

運営しよう

指導の内容

・種目の特性

・授業の約束事

・準備などの仕方

・基本的なパスの仕方

・ステップの仕方

・パスの受け方

・ワンドリブルの仕方

・パスの使い分け方

・ボールの受け方

・課題解決のための練習の場や方法の

選択

・運営方法

・安全確保

学習過程

1 学習の見通し

・運動の特性や楽

しみ方を理解し

自己の適性等に

ついて考える

2 学習準備

・種目において用

いられる技術や

戦術,作戦の名

称やその具体的

な行い方や活用

方法があること

・学習カードや資

料等の使い方

・チーム編成,役

割分担,用具の

準備方法

3 慣れの運動

・パス

ショルダー

バウンド

ジャンプ

アンダー

リスト

サイド

・ワンドリブル

6 ボールを持っていな

いときの動き

・ボールを受ける準備

→4vs1,5vs2の

ボール2個キープ

・空間に走り込むなどの動き

→2vs1,3vs2の

ボールキープ

6 シュート練習

・1v0

→ステップシュート

→ジャンプシュート

・2vs1

→時間をかけずにシュート

まで持ち込む

6 ボールを持っていな

いときの動き

・相手を外すなどの動き

→2vs2

3vs3

6 シュート練習

・1vs1

→かわしきれなくても

隙をついてシュート

を打つ

→サイドシュート

・2vs2

→相手を引きつけるこ

とで味方を生かす

6 課題解

決学習

・前時まで

の学習を

踏まえて

仲間と協

力し,練

習の場や

方法を選

択して行

5 ゲーム

・トーナメン

ト戦を行う

6 学習のま

とめ

・これまでの

学習を振り

返って学習

カードにま

とめを記述

する

評価の計画

関 ① ③ ②

思 ① ②

技 ① ③ ②

知 ① ②

法 学習カード 観察 観察

学習カード

観察 観察 観察

学習カード

観察

学習カード

観察

面 8 6・7 6・7 8 6・7 5・7 6 5・6

1 集合 挨拶 健康観察 2 準備運動 3 慣れの運動

4 前時の振り返り 本時のねらいの確認

5 5vs5のゲーム(前半)

8 整理運動 学習の振り返りとまとめ 挨拶

7 5vs5のゲーム(後半)

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8 本時の学習と指導(5/8時)

(1) ねらい

フリーの味方を見付けてパスをすることができる。【技能】

(2) 準備

ハンドボール,ゴール,ビブス,チームカード,学習ファイル,筆記用具

(3) 展開

学習内容・活動 指導上の留意点(○:指導 ◆:評価)

10

1 集合,挨拶,健康観察

2 準備運動

・体操,ストレッチ

3 慣れの運動

・キャッチボール,パス&ラン

○元気よく挨拶させ,健康観察を行う。

○チームごとに協力して素早く行わせる。

○安全に留意して行わせる。

○膝の曲げ伸ばしを意識させる。

○山なりのボールを投げて,ステップを意識したキャッチボ

ールを行わせる。

○できるだけスピードを落とさないように距離や投げ方を工

夫させる。

30

4 前時の振り返り,本時のねらいの確認

5 5対5のゲーム(前半8分)【視点Ⅱ】

・全員が半分の時間は試合に出られるような交代

をする。GKとCPの交代をしても良い。

・終了後,素早くミーティングを行う。

※話合い活動

6 相手を外すなどの動きの練習

・2vs2の攻防からシュートまでの練習を行う。

・スタートはサーバーからボールを受けて行う。

・サーバーは攻撃側のサポートを行う。

※外し方のポイント

・相手の前で受ける

・相手の裏で受ける

・パスを出した後に素早く動く

・逆方向への動き直しをする

7 5対5のゲーム(後半8分)【視点Ⅱ】

・前後半合わせて同じくらいの出場時間となるよ

うにする。

・終了後,素早くミーティングを行う。

※話合い活動

○前時までの学習を振り返り,自己の課題を確認させる。

○本時のねらいを確認させる。

○素早く準備してゲームを開始させる。

○コートの外にいる生徒が時間を見て交代できるようにさ

せる。

◆フリーの味方を見付けてパスをすることができる。

【技能②】

○前半とメンバーを入れ替えてゲームに臨ませる。

○チーム力が均等になるような交代の工夫をさせる。

○出場していない生徒にチームカードを記入させる。

10

8 整理運動

学習の振り返りとまとめ【視点Ⅰ】

挨拶

○使った部位を意識して整理運動を行わせる。

○協力して片付けを行わせる。

○個人の振り返りとなるように記述をさせる。

○素早く集合し,整頓をさせる。

○元気良く挨拶を行わせる。

仲間にシュートを打たせよう

努力を要すると判断される状況(C)

の生徒への指導の手立て

△観察を踏まえ,教師が個別に指導に当たる

△外し方のポイントを仲間に伝えさせる

十分満足できると判断される状況(A)

の生徒の具体的な姿

◎良い体の向きで視野の確保ができている

◎タイミング良くパスを出している

「教師の声のかけ方」の手立て

【例】「○○が空いていたけど見えた?」

「どこの場所でボールを受ける?」

「教師の声のかけ方」の手立て

【例】「空いている仲間はどこ?」

「どこの場所でボールを受ける?」

Page 73: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

5月 23 日(火) 第2時

第3学年 D 組 保健体育科学習指導案

授業者 小 澤 幸 康

1 単元名 体つくり運動

2 運動の特性

(1) 一般的特性

体つくり運動は,「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動」で構成され、自己の体に向き合っ

て,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,体をほぐしたり,体力を高めたりすることができる領

域である。体ほぐしの運動は,仲間との交流を通して,運動することの心地よさを感じたり,自分

の体の調子に気づいたり,整えたりすることができる運動である。体力を高める運動は,自己の体

力に応じて課題を設定し,解決していくことで体力の高まりを実感することができる運動である。

(2) 生徒からみた特性 運動の楽しさの要因 運動を遠ざける要因

・友達と交流する楽しさを味わえたとき。

・自分の体力の高まりが実感できたとき。

・心と体は互いに影響し変化することに気づいたとき。

・運動したことにより心も体も軽くなったと感じたと

き。

・友達との交流がうまくできず,孤立してしまったとき。

・課題解決のための取り組みの成果がなかなか見られなかっ

たり,体力の高まりが実感できなかったとき。

・体の動かし方がわからず,自分で解決できなかったとき。

3 生徒の実態

(1) 技 能

1学年では,体の柔らかさ,巧みな動きを高めるための基本的な運動を行い。2学年では,1

学年の内容に力強い動き,動きを持続する能力を高めるための基本的な運動を行い,それらを組

み合わせて簡単な運動計画を作成し取り組むことを行ったが,その後経過指導をしていないため,

忘れている生徒や,学習した内容を活用できていない生徒が多い。

(2) 態 度

明るく活発な生徒が多く落ち着きがなくなるときもあるが,男女関係なく仲が良く,相手を尊

重しながら接することができる生徒が多い。課題に対しても積極的に仲間と協力して解決しよう

とする態度がみられる。

(3) 知識,思考・判断

与えられた課題に対して素直に取り組むことができる生徒が多く,中には与えられた課題に対

して既に学習した内容を当てはめ,より良い解を求めたり学習を深めようとする生徒もいる。

4 教師の指導観

本校生徒の課題として,部活動の時間も少なく,帰宅後も習い事や学習塾等に通っているため運動時

間が少ない生徒が多くいる。今回の体つくり運動の学習を通して,将来生涯にわたって健康を保持増

進し、豊かなスポーツライフを実現するための足掛かりとしたいと考える。指導に当たっては,新体

力テストの結果を基に,自己の体力の状況を把握し,その結果を踏まえた調和のとれた体力の向上

を図るための運動計画を立て,取り組ませたい。生徒自身の課題に気付かせ,各自がプログラムを

考えることによって,日常的に運動を行う認識を高め,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を

育てたい。

また,本校の研究主題である「社会を主体的に生き抜くことができる生徒の育成―主体的な学び

を実現する学習指導と表記あの在り方―」を基に,保健体育科の研究主題を「主体的な学びを育む

保健体育の学習」とし,そのための手立てとして次のことに重点を置き,指導していきたい。

(1) <指導>生徒が目的を持って取り組むことができる学習場面の設定と学習活動の工夫

生徒同士の話し合いや教え合い活動を充実させるため,ペア学習やねらいごとのグループ編成

での学習を中心に行い,ねらいに沿った運動の計画とその内容について相互にアドバイスし合う

場面を意図的に作り,主体的に学習に取り組む力を育てたい。

Page 74: 第1学年B組 国語科学習指導案 - Saitama University5月24日(水) 第1時 第1学年B組 国語科学習指導案 授業者 三 浦 直 行 1 単元名・教材名 「伝える,伝わる,言葉の世界」

<評価>生徒に学びの自覚を促す形成的評価の工夫【視点Ⅰ】

ねらいや目指すべきゴールを明確にし,自己の取り組みや伸びた力を振り返ったり,仲間のア

ドバイスを基に修正ができるような学習カードの工夫をしていきたい。

(2) <指導>「問題提示(問い)」の工夫

今回の体つくり運動の学習をより身近なものとして捉えさせるために,身の周りにあるものを

教具として使い運動やトレーニングに取り入れさせ,授業だけでなく部活動や家庭でも実践して

いけるよう促していきたい。

<評価>各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準【視点Ⅱ】

「学習で得たよりよい動きの理解や運動の内観で得たものを言葉や身体などで表現する力」を

はかるために,運動の行い方や一般原則,効果や回数などの知識を学習する場面を設け,教え合

い活動で活用させ向上させたい。また,定期テストで知識の理解を見取りたい。

5 単元の目標 (1) 体つくり運動に自主的に取り組むとともに,体力の違いに配慮しようとすること,自己の責任を果

たそうとすることなどや、健康・安全を確保することができるようにする。 【関心・意欲・態度】

(2) 体を動かす楽しさや心地よさを味わい,健康の保持増進や体力の向上を図り,目的に適した運動の

計画をたて取り組むことができるようにする。

・体ほぐしの運動では、心と体は互いに影響し変化することに気づき,体の状態に応じて体の調子を

整え,仲間と積極的に交流するための手軽な運動や律動的な運動を行うこと。

・体力を高める運動では,ねらいに応じて,健康の保持増進や調和のとれた体力向上を図るため

の運動計画を立て取り組むこと。 【思考・判断】

(3)運動を継続する意義,体の構造,運動の原則などを理解し,自己の課題に応じた運動の取り組み方

を工夫できるようにする。 【知識、理解】

6 単元及び学習活動に即した評価規準 運動への

関心・意欲・態度

運動についての

思考・判断 運動の技能

運動についての

知識・理解

体つくり運動の楽しさや心地よさを味わ

うことができるよう,体力の違いに配慮

しようとすること,分担した役割を果た

そうとすることなどや,健康・安全を確保

して,学習に自主的に取り組もうとして

いる。

ねらいに応じて,健康の保持増進や調和のと

れた体力の向上を図るための運動計画を立て

るとともに,自己の課題に応じた運動の取り

組み方を工夫している。

運動を継続する意義,体

の構造,運動の原則など

を理解している。

①体つくり運動の学習に自主的に取り組

もうとしている。

②体力の違いに配慮しようとしている。

③互いに助け合い教え合おうと会おうと

している。

④健康・安全を確保している。

①体ほぐしのねらいを踏まえて自己の課題に

応じた活動を選んでいる。

②ねらいや体力の程度に応じて強度,時間,

回数,頻度を設定している。

③自己の責任を果たす場面で,ねらいに応じ

た活動の仕方を見付けている。

④実生活で継続しやすい運動例を選んでい

る。

①体つくり運動の意義に

ついて,理解したこと

を言ったり書き出した

りしている

②体つくり運動の行い方

について,学習した具

体例を挙げている。

③運動の計画の立て方に

ついて,理解したこと

を言ったり書き出した

りしている

7 指導と評価の計画

(1) 領域の取り上げ方

学 年 体つくり運動

第1学年 7時間

第2学年 8時間

第3学年 9時間

(2) 運動種目の取り上げ方

学年 教材 目指す動き

体ほぐしの運動

(ペアストレッチ,用具を用いて,リズムに乗っ

て,仲間と対応してなど)

体力を高める運動

〇巧みな動きを高めるための運動

・のびのびとした動作

・リズムに乗って心が弾むような動作

・緊張を解いて脱力すること

・タイミングよく動くこと ・バランスよく動くこと

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〇体の柔らかさを高めるための運動 ・リズミカルに動くこと ・力を調整して素早く動くこと

・体の各部位の可動域を広げること

・体の各部位を緊張させたり、意識的に解緊したりすること

体ほぐしの運動(1 学年同様)

体力を高める運動

〇力強い動きを高める運動

〇動きを持続する能力を高める運動

・自己の体重や人や物などの抵抗を負荷として,それらを動かした

り、移動したりすること

・一つの運動又は複数の運動を組み合わせて一定の時間連続して行っ

たり、一定の回数を反復して行ったりすること

3 ねらいや課題に応じて,1・2学年で学習した運

動を組み合わせる

ねらいや課題に応じて、正しい動作で行うこと

(3) 指導と評価の計画 本時は〇

段階 1 2 3 4 ⑤ 6 7 8 9

・体つくり運動の特

性やねらいを理解

し,学習の見通し

をもとう。

・新体力テストの結

果より,自分の体

力の現状を知り自

己の課題を把握し

よう。

【体ほぐしの運

動】

・体と心を調整す

る運動を行い,

自分や仲間の体

と心の状態に気

付こう。

【体力を高める

運動】

・既に学習した

運動について

再 確 認 し よ

う。

【体力を高める

運動】

・自分の課題に

あった

運動を選び,

実践してみよ

う。

【体力を高める運

動】

・ねらいや体力に

適した強度,時

間,回数、、頻

度を設定しよ

う。

【体力を高める

運動】

・実生活で継続

しやすい運動

例を選んでい

る。

【体力を高める

運動】

・自分の課題に

あった

運動を選び,

実践し,見直

しする。

・作成した計画を

実践し,評価,

検討,修正をし

よう。

・学習の進め方,約

束事、安全につい

・役割分担、準備や

片付け

・体力分析と課題設

・ペアストレッチ

・ブラインドワー

・柔軟を高める運

動の行い方

・巧みな動きを高

める運動の行い

・ペアストレッ

・用具を用いて

・力強いを高め

る運動の行

い方

・持久力を高め

る運動の行

い方

・心が弾むよう

な運動を組合

わせて,選択

して行う。

・運動の計画を

立てる

・選んだ運動が

適切であるか

考える。

・仲間と協力して

組み合わせた運

動を選択して行

う。

・選んだ運動が適

切であるか考え

る。

・運動の計画を修

正する。

・仲間と協力し

て組み合わせ

た運動を選択

して行う。

・選んだ運動が

適切であるか

考える。

・運動の計画を

立てる。

・仲間と協力し

て組み合わせ

た運動を選択

して行う。

・選んだ運動が

適切であるか

考える。

・運動の計画を

修正する。

・仲間と協力して

組み合わせた運

動を選択して行

う。

・選んだ運動が適

切であるか考え

る。

・運動の計画を修

正する。

1 学習の見通し

を持つ

※運動の特性

や学習のねら

い,計 画 ,評

価について知

2 学 習 の 進 め

方,約束事の

確認

・グルーピング

・役割分担

・器具の準備,

片付けの仕方

3体力分析と課

題設定

※学習カードの

使い方

・主観的運動

強度につい

4体ほぐしの

運動

・ペアストレッ

・ブラインドワ

ーク

5体力を高め

る運動

・柔軟を高める

運動の行い方

・力強いを高め

る運動の行い

4体ほぐし

の運動

・ペアストレ

ッチ

・用具を用い

5体力を高

める運動

・巧みな動き

を高める運

動の行い方

・持久力を高

める運動の

行い方

4体ほぐし

の運動 ・運動を組み

合わせて行

5体力を高

める運動

・10 分間の運

動プログラ

ムを考える

・トレーナー

として友達

とコミュニ

ケーション

とりながら

考える。

・選んだ運動

が適切であ

る か 考 え

る。

4体ほぐしの

運動

・運動を組み合

わせて行う

5体力を高め

る運動

・運動が適切で

あ る か 考 え

る。

・運動の計画を

修正する。

・身近にありそ

うな用具を使

い運動を考え

る。

4体ほぐし

の運動

・運動を組み

合わせて行

5体力を高

める運動

・身近なもの

を取り入れ

た家庭でも

できる運動

プログラム

を考える。

・選んだ運動

が適切であ

るか考え

る。

・運動の計画

を 修 正 す

る。

4体ほぐし

の運動

・運動を組み

合わせて行

5体力を高

める運動

・選んだ運動

が適切であ

る か 考 え

る。

・運動の計画

を 修 正 す

る。

4体ほぐしの

運動 ・運動を組み合

わせて行う

5体力を高め

る運動

・選んだ運動が

適切であるか

考える。

・運動の計画を

修正する。

関 ① ② ③ ④

思 ① ③ ② ④ ③

知 ② ③ ② ④

方 カード 観察 観察 観察

カード

観察

カード 観察

観察

カード 観察

観察

テスト

場 1 3 4 4 5 5 6 5 6 456 56 5 56

1 準備,集合,あいさつ,健康観察 2 ランニング,準備体操

7 まとめと評価 8 次時の予告 9 あいさつ 10 片付け

3 本時のねらいと内容の確認

6 本時の成果の確認:生徒の相互評価を行う グループで評価を行う 学習カードの記入

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8 本時の学習と指導(5/9) (1) ねらい

ねらいや体力の程度に応じて強度,時間,回数,頻度を設定している。 【思考・判断】

(2) 準備 縄跳び,バランスボール,パイプ椅子,TRX,アジリティフットドーム,ラダー,マット

ハードル,学習資料・カード,えんぴつ,デジタルタイマー,タブレット端末,PC

(3) 展開

学習内容・活動 指導上の留意点

(○・・・指導内容 ◆・・・評価の観点)

12

1 集合,あいさつ,出席確認,健康観察

2 準備運動を行う。

W-UP(ランニング、スキップ、

ペアストレッチ等)

3 体ほぐしの運動

・仲間と協力して行うものを選択して行う

○仲間で協力して準備を素早く行わせる。

○全員で協力して素早く集合させ元気よく挨拶させる。

○健康観察をする。

○怪我の防止に注意させ,安全に行わせる。

○自分と友達の体と心の様子を感じさせながら行わせ

る。

30

4 本時のねらいと学習内容の確認をする

【指導する内容】

トレーナーとして

・体調や心の様子はどうか

・友達のねらいにあったプログラムであるか

・効果的なメニューであるか

・安全に活動すること

実施者として

・自分の体調と心の様子はどうか

・自分の思いをきちんと伝えているか

・メニューに対し適切に行うこと

・安全に活動すること

5 10 分間の運動プログラムを行う

○カウンセリングとメニュー説明(2 分間)

・体調と心の確認をする

・運動メニューのポイントと行い方を確認する

○10 分間のプログラムを実施する(10 分間)

○終わりのカウンセリング(2 分間)

・感想を聞き次回のプログラムの参考にする。

※トレーナーと実施者を交替する

6 10 分間プログラムについてのまとめを行う。

○ペアでまとめを行う

・学習カードに記入

・修正する点を話し合う

○本時のねらいを確認させる。

○互いに助言し合えるような雰囲気を作らせ,観察する

視点を明らかにし,取り組ませる。

○グループ毎にお互いの課題を確認し,計画的に行わせ

る。

○場の安全を十分に確認させ,活動を行わせていく。

○学習資料を活用すること。解決できない場合は教師に

アドバイスをもらいに行くこと。

○友達の体調や心の様子を把握させる。

○立ち位置や周囲の安全,行い方を確認させる。

○トレーナーは見えやすい位置で観察させる。

○効果的な声かけをさせる。

○友達の体調や心の様子を把握させる。

○本時のねらいに対して振り返らせる。

7 集合、整列し本時の評価を行う

・本時の成果や課題について発表する。

8 次時の学習の確認をする。

・次時の取り組みの見通しを持たせる。

9 挨拶をする。

10 片付けをする。

○本時のねらいに対して振り返らせる。

○素早く集合させる。

○聞く姿勢を作らせる。

○次時の学習内容を説明する。

○体調不良や怪我がないか確認する。

○グループで協力して後片付けさせる。

ねらいや体力の程度に応じた強度,時間,回数,頻度を設定して友達のプログラムを考えよう。

努力を要すると判断される状況(C)の生徒への指導の手立

△ねらいや体力に合っていない生徒には、活動を止め教師が

指導に当たる。

「十分満足できると判断される状況(A)」の生徒の具体的な

姿

○仲間の課題となる動き方をよく理解し,効果的な声かけや

具体的なアドバイスを行い,ねらい達成にせまってる。

ねらいや体力の程度に応じて強度,時間,回数,

頻度を設定している。 【思】(観察・カード)

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5月 23日(火) 第1校時

第3学年 D 組 技術・家庭科学習指導案

授業者 木 村 僚

1 題材名 「製品版家具を提案しよう!」

(技術分野 A 材料と加工に関する技術(2)ウ(3)アウ)

2 題材設定の理由

(1) 生徒の実態

棚や家具は,日常生活において必ずと言っていいほど利用されるものである。現代を生きる私

たちにとってそのような製品は,日常で当たり前に使用する製品であり,その製品がどのような

意図で製作されたのかや,その製品にどのような工夫があるのかを意識しながら使っている者は

少ない。また私たちは,日ごろから製品に隠された技術に目を向ける機会が少ないため,問題や

課題を意識せずに,その思いを見過ごしてしまう傾向にある。この例だけでなく現代では,製品

における問題や課題は見過ごされてしまいがちである。これは,本校の生徒も同様のことで,過

去に様々な問題点や課題点を読み取り発見する活動を行ってきたが,教師が意図して提示しなけ

れば,自らその問題や課題にたどり着く生徒は少なかった。

今回授業を行う3年 D 組の生徒は,男女とも技術に対して興味・関心の高い生徒が多い。また,

その中の何名かは技術分野が得意で,これまでに行ってきた木材を使った製作や,ロボット製作

等の学習では優秀な製作品を創りあげてきた。その3年 D 組の生徒を対象にして,「木材作品の

設計・製作で意識したこと」を調べるためのイメージマップ作成を行った。このイメージマップ

は,過去の資料を振り返らずに,自分の中に定着している知識と技能を基に書き上げた。その記

述を平成 28 年8月に家庭,技術・家庭ワーキンググループにおける審議の取りまとめで公表さ

れた「内容別の教科の見方・考え方」に当てはめて分類を行った。その結果,現行学習指導要領

に示されている社会的側面にあてはまる記述は,高い数値を示したものが多かったが,環境的側

面,経済的側面にあたる記述では,1~2名程度の生徒しか記述しておらず,十分に定着できて

いないことが分かった。以上のことから,問題や課題の発見に課題があり,同じ側面の見方・考

え方からしか物事を見られない生徒が多いことが分かった。

(2) 題材観

本題材ではまず,製品を読み解く際に必要となる様々な見方・考え方を広げ,実際に製作品を

読み解く活動を行う。次に読み解いた際に表出した成果と課題を基に,製品化を意識した再設計

を行い,その試作品の製作をする。この題材以前に生徒は,自分や家族のためにという視点で製

作を行っているが,製品という観点では,より多面的な見方・考え方が必要となってくる。最後

に,他者と評価し合う学習を行い,さらに製作品を製品として様々な視点で見ることができるよ

うにする。

読み解く際の見方・考え方は,平成 28 年 12 月に中央教育審議会より公表された各教科等の見

方・考え方のうち,技術の見方・考え方を活用した。その見方・考え方をさらに現行の学習指導

要領の社会的側面,環境的側面,経済的側面の3つの側面でそれぞれ分類し整理した。こうする

ことで,自分がどのような側面から製作物を見ているのかを簡単に理解することができるように

なるため,生徒は自分の技術の見方・考え方をどの程度獲得しているのかを客観的に見つめるこ

とができる。

また,鍛えた見方・考え方を働かせて自分が以前に製作した製作品を再分析することで,別の

視点からの成果と課題の発見につながる。

設計するもののテーマとしては,より多くの見方・考え方を意識し働かせる製作物にする必要

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があると考えた。そこで,様々な思いや課題が複合的に存在する「製品化」をテーマにすること

にした。また,設計したものについて検討する際に,生徒同士がより具体的にアドバイスをしや

すくするために,3D プリンタを活用し立体造形を基に検討し合うことにした。

これらの学習を通じて,多面的な技術の見方・考え方を働かせ技術を読む力を養い,その読み

取った情報を基に問題・課題を発見し解決する能力と態度を養うことができる。

(3) 指導観

様々な技術の見方・考え方が鍛えられていない生徒たちに,イメージマップの作成や振り返り

活動を通じて,生徒の技術の見方・考え方を鍛えたい。また様々な技術の見方・考え方を鍛えた

生徒に,成果や課題を振り返らせる活動を通して,問題を発見する力を育成したい。意図的な課

題の提示で,生徒が鍛えた見方・考え方を活用しながら設計することを通して,問題解決能力を

育成したい。また,設計図や実際の造形物を基に互いの製作品を評価し合う活動を通じて,さら

に技術の見方・考え方を働かせることができるようにしたい。学習を通して,多面的なものの見

方・考え方と問題発見・解決に臨む力とその態度の育成を試みる。

3 題材の目標

・材料と加工に関する技術が社会や環境に果たす役割と影響について理解を深め,それらを適切に

評価し活用する能力と態度を育成する。

4 題材の評価規準

生活や技術への 関心・意欲・態度

生活を 工夫し創造する能力

生活の技能 生活や技術についての

知識・理解

材料と加工に関する

技術にかかわる倫理観

を身に付け,知的財産を

創造・活用しようとする

とともに,よりよい社会

を築くために,材料と加

工に関する技術を適切

に評価し活用しようと

している。

使用目的や使用条件

に即して製作品の機能

と構造を工夫するとと

もに,よりよい社会を築

くために,材料と加工に

関する技術を適切に評

価し活用している。

部品を加工し,組立て

及び仕上げができる。

材料と加工に関する

技術と社会や環境との

かかわりについて理解

している。

5 指導計画及び評価計画(7時間扱い)

題材

時間

ねらい 学習内容 評価規準

【評価の観点】

製品版家具を提案しよう!

自分が持って

いる技術の見

方・考え方を知

るとともに,そ

の見方・考え方

を広げ,広げた

見方・考え方を

活用し,自分の

製作品を再分析

できる。

「ちょい足し家具の設計・製作で意識

したことを整理しよう」

1)ちょい足し家具の設計・製作の際に意識したことについてイメージマップで整理する。

2)現在の「ちょい足し家具」を振り返る。

【関心・意欲・態度】

・自分のちょい足し家具について技

術の見方・考え方を働かせて,進

んで成果と課題を見付けようと

している。

【工夫・創造】

・自分のちょい足し家具について技

術の見方・考え方を働かせながら

成果と課題を明確にすることが

できる。

3)自分のイメージマップを再整理するとともに,仲間のイメージマップを基に様々な技術の見方・考え方を身に付ける。

4)身に付けた見方・考え方を働かせて,自分が製作したちょい足し家具を再度振り返る。

【視点Ⅱ】

・技術の見方・考え方を働か

せて振り返れているかをワ

ークシートから評価基準に

沿って評価する。 【視点Ⅰ】 ・イメージマップを活用し自分が身に持っている見方・考え方を整理し学びを自覚するとともに,教師がこれから重点的に指導する視点を把握する。

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これまで学ん

できた見方・考

え方を働かせな

がら,製品版家

具の設計を行う

ことができる。

「製品版家具の設計を行おう」

1)前時の学習で整理したちょい足し

家具の成果と課題について,製品化

の条件を満たすように再設計を行

う。

【関心・意欲・態度】 ・発見した課題について,技術の見方・考え方を働かせ比較検討しようとし,適切な解決策を示そうとしている。

【工夫・創造】 ・発見した課題について技術の見方・考え方を働かせ比較検討しようとし,適切な解決策を見いだしている。

設計した製品

版家具の試作品

を製作すること

ができる。

「製品版家具の試作品を製作しよう」

1)3DCAD を用いて,製品版家具の設計を行う。

2)完成した図面を基に3D プリンタで出力する。

【技能】 ・製品版家具の設計図を基に,試作品をPC上に製作することができる。

製作した製品

版家具の試作品

について,自分

が働かせた見方

や考え方に基づ

く設計につい

て,説明や,指

摘ができる。

「完成した製品版家具の試作品を互

いに評価し合おう」

1)完成した製品版家具について自分

の意識した見方・考え方を発表す

る。

2)他者の製作品について技術の見

方・考え方を働かせ評価し議論す

る。

【関心・意欲・態度】 ・自分や他者の製作品に対して課題を示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示そうとしたり,指摘しようとしている。

【工夫・創造】 ・自分や他者の製作品に対して課題を明確に示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示し,指摘している。

前時の学習を

基に自分の製作

品を再度振り返

るとともに,身

に付けた技術の

見方や考え方を

整理することが

できる。

「自分の製品版家具について振り返

ろう」

1)自分の製品版家具について振り返

り,成果と課題が整理できる。

2)製品版家具の設計・製作の際に意

識したことについて再度イメージ

マップで整理する。

【関心・意欲・態度】

・自分の製品版家具について身に付

けた技術の見方・考え方を働かせ

て,進んで成果と課題を見付けよ

うとしている。

【工夫・創造】 ・自分の製品版家具について身に付けた技術の見方・考え方を働かせながら成果と課題を明確にすることができる。

【視点Ⅱ】

・技術の見方・考え方を働かせ

て再設計できているかをワー

クシートから評価基準に沿っ

て評価する。

【視点Ⅱ】

・技術の見方・考え方を働かせ

て製作品を見つめられている

かをワークシートから評価基

準に沿って評価する。

【視点Ⅰ】 ・イメージマップを活用し自分が鍛えた技術の見方・考え方を整理し,これまでの学びで得た見方・考え方と問題発見解決の力を自覚する

【視点Ⅱ】

・技術の見方・考え方を働かせ成

果と課題が示されているかワ

ークシートから評価基準に沿

って評価する。

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6 本時の学習(6/7 時間)

(1) 本時の目標

○製作した製品版家具の試作品について,自分が働かせた見方や考え方に基づく設計について,

説明や指摘ができる。

(2) 本時の評価規準 ○自分や他者の製作品に対して課題を示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示そ

うとしたり,指摘しようとしている。(関心・意欲・態度) 〇自分や他者の製作品に対して課題を明確に示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示し,指摘している。(工夫・創造)

(3)本時の展開

学習

内容 教師の働きかけ

間 生徒の活動

評価と指導の工夫

(評価の観点)【評価方法】

◆評価規準 ※指導上の留意点

◎十分満足の状況○おおむね満足の状況

△努力を要すると判断される生徒への指導

教具

教材

・前時までの学習を振り返り,本時の流れと目的を示し,意識付けを行う。

5 ・前時の学習を振り返るとともに本時の取り組み内容について確認し,取り組みの見通しを持つ。

※事前に前時に製作した製作物を準備させておく。

※最初に意識していたことと,現在意識したことの変化はイメージマップや,事前のワークシートから確認させておく。

プロジ

ェクタ

PC

授業用

スライ

展開

・製品版家具について,自分が意識した見方・考え方を整理させる。

・各班でそれぞれの再設計した製品版家具について発表させ,発表者以外は,その製品を評価,議論させる。

30

・製作した製品版家具の試作品について意識した点をワークシートに整理させる。

・自分の製品版家具について設計で意識した点を発表するとともに,他者の発表を聞き,学習してきた見方・考え方を用いながら成果と課題を指摘する。

※ワークシートに自分が意識した見方・考え方について分かるように整理させ,発表ができるようにさせておく。

※1人あたりの持ち時間を7分とし,発表3分以内,残りの時間を議論にあてる。

◆自分や他者の製作品に対して課題を示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示そうとしたり,指摘しようとしている。

(関心・意欲・態度) 【観察・ワークシート】 ◆自分や他者の製作品に対して課題を明確に示し,技術の見方・考え方を働かせ,適切な解決策を示し,指摘している。(工夫・創造)

【ワークシート】 ◎相手が働かせていない見方・考え方を複数用いて,成果と課題について指摘している。

〇相手が働かせていない見方・考え方を1つ用いて,成果や課題について指摘している

△見方・考え方について書かれたワークシートを振り返らせ,それを基に考えさせる。

※関心・意欲・態度については,取り組む姿勢と記述から工夫・創造の評価と連動して評価する。

タイマ

ベル

自分の

製作物

まとめ

・議論した内容を基に自分の製品版家具の成果と課題についてまとめさせる。

・次回の学習内容を伝え,見通しを持たせる。

・振り返りシートの記入を行わせる。

10 ・自分の製品版家具について議論した内容を整理する。

・次回の取り組み内容を確認する。

・振り返りシートの記入をする

振り返

りシー

学習課題:製品版家具についてプレゼンし評価し合おう

視点Ⅱ

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5月 23日(火)第2校時

第3学年C組 技術・家庭科学習指導案

授業者 大関 さわ子

1 題材名 「私たちの消費生活と環境~賢い消費者になろう~」

(家庭分野D 身近な消費生活と環境(1)ア,イ)

2 題材設定の理由

(1) 生徒の実態

本校の生徒は,電車,バス通学の生徒が多く,電車,バス利用によるサービスの購入は日々の生活の中

で経験している。しかし,その行動自体が消費行動であるという認識はなく,日々のどんな行動が消費行

動にあたるのか,また自分自身も消費者の一人であることを意識したことがない生徒が多いように感じる。

本題材の学習を行うにあたり,商品購入について実態調査を行ったところ,「これまでにどんな商品を

購入したことがありますか」という質問に対しての回答から,文房具のような比較的安価なものから,靴

や鞄,自転車のような比較的高価なものまで購入経験があり,商品購入の経験は豊富であることが分かっ

た。また,「商品を購入する時に気を付けていること」について自由記述をさせたところ,値段,デザイ

ン,品質などが上位を占め,小学校家庭科の既習事項である買い物の仕方については実践力が備わってい

ることが分かった。しかし,「環境」に関連させて回答している生徒は10%にも満たなかったため,平成

28 年 12 月に中央教育審議会より公表された「生活の営みに係る見方・考え方」のうち,「持続可能な社

会の構築」の見方・考え方を鍛えていく必要がある。

(2) 題材観

本題材は,学習指導要領D「身近な消費生活と環境」(1)「家庭生活と消費」の内容に当たる。ねらい

は,中学生の身近な消費行動を振り返ることを通して,家庭生活における消費の重要性に気付き,消費者

の基本的な権利と責任について理解を深めるとともに,物資・サービスの適切な選択,購入及び活用がで

きるようにすることである。

現在,生徒を取り巻く環境は,さまざまな物であふれている。生徒の実態調査からも分かるように,欲

しい物を比較的容易に手に入れることができる。しかし,豊かな生活の結果として,大量の石油や電力が

消費されていることや,私たちの便利な生活そのものが地球環境に大きな負担をかけていることに気付か

せたい。そのために,自分の消費生活を見つめ直し,一人の消費者としての自覚を持たせ,毎日の消費行

動が環境に与える影響について考えさせたい。「Think globally Act locally」(地球規模で考え,足元から

行動せよ)の視点で消費生活をとらえ,持続可能な社会を展望した消費行動の実践力を身に付けさせたい。

(3) 指導観

指導に当たっては,自分や家族の生活と結びつけて考えられるよう,生徒にとって身近な事例を扱い,

消費生活への関心を高めるとともに,生徒が主体的に学習できるような授業展開を行いたい。そして,消

費者としての自覚を高め,実生活において適切な消費行動がとれるようにしたい。

まず,「消費生活」とはどのようなことを指すのか,そのしくみについて押さえ,自分の消費生活につい

て振り返ることで,自らの課題を見付け,消費生活の学習をする目的意識を持たせることから学習を始め

る。そして,自分も消費者の一人であることを自覚させる。

商品の選択と購入に当たっては,商品購入のシミュレーション場面を2回設定する。1回目は,学習の

導入として飲み物を題材にし,普段自分がどのような視点で買い物をしているか自覚させ,他にはどんな

視点があるか考えさせることで,商品の購入の視点を広げたい。2回目は,学習のまとめとして家族みん

なで長期的に使う,生活に欠かせないドライヤーを題材にし,家庭の消費生活であることを意識させると

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ともに,飲み物の購入ではなかった,「機能」や「アフターサービス」の視点についても考えさせたい。事

前に家族からの意見を集めておき,家族の意見を反映させた商品の購入シミュレーションをすることで,

商品購入の視点が広がったり,より具体的に自分の生活に結び付けて考えたりすることができると推測す

る。その後,家族にシミュレーションで購入したドライヤーについて理由を説明しながら報告をし,自分

も家族も納得の行く商品購入ができたか,振り返りを行いたい。そして,購入後の活用の視点につなげる

ことで,これからの実生活において,より適切な消費行動ができるようにしたい。

商品購入のシミュレーションを行う際には,商品購入の場面設定を具体的に示すことで,必要感を持た

せる。また,「自力解決(1回目)→協働的解決→自力解決(2回目)」の流れで行うことにより,自分の

考えを広げたり深めたりしていく。なお,この学習における「広げる」とは,「自分と異なる考えも受け入

れることや,見方・考え方の数が増えること」とし,「深める」とは「見方・考え方の具体性が強まること」

とする。また,ワークシートは思考の広がりや深まり,変容の過程を見取れる構成に工夫することで,授

業後の振り返りにて,生徒自身が学びを実感できるようにしていきたい。

3 題材の目標

・自分や家族の消費生活に関心をもち,消費者の基本的な権利と責任について理解することができる。

・販売方法の特徴について知り,生活に必要な物資・サービスの適切な選択,購入及び活用ができる。

4 題材の評価規準

生活や技術への

関心・意欲・態度

生活を

工夫し創造する能力 生活の技能

生活や技術についての

知識・理解

自分や家族,環境に配

慮した消費生活について

関心をもち,消費の在り

方を改善しようとしてい

る。

収集・整理した情報を活

用して物資・サービスの選

択,購入及び活用について

考え,工夫している。

家庭生活と消費に関

する基礎的・基本的な

技術を身に付けてい

る。

消費者の基本的な権利

と責任,消費者基本法の趣

旨について理解している。

5 指導計画及び評価計画(7時間扱い) 本時 5/6時間

時間 ○ねらい・学習活動

評価規準 〈 〉評価方法

生活や技術への

関心・意欲・態度

生活を工夫し

創造する能力

生活の

技能

生活の技能に

ついての知識・理解

1 ○消費生活のしくみについ

て関心を持って考え,消費

者としての自覚を持つ。

○商品購入プロセスについ

て理解する。

・商品購入シミュレーショ

ン①(飲み物)を通して,

商品購入プロセスを理解す

る。

自分や家族の消

費生活について

関心をもち,消費

の在り方を改善

しようとしてい

る。〈行動観察・

ワークシート〉

消費生活のしくみ

と商品購入プロセ

スについて理解し

ている。〈ペーパー

テスト・ワークシー

ト〉

2 ○販売方法と支払方法の特

徴について理解する。

・店舗販売と無店舗販売の

利点と問題点を考え,発表

し合う。

販売方法に関心

をもち,その利点

と問題点につい

て考えようとし

ている。〈行動観

察・ワークシー

ト〉

販売方法や支払い

方法の特徴につい

て理解している。

〈ペーパーテス

ト・ワークシート〉

【視点Ⅰ】

自分の消費生活を振り返るこ

とで,課題を自覚するととも

に,教師がこれから指導する重

点的な視点を把握する。

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3 ○契約について知り,消費

者トラブルの予防方法と対

処方法について理解するこ

とができる。

・消費者トラブルの事例か

ら,契約について知る。

・悪質商法の予防方法と対

処方法を考える。

消費トラブル

の予防法と対

処方法につい

て考え,工夫し

ている。〈ワー

クシート〉

契約と消費者トラ

ブルの予防方法と

対処方法について

理解している。〈ペ

ーパーテスト・ワー

クシート〉

4 ○消費者の権利と責任につ

いて理解することができ

る。

・身近な商品のトラブルの

解決を通して,消費者の基

本的な権利と責任について

理解する。

消費者の基本的な

権利と責任につい

て理解している。

〈ペーパーテス

ト・ワークシート〉

5 ○自分や家族の生活に必要

なものの情報を収集・整理

し,商品を購入することが

できる。

・商品購入シミュレーショ

ン②(ドライヤー)を通し

て,商品購入のよりよい工

夫について考える。

収集・整理した

情報を活用し

て自分や家族

に必要なもの

の選択,購入及

び活用につい

て考え,工夫し

ている。〈行動

観察・ワークシ

ート〉

自分や家族に

必要なものの

選択,購入及

び活用につい

て,必要な情

報を収集・整

理することが

できる。〈ワー

クシート〉

6 ○消費者としての自覚を高

め,よりよい消費生活につ

いて考えることができる。

・前時の商品購入シミュレ

ーションについて,家族か

らの意見を発表し合い,振

り返りをする。

・これまでの学習を振り返

り,よりよい消費生活とは

何か,考えをまとめる。

自分や家族の消

費生活について

関心をもち,消費

の在り方を改善

しようとしてい

る。〈行動観察・

ワークシート〉

よりよい消費

生活について,

自分なりに工

夫している。

〈ワークシー

ト〉

自分や家族の消費

生活が環境に与え

る影響について理

解している。〈ワー

クシート〉

6 本時の学習(5/6時間)

(1) 本時の目標

・商品購入のシミュレーションを通して,必要な情報を収集・整理し,複数の視点を持って,商品の適

切な購入をしようと工夫することができる。

【視点Ⅰ】

よりよい消費生活について考えることで,これまでの学

びで得た生活の営みに係る見方・考え方を自覚する。

【視点Ⅱ】

生活の営みに

係る見方・考

え方を働かせ

て商品購入が

できているか

をワークシー

トから評価基

準に沿って評

価する。

【視点Ⅰ】

商品購入シミ

ュレーション

の振り返りを

することで,

学習を通して

広がったり深

まったりした

見方・考え方

を自覚する。

【視点Ⅱ】

生活の営みに係る見方・考え方を働

かせ,よりよい消費生活について考

えが書けているか,ワークシートか

ら評価基準に沿って評価する。

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(2) 本時の評価規準

・収集・整理した情報を活用して,自分や家族に必要なものの選択,購入及び活用について考え,工夫し

ている。(工夫・創造)

(3) 展開

学習内容 教師の働きかけ 時間

生徒の活動

評価と指導の工夫 (評価の観点)【評価方法】

◆評価規準 ◎十分満足の状況

○おおむね満足の状況 △努力を要すると判断される生徒への指導

教具 教材

学習課題

の把握

商品購入

の視点

自力解決

協働的な

解決

自力解決

発表

振り返り

まとめ

次時の学

習内容の

確認

・アンケートの結果を発表し,商品購入の際の,視点と,商品購入プロセスについて振りかえらせ,本時の学習課題を知らせる。

・ドライヤーの購入が必要になった理由と買い物場面を設定し,課題意識を高める。 ・価格を決定づける情報(国内産,外国産,風圧,騒音レベル等)があることにも触れ,ドライヤーを選ぶ時の決め手になる視点を考えさせる。 ・商品カードを配布し,情報を確認させ,ドライヤーを選ばせる。 ・1人2分を目安に,自分が選んだドライヤーと,なぜそれを選んだのかを説明させながら意見を交流させる。なぜそう考えたのか,疑問に思ったことは掘り下げて質問するように伝える。 ・もう一度ドライヤーを選ばせる。参考になった友達の意見を書くときには,赤鉛筆で記入し,思考の広がりや深まりが視覚的にとらえやすくする。 ・書画カメラでワークシートを写して発表させながら,商品購入の工夫の視点について,黒板にまとめていく。 ・これからの生活でどのように生かしていくか,具体的に考えさせる。 ・次時までに本時で購入したドライヤーについて家族に報告し,その結果を基に消費生活の学習をまとめていくことを告げる。

4 6 6 6 8 5 10 5

・商品購入の際の視点を思い出す。前時までに学習した商品購入プロセスについて振り返り,本時の学習課題を知る。 ・ドライヤーの買い物場面の設定を知り,課題を把握する。 ・ドライヤーを選ぶ時の視点をワークシートに記入し,発表する。 ・商品カードから情報を収集し,どのドライヤーを購入するか選び,その理由をワークシートに記入する。 ・小グループで,ドライヤーと理由を説明し合い,意見を交流する。 ・友達の意見を参考にし,もう一度ドライヤーを選び,最終決定をする。 ・最終的に選んだドライヤーとその理由を発表する。 ・授業で学んだことをこれからの生活でどのように生かしていくか,ワークシートに記入し,発表する。 ・次時の学習内容を知る。

(工夫・創造) ◆収集・整理した情報を活用して自分や家族に必要なものの選択,購入及び活用について考え,工夫している。

【ワークシート・観察】 ◎収集・整理した情報を活用し,複数の視点を持って,自分や家族の生活に必要なものの選択,購入を工夫している。また,

「持続可能な社会の構築」の視点を持って選択,購入を工夫している。

○収集・整理した情報を活用し,複数の視点を持って,自分や家族の生活に必要なものの選択,購入を工夫している。

△商品購入のプロセスを振り返らせ,それを基に考えさせる。

ス ライド プ ロジ ェク ター ドライヤー (実物) 商 品カード 書 画カメラ

学習課題:買い物シミュレーションを通して,自分も家族も納得するよりよい商品購入の工夫を見つけよう。

視点Ⅰ

視点Ⅱ

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5月 23日(火) 第2時

第1学年 A 組 英語科学習指導案

授業者 髙 橋 太 一

1 教 材 PROGRAM 3 ウッド先生がやってきた

(Sunshine English Course 1)

2 教材について

(1) 題材に関して

本課は,中学1年生である由紀のクラスにALTであるウッド先生が初めてやってきて自己紹

介を行う場面から始まり,生徒達はウッド先生に,日本の文化に関する質問を投げかける。

他者との出会いにおいて,自己紹介は欠かせないコミュニケーション活動である。お互いにつ

いての情報を交換することで,どのような人物かわからない初対面の相手に対する不安を取り除

き,コミュニケーションを円滑に進めることができるようになる。どのような情報をどのように

伝達していくことが望ましいかを思考させながら,生徒同士のインタラクションの場を設けなが

ら指導していきたい。

また,扱われる内容では寿司やまんがなどが取り上げられている。これらは現代の日本が他国

に向けて発信している重要な文化的要素となっている。自国の文化について目を向けさせること

で,国際社会の中で世界に誇れる日本の姿を見つめ直すとともに,グローバル化の流れの中で,

将来それらを自信を持って他国に発信していくことができるような姿勢や技能を身に付けさせた

い。

(2) 言語材料に関して

本課の§1では,一般動詞の用法を学習する。動詞は英語の文構造において欠かせない品詞

であり,それらを正しく運用できるようにしなければならない。日常的に使用される基礎的な

な一般動詞を学ぶことで,日常生活における基本的な動作全般を表現することが可能となる。

また,それらを文の中で使用する際の語順を徹底して指導するとともに,基礎的な一般動詞を数

多く導入していくことで表現の幅を広げ,コミュニケーションの基礎をしっかりと固められる

ように指導していきたい。

§2では一般動詞の疑問文とその答え方,一般動詞の否定文を学習する。疑問文は,基本的

に尋ねるべき相手がいてこそ成り立つものである。自分からの一方的な情報の伝達にとどまら

ず,他者との双方向の言葉のやりとりが必要とされるコミュニケーションの場面において,欠

かせない表現である。また,その際,尋ねられた質問に対してはっきりと自己の考えを表現する

ことで,初めてコミュニケーションが成立したこととなる。他者とお互いの考えやお互いのも

つ情報を伝え合うという言葉のもつ本質的な役割の重要性を考えさせるとともに,仲間と協力

しながら積極的に言語活動に取り組むことができるように指導していきたい。

(3) 主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方について

視点Ⅰの「形成的評価の工夫」では,教師による評価だけでなく,生徒個人,生徒同士による

評価も活動の形態に応じて積極的に取り入れるようにしている。その際,適切な評価が行われる

よう,活動のねらいとリンクした明確な評価項目と評価基準を示し,生徒の学習そのものの質が

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向上するように工夫している。

視点Ⅱの「各教科等の資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」の設定において,コ

ミュニケーションの必要性を持たせるためにはインフォメーションギャップが必要であるという

こと,目標文を使うことだけが目的ではなく,内容のある活動とすること,また,各活動の応用

場面などでは自己関連性を持たせること(例えば会話に登場する人物を自分や友人に置き換える

こと)といった点に留意し,パフォーマンス課題を現実世界とつながりのあるものとし,生徒の

主体的な学びにつなげられるようにしている。

3 生徒の実態

男子 21 名,女子 21 名で,積極的にコミュニケーション活動を行うことのできる生徒が多いクラ

スである。一方,中学校での学習が始まってから間もない中ではあるが,小学校期からの学習の中

で,すでに英語に対する難しさを感じている生徒も何人か見られる。一つひとつの活動の英語の指

示を生徒にも理解しやすいよう工夫し,わかりやすい到達目標を設定し,それぞれの活動における

フィードバックを適時行っていくことや,生徒相互の支援の場を設定していくことで成功体験を積

ませ,学習への意欲を喚起していきたい。

また,小学校での外国語活動にはなかった英語を書くことにおいては,その習熟度に個人差が見

られる。授業において少しずつ書く活動を取り入れていくことで,文字に対する壁を少しずつ取り

除き,学習したことを活用する楽しさを実感させられるようにしたい。

4 単元の目標

(1) 積極的にコミュニケーションの質の向上を図ろうとする意欲を高める。

(2)一般動詞を用いて自己紹介をさせる。

(3) 一般動詞を用いた文章の内容を正しく理解させる。

(4) 一般動詞を用いた文の文構造や用法を理解させる。

5 単元の評価規準

6 指導と評価の計画(5時間扱い)

時間 ○ねらい ・学習内容 単元の評価規準 評価方法

○本単元で身に付ける技能や理解する内容を知る。

・ALTの自己紹介を聞き,内容を確認する。

・本単元で身に付ける技能や理解する内容を知る。

ア:コミュニケーションへの 関心・意欲・態度

イ:外国語表現の能力 ウ:外国語理解の能力 エ:言語や文化についての

知識・理解

①ペアやグループ活動に

おいて,聞き手が理解

しやすいように話そう

としている。

②相手の話を聞き,流れ

に合うように会話を継

続しようとしている。

①一般動詞を用いて,相

手にわかりやすく自己

紹介をすることができ

る。

①一般動詞を用いた文章

の内容を正しく理解す

ることができる。

①一般動詞を用いた文の

文構造や用法を理解し

ている。

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○一般動詞を用いた文の文構造や用法を理解する。

・一般動詞を用いた文の構造を理解する。

・多様な一般動詞を知り,アクションで表現する。

・教科書本文を通して,一般動詞の使い方を理解する。

・一般動詞を用いて自分のことについて話す練習をする。

エの①

後日ペーパー

テスト

○一般動詞を用いて自分自身のことについて表現する。

・教科書本文の音読練習をする。

・自分自身のことについて箇条書きでまとめる。

・一般動詞を用いて自分自身のことについてペアに話して伝え

る。聞き手は相づち表現を用いて会話を継続する。

イの①

アの①

ワークシー

ト分析

活動の観察

本時

○一般動詞を用いた疑問文・否定文の文の構造や用法を理解する。

・一般動詞を用いた疑問文・否定文の文の構造を理解する。

・教科書本文を通して,一般動詞の疑問文・否定文の用法を理解する。

・一般動詞を用いた文を使って,ペアとできるだけたくさんの情報

交換をすることができる。

エの①

アの②

活動観察 後日ペーパ ーテスト 活動の観察 ワークシー ト分析

○一般動詞の疑問文を用いて会話を継続させる練習をする。

・教科書本文の音読練習をする。

・他者の簡単な自己紹介を聞き,さらに詳しい情報を得るために相

手の話に応じて質問したり,相づち表現を用いて会話を継続させ

る練習をする。

アの②

活動の観察

○自己紹介文を作成する。

・自分自身について聞き手に伝えたいことを,英文7文程度で書い

て表現する。

イの①

ワークシー

ト分析

後日

〈ペーパーテスト〉

◇一般動詞を用いた文章の内容についての理解を見る問題

◇一般動詞を用いた文の語順や語彙についての知識を問う問題

〈パフォーマンステスト〉

◇一般動詞を用いた自己紹介スピーチ

ウの①

エの①

イの①

7 本時の学習

(1) 本時のねらい

① 一般動詞を用いた疑問文・否定文の文の構造を理解している。

② 相手の話を聞き,流れに合うように会話を継続しようとしている。

(2) 教 具

・コンピュータ ・プロジェクター ・拡大プリント ・ワークシート

(3) 展 開

程 学 習 活 動・学 習 内 容《形態》

・指導上の留意点 ○評価

☆「コミュニケーションの質の向上」との関わり

※評価の凡例:〈内容のまとまり〉,(評価の観点),[評価方法]

1 ウォームアップ 《一斉》

(1) あいさつ

(2) 歌 “I Want It That Way”

・学習の雰囲気をつくる。

・音声変化(同化・連結・脱落)に留意させる。

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12

2 復習

(1) 一般動詞の文の用法の確認 《一斉》

(2) Topic Talk 《ペア》

・スクリーンに提示して確認する。

☆話題について30秒間話し続けさせる。

3 新出言語材料の導入と確認 《一斉》

(1) 口頭導入

(2) 文字の提示と意味の確認 《一斉》

・既習のbe動詞との違いについて意識させる。

・スクリーンに提示して確認する。

25

4 運用練習

(1) 新出語句の確認 《グループ》

(2) 教科書本文の確認

①ペアでカードの並び替え 《ペア》

②全体でその順番と意味の確認 《一斉》

③音読練習 《ペア》

(3) “A Good Interviewer! ”

①活動のねらいを確認する。

②活動の手順と評価基準を確認する。

・スクリーンに提示して確認する。

・4人グループでカードを使って確認させる。

・教科書本文を複数のカードに分けたものを,意味が

通るように並び替え,意味を確認する。

・ペアで役割を変え,音読練習を行う。

〇一般動詞を用いた疑問文・否定文の文の構造を理

解している。〈S〉(言語知識)[活動観察]

・課題やねらいをわかりやすく提示する。

〇相手の話を聞き,流れに合うように会話を継続し

ようとしている。〈S〉(関・意・態)[活動観察]

5 まとめ 《一斉》

(1)モデル生徒の発表

(2)今後の取組についての連絡

☆モデル生徒の発表を聞き,自らの活動と比較し,

フィードバックを得る。

・次回の活動に向けて,意欲を喚起する。

(4) コミュニケーションの質の向上を図る指導について

本時の学習では,評価基準で示す「文の数」だけ意識すると,単純な質問の羅列になってしま

うが,コミュニケーションの質の向上のためには,適切なアイコンタクトや相づちなど,双方向

のコミュニケーションが求められる。目標言語材料の使用だけでなく,言語活動全体としてより

よいコミュニケーションにするために必要な点についても,継続的に指導を続けていきたい。

・Are you from Saitama? → No, I’m not.

・Do you like Saitama? → Yes, I do.

《 活動のねらい 》“A Good Interviewer! ”

・“Do you ~?” を使ってペアに色々な質問しよう

・ペアで45秒間会話を続けよう

・相づちや聞き返しを工夫して自然な会話の流れにしよう

《 手 順 》

1 4人グループをつくる

2 教科書本文を参考に,ペアで45秒間会話を続ける ☆【練習→本番】

(聞き手のペアは,評価基準にしたがって評価をする)

☆3 聞き手のペアが話し手のペアに評価を基にフィードバックを与える

4 話し手と聞き手の役割を交代して「手順2、3」の活動を行う

5 グループ内で新たなペアをつくり,「手順1~4」を繰り返す

《 評 価 基 準 》

● Do you~?の英文を何種類使えたか A:4文以上 B:2~3文 C:1文以下

● 45秒間ペアで会話を続けられたか A:無言3秒以内 B:5秒以内 C:6秒以上

● 自然な会話だったか A:相づちや聞き返しがあり自然 B:だいたい自然 C:ワンパターン

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5月 23日(火) 第1時

第3学年 C 組 英語科学習指導案

授業者 蓬 澤 守

1 教 材 PROGRAM 2 Volcanoes in Japan

(Sunshine English Course 3)

2 教材について

(1) 題材に関して

本課は,父の転勤のために鹿児島へ引っ越しをした太郎からリサへと手紙が届いた場面から始ま

る。手紙には,観光資源に恵まれる鹿児島や活火山である桜島について説明されている。桜島の話

をリサから聞き,火山への興味を持ったクラスメイトの桃子が,日本の火山について具体的な数字

を挙げて説明し,富士山や浅間山の活動状況を詳細に述べる場面へと展開する。

2020年の東京オリンピック開催が迫る現在,さらに世界中から多くの観光客が集まるなど,急速

にグローバル化が進むことが予想される。鹿児島を例に,日本に数多く存在する火山や世界遺産な

ど,自分たちの住む地域の歴史的・地理的な特徴について紹介するような文章を読み,これらを参

考にして,地域の文化や歴史など,自国が世界に誇れる内容について英語で発信する場を設ける。

また,自身の考えを一方的に伝えるだけでなく,他者との話合いの場から意見を取り入れるなど,

意見をまとめる双方向のコミュニケーションについても指導の工夫を図りたい。

(2) 言語材料に関して

本課では,現在完了の「継続」と「経験」の用法について学習する。前課において,「完了」の

用法を学習し,過去の一点と現在,それをつなぐのが現在完了という認識はすでに持っている。3

つの用法を別々のものとして指導するのではなく,同じ現在完了の文でも,文脈や一緒に使われる

副詞などによって用法が異なるということに気付かせ,十分な文型練習と身近な場面を設定した言

語活動を通して定着を図り,正しい運用へとつなげたい。また既習事項である他の時制との扱いの

違いについても,言語活動を設定する中で使用させ,活用できる力を養いたい。

(3) 主体的な学びを実現する学習指導と評価の在り方について

英語科では,「学習した言語知識の活用を引き出す場面設定の工夫」により,「よりよいコミュニ

ケーション」が育まれると考え,「形成的評価の工夫」と「資質・能力をはかる問題(課題)とそ

の判断基準」を視点として,学習内容と資質・能力をつなぐ深い学びを実現する授業づくりを進め

ている。

視点Ⅰの「形成的評価の工夫」では,その時間ごとの「到達目標」として課題を提示する。課題

に取り組む中で,自己評価や他者評価など評価の形を工夫し,学習前と後の自己の伸びを確認でき

るようにすることで,「よりよいコミュニケーション」を見出すことのできる工夫を行っている。

視点Ⅱの「資質・能力をはかる問題(課題)とその判断規準」の工夫では,受信者に焦点を置き,

学習の場面を設定している。実際の言語使用場面において,受信者を意識して取り組むに加え,次

の目標と明確な評価基準を示し,適切なフィードバックを行うことで自己の課題とも向き合うこと

ができ,コミュニケーションの質を向上することができる工夫を行っている。

本課ではまとめの活動として,日本をテーマに名所、史跡などについて調べ,英語で発表する。

聞き手が理解しやすいような内容,伝え方などを工夫できるよう,個人練習だけでなく,他者との

伝え合う活動や振り返りを繰り返し行う中で,質の高い発信ができるよう指導していきたい。

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3 生徒の実態

男子 22 名,女子 22 名で,授業内外問わず様々な場面で活気あふれる学級である。環境が変わっ

たこともあり,4月当初は互いの様子を伺いながら授業に参加する姿があった。しかしながら現在

は,授業に主体的に参加し,他者と積極的に英語で意見交流を図ったり,課題に取り組んだりなど

多くの場面で努力する姿が見えるようになってきた。特に「話すこと」や「聞くこと」の活動の場

面では学習した音声面を意識して意見を伝えたり,自信を持って問答したりすることができるよう

になってきた。加えて,話したことを書いて表現することに対しても抵抗が少なくなってきている。

一方で,既習の学習内容の定着度に個人差が見られることが課題である。基礎的・基本的な文の

つくり方や用法を確認し,練習した上で活用を図るなど,小段階を踏んだ授業展開を大切にするこ

とで,改善を図る。また互いの意見を認め合える学級であるため,活動形態をペアやグループなど,

生徒同士で支援できる環境を整え,全員がその授業1時間で「成長できた」と実感できるように支

援していきたい。

4 単元の目標

(1) 現在完了を用いて,日本国内の名所や史跡の特徴や魅力などを英語で発信できるようにする。

(2) 現在完了を用いた文の構造や,経験・継続の用法を理解させ,正しく運用できるようにする。

(3) 振り返りを効果的に行うことで,積極的にコミュニケーションの質の向上を図ろうとする意欲

を高める。

(4) 現在完了が含まれる文を英語の音声面に気をつけながら,正しく音読できるようにする。

5 単元の評価規準

ア:コミュニケーションへの

関心・意欲・態度 イ:外国語表現の能力 ウ:外国語理解の能力

エ:言語や文化についての知識・理解

①ペアやグループ活動に

おいて,聞き手が理解

しやすいように工夫し

て話そうとしている。

①国内の名所や史跡,文

化について,現在完了

を効果的に用いて,特

徴や魅力などを表現す

ることができる。

②現在完了を用いた文を

正しく音読することが

できる。

①現在完了を用いた文章

の内容を正しく理解す

ることができる。

①現在完了を用いた文の

文構造や用法を理解し

ている。

6 指導と評価の計画(6時間扱い)

時間 ○ねらい ・学習活動 単元の評価規準 評価方法

1 ○本単元で身に付ける技能や理解する内容を知る。

・ずっと続けていることや行ったことのある観光地について対話する。

・本単元で身に付ける技能や理解する内容を知る。

○本単元での活動目標を確認する。

・本単元を通して,最後には全員が自分の考える「日本のおすすめスポット」

英語で話したり書いたりして伝えるということ確認する。

○現在完了を用いた文の用法を理解する。

・現在完了の文の構造を復習する。

・現在完了の継続用法について理解し,使えるように練習する。

・現在完了の経験用法について理解し,使えるように練習する。

エの①

後日ペーパーテ

スト

2 ○教科書本文(§1,2)を読んだり聞いたりして内容を理解し,

その内容を用いて自分の言葉で相手に伝える。

・教科書本文を通して,現在完了の使い方を理解する。

・単語の意味や発音を確認し,音読練習をする。

・絵やキーワードを元に,文章復元(story retelling)する。

ウの①

アの①

観察および

ワークシート分析

活動の観察

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3 ○現在完了を用いた文の用法を理解する。

・現在完了の文の構造を復習する。

・現在完了の継続用法、経験用法について復習し,使えるように練習する。

エの① 後日ペーパーテ

スト

4 ○教科書本文(§3)を読んだり聞いたりして内容を理解し,

その内容を自分の言葉で相手に伝える。

・教科書本文を通して,現在完了の使い方を理解する。

・単語の意味や発音を確認し,音読練習をする。

・絵やキーワードを元に,文章復元(story retelling)する。

ウの①

アの①

観察および

ワークシート分析

活動の観察

○教科書本文(§1~3)で学習した英語の音声課題を正しく発音

ができているか確認する。

・音読練習の中で学習した英語表現や音声を正しく再生できる。

・確認した項目を活用して,会話活動で運用できるようにする。

イの②

観察および

ワークシート分析

○自分の考える「日本のおすすめスポット」について,現在完了を効果的

に用いて,英語で相手に正しく伝える。

・即興スピーチ形式をとり,設定された時間の中で「おすすめスポット」につ

いて,聞き手に伝える。

・グループ内で生徒内相互評価を行い,内容改善を図る。

・話す活動で得た成果をもとに,自分の意見を英語で書き,正しく伝える。

イの①

ワークシート分析

6 ○日本の名所や史跡について,現在完了を効果的に用いて,その特徴

や魅力などを書く。

・前時の内容と教科書本文(§3)を参考に,日本の名所や史跡について,現

在完了を効果的に用いて,特徴や魅力などを書く。

イの①

ワークシート分析

〈ペーパーテスト〉

◇現在完了を用いた文の構造や用法についての理解をみる問題。

〈パフォーマンステスト〉

◇国内の名所や史跡,文化などについて,ALTに紹介する。

エの①

イの①

7 本時の学習

(1) 本時のねらい

① 教科書本文(§1~3)を強勢や区切り,イントネーションに気をつけ,正しく音読できる。

② 自分の考える「日本のおすすめスポット」を相手に正しく伝わるように,英語で書いて表現できる。

(2) 教 具

・コンピュータ ・プロジェクター ・ワークシート

(3) 展 開

程 学習活動・学習内容≪形態≫

・指導上の留意点 ○評価

☆「コミュニケーションの質の向上」との関わり

7

1 ウォームアップ

(1) あいさつ

(2) 歌 “You Belong with Me” ≪一斉≫

2 テーマ会話活動 (Topic Talk) ≪一斉≫

・発音や音のつながりに注意して歌わせる。

・音声面を中心に,適宜フィードバックを行う。

・声がけをし,積極的に会話活動へ参加させる。

☆1問1答で終わるのではなく,答えから質問をし,広げていくことを意識させる。

10

3 Guru-Guru Activity

(1) 課題文の確認および口頭練習 ≪全体≫

(2) Guru-Guru ≪個人および全体≫

(3) 教師からのフィードバック ≪全体≫

・ただ文を読むのではなく,次の活動で生かせる表現である事に気づかせた上で練習をさせる。

☆自分の番が来るまでの間,周りの生徒と練習したり互いにフィードバックをしたりする。

○英語の音声上の課題について,正しく読むことができる。〈R〉(外国語表現の能力)[観察およびワークシート]

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30

4 Triangle Exercise

(1) 目標および活動内容の確認 ≪全体≫

(2) Triangle Exercise(1st round) ≪3人グループ≫

“Do you have any favorite places to see?”

・話し手は話し続けたり,質問に答えたりする。

・聞き手は聞き続けたり,質問したりする。

・観察者は2人の様子を,評価基準に基づき

評価し,活動後にフィードバックする。

・活動時間は1分半,振り返りの時間は

30 秒間とする。

(3) 教師からのフィードバック ≪一斉≫

(4) Triangle Exercise(2nd round) ≪3人グループ≫

“Do you have any favorite places to see?”

・活動時間は2分間,振り返りの時間は

30 秒間とする。

(5) 教師からのフィードバック ≪一斉≫

(6) Writing “My Favorite Place”

≪一斉・個人≫

・評価基準の確認を行い,全体で共通理解をさせる。

・自由な形で3人組を組ませ,話し手,聞き手、観察者の役割を決めさせる。

☆話し手,聞き手,観察者はそれぞれの役割の中で取り組み,活動後に観察者が中心となり,評価基準のもとフィードバックを行い,互いの発表がよりよいものになるようにする。

☆相手を見る,うなずくなど聞き手の態度も意識させる。 ・各グループで出た課題などを全体で確認し,よりよい発表になるようにする。

・本時の最後に英語で生かせる表現である事に気づかせた上で練習をさせる。

・活動後の成果の確認とフィードバックを行う。

・グループを変えさせ,同様の活動を行わせる。

・1回目での振り返りをもとに,相手に伝わる効果的な話し方を意識して行わせる。

・活動後の成果の確認とフィードバックを行う。

○自分の考える「日本のおすすめスポット」について読み手に伝わるような,効果的な英作文ができる。

〈W〉(外国語表現の能力)[ワークシート]

5 まとめ ≪一斉・個人≫

・本時のまとめを行う

6 あいさつ

・内容のまとめと次時の連絡をする。

(4) 「コミュニケーションの質の向上」を図る指導について

年度当初に CAN-DO リストを用いて,生徒個人の英語能力の現状を自己分析させた。その中で

依然として「聞くこと」「読むこと」といった「理解」を要する項目に比べ,「話すこと」「書くこ

と」といった「表現」に関する項目が,やや低い値を示していることが明らかとなった。大きな原

因として「客観的な視点」で自分の活動を振り返れず,自己の課題が不明確なまま学習を進めてい

る事がわかった。したがって,話合いの場面やワークシートに書く等の場面で,到達度指標を示す

ことで,生徒間での相互評価を行い,現状の成果と次時への課題等,自他ともに成果を振り返るこ

とのできるような授業の工夫をしている。また発信だけでなく,受信者を意識した言語使用場面を

設定し,適切な言語の運用も図ることで,主体的な学びを実現する学習活動の工夫も行っている。

こうした「形成的評価」と「資質・能力をはかる問題(課題)とその判断基準」をもとに指導を行

い,更なる生徒の「コミュニケーションの質の向上」につながる授業を目指す。

≪Writing における評価基準≫

・現在完了の3つの用法のうち,最低1つが使われている。

・テーマに沿って自分の考えを英文で書き表せる。

・文法や語法の誤りが少し見受けられる。

・現在完了の3つの用法のうち,最低1つが使われている。

・テーマに沿って自分の考えを英文で書き表せる。

・文法や語法の誤りもほとんどない。

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5月 23日(火) 第1時

第2学年D組 保健体育科(保健分野)学習指導案

授業者 長濵 美智子

1 単元名 「心身の機能の発達と心の健康」 エ 欲求やストレスへの対処と心の健康

2 単元について

本単元は,年齢に伴う身体の各器官の機能の発達を呼吸器,循環器を中心に取り上げるとともに,

発達には個人差があること,また,思春期は,身体的には生殖にかかわる機能が成熟し,精神的には

自己形成の時期であること,心の健康は,欲求やストレスに適切に対処することによって保たれ,身

体と精神はお互いに影響し合うことなどを中心として構成されている。

中学生期は,心と体が大きく変化する思春期のまっただ中にある。この時期に,自己を客観的に見

つめ,心身共に健康でたくましく生きていく力を育てることが大切である。

激しい変化の著しい現在の社会において,ストレスが増大し,健康への被害が深刻である。うまく

解消していかないと,うつ病をはじめとする心の病に陥る傾向がある。中学生期はストレスを感じや

すい時期であると同時にストレスに対する耐性もまだまだ未熟である。そのため,正しい知識を身に

つけながら,自分の生活を振り返り結びつけ,身の回りに起こりうる現象に対して,自分なりの適切

な対処ができるようになることが大切である。

3 生徒の実態

男子 21名,女子 22名の計 43名で構成されている。全体的に真面目で素直で穏やかな生徒が多く,

言われたことに快く応じることができる。また,前向きに活動に取り組もうとする姿勢が見られる。

一方で,自分の範疇のことは一生懸命取り組もうとするが,自分が直接的に関係をしていないと思う

と,自分事としてとらえ考えようとする生徒とそうでない生徒にはっきり分かれる傾向がある。

4 学校研究との関わり

学校保健での保健学習は,定期的ではなく単元の一部分を担当することが多い。そのため,継続的

な保健学習としての取組ではないため,評価の検討をするのは難しい。

そのため,「社会の変化に対応できる資質・能力」の育成を目指し,「主体的な学び」を軸に授業構

成を考え,授業実践を行いたいと考える。また,学校保健が考える保健の見方・考え方の一つとして,

健康に関する課題や情報を,自分の生活と関連づけることをめざし取り組もうと考える。このことが,

学校研究と関連すると考える。

5 教師の指導観

「主体的な学び」と自分の生活と関連づけることを手立てとして,本小単元では,“思考を言語化

して,生活と結びつけること””学んだ知識を自分なりにどのように生かしていくか”に重点を置い

て授業を展開していくことを目指していきたい。

(1) 思考を大事にし,言語化する活動

実際の映像を見せ,そこからどのように考えたか,自分の素直な考えを言ったり書けたりで

きるようにする。思考を形に表すことで,表現する主体性を引き出したい。

(2) 話合い活動の充実

仲間との意見交換や自分と友達の意見の比較を通して,自他の違活動を組み入れていきたい。

(3) 学習資料の利用

生徒が思考・判断したことについて,さらなる思考の広がりやそこから発展できるような教

材を用いて,現在の生活やこれからの生活に生きてつながるような教材を使用していきたい。

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6 単元の目標

(1) 心身の機能の発達と心の健康について関心をもち,学習活動に意欲的かつ積極的に取り組み,調

べようとしたり,意見を交換したり,発表したりできるようにする。 【関心・意欲・態度】

(2) 心身の機能の発達と心の健康について,資料や事例から自分を振り返ったり,自分の生活に当て

はめて整理したりできるようにする。 【思考・判断】

(3) 心身の機能の発達と心の健康は生活経験の影響を受けながら発達することについて理解し,日常

生活の課題解決に役立つ知識を身につけることができるようにする。 【知識・理解】

7 単元の評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断 知識・理解

単元の評価規準

心の健康について関心をも

ち,学習活動に意欲的に取り

組もうとしている。

心の健康について,課題の解

決を目指して,知識を活用し

た学習活動などにより,科学

的に考え,判断し,それらを

表している。

欲求やストレスへの対処と心

の健康について,課題の解決

に役立つ基礎的な事項を理解

している。

学習活動に即した評価規準

①心の健康について,健康に

関する資料を見たり,自分

たちの生活を振り返ったり

するなどの学習活動に取り

組もうとしている。

②心の健康について,課題の

解決に向けての話合いや意

見交換などの学習活動に意

欲的に取り組もうとしてい

る。

①心の健康について,学習し

たことや健康に関する資料

等で調べたことを基に,課

題や解決の方法を見つけた

り,選んだりするなどして,

それらを説明している。

②心の健康について,学習し

たことを自分たちの生活や

事例などと比較したり,関

係を見つけたりするなどし

て,筋道を立ててそれらを

説明している。

①欲求やストレスの対処と心

の健康について理解したこ

とを言ったり,書いたりし

ている。

8 単元の指導と評価の計画(全2時間)本時は○印

学習のねらい・活動 関・意・態 思・判 知・理 評価方法

Ⅰ ねらい

・心の健康について,学習したことや健康に関する資料

等で調べたことを基に,課題や解決の方法を見つけた

り,選んだりするなどして,それらを説明している。

【思考・判断】

・心の健康について,学習したことを自分たちの生活や

事例などと比較したり,関係を見つけたりするなどし

て,筋道を立ててそれらを説明している。【思考・判断】

Ⅱ 学習活動

(1) 心と体は互いに影響しあっていることを知る

学習カード

発言の観察

-指導すべき内容-

心のありようと体は必ずしも一致するものではな

い。また,心と体が一致しないのでは,脳や神経・

ホルモンと関係していることを知る

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(2) 欲求について考え,日常生活を振り返る

(3) 欲求がかなわない時(欲求不満)どんな行動を

とっているかを考え,意見を共有する

(4) 本時のまとめをする

② 学習カード

発言・話合

いの観察

② Ⅰ ねらい

心身の機能の発達と心の健康について,学習したこと

を自分たちの生活や事例などを通して考え,関係を見

つけたりするなどして考え,そのことについて意見を

出したり,交換したり,発表している

【意欲・関心・態度】

Ⅱ 学習活動

(1) 前時の復習から,欲求には生理的なものと心理的・

社会的なものがあることを理解する

(2) 自分のストレスの受け止め方傾向を知り,周囲と意

見交換する。

(3) ストレスについて知る

(4) ストレスとどう付き合っていくかを考える

(5) 本時のまとめを行う

学習カード

発言・話合

いの観察

学習カード

発言・話合

いの観察

学習カード

-指導すべき内容-

・生きていく上で,欲求があることは当たり前のこ

とであること

・いつも欲求が満たされるわけではなく,かなえら

れない欲求は,いろいろな適応機制で補って生き

ていることを生活と照らし合わせる

-指導すべき内容-

・ ストレスとどう向き合うか,ストレス対処を中

心に考え,意見交換を行う

・ 自分に合った対処法を見つける

友達だけでなく,周囲の大人に相談することも

とても大切なことであることを伝える

-指導すべき内容-

ストレスの受け止め方は,人それぞれであり,人に

よって違うことを知る

-指導すべき内容-

ストレスという言葉を普段から生徒は使用してい

るので,改めてストレスは何かを共通理解をする。

また,ストレスは,精神発達上必要なものであるこ

とを日頃の経験と結びつけて考え,実感できるよう

にする

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9 本時の学習と指導(1/2時)

(1) ねらい

・心の健康について,学習したことや健康に関する資料等で調べたことを基に,課題や解決の方法

を見つけたり,選んだりするなどして,それらを説明している。 【思考・判断】

・心の健康について,学習したことを自分たちの生活や事例などと比較したり,関係を見つけたり

するなどして,筋道を立ててそれらを説明している。 【思考・判断】

(2) 授業展開

時間 学習内容・活動 指導上の留意点及び評価(指導○ 評価◆)

1 授業に関する映像を見せ

2 浅田真央さんは,なぜ思う

ような演技ができなかっ

たのかを考える

3 本時の目標を知る

○浅田真央さんの紹介を行い,彼女の置かれた状況をおさえてか

ら,フィギュアスケートの浅田真央さんのソチオリンピックシ

ョートの映像を見せる。

○浅田真央さんは,思ったような演技ができなかったことを共通

認識する

○生徒たちに幅広い思考を促すため,様々な角度(面)から考え

るよううながす

・浅田真央さんが心でどんなことを思っていただろうか

・体の反応はどうだっただろうか

・心(思い)と体はどうなっていただろうか

・周囲の思い(期待)と本人の思い

◆心の健康について,学習したことや健康に関する資料等で調べ

たことを基に,課題や解決の方法を見つけたり,選んだりするな

どして,それらを説明している。【思考・判断】

4 心と体の関わりについて

考え,知る

5 欲求について知る

○人間誰しも心と体がつながっている経験をしている。そのこと

について,自分の経験から,心と体の関わりの事柄を思い出し

て考える。1つの事例を心の様子と体の様子に分けて考える。

○自分の出来事で仲間の出来事と意見交換し,お互いの出来事を

共有する

◆心の健康について,学習したことを自分たちの生活や事例など

と比較したり,関係を見つけたりするなどして,筋道を立てて

それらを説明している。【思考・判断】

○心と体の関わりについて脳のことを説明する

○「~したい」「~なりたい」という思いを人間として,当たり前

に持っていることを知る。=欲求

○普段の生活の中や身の周りで考えられる欲求はどんなものがあ

るかを考え,あげる

○生まれたばかりの赤ちゃんには欲求はないのか

○欲求には種類があり,脳の発達とともに考えが広がっていくこ

とをおさえる

○現在の持っている欲求がすべてかなえられるものではないこと

を共通認識し,欲求がかなえられない時,どんな行動を起こす

自分がいるかをあげる

○いろいろな適応機制の行動をしながら,心の健康を保ち生活を

していることを理解する

まとめ

6 本時のまとめをする

7 教師の話を聞く

○本時の流れを確認する

○次回の流れについても簡単に触れる(ストレス)

本時の目標:心の健康について ~心と体のつながりについて知り,考えよう~