聖隷三方原病院 phi lips ingenia prodiva 1...prodiva 1.5tによる検査の実際...

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Prodiva 1.5Tによる検査の実際聖隷三方原病院は、地域中核病院と して静岡県西部保健医療圏の地域医療を担ってきた。画像診断にも力を注ぎ、MRI装置は Ingenia3.0Tを含む3台が導入され、年間 11,500件の検査を行っている。Ingneia Prodiva 1.5T

(Prodiva 1.5T) は、他社製 1.5Tの更新として2017年4月に導入され、現在では、3.0Tでしかできなかったいくつかの検査を行うこともでき、全身領域において 臨床的に有用な画像を多く提供している。Prodiva 1.5Tには、Ingenia 3.0T にも搭載されているdSyncテクノ ロジーが搭載されており、高いSNRを 得ることができる。この技術により、 従来の 1.5T装置と比較して特に四肢 領域、頭頸部領域では優先的に使用 している。また、Ingenia 3.0Tと比較しても多くの領域で、それに匹敵する高精細な画像を安定して得られることから前装置よりも検査の適応が拡大し、Prodiva 1.5T と Ingenia 3.0T の使い分けは特に意識せず検査枠の空き

状況を見ながら振り分けることが可能となった (図 1)。

Prodiva 1.5Tを用いた検査の多様化Prodiva 1 .5Tで は、ほぼ 全 て のアプリケーションに対応できること も大きな特徴である。動きの影響を 抑えた撮影 (MultiVane XD)、脂肪 抑制効果が高い撮影 (mDIXON XD)、 歪みを抑制した撮影 (TSE-DWI)は アルゴリズムが改良され、安定した 画像を得ることが可能となった。これら 多くのアプリケーションを組み合わ せることにより、心臓、血管、腹部、四肢 関節など再スキャン回数を大幅に減らし 臨床的に有用な画像を提供することができている。

HealthcareIngenia Prodiva 1.5T

聖隷三方原病院 × Philips Ingenia Prodiva 1.5TIngenia Prodiva 1.5Tの多彩なシステムにより、臨床的可能性が広がる

聖隷三方原病院MRI検査室Ingenia Prodiva 1.5TCX

図 1. 3.0Tではほぼ全身領域に対応、既存 1.5Tでは頭部、脊椎が占める中、 Prodiva1.5Tでは3.0T同様の検査実績となっている。

高橋 護 先生 聖隷三方原病院 放射線科医長

胸部1% 胸部

1%

乳腺2%

乳腺1%頭頸部

1%

頭頸部2%

心臓5%

骨盤 13%

骨盤 8%

血管9%

腹部 18%

腹部 7%

脊椎 12% 脊椎

21%

脊椎 19%

頭部 30% 頭部

40%

頭部 75%四肢

関節 9%

四肢関節 14%

心臓1%血管

5%

その他5%

Ingenia 3.0T Prodiva 1.5T 既存 1.5T

聖隷三方原病院 × Ingenia Prodiva 1.5T2

“Compressed SENSE”דProdiva 1.5T”  

全 身 Body DWIで は、SNRが 高く 歪みが少ない画像が得られている。 また、コイルの軽量化により、セッティ ングも非常に簡便で、従来30分以上 かかっていた頭部から鼠径部までの全身body DWIが撮像時間8~9分、トータルの検査時間 18分程度で可能となり、大幅な時間短縮が図れている (図2)。水・脂肪分離画像が得られるアプリケーションであるmDIXON-XD TSEも臨床的に大きなメリットが得られており、 特に四肢軟部腫瘍の評価では有用な 情報が得られている。表在性軟部腫瘍 においては、従来のDixon法を用い ても水と脂肪の分離が正確に行われず、脂肪が残ってしまうケースもあったが、 mDIXON-XD TSEでは正確な水・ 脂肪分離と高SNR画像の取得が可能と なり、なくてはならないシーケンスの 一つとなっている (図3)。一般的にSNRの観点から3.0Tで優先的に撮像していたVISTA(3D高速スピンエコー法 )、4D PCA、pCASLなどにおいても3.0T同等の臨床活用が可能となり様々な検査に対し良好な画像が提供できている(図4)。

Compressed SENSEによる高速化パラレルイメージングが初めて導入された時は、SNRやアーチファクトとの関係 を見ながら、SENSE factorをギリ ギリのところまで追い込んで設定して いたが、Compressed SENSEでは、SENSEからさらに2倍の高速化でも、安定して画像劣化の少ない画像が得られるので驚いている。インパクトとしては、パラレルイメージングの導入時以上で、久しぶりに登場したMRI技術のブレークスルーだと感じている。現在、Compressed SENSEは全ての 撮影シーケンス (EPIやMultiVaneを除く)で利用しており、頭部ルーチン検査 では約6分の3D-MRAが半分の撮像 時間になり、頭部ルーチン検査全体と して約 16分を約 11分まで画質劣化なく 短縮できている(図5)。また、3D-MRCPにおいては、比較的時間が長かった呼吸 同期撮像が 1分程度にまで短縮可能で あり、さらには20秒程度まで短縮することにより呼吸停止下でも撮像可能と

なった (図6)。緊急検査にも高速化を 応用しており、脳救急プロトコールでは、従来の拡散強調画像とMRAのみの対応に対し、Compressed SENSEの併用により、十分な質のフルスタディー(拡散強調画像、T1WI, T2WI, FLAIR, T2*WI, MRA)を6分ほどで撮影できており積極的に活用している。Compressed SENSEは画質劣化を最小限に抑えた高速化が可能であり臨床的 メリットは大きいと感じている。また、Ingenia Prodiva 1.5CXの特徴である良好なワークフローとの組み合わせに より、30分掛かっていた患者の入室 から退出までの時間を20分以下まで 短縮できるようになり、更なる検査 スループット向上をもたらしている。今後、検査時間短縮に見合った予約枠の調整をしていく予定であり、検査数増加を見込んだ運用が期待できる。

T1WI water

STIR TSE

図4. 腰椎3D T2 VISTA(3D 高速SE法 )

T2W TSE T1W TSE DWI MPR DWI MIP DWI MIP

T2WI water

図3.足部mDIXON XD TSE一度の検査で、in phsase、out of phase、脂肪画像、水画像が得られる。脂肪抑制も非常に強く安定している。消え残りはほとんど経験していない。TSEであるので、コントラスト良好で、susceptibilityの影響も少ない。

図2.全身Body DWISNRが高く歪みが少ない画像が得られている。セッティングも従来30分以上かかっていた頭部から鼠径部までの全身body DWIが、撮像時間8~9分、トータルの検査時間 18分程度で可能。

使用コイルdS NVS head coil + dS NVS spine coil +, dS-Torso Cardiac coil X 2

T1WI in phase

T2WI in phase

3D-VISTA 元画像 Sagittal MPR Oblique Sagittal MPR

聖隷三方原病院 × Ingenia Prodiva 1.5T 3

“Compressed SENSE”דProdiva 1.5T”  

Compressed SENSEによる高画質化Compressed SENSEは撮影時間の 短縮だけでなく画質向上を目的とした 撮像も可能である。Single Shot TSE (T2WI) では、ややSNRが不足していると感じていたが、Compressed S E N S E の d e n o i s i n g の効果で 十分なSNRやコントラストが得られるようになった。体幹部の撮影では、 呼吸制御が困難な症例において、 加算回数を上げ自由呼吸下でモーション アーチファクトを低減させる方法(SMART Averaging)があるが、撮像時間の延長を伴っていた。この場合も C-SENSE factorを 10以上に設定 することで、 40秒程度で安定したモー ションアーチファクトの少ない画像を

得ることができる。四肢関節領域においては、高空間分解能化を実現している。空間分解能を上げると撮像時間延長とノイズ増加を伴うがC-SENSEの併用により撮像時間と高空間分解能のトレードオフを少なくし短時間でありながら3.0Tに匹敵するような画像が得られている (図7)。Compressed SENSEは、3D系 の シーケンスとの相性が非常に良好で ある。3D-TSEシーケンスは高空間 分解能画像が取得できるが比較的撮像時間が長く、ルーチン化する ことは難しい場合があった。しかし、Compressed SENSEの導入により、 従来と同等あるいはそれ以下の時間でさらに空間分解能の高い画像が取得できている。現在では骨盤部や骨軟部

領域にルーチンとして使用している。Compressed SENSEはほとんどのシーケンスにおいて検査を短時間で終了できるようになるが、高空間分解能化や今まで時間との関係で省略してきたシー ケンスの追加により多領域にわたり 質の高い検査が実現できている。

Compressed SENSE併用なし

Compressed SENSE併用あり

T2W TSE2min29sec

3D MRCP 48secC-SENSE 6.0

T2W TSE0.40×0.45 mm2min15sec, C-SENSE 1.5

T2W single shot1min12sec C-SENSE 2.8

PDW TSE0.40×0.45 mm1min40sec, C-SENSE2.0

T2W single shot1min24secC-SENSE 2.0

T2W TSE0.40×0.44 mm1min05sec,C-SENSE 2.5

T2W TSE 1min23sec

FLAIR2min56sec

FLAIR E1min52sec

T1W SE2min23sec

T1W SE2min23sec

DWI1min03sec

DWI1min03sec

T2*W FFE1min50sec

T2*W FFE E1min18sec

T1W SE 1min21sec

T1W SE 1min21sec

MRA0.65×0.85 mm 120slices6min11sec

MRA0.65×0.85 mm 120slices3min12sec

図5. Compressed SENSEを用いた頭部ルーチンMRICompressed SENSEにより頭部ルーチンの検査時間を約 18分から11分に短縮 可能であり、画質は診断上全く問題ないレベルである。

図6. Compressed SENSEを用いたMRCP約2分で撮像していた3D-MRCPをCompressed SENSEによって48秒まで短縮可能。

図7. Compressed SENSEを用いた膝関節ルーチンMRIそれぞれ0.40×0.45 mmの高空間分解能化が 1分~2分台で撮像可能。

販 売 名:全身用 MR 装置 Prodiva 1.5T医 療 機 器 認 証 番 号 :229ACBZX00001000 設置管理医療機器/特定保守管理医療機器管理医療機器

製造販売業者

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18968410718PDF01-FK Printed in Japan

新型コイルによるシンプルなワークフローと無駄のない設置環境新型コイルは、軽量化され,柔軟性にも富んでおり,患者の負担を大幅に軽減するだけでなく,検査を担当する診療放射線技師の業務効率向上につながって いる。Integrated neurovascular spine coil (テーブル一体型頭部脊椎 コイル ) とFlexible MSK-M/S coilは患者のポジショニングやセッティ ングが容易で、非常に満足している (図8)。また、複数のコイルを組み合わせた場合、Smart Select機能を用いる ことにより、最も信号ノイズ比が高く なるコイルエレメントを選択してくれる ので、オペレータ間によるばらつきの ない安定した画像を得ることが可能で ある。聖隷三方原病院は高齢患者も 多いため、軽量化されたコイルや患者 寝台の最低高 (47cm)により、負担を 軽減した検査を行えている(図9)。また、コンパクトな設置条件 (最小設置面積 25m2)により患者待合室 (35%増 )と操作室 (33%増 )を既存のスペース内で拡張することもできた。Prodiva 1.5Tは画質向上、検査スピード、ワークフローを兼ね揃えた装置と いえる。また、Compressed SENSE が完全対応になったことにより、さら なる有益な情報が得られると期待して いる。

図8.コイルセッティングのシミュレーション 頭部→肩関節→腰椎→肝臓検査を想定しコイル交換からセッティングをシミュレーション既存 1.5Tと比較しトータルで34%の時間短縮を図れた

図9. 検査満足度アンケート結果Prodiva導入後に患者に口頭でアンケートを実施 (回答者:60人 )寝台乗り降り:約 80% =「低く楽だった」検査の印象:約 90% =「圧迫感を感じない」「装置が小さく部屋が広い」*寝台が「少し高い」、外観で「圧迫感あり」と回答したのはいずれも身長が 150cm未満の方のみ

寝台の乗り降り 検査の印象

頭部1分42秒

1分20秒

既存 1.5T

Prodiva 1.5T 34%2分2秒 1分42秒 2分

肩関節2分53秒

腰椎2分25秒

肝臓3分37秒

やや高かった 7%問題ない

 14%

低く楽だった79%

圧迫感なし93%

圧迫感あり7%

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