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Post on 24-Mar-2020

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はじめに 近年,がん免疫療法の進歩が著しく,特に,抗programmed death 1(PD–1)/programmed death ligand 1(PD–L1)抗 体 や 抗cytotoxic T–lympho-cyte–associated antigen 4(CTLA–4)抗体薬などの免疫チェックポイント阻害剤が複数のがん腫において有効性を示している.悪性黒色腫(メラノーマ)および肺癌領域においては米国食品医薬局(FDA)からすでに複数の薬剤が承認されている.わが国においてもメラノーマに対して抗PD–1抗体のニボルマブ,抗CTLA–4抗体のイピリムマブが承認されている.また,2015年11月に非小細胞肺癌に対してニボルマブがわが国において承認された.さらに,腎癌において,ニボルマブがmTOR阻害剤のエベロリムスよりも生存延長効果を示し 1),わが国においても 2016年 8月に承認された.胃癌においても早期試験で有望な結果が報告された後,2017年のGastrointestinal Cancers Symposiumにおいてsalvage lineでのニボルマブの有用性を検証した第Ⅲ相試験(ONO–4538–12)の結果が報告された 2). さらに現在も複数の第Ⅲ相試験が進行中である.本稿では,胃癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の開発の現状と今後の方向性について概説する.

免疫チェックポイント分子とは がん細胞はその進展過程において,免疫系に排除されにくい免疫寛容を持った細胞が選択されることや,積極的に免疫応答を抑制する免疫抑制性細胞を集積させることで抗腫瘍免疫応答を抑制し,免疫防御機構を逃

れて最終的に大きな腫瘍を形成する 3).さらにがん局所の免疫抑制機構として,がん細胞自身や浸潤マクロファージなどが分泌するTGF–β,IL–10,IL–6,IL–8,VEGF,indoleamine 2,3–dioxygenase(IDO)な どの免疫抑制分子や,がん細胞,抗原提示細胞,T細胞上のPD–1,PD–L1/2,CTLA–4,LAG–3,TIM–3 などの免疫チェックポイント分子がある.これらの免疫抑制因子とがん局所に集積した免疫抑制性細胞(制御性T細胞[regulatory T cell:Treg],樹状細胞,骨髄由来免疫抑制細胞,M2 マクロファージ,好中球など)により,免疫抑制的ながん関連微小環境が構築されている. これらの免疫抑制機構を解除することにより抗腫瘍免疫応答が増強され,腫瘍が退縮することが期待される.近年,免疫抑制機構を標的とした治療で複数のがん腫において著しい臨床効果をもたらしたのが抗PD–1/PD–L1抗体,抗CTLA–4抗体に代表される免疫チェックポイント阻害剤である.1987年にT細胞上に発現する受容体であるCTLA–4分子,続いて 1992年に本庶らにより活性化リンパ球(T,B,NK細胞)上に発現する受容体であるPD–1分子が同定され,その後,これらがT細胞を抑制する方向に働く負の共刺激受容体であることが明らかになった.CTLA–4 は,T細胞に限局した発現パターンをとり,特にナイーブT細胞がリンパ組織で抗原刺激を受け活性化するプライミングフェーズで作用するのに対し,PD–1 は炎症を伴う末梢組織におけるエフェクターフェーズでのT細胞抑制と免疫寛容の維持を担う 4).さらに,動物モデルにおいてこれらの分子をブロックするとT細胞が活性化されて抗腫瘍効果を発揮す

免疫チェックポイント阻害剤③【胃癌】

Cancer-Immunological Topics 4

松本寛史 Hiroshi matsUmOtO

国立がん研究センター東病院消化管内科�

設樂紘平Kohei shitara

国立がん研究センター東病院消化管内科�医長

川添彬人Akihito kawazOe 国立がん研究センター東病院消化管内科�

( ) がん免疫療法 ─ Vol.1 No.2 2017–912856 SAMPLECopyright(c) Medical Review Co.,Ltd.

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