COP21でのNGOの主張と活動

2016.1.23平⽥仁⼦ Kimiko Hirata

NPO法⼈ 気候ネットワーク 理事khirata@kikonet.org

http://www.kikonet.org/twitter:kimihirata

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京都議定書第約束期間 京都議定書第２約束期間

2

新たな国際的枠組み「パリ協定」が合意

2015年12⽉パリ会議

京都議定書第２約束期間先進国排出削減義務

［EU・スイス・ノルウェー等]

「カンクン合意」の実施⾃主的な取り組み

［⽶・加・露・⽇／途上国]

京都議定書第１約束期間先進国に排出削減義務

現在実施中の枠組み

次期枠組み交渉

次期枠組み交渉ADP 批准・発効

「パリ協定」

About CAN – Largest NGO Network 

• More than 25 years history

• Over 900 organizations from over 100 countries

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CAN InternationalKiko Network

Domestic members

1. Kiko Network2. CASA (Citizens’ Alliance to Save the Atomosphere and the Earth)3. ISEP (Institute of Sustainable Energy Policies)4. WWF Japan5. Greenpeace Japan6. FoE Japan7. JACSES (Japan Center for a Sustainable Environment and Society)8. Oxfam Japan9. RAN (Rainforest Action Network) Japan10. CI Japan11. Office Ecologist12. 350.org13. Japan Renewable Energy Foundation

13 members

CAN Japan

5

6

7

8

CAN’s policy process

ECO : newsletter during sessions 

9会議場通信『Kiko』の発行会議場通信『eco』の発行

CAN InternationalのCOP21提言“Paris outcome should be a

springboard for the sustained and transformative change”

「パリ合意は、持続的で⼒強い変化への跳び台とならなければならない」

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パリ会議に向けた2014年からの盛り上がり

重要な「国際政治課題」に（国連気候サミット・G7・G20）

2014年9月24日、国連気候サミットNYを50万人近くの人が各国首脳に行動を訴えマーチ

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国際世論のうねり

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⽇本でもアースパレード

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世界の⼤都市が連携して⾏動（C40)

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「再⽣可能エネルギー100％」にコミットする世界の企業

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主要国⾸脳会議（G7サミット）ドイツのエルマウにて

2℃の気温⽬標 世界全体で2050年ま

でに40-70％の削減（2010年⽐）

世界経済の脱炭素化 低炭素経済へ向けたエ

ネルギー部⾨の改⾰

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19

・市⺠は⾏動している・⾏動を求めている

・⾃治体・国・企業も動き出した

・しかし、現在の⾏動では、⾜りない！

・パリ会議は、 既に約束された⾏動を確実に実施させ、 まだ取り組まれていない取組みに着⼿させ、 ⾏動をさらに加速させ、拡⼤させる

ためのものでなければならない。

COP21に⾄るまでの国際NGOの認識

近年の具体的主張は、“化⽯燃料ゼロ”

“100％再⽣可能エネルギー”

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CANのCOP21への提案法的枠組み 国際的な、法的拘束⼒ある合意とCOP決定のパッ

ケージ合意を⼈権 横断的な合意に⼈権規定を

NGO参加 市⺠参加、情報へのアクセス、教育等の独⽴した規定を

SDG パリ合意は、SDGの達成に貢献するものに公平性と

動的な差異化全ての国が、責任と能⼒に応じた義務を負い、パリ

合意のそれぞれの要素で差異化を図ることパリ野⼼

メカニズム5年毎の⾏動の引き上げを⾏い、緩和・適応・資⾦を連動させた「パリ野⼼メカニズム」を設⽴すること。

2020年前の⾏動の約束

排出ギャップを埋めるために、各国の⾏動を引き上げための⾏動をすることを約束

⻑期削減⽬標と国家脱炭素化計画

2050年まで化⽯燃料全廃と再エネ100％各国の脱炭素化計画の策定

2020年以降の排出削減⽬標

現⾏の排出ギャップと1.5℃の気温⽬標の認識全ての国が⾏動、途上国は⽀援による追加⾏動も

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21

CANのCOP21への提案（続き）適応 適応の国際⽬標の設定、

全ての国による適応⾏動の実施損失と被害 独⽴した規定を設け、

更に強化するための制度的アレンジメント資⾦ 先進国は2020年まで公的資⾦の毎年の増額を約束し、

5年毎にCMAが資⾦⽬標を引き上げる技術移転 技術⽬標の設定と⽀援透明性 意欲的な透明性の枠組みを作ること

パリ野⼼メカニズム

5年毎の⾏動の引き上げを⾏い、緩和・適応・資⾦を連動させた「パリ野⼼メカニズム」を設⽴すること。

国際航空・海運燃料

排出ギャップを埋めるために、各国の⾏動を引き上げための⾏動をすることを約束

吸収源等の算定ルール

⼟地ベースの排出算定ルールを決定すること

森林減少等 パリ合意に含めること農業 ⾷糧安全保障について認識すること

定期レビュー 2018年にはじめ、2020年に終えること

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△

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多国間協議の成功・市⺠社会の成功「平和的⾰命」

COP21の評価①：歴史的合意の成⽴

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COP21の評価

明確な⻑期⽬標の設定

「化⽯燃料時代の終焉」

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1.5〜２℃／排出ゼロへ向かう⻑期⽬標

化⽯燃料資源

⽯油 ガス ⽯炭

2度⽬標

“「2℃⽬標」のため、化⽯燃料の⼤半(7割以上）は地中に⽌めておかないといけない”

エネルギーの作り⽅・使い⽅の⼤転換が不可避

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KEEP IT IN THE GROUND“地中に埋めておけ“

＝化⽯燃料の利⽤はやめよう

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G7サミット@2015でのOxfamのアクションの

メインメッセージは「⽯炭」だった

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持続的なシステム 2020年までに2030年⽬標決定 2025年までに2035年⽬標決定 …と5年ごと 2018・2023・2028年と5年毎に国際的な評価の機会 ⾏動の後退は許されず、常に引き上げ

包括的なシステム

COP21の評価②持続的・包括的な⾏動強化システム

緩和 適応

資金技術移転 能力構築

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「国別約束」NDC 内容は、各国が決定 先進国は総量削減⽬標を設定 数値⽬標は義務付けではなく、政策措置実施が義務 2030年の世界の排出削減⽔準の⽬安は40Gt（現⾏の

INDCでは、55Gtになってしまう） 森林吸収・市場メカニズム利⽤可能 全体の影響は国際的に評価されるが、評価の結果を反

映することは各国が検討

40Gtまでに排出抑制するための各国の分担には踏み込んでいない。意欲のない国にどう⾏動を促すのかが重要になってくる。

COP21の評価③各国・各主体の「実施」に⼤きな責任

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法の⽬的として、パリ協定に定める世界全体の1.5〜2℃未満の気温⽬標と、中⻑期排出削減ビジョンの明記

⽇本の中・⻑期⽬標（2050年80％削減、21世紀下半期に⼈為的排出・吸収を均衡を明記

パリ協定の5年毎の定期的な提出にあわせ、削減⽬標の引き上げと政策措置の策定（2030年⽬標の正式提出、それ以降5年毎の⽬標引き上げ）

気候政策とエネルギー政策を統合し、排出削減対策、再⽣可能エネルギー拡⼤計画の策定と更新

「適応計画」を法定計画とし、更新する仕組み

パリ協定の規定に準じた最新の科学的な知⾒の反映と、市⺠参加と第三者レビュー

⽇本に求められる対応①パリ協定に準じた法整備

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⻑期エネルギー需給⾒通し「エネルギー・ミックス」では、2030年に「化⽯燃料56％」

⽇本に求められる対応②エネルギー部⾨の⼤転換省エネ＋ 原⼦⼒・化⽯燃料ゼロ・再エネ100％へ

⽇本に求められる対応③⽯炭⽕⼒発電計画の中⽌⽯炭⽕⼒発電所の設備容量

運転開始年別の既存発電所と新規計画

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既存発電所 94基4180万kW

新規計画 47基2250万kW

（万kW）

0.0

500.0

1,000.0

1,500.0

2,000.0

2,500.0

設備容量（運転中） 設備容量（計画中）

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⾼まる⽯炭利⽤へのプレッシャーボンADP2-11会議

E3Gの記者会⾒⽯炭政策のスコアカード

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国内の⽯炭⽕⼒のトレンド⽇本1カ国のみが

⼤幅な新規増設を計画

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⽯炭⽕⼒を⾒る視点：CO2⾼効率＋⼤規模化で、⼤量のCO2を排出

（情報が⾮公開なため、気候ネットワークで独⾃に分析）

レポート『石炭火力発電所のデータ分析結果～ 実態把握と規制の必要性 ～』

⽯炭⽕⼒を⾒る視点：⼤気汚染データ⾮公表なため「クリーン」という証明はできない

⼤きな値でSOｘ・NOｘを排出する発電所も…

レポート『石炭火力発電所のデータ分析結果～ 実態把握と規制の必要性 ～』

Coal emissions are harmful to human health

SO2 and NOx from power plants oxidize in the atmosphere to form particulate matter (PM). NOx can also increase ozone concentrations. Both PM and ozone lead to premature mortality in people.

SO2

NOx

Fine particulate matter (PM2.5)

Ozone (O3)Image sources: cliparts.co; www.envpl.ipb.ac.rs; JupiterimagesCorporation; www.intechopen.com/source/html/42164/media/image4.png

Respiratory and cardiovascular disease

Source: Shannon Koplitz1, Daniel Jacob1, Lauri Myllyvirta2, Melissa Sulprizio1

1Harvard University, 2Greenpeace International

We estimate 16,000 deaths annually from current coal

Including a 10% population increase by 2030 in both Indonesia and Vietnam, we estimate 43,000 deaths annually by 2030 if all projected plants become operational.

Excess Deaths Per Year

2011:14,860 PM1,530 ozone16,390 total

2030 increase: 24,160 PM2,390 ozone26,550 total

= 42,940excess deathsper year

Source: Shannon Koplitz1, Daniel Jacob1, Lauri Myllyvirta2, Melissa Sulprizio1

1Harvard University, 2Greenpeace International

40

• ⻄沖の⼭発電所（仮称）⼭⼝県宇部市 120万ｋＷ理由１） 国の⽬標との整合しない（⽯炭２６％と整合しない）理由２） 事業者の枠組みが構築されていない

• その後の2件の評価⼿続きでも同様に「容認できない」

• 武豊⽕⼒発電所（愛知県知多郡）１０７万ｋＷ• 千葉袖ヶ浦発電所（千葉県袖ヶ浦市）（２００万ｋＷ）

6⽉12⽇以降のアセス⼿続きでの変化環境⼤⾂「容認できない」環境アセスの配慮書に対する意⾒

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2020

…

2030

2040

2050

…

温室効果ガス排出量の推移（1990-2013年度（速報値））

NF3

SF6

PFCs

HFCs

N2O

CH4

CO2

京都議定書第1約束期間6％削減

政府目標2050年80％削減

英国大臣の要請2030年40％削減（05年比）

今回発表の目標案2030年26％削減（13年比）

民主党25％削減（90年比）

麻生目標（08年）15％削減（05年比）

安倍目標（08年）3.8％削減（05年比）

地球温暖化防止行動計画0％（90年比）

⽇本に求められる対応④2030年GHG「26％削減⽬標」の引き上げ

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世界からの⽬⽇本の⽬標の低さ・⾏動の遅れへの指摘

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Climate Action Trackerの評価“Inadequate”

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• 世界の潮流：低炭素への動きに後れ〜世界から⽇本への関⼼の低下：「化⽯賞」初めてゼロ

• 国際的議論を国内で封じ・歪曲化〜「建設的に貢献」「意欲的」「2℃」への疑問

• 政策議論の停滞（法整備・低／脱炭素化・脱原発）

• 市⺠・世論／政治の関⼼

5⽉の伊勢志摩サミットはどうなるか？参院選はどうなるか？

⽇本の課題

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世界の様々な機関・組織は、化⽯燃料への投資から撤退へ

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そして、そのお⾦は再⽣可能エネルギーへなぜ⽇本は、未来への転換が始められないのでしょう？

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